東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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ーー別れが来る

ーー降り注ぐ雪と共に

ーー掌に落ちた雪は溶けて消え去る

ーーそれは私の未来を表すのか

ーーどっちでもいい、ただ前を向こう

ーーいずれ別れたとしても

ーー時には後ろを振り返ることもあるだろう

ーーそれでいい

ーーただ、信じたい


ーーまた会える日を........


by白咲楼夢




別れのメロディ

 

 

楼夢side

 

 

時間が過ぎるのは早いものである。

守矢神社の境内では、既に雪が一面に積もっていて美しい銀世界を生み出している。

 

 

ーーそう、来てしまったのだ

 

 

「........寂しくなるね」

 

「また何時か来るが良い。客人としてもてなすぞ」

 

 

ーー約束の一年後。旅立ちの日が

 

 

「永遠の別れじゃないからまた何時か会えると思うぞ」

 

 

ーー来てしまったのだ........

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「それにしてもなんで寒い冬に旅立とうと思ったの?」

 

「いや、別れのムードって奴が出ると思って」

 

 

そう言いながら俺はけらけらと笑う。

諏訪子はそれに呆れていた。

 

 

「ほら、早奈ももう泣き止みな」

 

「うぅ、グスン」

 

「はぁ~、しょうがねえな」

 

 

俺は早奈の頭を撫でる。すると早奈は徐々に落ち着きを取り戻して来たようだ。

 

 

「ああ、そうだ。早奈にあげる物があったな」

 

 

俺はそのことを思い出し、服の袖から“舞姫“と同じくらいの長さの長刀を取り出した。

 

 

「前々から思ったんだがその服の袖はどうなってるんだ?」

 

 

神奈子が不思議そうな目で服の袖を見る。

 

 

「ふふん、実はこの袖は四次元ポケットになってるのだ!」

 

「よじげんぽけっととやらのことは分からないがそれが別空間から物を取り出すことが出来るのは分かった。ではお前の腕はどこから出ているんだ?」

 

「ああ、これか?まあ説明してやる」

 

 

この服の袖は四次元ポケットになっている。それは事実だ。実際は混沌の世界に繋がっているがそこは気にしない。

 

では俺の腕は異空間から出てるのか?否、それは違う。

ご親切にこの四次元ポケットは外側から内側へ入った時しか機能しないのだ。

分かりやすく説明すると、服の中を内側、外を外側とする。

袖に腕を通す時は必ず服の内側から外側へ通すことになる。この時腕は内側から外側を通ったので四次元ポケットは機能しない。

だが、先程のように袖の外側から内側を通った場合四次元ポケットが機能するのだ。

 

蛇足だがこの巫女服を作ったのは狂夢だ。まあこれのおかげで色々と助かっているのは事実だが。

 

 

「取り敢えず色々凄いことが分かった」

 

「分かってねえだろ絶対。ほらよっと」

 

 

俺は早奈に取り出した長刀を渡す。

早奈はそれを受け取るとゆっくりと刀身を鞘から抜いた。

 

 

「........綺麗........」

 

「実は旅に出ると決めた時に秘密で創ったんだ。まあ、気に入ってもらえて何よりだ」

 

 

俺はそう言うと早奈に微笑んだ。

 

今回俺が渡した刀は今までにないくらいの自信作だ。

刀身は透き通ったような色をしており、不思議な光で包まれていた。

取り敢えずこれさえあれば中級の妖怪くらいどうにかなる。まあ、護身用のような物だ。

 

 

「酷いねえ、私達にも何か無いのかい?」

 

「お前らとはまた会えるだろ。早奈にはもう会えないかもしれないからな」

 

「........ッ!」

 

 

俺が寂しげな顔をしていると、その言葉に反応したのか早奈の顔付きが変わった。

その顔は今にも泣き出しそうな悲しい表情だった。

 

 

「........じゃあそろそろ「待ってください!!」

 

 

俺が立ち去ろうとすると、早奈が大きな声で俺を引き止めた。その顔は何か覚悟を決めた表情だった。

 

 

「楼夢さん。私は........私は........貴方のことが好ーーーー」

 

 

早奈がそれをいい終えるより先に、楼夢は早奈に抱き着いてその言葉を遮った。

 

 

「その言葉だけは言っちゃ駄目だ........」

 

「........えっ?」

 

「いくら仲が良かろうが所詮俺は妖怪お前は人間。それ以上のことを言ってしまえばお前はもう戻れなくなる」

 

「そん、な........」

 

「........ごめんな」

 

 

俺は早奈の頭を撫でながらそう謝罪する。だが、仕方が無いのだ........

 

 

「........じゃあ、そろそろ行くぜ」

 

「早奈のことは任せな。こう見えて彼女は私の子だからね」

 

「こちらこそすまんない........元気でな」

 

「........ああ」

 

 

俺はその言葉を最後に神社の階段を下り始める。

 

 

ーーこれで良かったのだ

 

 

超えてはいけない一線を超えればそれは害となって彼女を襲う。それだけは許されない。

 

 

ーー........ただ、........

 

 

なんだろうこの気持ちは?まるで今の自分が化け物に見える。

 

俺は自分の右腕を見る。

今の自分は妖怪だ。

それはつまり人間と接しすぎてはいけない証拠。もしメリー達が生きていても自分はもう接することは出来ないのだ。

 

 

 

 

ーー嗚呼、もし人と妖が共存出来たら........

 

 

ふと、そんな考えが頭に過ぎった。

 

 

 

 

ーーだからこそ聞こえなかった。少女の最後の言葉を

 

 

 

 

 

「........諦めませんよ........」

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

狂夢side

 

 

「ふい~、終わった」

 

 

とある世界にいる少年がそんなことを呟いた。

 

 

ーー此処は混沌の世界。楼夢の精神世界に当たる所であり狂夢の根城でもある。

 

 

「これで諏訪大戦の歴史は終わりだ」

 

 

俺はそう呟くと自分の目の前にある棚に先程書き終えた諏訪大戦についての本をしまう。

 

 

ーー此処は時狭間の部屋。様々な本が保管されている場所である。

 

 

「ったく、楼夢の野郎も戦い終わったら今度は刀を創れって........たまには休ませろってんだよ」

 

 

そう愚痴を吐きながら少年はとある棚の前に来ると、探している本を探し始める。

 

 

「お、あったこれだ。たまにはチェックしないとな」

 

 

狂夢が取った本は、他のとは違い大妖怪でも最高神でも解くことが出来ない程強力な結界が貼られてあった。

 

狂夢はその本を持ったまま、時狭間の部屋から出て、その扉を閉めた。

 

本のタイトル。そこにはーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー『白咲楼夢』と刻まれていた。

 

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~


「期末テスト残り一週間とちょっと!しかも今週に仏検と言う邪魔者が!テスト勉強出来ないよパトラッシュ。どーも、作者です」

「てめぇはテスト勉強してやがれゴミクズが!!狂夢だ」

「とは言っても最近小説投稿ペースが落ちる一方なんですよ。一話だけでも投稿しとかないと」

「じゃあなんで俺ん家でゆっくりしてんだよ!!作者だからって週一のペースで人の家に来てんじゃねえ!!」

「はいはい、帰ればいいんでしょ」

「ああ、さっさと失せろ」

「酷い!もういいお家帰る!!」

「という訳で次回もキュルッと見に来いよ!後、コメント&お気に入り登録よろしくな!コラボなども募集中だぜ」

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