東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
生きてれば 避けては通れぬ敵がいる
生きてれば 避けては通れぬ出会いがある
by白咲楼夢
楼夢side
どーも、皆さんこんにちわ。何時も素敵な蛇狐こと白咲楼夢です。
現在はバシルーラで飛んだどっかの森で休憩しています。えっ、ゆうかりん?……世の中には知っていいことと知らなくていいことがあるのだよ、ワトソン君。
というのは冗談で、幽香は現在気絶して倒れています。というか森羅万象斬の衝撃で倒れた木々の下敷きになっています。助けないのかだって?もしあれが死んだふりとかだったら嫌じゃん。でも5分経っても何も反応がないということは本当に気絶しているのだろう。
いやまあね。流石に俺もやり過ぎたと思うよ。
だけどね。こっちだって死にかけてたんだしお互い様だと思うよ。つーかあの時ほぼ狂気に犯されてたから自制が効かないのは当たり前だ。
俺が死にかけた時使ったのは『ハイテンション』という『テンション』の強化版の魔法だ。
こいつは『テンション』が身体能力2倍なのに対して『ハイテンション』は身体能力が5倍に跳ね上がる。これだけで先程の森羅万象斬は通常の5倍の威力だったのだが、あの時俺は幽香を完全に消し去るために霊力を通常の10倍程込めたのだ。
これによって森羅万象斬の威力は通常の50倍になる。これをまともに喰らって五体満足だった幽香には今でも背筋が凍る。これからはコイツのことを
「しょうがねえな。ほらよっと」
俺は幽香の上に倒れた木々を次々とどかし下敷きになった幽香を救出する。うーむ、これで幽香の目がぐるぐるになっていたら面白いのに。
「さてと。太陽の畑に戻りますか」
俺は幽香をお姫様だっこをして持ち上げる。そしてそのまま魔法を唱えた。
「あっ、意外と軽いんだな。っとそんなどうでもいいことより……『バシルーラ』!!」
次の瞬間、俺と幽香は再び青い渦に吸い込まれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
幽香side
……ここはどこなのだろう。気が付けば私は白い空間にいた。
謎の浮遊感を感じる。まるでふわふわと空を飛んでいるようだ。
まず、何故私はこんな所にいるのだろう。私は思考を働かせる。
……思い出した。私はーー。
ーーそこまで考えると、白い空間は急に眩しい光に包まれた……。
「ん……」
目を覚ますと私はベッドの上にいた。周りを見ればそこは先程の白い空間ではなく私の部屋だった。
ーー思い出した。私は太陽の畑に来た桃髪の妖怪と戦い、敗北したのだ。
私の頭の中で屈辱感が走る中、ソイツは私に話しかけた。
「……起きたか。ひとまず無事で良かったぜ」
「……それは私に対しての侮辱と受け取っていいかしら?」
「いやいや、何故そうなる」
本当にムカつく男だ。今すぐにでもぶち殺してやりたい。だが私の意識がそうでも身体は逆に休養を求めていたので今は大人しくしておこう。
「……」
「……ん、なんだ?」
「……どうして私は私の家にいるのかしら?」
「どうしてって、あの後お前が気絶したから俺がお前ん家まで運んだだけだ」
「……何を企んでいるのかしら?」
「どういう意味だ?」
「私を生かしておいても貴方になにもメリットはない。それなのに私を生かしたという事は何か企んでいるに違いないわ」
「メリットならあるぞ。お前から花の種を貰える」
「それなら私を殺した後にいくらでも盗めるじゃない」
「……ったく。てめえが死んだら誰がこの花畑を管理すんだよ。少しは考えやがれ。花達だっててめえが死ぬのを望んじゃいないはずだ」
「……分かりきったように言ってんじゃないわよッ!」
私は今できる限りの殺気をコイツにぶつける。しかしコイツはビビるどころか冷めたような目で私を見つめた。
「……そんなに負けたことが悔しいか?」
「っ!!」
「正直お前の気持ちが全て分かるわけじゃねえ。だけど戦いで負けた奴は大抵そんな顔をしてんのさ」
「巫山戯るなッ!!私が他の者と一緒だとッ!?」
「だったら強くなればいい。強くなって、もう一度俺と戦え。生き延びた事を恥んじゃねえ。死んで初めて負けを認めろ。生き延びたってことはソイツが殺しそこねただけだ。生きろ。ーー。」
ーー生きて俺をもう一度殺しに来い!
