東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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木に負けず 生を貫き 今をゆく

地に負けず 黄泉を遠ざけ 今至る

我が身屈さず 我が道通れと 我願う


by白咲楼夢


一応言っとくが、俺はホモではない

 

楼夢side

 

 

オッス皆、オラ楼夢。現在やることも出来たので改めてそこらを旅している。

 

当然やることと言えば紫の理想郷作りを手伝う事だ。あの時話された内容が、確か............

 

 

 

 

 

『っで、結局俺は何をすればいいんだ?』

 

『貴方には私の夢を理解して協力してくれる人達を探してもらうわ。私だと『何故か』失敗してしまうから』

 

『いや絶対お前のその胡散臭い表情のせいだよな』

 

『たっ、戦いでは相手に表情を悟らせないのが基本よッ!』

 

『だったら尚更日常生活で必要ねえじゃねえか........』

 

『だっ、だって........相手の顔を見ると無性にからかいたくなる衝動に駆られちゃうんだもんッ!』

 

『なんだよそれ........今まで友達いないのも頷けるわ。........まあ、計画はこんな感じで良いか?』

 

『ええ、それで宜しくね』

 

 

 

 

 

............だったような気がする。それで日本各地を旅するに至るわけだ。

 

 

という事で現在俺はとある山の中にあった洞窟の中にいる。........一人()()()もいるが............。

 

 

「誰がおまけだボケ」

 

「うっさい。引っ込んでろ火神」

 

 

そう言い俺は服の袖から久しぶりの掌サイズの鉄球を取り出し、火神に投げ付ける。

ちなみに鉄球は勿論超圧縮されており通常の何倍も密度が高い。

 

火神はそれを腰に付けた刀で一文字に切り裂く。

鉄球は真っ二つになった鉄球を、俺は能力で直して袖の中にしまう。

 

 

今更かもしれないが何故火神がいるのかと言うと、旅の途中で偶然出会い二人で野宿しようとした結果、現在に至るのだ。

男が二人いるが俺は決してホモではない。そこら辺の事理解してもらおう。

 

 

「んで、なんでお前は急に洞窟の警備を強化したりしてるんだ?どうせ一泊だし第一俺らにそんなの要らねえだろ」

 

「誰が一泊と言った?それにこれにも訳がある」

 

 

俺は洞窟内に大量の式を書きながら答える。

 

 

「へぇ、どんな?」

 

「............実は俺ーーーー」

 

 

 

 

 

 

ーーーー子供作ろうと思うんだ。

 

 

 

 

「............はっ?」

 

「いや俺子供作ろうとーーーー」

 

「そっ、それはいいッ!?第一なんでそんな考えに至ったッ!?というか誰と作るんだッ!?言っとくが俺にそんな趣味ねえからなッ!!」

 

「誰がテメエと作るかッ!!誰とも作らねえに決まってんだろッ!!魔法とか式とかで魂を作るんだよッ!!」

 

「魂を........作る....?」

 

 

大声を出していた火神は急に黙り、俺に突然答える。

 

 

「生憎と俺の魔導書『ソーモノミコン』は攻撃魔法専門だ。他の呪文も使えるが、魂を作り出す魔法はねえ。いや、そもそも魂を作り出す事すら禁術だ。多分この地球上にそれを使える奴はいねえだろう」

 

「それの対策も練ってある」

 

 

俺は突然“スカーレット・テレスコープ“を発動させると、心の中で念じ始める。

 

 

(それで急に呼び出して何の用だ?つまらねえ事だったらお前をぶっ殺す)

 

(ああ、狂夢。実は魂を作り出す魔法かなんかを探してるんだけど、時狭間の部屋にそういう魔導書はあるか?)

 

 

俺は脳内に響いてくる狂夢の声と心の声で会話する。ちなみにスカーレット・テレスコープを発動させた理由は、これを使ってる間は狂夢と意思疎通が出来るからだ。

 

 

(魂を作り出す魔法?古代に封印された禁書の中にそんなのもあったが誰が使うんだ?ちなみに俺は最近魔法の修行をしてるから一応使えるが............)

 

(何時魔法使えるようになったんだよ!?........それよりも協力してくれないか?)

 

(逆に聞こう。何故子供が欲しいんだ?)

 

(やっぱり一人旅が寂しくてね........。話し相手とかが欲しいんだ)

 

(ちなみに今話してる奴は話し相手に含まれてないのか?)

 

(馬鹿としてなら含まれてるが........)

 

(酷ェ........。まあ、丁度暇だし最低限付き合ってやるよ。ただし少しは魔法が使えるようになってやがれ)

 

(OK。取り敢えず今は早く魂を作り出す魔法を覚えなくては........)

 

 

俺はそう言い終えるとスカーレット・テレスコープを閉じた。

 

 

「どうやらその類の魔導書があるみたいだ」

 

「はぁ?ちなみに何処にそんなのがあるんだ?」

 

「俺の服の袖の中に」

 

「てめえの服はどうなってやがるんだ........。ま、暇潰しにはなりそうだし手伝ってやるよ」

 

「サンキュー。そう言えば魂ってどうやって作られてるんだ?」

 

「結構前に言ったと思うが魂は種族問わず主に霊力で作られてるんだ。まあ、込められる霊力は種族やソイツの力量によって違うけどな。大体俺ら位で地球を軽くぶっ壊せる程の霊力が込められている。とか言っても自分の魂を霊力に変換するなんて事は出来ないけどな。才能があるという事は通常より込められてる霊力が高いと言う事だ」

 

「ふーむ、霊力が主に........か。だったら身体はどうやって作られるんだ?」

 

「身体の方は魂が作られると同時に自然に作られると思う」

 

「成程ねぇ、んじゃ早速お勉強会といきましょうか」

 

 

 

 

 

ーーこうして俺の子供作りの計画が始まった。

 

 

俺が使う魔法は普通とは違い禁忌とされる物だ。恐らくは上級の魔法使いでも使う事すらままならないだろう。そんな術にチャレンジしてる俺は火神曰く才能の塊らしい。

 

 

ーーそうして数十年、遂に............

