東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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白塗の台本は再び黒で描かれる


by白咲狂夢


戦後の桃色蛇狐

 

 

楼夢side

 

 

「────んで、気絶して此処に来た、と?」

 

「いやー、まさか戦後すぐに精神世界に来るとはな」

 

「一応この世界の名は“混沌の世界“なんだけどな」

 

「混沌の世界?どうしてまた中二病丸出しの名前なんだ?」

 

「うっさい。元々この世界は他の様々な世界の狭間にあるんだ。んで、俺がその世界とお前をリンクさせたんだ。お陰でお前の精神世界の面積は通常の一千倍になったわけだ。まあ、要するに俺の暇潰しの為に繋げたに過ぎねェ。まあ、希にそのせいでこの世界に迷い込む奴がいるけどな」

 

「何気に凄い事してんな........まあ、お邪魔するぜ」

 

「一々面倒臭ェヤローだ........まあ、座れ。紅茶ぐらいは入れてやる」

 

 

現在俺は狂夢の家ーー混沌の世界にいる。まあ、無意識に来れた理由は戦闘後に気絶したからだろう。........あ、紅茶美味ェ........

 

 

「んで、俺になんの用だ?言っとくが俺に関係ないことには手を貸さないぜ」

 

「いや、今日はお前に礼を言いに来ただけだ」

 

「........勘違いすんじゃねェぞ。俺は俺の為に動いただけだ」

 

 

そう言うと狂夢はズズッと紅茶を飲む。そして再び話を戻した。

 

 

「それにしてもやるねェ。まさか彼女の呪いをーーーー」

 

 

 

 

ーーーー自分の身体に封印するなんてな

 

 

 

「........」

 

 

俺はしばらく無言だったが、観念して椅子に更に腰を掛ける。

 

 

「あれ程の呪いを封印したとしても、もって二年が限界だ。あれを半永久的に封印するには俺の身体に封印した方が効率が良い」

 

「........成程、ねェ........」

 

 

狂夢はしばらく考えるような素振りを見せる。そして、再び口を開いた。

 

 

「なあ、楼夢。ヒトの為に尽くすお前と己の為に尽くす俺の違いってなんだと思う」

 

「........さあな。俺にはそんな偉そうな事は分からねえ。でも俺は手を伸ばせば届く距離にいるヒトを救いてえ。これだけの力があるのにビビってポケットに手を突っ込んでたら........格好悪ィだろ?」

 

 

俺がそう言い切ると身体が桃色に発光しだす。........そろそろお暇させてもらおう。

 

 

「そうか........だが忘れるな。俺達の旅の目的はーーーー」

 

 

 

 

 

ーーーー鬼城剛を倒すことだ。

 

 

 

「........分かってるよ。このまま食い下がってたら“白塗“の恥さらしだからな」

 

 

楼夢が言い切ると同時に楼夢の身体は完璧に消える。そして狂夢は再び余った紅茶を一気に飲み干した。

 

 

「はぁ........多分アイツは覚えてねえだろうな。俺達の関係を。自分の本当の名も。()()()()のことも。全く、手間の掛かる弟だぜ。なあーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー神楽(カグラ)よ........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「───んで、どうしてこうなった?」

 

 

おっす。現在俺は混沌の世界から帰ってきたところだ。どうやら洩矢神社に寝かされたようだ。

最後に狂夢がなんか言ってた気がするが問題はそこじゃない。問題は───

 

 

「へへへ、楼夢さ~ん」

 

 

早奈が俺の身体に抱き着いて寝てるということだ。しかも寝言でも俺の名読んでるし........一体なんの夢を見てるんだ!?

 

と、取り敢えず起こそう。俺は早奈の頭をポンポンと叩き、優しく起こす。

 

 

「ふぁ~あ........あれ、どうして楼夢さんが?もしかして真夜中こっそり襲おうとしたんですね?」

 

「いい加減目ェ覚ませやゴラァ。此処は俺の部屋だ」

 

「........へっ!?」

 

 

早奈はすぐさま周りを見る。そして、気付いた時にはその顔は真っ赤に染まっていた。

 

 

「も、申し訳ございませんでしたァァァァ!!」

 

「いや、大丈夫だって」

 

「だってだって........私のせいで楼夢さんが傷ついたと知って........せめて看病だけはしようと........でもまさか寝てしまうなんて........!?」

 

「だから問題ないって」

 

 

「ヒック、グスン........ふえーーーん!!」

 

「いやだから泣くなって........ああもう!」

 

 

俺は泣き始めた早奈の頭を撫でる。すると、早奈がだんだん泣き止み始めた。

 

 

「あのー、楼夢さん」

 

「ん、なんだ?」

 

「そのー宜しければそのまま撫で続けてください。........出来れば抱き締めてくれると嬉しいです~」

 

「........はぁ........しょうがねえな」

 

 

俺は要望通り早奈の身体を包むように抱き締める。すると、早奈の顔が先程よりも赤く染まった。

 

 

「なっ!?」

 

「なんだ?やっぱり放した方が良いか?」

 

「いや、そ........そのままで!」

 

「分かった」

 

 

俺は再び早奈の頭を撫で始める。早奈の髪はさらさらしててシャンプーのようないい匂いがする。恐らくこれは天然なのだろう。この時代にシャンプーなんてある筈ないしな。

 

 

「(楼夢さんの髪........桜の花みたいな匂いがする........。なんか、身体が熱くなって来た........)」

 

 

早奈自身は気付いてないが、彼女の顔は先程よりもだらけて、口はまるで犬のように舌を垂らしてハッ、ハッと言っている。処遇、アヘ顔と言うやつだ。勿論楼夢はこの事には気付いているが、何故そうなっているのかを理解していない。

........っと、そこへーーーー

 

 

 

「楼夢、目を覚ま........したの?........」

 

「どうした、諏訪........子........」

 

 

バッドタイミングでの諏訪子と神奈子の登場である。二人はしばらく動けないでいた。なぜなら、そこには今迄見たこともないようなだらしないアヘ顔で発情している巫女と、それを抱き締めて撫で続ける友人がいたからだ。此処までくれば常人から見て二人が何をしたと思うか想像がつくだろう。

 

 

「「この、変態がァァ!!!」」

 

 

二人は同時にありったけの神力で造った弾幕を楼夢に放つ。勿論楼夢は早奈を撫でるのに集中していた為避けることは出来ず........

 

 

「どうしてこうなったァァァァァ!!!」

 

 

 

ピチューん

 

 

今日も洩矢神社は平和である。

 






~~今日の狂夢『様』~~


「皆さん、こんにちワン。中間テストまで残り三日なのにまだ勉強すらしていない作者です」

「勉強しやがれゴミクズ。どーも、諏訪大戦についての本を今日完成させた狂夢だ」


「そう言えば、楼夢さんと狂夢さんの違いって何ですか?」

「俺と楼夢の?うむー、楼夢はスピード、テクニック、戦略に優れていて、俺は主に力、知能、発想力に優れている感じだな。他は性格が悪いか良いかだな」

「意外にアンタ楼夢さんより頭が良いんだ。そして全て正反対ですね」

「俺が頭良くなければ今迄の発明品は作れねえよ。まあ、正反対なのはそういう設定だからな」

「メタイわ!!まあ、今日はここまで、次回もーーーー」


「「キュルっと身に来てね(来いよ)」」

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