東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
by白咲楼夢
「はぁっ……」
楼夢は現在現実逃避したい気分であった。
それも仕方のないことである。
水面に映る美女の正体が自分自身だった気分など、男であった彼にとっては簡単に受け入れられないものであった。
「神様……。俺なんか悪いことしたっけ?……いや、よく考えれば悪いことめっちゃしてないか、俺?」
考えれば日常生活で銃弾を撃たれて死んだような人間である。そんな彼が犯した行為など、いくらでもある。
まあいいと、取り敢えず新たな人生を得た事に今は感謝した。
「取り敢えず現状整理っと」
今の楼夢の姿は腰まである桃色の髪と瑠璃色の瞳、さらに顔は美形である。
ちなみに気づいてはいないが楼夢は元々美形だ。そう歩くたびにナンパされる程に。
なので現代では「命懸けてぇぇぇ!」髪を短髪にしていた。最も彼の水準でいえば、であったが。
そして現在の彼の姿は
髪長い+桃色の髪+狐耳+瑠璃色の瞳+美形+何故か脇が無い巫女服=
「女じゃねーか!おのれ謀ったな公明ぇぇぇ!!」
八つ当たりで近くの木を蹴る。すると、木が根本から見事にへし折れた。
「へっ?……ナァニコレ?」
あらやだ俺はいつから筋肉がこんなに多くなったのだろうと思い、腕を凝視する。
するとそこには転生前よりも細くなった美しい腕があった。
ちなみに何度もいうが楼夢は男だ。そこについてはちゃんと確認してある。
本日何回目になるか分からないため息を吐く。
「取り敢えず座ろう」
そう言えば気になった事がある。
楼夢には狐耳がある。
だったら尻尾もあるのではないか?だとしたら嬉しい。なぜなら楼夢は狐が大好きだからである。
だから期待して後ろを振り向く。すると
「シャアアーッ!!」
「ギャァァァァッ!?マジふざけんな!」
そこには蛇のような尻尾があった。なるほど。この世界では全てが俺の都合が悪い様に出来ているみたいだ。畜生め。
「ハァァ……」
楼夢はまた落ち込む。
狐の尻尾なら分かるけどなんで蛇の尻尾なんだ?
あれか?うちの家で祭っている神様が蛇だからか?
だとしたらとんだ迷惑だ。軽く傷つくよ。
...取り敢えず走ろう。
何故か最終的に、その結論に至った。
そう言えばなんか体が軽いような気がする。もしかしてと思い、楼夢は地を蹴り走り出した。
次の瞬間。楼夢は人間では出せないような速度で走っている事に気がつく。
「うわ、速い」
そう思いながら楼夢は走る。フフフ、なんだか楽しくなってきた。
「全☆速☆前☆進だ!!!」
そう叫びながら楼夢は何処かに走り去った。
私の名は
現在私は此処に生えている薬草を取るため森に来ている。
「はぁ……。たまには面白い事が無いかしら」
そう言いながら私は奥に進む。
まあ私に暇なんて無い。
ただでさえ人妖で争っているのに私に暇が出来たらそれは奇跡だ。
「まあ私に暇なんて要らないかな」
そう言いながら私は歌を歌いだす。
ある~ひ、森の中~、くまさんに~
「出会った」
しまった。
何私は自分でフラグ建てて自分で回収しているのだろう。
そう思いながら私は弓を取り出す。しかしここで新たな問題が発生した。
「…...矢が…...無い」
そう呟いた瞬間。私は熊の様な妖怪の爪で足を切られた。
「キャアアア!!」
一撃は足だけですんだお陰で私は辛うじて生きている。しかし二撃目が来る。
「(....体が....動かない)」
私は一撃目を足に受けたせいで立てないでいた。
「.......もう.......駄目」
私は目を閉じた。
熊の無慈悲な一撃が私の体に突き刺さろうとした瞬間。
ザシュ
私は目を開きそこで見た光景に驚いた。そこには
「アンタ、大丈夫か?」
桃色の髪をした妖怪が私を守っている光景が広がっていた。
2話目更新!!!
では皆さん次回も見てね。