 

 

 

 

「火神、準備は良いか?」

 

「もう俺がやることなんて残ってないけどな。OKだ」

 

(お前も準備は良いか、狂夢?)

 

(人の事より自分の心配をしやがれ、馬鹿が)

 

(はいはいよっと)

 

 

俺は腕に刻まれた“白塗の紋章“を巨大な魔法陣として地面に描く。そして自分の右腕を引きちぎると、その中に血まみれの右腕を放り込み、詠唱を始める。

 

 

「木に宿るは生の力、水に宿るは源の力、肉に宿るは地の力、そしてーーーー」

 

 

楼夢がそこまで詠唱を唱えると、魔法陣が光だし中の腕が光に包まれる。

 

 

「ーーーー我が身に宿るは血の力ッ!!生と死の狭間から、宿りし魂を解き放てッ!!!」

 

 

楼夢がそう叫ぶと、魔法陣が激しい光を放つと共に空からいくつもの稲妻が降り注ぎ、楼夢や火神を洞窟ごと吹き飛ばす。

 

辺りの木や動物は魔法陣から溢れた光に当たると、一瞬で命を吸い取られ、灰と化し、死に至る。

 

 

「ウッ、ガア“ア“ア“ア“ア“ア“ッ!!!」

 

「耐えやがれ楼夢ッ!!今ここでテメエが死ねば使用者がいなくなって魔法が暴走するッ!!」

 

「ア“ア“ア“ア“ッ!!........ウゥ............」

 

 

楼夢は慣れない魔法 、しかも禁術を使っているため、あまりの苦しさに声を上げる。脳内には頭蓋骨に穴を空けられたような痛みが続いた。

 

やがて魔法陣から溢れた光は徐々に弱くなり、消え去った。

 

 

「ハァッ、ハァッ............終わった........のか?」

 

 

俺は先程の魔法のせいで、生物が消え去った山を登り、魔法陣が描かれた洞窟の跡地に辿り着く。

そこには............

 

 

「クゥゥ、キュル~」

 

 

三匹の子狐が魔法陣の中心で立っていた。

 

 

「ハ、ハハ........成功....だな............っ」

 

 

楼夢は先程の魔法で全ての体力を使い果たし、そのまま地面に倒れる。

 

産まれたての子狐達は本能で楼夢が親だと分かったのか、ふらふらしながらも楼夢の所まで辿り着き、その頬を舐める。

 

子狐達は全員毛の色も違うので非常に分かり易い。さらに頭には俺のような花が、種類は別々だが咲いていた。

 

俺はその内の一匹を抱き上げ、その頭を撫でた。

この子狐の毛の色は黒で、鬼灯のような赤い瞳と頭に咲いた桃の花が特徴的だった。

 

 

「黒狐、か........。頭に咲いている花は桃だし........。花言葉は確か天下無敵だったっけ?........よしっ、お前の名前は夜のような強さと美しさを持った狐だから、『美夜(みや)』だ」

 

「キュルッ?」

 

 

次に俺は自分と同じ金色の毛を持った狐を抱き上げる。

この狐は先程言った通り金色の毛並みを持ち、頭に咲いた百合の花が特徴的だった。

ちなみに目の色は確認した所三姉妹揃って鬼灯色だった。どうやらそこだけは繋がっているらしい。

 

 

「お前はそうだな........百合の花言葉が純潔だから........清いと言う意味を込めて『清音(しおん)』だ」

 

「キュルーッ!」

 

 

最後に俺は銀色の毛を持った狐を抱き上げる。

この狐は頭に咲いた紫陽花が特徴的だった。

 

 

「今度は........紫陽花の花か........。花言葉には移り気ってのもあったっけ?........そうだっ、舞うようにころころと感情が移ると言う意味を込めて『舞花(まいか)』にしよう」

 

「キュルル~」

 

 

改めて美夜、清音、舞花の三匹は俺の服などに抱き着くと、スヤスヤと静かに眠り始めた。

 

 

「よぉ、調子はどうだ?」

 

「火神か........悪ぃちょっと寝るわ........」

 

 

俺はその言葉と共に意識を手放した........。

 

 

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~

「今回で新キャラ登場!そして今回?で次の章に移ります!作者です」

「子狐達は全員毛並みがふさふさしてめっちゃ気持ち良かった!狂夢だ」


「さて今回は楼夢さんが自分の娘達を作るのに使った魔法について説明します」

「OK。まずあの魔法は本編でも言った通り禁忌とされ、封印された古代の禁術だ。本編では詳しく説明されてないけど、人間百人分の魂の力が術の発動に必要不可欠だ。まあ、楼夢は自分の右腕を依り代として使ったがな。ああ見えて楼夢の程の大妖怪の右腕と血は、それだけで膨大なエネルギーを作り出す。おかげで山から全ての生物が消え去っただけで被害が済んだ。ちなみに動物などを生贄にする手もあるが、人間の魂の方が生み出すエネルギー量が圧倒的に多いので、千匹は必要になると思い」

「結婚危ない魔法使ってたんですね。ちなみに狂夢さんは魔法をどの位使えるようになりましたか?」

「軽くメラゾーマを撃てるようになったぜ」

「充分化物じゃねえか........。という事で今回は終了です。次回もーーーー」


「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」


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