あいつはそう言うと私の部屋から立ち去ろうとする。あの言い分……恐らくあいつも敗北を経験しているのだろう。
「待ちなさい」
「……なんだ?」
「白咲楼夢……だっけ?さっきの貴方の言葉、ありがたく受け取らせてもらうわ。その代わり後悔するんじゃないわよ」
「ああ、いくらでも受けて立ってやるぜ」
ーーこの日、私に初めての
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楼夢side
あの日、幽香と戦ってから三日の時が流れた。ちなみにちゃんと『太陽のように輝く花の種』こと向日葵の種をゲットしてきたぜ。いやー、太陽の畑を出て行く時に幽香が引き止めていなかったらどうなってたんだろ。そういう意味では彼女に感謝しなくてはならない。
それにしても旅を始めて六日か。今回は幽香と戦ったせいでかなり疲れた。さっさと帰って娘達を眺めて癒されなければ。嗚呼、何時か娘達が大人になった時に『お父さんキモーい』なんて言われるのだけは回避したい。いや、しなければならない。
ちなみに幽香との戦闘でできた傷はほぼ完治している。今はまだ傷跡が残っているが、後一週間もすればそれも消えるだろう。
後、戦いでボロボロになった服は狂夢が新しく作り直したので新しくなっている。ちなみに何故かあれだけの戦いをしても四次元ポケットこと服の袖は少し焼けた後が付いただけで済んだらしい。なんで袖だけ丈夫なんだよ。できれば服を丈夫にして欲しい。
というか俺の服の袖の名前を新しくしようかな。四次元ポケットだとちょっと不味いし服の袖だとなんかダサい気がする。
『ふーん、じゃあ『巫女袖』ってのはどうだ?ちなみにそれの製作者は俺だから拒否権はねえぞ』
……という訳で早速服の袖の名前が決まった。別に今回のはまともだったので断る理由もないしな。
話が逸れたが、現在俺は輝夜の屋敷へ向かっている。そんなことよりさっさと用事を済ませて家に帰りたい。
「止まれ!!貴様、何者だ!!」
「俺は輝夜に頼まれた物を届けに来た者だ」
「……ここで暫し待たれよ。今姫様に連絡を取ってくる」
そう言い門番は屋敷の中に駆け込む。そして十分後慌ただしい様子で門番は戻ってきた。
「先程は失礼した。姫様は御自分のお部屋でお主を待っている。くれぐれも失礼のないようにな」
俺は門番の忠告を軽く聞き流しながら門を通り、屋敷に入る。思えば輝夜の屋敷の門を通って入ったのは今日が始めてだな。だからといって何か特別なことが起こるわけではないが。
そんなことを考えながら俺は輝夜の部屋に辿り着く。入ると輝夜だけでなく輝夜の爺さんも一緒にいた。
「初めましてですの。儂は輝夜の爺を努めておる者じゃ。……おおっ、貴方が持っているそれは!?」
「こちらこそ初めまして。俺の名は白咲楼夢だ。今日ここに来たのは輝夜のお目当ての花の種を取ってきたからだ」
「お疲れ様ね、楼夢。早速だけどその種を渡してくれるかしら?」
「ほらよ。世界一純粋な心を持った楼夢さんが持って来てやったぜ」
「成程ねー(棒)。世界一腹黒い楼夢さんが持って来た異物なら安心出来るわー(棒)ww」
「おっし輝夜表出ろや」
「はいはい。これが本物か調べるために庭に行くわよ」
「ちぃ、しゃあねえな」
俺達は庭に本物かどうか調べるために出る。庭には日の光が丁度いい感じに差していた。
「そう言えばどうやって調べるんだ?」
「ふふふ、こうするのよ」
輝夜は庭の土に向日葵の種を植える。そして指を鳴らすと、種がみるみる成長していき綺麗な花を咲かせた。
「成程……時間操作系の能力か」
「正確。しかも花も見事に咲いたので貴方は『合格』よ」
「よっしゃぁ!!」
輝夜からの合格の言葉を聞いて俺は歓喜の声を上げる。やったね。これで今日からゴロゴロ出来るよ。
だが輝夜の合格の言葉に輝夜の爺さんは食いついた。
「かっ、輝夜!合格という事は……」
「という事は?」
ーーこの御方と結婚するのじゃな!?
「「……へっ!?」」
爺さんの突然の言葉に俺と輝夜は言葉をハモらせる。そして訳の分からないまま状況は進行して行った。
「こうしてはおれぬ!婆さん、布団の準備を!!」
「「まっ、待てェェェェェェッ!!!」」
ーーこの後、爺さんを説得するのに丸一日かかりましたとな。ちくせう………
~~今日の狂夢『様』~~
「今回も無事投稿出来ました!作者です」
「楼夢がいない六日間娘達を愛でていた狂夢だ」
「今回は楼夢さんが扱う狂華閃ーー桜花閃の説明です」
「桜花閃という名前が生まれた理由は前の狂華閃があまりにも厨二病過ぎたからだ。だが桜花閃は楼夢だけしか扱えぬ狂華閃という事で狂華閃自体が消えた訳じゃないぜ」
「という訳で今回はここまで。次回もーーーー」
「「キュルッと見に来てね/来いよ!!」」