東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
だからこそ美しい
by白咲楼夢
現在楼夢は顔についた血を拭いている最中だった。
彼の家に伝わる剣術《狂華閃》。名前がちょっと中二病ぽいのが玉に傷だ。
彼の師父は気に入っているが
速さ重視の剣術で主に相手の急所を狙い切るなかなかエグイ剣術だ。
そして楼夢の場合は主に独自で身につけた回転切りなどを多用する。
何故かって?真正面に踏み止まって攻撃するより流れに身を任せ攻撃した方がより速く切る事が出来る様になると楼夢は思っているからだ。
ちなみに裏で酔わないように努力して来た事は秘密だ。
この剣術は主に洞察力とスピードが必要不可欠になって来る。
楼夢が使える様になったのは剣術を初めて五年後だ。師父と戦ってボコボコにされた記憶が懐かしい。
話が見事に脱線したが、とりあえず女性に声をかける。
「無事か?」
女性の容姿は銀髪の三つ編みの髪。
左右で赤と青に分かれている服とロングスカートを着ている。そして何より
「(綺麗な人だな)」
そう現代では滅多に見れない程美形なのだ。
正直言ってそこらの男が見とれてしまう程である。……道行く時々にナンパされる楼夢が言えたことではないが。
この人もある意味苦労してそうだな、と気持ちが分かる楼夢は少し同情する。
「ええ大丈夫よ」
女性は立ち上がろうと足に力を込める。だが
「ッ!?...... 痛ッ」
見たところどうやら右足が骨折しているようだ。取り敢えず血を止めるのが最優先だ。辺りに何か使えそうなものを探す。だが当然楼夢はここに来たばかりであるし、女性も何か持っているようには思えない。
ふと楼夢は自分の巫女服を見つめる。
ただでさえ脇が無くて寒いのにこれ以上破ると風邪を引いてしまいそうだ。
だがそれ以外ないので、楼夢は右腕の巫女服の袖の様な物を縛っている紐を解く。
そして袖の布で彼女の怪我の応急処置をする。
「少し聞きたいわ。何故私を助けるの?」
「いや死にかけている人が居るのに見て見ぬ振りが出来る?」
「そうじゃなくて何故妖怪が人間を助けているの?」
その質問に対して楼夢は......
「妖怪?何それ美味しいの?」
「妖怪?何それ美味しいの?」
私はこの応えに対して驚いた。
「貴女......巫山戯てるのかしら?」
「いや結構真面目に。妖怪って何なの?」
驚いた。妖怪を知らないとなると生まれたてか?だが彼女はやけに戦闘慣れしている。
「貴女何者?」
「いや死んだと思ったら人外として生まれ変わって森の中に居た者だよ」
私は更に驚く。何故なら本来妖怪は人の恐怖によって産まれる。なのに彼女は元人間しかも前世の記憶を引き継いでいるからだ。
「まあいいわ。取り敢えず助けてくれてありがとう。えーと貴女名前は?」
「おっと申し遅れたな。俺の名前は白咲楼夢。ただのしがない妖怪?になるな。あと俺男なんだが」
「今なんて?」
「いやだから俺は男だって」
「......ええ!!」
「え、ちょっと酷くね。軽く傷つくんだが」
「いやその顔と服で男って多分誰も信じないわよ」
ピチューン
あ、気絶した。取り敢えず起きるまで待とうかしら。
「……知らない天井だ。って天井なんてないってのに」
楼夢は起きて立とうとする。すると
「あら起きたかしら」
近くの岩に永琳が微笑みながら座っていた。
「えーと俺は何で気絶していたんだっけ?」
「私が貴方が男という事に驚いていたら勝手に気絶したわ」
と答えられた。取り敢えず謝っとこう。
「何か悪かったな」
「いやいいわよ。それより貴方行くあてあるの?」
行くあてか。当然ながら楼夢にはそんなもの無い。だったら永琳に付いていった方が良さそうだ。
それだったら森から出れそうだし。
「永琳に付いて行こうと思っている」
「だっ、駄目よ。都市の連中は穢れを嫌っているわ」
「穢れって何?」
「穢れというのは生物が殺し合った時に生まれる物よ。それのせいで最近人間にも寿命が出来たわ」
「いや生物には寿命が有るのが普通だろ。それに穢れを無くす方法なんて世界中の生物を消し去る以外ないと思うぞ。
そして生物は生き残る為に殺し合うんだ。それは変わることのない自然のルールだ。人が獣を食すのと同じで妖怪が人を食すのは生き残る為だ。まあわざわざ死んでやる義理もないけどな」
「生き残る為、ね」
永琳は何処か納得いかない表情だった。
まあ今日出会った妖怪にいきなりそんなこと言われたら誰だって納得いかないだろう。
「取り敢えずまずは貴方の耳と尻尾をどうにかしなくちゃね。
そのままでは都市に入る事すら出来ないからね」
「それはそれでどうやって?」
「そこは頑張って。私変化の術なんて使った事もないから」
無茶言うなと、内心苦情を漏らす。そんなことがポンポン出来たらだれも苦労しない。
そういやこの姿で耳と尻尾を取ったらどうなるんだろう。
そんな疑問を元に、今の姿の耳と尻尾が取れた姿を想像する。すると......
バフン
楼夢の姿は煙に包まれた。そして次に姿を現した時には
「に、人間になってる」
人間の姿をした楼夢がそこに居た。
投稿終了。
今回は永琳と楼夢さんのこの世界についての話でした。
そして私の投稿時間が親が寝ているしかないというのが非常に辛い。毎回あくびをかきながら書いています(笑)
ではでは次回もお楽しみに。