東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
歩けば見える 赤き花
旅せば覗く 夏の星
走れば吹ける 枯れ木の音
止まれば終わる 四季の末
伸びては咲きて 枯れては朽ちる。
そんな日々を 繰り返して........
by八雲紫
幕開ける奇妙な共同生活!?
楼夢side
「おい火神、目的地まではまだか?」
「多分そろそろ見えて来る筈だ 。........おっ、あったあった」
「........あそこか」
俺は現在新しく増えた家族と共にある場所に向かっていた。ちなみに火神がまだいるのは、どうやらそこなら賞金稼ぎとしての仕事が出来るらしい。
まあ、確かにあそこなら人が結構いる筈だし仕事も出来そうだな。
「クルゥ、キューッ!」
「どうしたんだ清音?........ああ、そう言えばお前達はまだ小さくて見れないのか」
「「「キューッ!!」」」
なんだか子供達に『チビじゃねえッ!!』と言われたような気がするが気の所為だろう。
ちなみに言い忘れていたが、俺の子供達は全員女だった。
最初の頃は『妖獣状態』になって世話をしていたものだ。
年齢は全員同じだが、俺の見る限り美夜が長女、清音が次女、そして舞花が三女となっているようだ。
話が少し脱線したが、俺は娘達を胸の高さまで抱き上げた。
「キューッ、キュルーッ!!」
「どうやら見えたようだな。........さて、そろそろ到着か............」
俺は目的地に向けて歩くペースを速める。
目指すは未来では消え去りし幻の都ーーーー
ーー『平安京』へ............。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「へぇ、思ってた以上に賑やかじゃん。それでこそ仕事が多くなるってもんさ」
「あんまり目立つなよ。いくら俺の妖術が完璧と言っても万が一の事があるからな」
現在、俺は火神と平安京の中を探索していた。
都の中は思った以上に賑やかで、商人などが物を売ったり、人々が買ったりしていた。
「さて、まずは住居を確保しに行くぞ」
「えー、そこら辺で野宿すりゃいいじゃん。金が勿体無いぜ」
「もしそれで娘達が風邪でも引いたらどうすんだ。第一テメェの金がどうなろうが知った事かよ」
「酷ェ........。まっ、俺様も流石にずっと野宿は嫌だからな。金が天に召されるのは嫌だがしょうがねえ」
「分かったらさっさと行くぞ」
俺達はまず辺りの人々から家を売ってる店を知ってるか尋ねた。
言われたままの道を通ると、ちょっと寂れた店があった。
「邪魔するぞ」
俺はそう言いながらガラガラ、と言う音と共に戸を開いた。
「いらっしゃいませ........。ご要件は何ですか?」
「ここで家を売ってると聞いてな。良いのを一軒紹介して欲しいんだが」
「申し訳ございません。最近は家を買うより建てた方が良いと言われて客が全く来ないんですよ。そのせいで家を生きるための金に変えてしまって........。おすすめ出来ない余り物ならありますが............」
「それでもいい。兎に角どんなのがあるか見せてくれ」
「........暫くお待ちください............」
俺がそう言うと店の人はその家がどのような家なのか書かれた紙を取り出す。
「予想はしてたけどこれは酷いな」
確かに、この店が持っていた家のほとんどが治安の悪い所に建てられていた。
だが俺はこの中で気になる家を発見した。
「へぇ、広さも充分だし値段も安い。おい店主、この家を貰うぞ」
「なっ、ここは私が持ってる中で一番酷い所ですよ!?中はボロボロだし何よりこの家が建てられている場所は都の外ですし........。悪い事は言いません。止めておいた方が良いですよ」
「いや、俺はこれが良い」
「........分かりました」
こうして俺と店主の取り引きが終わった。俺が買った所は都の外れにあるらしい。
だがその方が俺らにとって都合が良い。
俺らは妖怪なのだ。都に住めば陰陽師に気付かれるかもしれないし、何より娘達が外で充分に遊べないからだ。
「それじゃ、さっさと家を見に行こうか」
俺はそう言うと店を出て、都の外れを目指した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「........ここか」
「うわぁ、これはどうも........」
「........ボロっボロだな」
俺と火神は先程買った家ーーもとい屋敷を眺めて呟いた。
屋敷は山の中に建っていた。だがそれはどうでもいい。問題は予想以上にオンボロだったという事だ。
自分で買っておきながら難だが、正直言うと野宿の方がマシなんじゃないか?っと思う程の物件だった。
「正直言うとここに住みたくないんだが」
「安心しろ火神。これからこのクッソオンボロ屋敷を改造するから」
「改造ゥ?お前建築なんてした事あるのか?」
「ないけど、俺の能力を忘れてないか?」
「能力?........ああ、成程............」
「んじゃ、いくぞ」
俺はまず屋敷の辺りに生えていた邪魔な木々に触れる。
そして力を入れると、なんと木々がシュンッ、と言う音と共に綺麗な木材に一瞬で変わったのだ。
説明するまでもないと思うが、これも俺の能力【形を操る程度の能力】のおかげだ。
これのおかげで屋敷の周りの木々は消え去り、広い庭が出来た。
次に俺は、新しく出来た庭の地面を足でドンッ、と叩く。
すると屋敷の庭に生えた雑草が全て地面から飛び出し、引き抜かれた。
俺はそれを炎で焼くと、屋敷の方へ振り返る。
「さて最後は先程出来た木材を使っての改築だな」
「何時も思うがお前の能力って便利だな」
「褒めても何も出ないぜ」
俺は服の袖から鉄球を取り出し、能力で巨大なハンマーにした後、一旦建てられていたクッソオンボロ屋敷をぶち壊した。
同時に最近のストレスもぶっ飛んだ気がするが、気分が良いのは確かだ。
ーーその後、作った木材で家を建て始めて三時間後........
