東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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空を飛んで雲を裂き、辿り着くは風の山

黒い翼を幅かせて、森を超えゆく

天まで届け、我等が翼


by天魔


天魔VS楼夢!!桃色の神風

 

 

楼夢side

 

 

「........まためんどいの来たもんだ」

 

「この山に侵入して来たのはお前だろ」

 

 

そう言うとその女性は俺を睨み付ける。

鴉天狗に似ているが雰囲気からして彼女はこの山の頭領に当たるのだろう。

容姿は黒くて長い髪と豪華な着物が特徴的な女性だ。

右手には文の扇と似ているがそれより一回り大きい扇を持っている。

 

 

「天魔........様........ッ」

 

「ふむ........文も随分やられたな。........のうお主、ここまでしといてーーーー」

 

 

 

ーーーー無料(ただ)で帰れると思うなよ!!

 

 

天魔と呼ばれた女性はそう言うと殺気を剥き出しにして扇に妖力を込めて襲いかかる。

 

天魔は妖力を込めた扇を俺に振り下ろす。

俺は急いで『人間状態』になると、刀を抜刀しそれを防ぐ。

 

 

「まずは自己紹介からじゃねえか?なあ天狗!?」

 

「良かろう。私の名は天魔。この『妖怪の山』を管理している天狗の長だ」

 

「白咲楼夢。桃色の蛇狐だッ!」

 

 

俺は一旦バックステップをして下がると刀を構える。

 

 

「響け、『舞姫』!!」

 

 

俺は舞姫を解放すると同時に桜の花弁の形をした小弾を大量に放つ。

 

天魔は扇で風を起こしてかき消すが量が多い為全て消せずにいた。

 

 

「邪魔だッ!『暴風撃(ぼうふうげき)』!!」

 

「ほう、これまた強烈な........ッ!?」

 

 

天魔が叫ぶと、辺りに暴風が発生し弾幕を俺ごと吹き飛ばした。

 

 

「うわっ、ととッ!?」

 

「隙あり!!」

 

 

今度は天魔が空中に放り出された俺に向かって風の弾幕を繰り出した。

 

俺は舞姫で迫り来る全ての弾幕を切り裂き、反撃をする。

 

 

「“大狐火“!!」

 

 

俺は巨大な狐火を作り出した後、それを天魔に向けて放つ。

 

天魔はそれを扇で切り裂く事で真空の斬撃を飛ばし、それを防ぐ。

 

 

次に俺と天魔は空中を高速で移動し、自分の武器と相手の武器をぶつけ合う。

 

 

「く、チィッ!?」

 

 

だが相手は天狗のトップである天魔。対する俺は最強クラスといい元々は妖狐の身。空中戦でのスピードは相手の方が一枚上手だ。

 

さらに楼夢は地面に足を付けていない為腰の入った斬撃を繰り出す事が出来ないのだ。

 

 

「(ちィッ!足場さえあれば........。待てよ、足場…だと…?)」

 

 

楼夢は暫く空中で立ち止まり、思考を働かせる。

だがその間に天魔が恐ろしい速度で扇を構えていた。

 

 

「遂に諦めたかッ!?」

 

「そう見えるんだったらテメエの目は節穴だ」

 

 

楼夢がそう言った直後、天魔の脇腹が切り裂かれ、赤い血が吹き出る。

 

 

「ガ....ハァ........ッ!?」

 

 

天魔は目にも止まらない速度で楼夢から離れるがそれを超える速度で楼夢は天魔を追い、神速の剣術を繰り出す。

 

 

「何故じゃッ!?どうしてお主は私を超える速度で飛ぶ事が出来る!?」

 

「確かに俺の空を飛ぶ速度はテメエより遅い。だが俺の能力【形を操る程度の能力】で空気の形を固めて足場を作れば、話は別だ!結論から言おう!俺は空を飛ぶより走った方が速いッ!!」

 

 

楼夢が叫んだ後、舞姫が青白い光を纏い始めた。

 

 

「喰らえッ!霊刃“森羅万象刃ッ!!“」

 

「ウォォッ!!」

 

 

天魔は間一髪でそれを避けるがその先に2本の光り輝く剣が精製されていた。

 

 

「星十字“スターライトクロス“」

 

 

2本の剣は天魔の翼に突き刺さり天魔を拘束する。

 

 

「もう一発!“亜空切断ッ!!“」

 

「ク、クソォォォォッ!!」

 

 

 

 

ーー楼夢の斬撃は空間を切り裂き、凄まじい大爆発と衝撃波が天魔を呑み込んだ。

 

 

「........殺り過ぎたな。取り敢えず逃げようそうしよう」

 

 

俺は舞姫を鞘に収め速やかに此処を離脱する。

 

 

「とその前に........よいしょっとッ!」

 

 

俺は先程の衝撃波で気絶している文と天魔を背中に担ぎ、走り出す。目指すは天魔の家!レッツゴー!!

