東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:日差丸
今回はちょっと時間が少なくて短めです。ご了承下さい。
出雲大社の庭、今そこは大変賑わっていた。
理由は一人の美少女に見える青年と軽く二十はいる男の神たちにあった。
「へへ、よくも生意気な口聞いてくれたな。ここでたっぷりお仕置きしてやるぜ」
「ゴキ●リ如きにできるのならね」
そんな言葉が青年ーー楼夢から出ると、辺りから複数の笑い声が聞こえた。
そしてそれに顔を真っ赤にする男の神。
「きっ、貴様!もう許さんぞ!」
そう怒鳴ると仲間の神と同時にそれぞれの武器を構える。どうやら全員武神のようだ。
周りの男たちを見回して、楼夢は思う。
なんか人数メッチャ増えてねえか!?
しかも全員ジジイだし!?何がうれしくてこんなむさ苦しい男たちと戦わなきゃいけないの!?
というか娘たちがちゃっかり見てるんだけど!?あっ、そこ!天照の野郎何微笑んでやがんだ!?とりあえず後で覚えておけ!
そんな!?ばっかりのセリフを浮かべると、巫女袖から背丈ほどある巨大なスパナーーボルトなどを回す道具ーーを取り出すとそのまま構える。
これは狂夢がよく何か巨大構造物を創る時に使うやつだ。なぜこんなものを使うかと言うと、その方が相手を長くいたぶれるからだ。
それぞれが武器を構えると、周りに数百の野次馬が集まる。どうやらこの喧嘩を酒の肴にしたいようだ。
「うおぉぉぉぉぉ!!」
そうこうしてる内にゴキブリ軍団の中の一人が手にした槍でなぎ払う。
だがそれをスパナで受け止めると、スパナを上から下に振り下ろす。
メギャッ!!という鈍い音と共に、男の頭は血を噴き出しながら楼夢の足元に倒れる。
明らかにもう動けない男に対し、楼夢はその頭をグリグリと足の裏で踏みにじる。そしてしばらくすると道端に落ちている小石のように頭を蹴りとばす。
「じゃあな、『
さらに蹴りとばした頭に体ごと虚閃を放つ。そして次には男がいた場所には黒いシミしか残っていなかった。
ちなみに楼夢は勿論神は信仰があれば復活するということを知っている。故に殺したのだ。
「きっ、貴様ぁぁぁぁぁッ!?」
その声と共に二十近い男たちが一斉にかかってくる。
だが楼夢は余った左手に魔力を込める。そしてそれを魔法にして解き放った。
「『イオナズン』」
そんな一言で、男たちの間に光の球体が複数現れる。と次の瞬間にそれは大爆発を起こした。
その余波は周りの野次馬の一部を吹き飛ばし、クレーターを作り出す。
爆発が収まると、楼夢は見定めるかのように辺りを見つめる。どうやら今ので完璧に灰になったようだ。
「さあて、と!酒でも飲んで気持ち入れ替えるか!」
楼夢はそう言うと、元気に天照の元によっていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あらあら、相変わらずの化け物っぷりですね」
戦闘が終わった後、天照はそう楼夢に微笑む。
だが楼夢は天照が先程の戦闘を肴に酒を飲んでいたことを知っている。故に心の中ではその態度に少しイラッときていた。
「何人が面倒くさがるのを楽しみにしてやがんだゴラ」
「私は純粋にあなたを褒めていただけですよ。全くつれないですね」
「うっさいこの泣き虫猫かぶり野郎」
その言葉に彼女は少し反応する。どうやら相変わらず『泣き虫』という言葉にコンプレックスを抱いているようだ。
「いっ、今では精神修行を終えたので大丈夫です!というかなんなんですかその目は!?私はこう見えて……」
「あーはいはい分かりました凄いですね。それよりも美夜たちもちゃんと酒受け取ったか?」
そう、それが今回心配することの一つだ。理由はやはり生後まだ十年も経っていない子どもに酒が飲めるかだ。
「うん、天照さんが持ってきてくれたんだ」
美夜はそう言うと、清音は頷く。
天照はその言葉を聞くと心底嬉しそうな顔をした。
だが楼夢には一つの違和感が残っていた。
「あれ、そう言えば舞花はどこだ?確かお前らと一緒にいたよな?」
その言葉に美夜と清音は一瞬返答にためらうが、すぐに話し出す。
「舞花は…その……」
「あっはははは!お酒は最高!です」
すぐ後ろで知った声が聞いたこともないセリフを喋る。
よく見るとそこには顔を真っ赤にさせて酔っ払った舞花がそこらの酔っ払いのように笑って酒を飲んでいた。
「……おい美夜、清音、天照。何だあれは?もう一度聞く。何だあれは?」
「その…どうやら舞花は酒に強くないようでして……」
「一口飲んだだけであんな感じになっちゃったんだよねー」
「そしてどうやらその後酒をガブガブ飲んでるみたいですね」
各々の言葉に楼夢はため息をつく。まさかこの姉妹の中で一番清楚なイメージを持つ舞花が酒に弱いとは思ってもいなかった。
「流石にこれはやばいかもしれない……とりあえず舞花を寝かせておいてくれ」
その指示を聞くと、二人の娘たちは急いで舞花を運ぶ。
それを見届けると、楼夢は大社内に一旦戻る。
ちなみに天照はこの宴会中は俺についていくようだ。
「さてと、俺も楽しませてもらいましょうか」
そう呟くと先程諏訪子たちが消えていった方向に進む。
しばらく歩くと、そこには匂うだけでアルコールが高いことがわかる酒が注がれていた。
そこには勿論諏訪子と神奈子もいた。俺は近づくと同時に二人に話しかける。
「おい諏訪子!その酒中々美味そうじゃねえか。一本くれ」
「一杯じゃなくて一本まるごとなの!?」
諏訪子はまずそこから突っ込む。そして同時に思う。めんどくさい奴が来た、と。
「姉さん、大丈夫ですか?危ないことはされていませんね」
突如何処からともなく天照の弟ーー須佐之男命が現れる。そして須佐之男は天照を心配するが、天照は平然とした顔で、
「心配し過ぎですよ、須佐之男。大丈夫です」
そう自分の弟に言い聞かせる。
「お、楼夢も来てんのか。そりゃ今日の飯が上手くなるのも当然か」
そう言い楼夢の盃に酒を注ぐ。そして楼夢はそれに口を付け、飲み干す。
「久しぶりなんだ。色々語り合おうぜ」
「ああ」
こうして、俺はその後宴会の全ての時間を須佐之男たちとの雑談に費やした。
Next phantasm……。