「出来たァッ!!」
「ふぅ、流石に疲れたぜ」
ーー念願のマイハウスが誕生した。
作りは勿論頑丈で、俺の強化魔法も掛けてあるおかげでハンマーの一つや二つではびくともしない。
俺は中に入ると、居間へと向かった。
「さて、取り敢えず今日は疲れたから各自で自由行動だ。俺は勿論寝るから、娘達を頼んだぜ」
「おいおい、寝るってまだ夕方だぞ。第一お前の娘達は絶対お前と寝るだろ」
「まあ一応ってことだ。じゃあ、お休みー」
そう言い俺は自分の寝室へ向かう。
この家は二階建てになっていて、一階が居間、厨房やトイレなどがあって、二階は各自の寝室となっている。
ちなみに娘達は俺の寝室で寝ることになっている。決してロリコンだからと言う理由ではない。そこん所間違えないでもらおう。
ーー俺は寝室に辿り着くと、布団の中で眠りについた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「んじゃ、俺は都の方に仕事に行ってくるぜ」
「はいはい、頼んだぞ」
朝、火神は都に自分を売り込みに行くため、早朝に出かけていった。
一方俺は、することがないので娘達と遊んでいた。........後俺は決してニートではない............多分。
「しかし、俺も何か商売を考えねえとな。流石に
俺は一人そう呟くと、商売について考え始める。
まず神として信仰を集める........は駄目か。
理由は、信仰を集めるなら神社を建てなければいけないし、そもそも俺の信仰は妖怪だけで充分なのだ。これ以上増えて暴走しても困る。
俺は暫く悩んだ末、ある楽な商売方を見つける。
「そうだ!鉄や木、土などを使って刀や芸術品を作って売り捌けば良いんだ!」
これは正直言って良い案だと思う。俺の能力を使えば芸術品の一個や二個一分で作れる。
「良し、それじゃあ明日の為に作っておきますか」
俺はまず材料を集めに、家を出た。勿論娘達が心配なので同行させている。
ーーその夜........
「ただいまぁ。........楼夢、お前何してんだ?」
「明日都で売り出す商品を纏めている。お前はどうだった?」
「取り敢えず他の国と同じで、腕が立つ奴らをぶっ倒して実力を証明して来たぜ。まっ、強者を求める人間共の習性を利用した合理的な方法だな」
「そうか、じゃあさっさと飯作って寝ようぜ。流石にだりぃし」
「同感だな。俺も早く寝てェと思っていた所だ」
こうして俺達の共同生活が始まった。
ーー平安京の物語はまだまだ続く........
Next phantasm........。
~~今日の狂夢『様』~~
「平安京編突入!!そしてやっと夏休みだッ!!作者です」
「まだ夏休みに入ってなかったのかよ........。狂夢だ」
「いやー、とうとう平安京まで来てしまいましたか」
「これなら今年中に原作に入れるんじゃないか?後俺視点で書かれた事一度もないからやってみたいんだけど?」
「まあ、今年中に原作に入る事を目標にします。それと狂夢さん視点での物語ですか........。まあ、何時も楼夢さん視点なので、考えてみます」
「よっしゃッ!!........それじゃあ今回はここまで。次回もーーーー」
「「キュルッと見に来てね/来いよッ!!」」