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「ーーーーという事で現在天魔の家で天魔達を寝かせてます。チェケラ♪」

 

 

ちなみにどうやって家もとい屋敷に入ったかというと、正面からは犬ころがわんさかいるので三階の窓から侵入(入り)ました。バレなきゃ犯罪じゃないんですよ♪

 

 

「う、うーん........」

 

「やっと起きたか」

 

「貴様は........ッ!?」

 

「落ち着けって。傷口に響くぞ」

 

「........此処は............?」

 

「寝惚けたか?お前ん家だよ」

 

 

そう言い俺は能力で精製した水を差し出す。彼女は自分が何故此処にいるのか分からないようだった。

 

 

「一つ聞く。お主は何故止めを刺さずあまつさえ私を助けた?何が目的だ?」

 

「目的ねェ....。強いて言うならこの山を通る事かな」

 

「本当にそれだけか?」

 

「うん、それだけ」

 

「........ククク、アッハハハハッ!!」

 

 

天魔は俺の返事を聞くと突然大声で笑い出した。暫くすると笑い止んだ天魔が答えた。

 

 

「この山をそんな理由で入って来たのはお主が初めてじゃよ」

 

「ったく、そんな理由で笑うんだったら看病してやんねえぞ」

 

「要らぬ心配じゃよ。それより私と少し呑んでかないか?」

 

「おっとそれじゃあ遠慮なく」

 

 

そう言い注がれた酒を一口呑む。かなり美味いがやはり“奈落落とし“の方が美味いな。

 

暫く天魔と呑んでいると、文が目を覚ました。どうやら目の前の出来事を理解出来ていないようだった。

 

 

「........天魔様。そいつが誰かご存知で?」

 

「ああ、今回の件の侵入者じゃろ?」

 

「じゃあなんでその侵入者と楽しく飲んでいるんですか!?おかしいでしょ普通!?」

 

「まあまあ、楼夢も悪気がある訳ではないのだし........」

 

「はぁ........。もういいですよ」

 

「という訳で文もどうじゃ?ちなみに拒否権は無いからな」

 

 

 

ーーという訳で俺は二人が飲み過ぎてぶっ倒れるまで飲み明かしたとさ。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

「んで、調子はどうだ?」

 

「あんたの薬のお陰でだいぶ楽になったけどやっぱり気持ち悪いわ」

 

 

早朝、俺と文は妖怪の山を下っていた。

 

結局あの後俺は天魔ん家に泊まり一夜を過ごした。本人に許可は取ってなかったが怒ってなかったので良しとしよう。

 

それで出て行く時に道が分からないから文に道案内を頼んだ訳だ。

 

ちなみに文が言っている薬とは二人が二日酔いで苦しんでいた時に俺が渡した物だ。勿論これも制作者は狂夢の野郎だ。

あれがもう一人の俺だと今だ信じられないのが本音だ。

 

 

「いや、なんか昨日は悪かったな色々」

 

「別に仕事をサボれたから気にしてないわ。その事は感謝しておく」

 

 

俺らが談笑しながら暫く飛んでいると、ようやく山の一番下に着いたようだ。

 

 

「じゃあな、文。天魔にも宜しくな」

 

「いつでも来なさい。天魔様も喜ぶだろうし」

 

 

俺は妖怪の山に背を向け歩き出す。さて、次は何処へ行こうか........

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

???side

 

 

「中々面白い妖怪を見つけたわね」

 

 

楼夢が妖怪の山を抜ける一部始終を覗いてる者がいた。

 

 

「白咲楼夢........彼なら私の役に立ってくれる筈............」

 

 

少女はそう呟くと空間を歪ませ隙間のような物を作り出す。その奥には大量の赤い瞳が輝いていた........

 

 

 

 






~~今日の狂夢『様』~~

「本当は七夕に投稿したかった!作者です」

「願い事は........やべぇ思い付かない。狂夢だ」


「作者は七夕になんて書いたんだ?」

「色々ですよ色々」

「英検合格出来ますようにか?」

「いや、それよりも重要な事です。狂夢さんは?」

「今書いた所だぜ。早速飾ろう」

「という訳で今回はさよならです。次回もキュルッと見に来てね」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


七夕に書かれた願い:


ーー荒宮紅夢:今年こそ童貞卒業出来ますように。


ーー白咲狂夢:この小説の主人公になれますように。あと出来れば楼夢ばかりではなく俺にも女をください。


........性欲丸出しの二人であった。

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