東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:日差丸

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死しても戦え

それが覚悟だ


by須佐之男命


二度目の挑戦

 

 

「おい楼夢。一回俺と勝負してくれ」

 

それは宴会が終わりかけた頃だった。いや、正確には宴会はこの一ヶ月間毎日行われるので、その内の一日が終わったと言った方が正しい。

 

そんなちょうど程よく酒が回ってきた頃、須佐之男はそう俺に頼み込む。

 

俺はすぐさま考え、結論を出す。

 

状況把握してみたところ、俺はどうやら予想以上に酔っているようだ。まあ酒を三十本も飲んだ後、追加で『奈落落とし』まで飲めばそうなるだろう。

 

そんな俺に対し、須佐之男もかなりの量を飲んだが、実際は俺の半分程だ。いつもなら俺の三分の二は飲むはずだが、どうやら今日は抑えていたらしい。

 

それほどまでに俺と戦いたいようだ。

 

「だけど今は宴会だぜ。俺も結構酒が回っているがいいのか?」

 

だが実際これでは俺の全力は出せない。以前の須佐之男ならこれでも十分だが、少なくともあれから数百年は経っているのだ。このままの筈がない。

 

もしこれも須佐之男の計算内だったら、成長したものだ。

自分より強い相手を弱らせて倒すのは戦闘の定石(セオリー)だ。

もしこれが天照などだったら、全力を出せないままあっさりやられてしまうだろう。

どうやら須佐之男は俺が予想したよりも成長しているようだ。

 

 

「あっ、やべ。そういや今は宴会だったな。お前と再戦することを考えていたらすっかり忘れちまった」

 

 

宣言撤回。やっぱり須佐之男(バカ)須佐之男(バカ)だった。

 

とりあえず戦えないほどでもないので、酔い覚ましのついでにやるか。

 

「まあいい。とりあえず受けてたとう。勿論以前よりは成長してるんだろうな?」

 

「勿論だ。進化した俺の相棒『叢雲草薙(ムラクモクサナギ)』と俺の力見せてやる!」

 

そう言い、彼は腰に付けてある刀を自慢気に引き抜く。

 

その刀は一言で言うと、圧倒的な威圧感があった。

刀身の長さなどは俺が作った『天叢雲』と同じだが、その刀は薄い赤い光を帯びており、オリジナルとは別物のようだった。

 

イメージで言うなれば群がる雲を吹き飛ばす風のような、平原の草を焼き尽くす炎のような、そんな全てをなぎ払うような力をあの刀は所持していた。

 

そしてその独特な力に楼夢はその刀の正体に気づく。

その正体とはすなわち楼夢の『舞姫』と同じ妖魔刀であった。

 

その証拠にその刀には魂が宿っていた。これは同じ妖魔刀を持つ者の感覚であり、どうやら一般人では分からないようだった。

 

「……成程、どうやら以前とは違うようだ」

 

そう言い残し、俺と須佐之男は被害が出ない裏庭へと向かった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

裏庭と言っても、ここは神々が集う出雲大社だ。裏庭は見た限り二里、約八キロメートル以上は軽くある。

 

そんなだだっ広い裏庭の中、二人の男が刀を引き抜いて構えていた。

 

 

一人は勿論白咲楼夢。その右手には桃色の光を宿した妖魔刀『舞姫』がシャンシャンという美しい鈴の音を奏でながら握られていた。

 

もう一人は須佐之男命。こちらも赤い光を纏った独特の雰囲気をかもし出す刀『叢雲草薙』をその手に握っていた。

 

 

楼夢は舞姫の刃についてある鈴を鳴らしながらだらりと、それでいて自然な構えをとる。

 

対する須佐之男は刀を楼夢に真っ直ぐ向けており、楼夢の頭の中には武士という単語が浮かんだ。

それほどまでに型はしっかりしており、その力強さが握る刀から伝わった。

 

 

対極的な構えを取りながら、二人は互いを見つめる。

そしてゆっくりと須佐之男が口を開いた。

 

「準備はできたか?なら…いくぞ!」

 

そんな大地を震わせるような声と共に、須佐之男は楼夢に向けて走り出す。

そして力強く刀を右から左に振るう。

 

だがそれは楼夢の長刀によって防がれる。

 

だがそれでも終わらない。マシンガンのように、次々と刃を撃ち込んだ。

 

辺りにギャリィィン!!という音が響く。それと同時にシャリン、という心地よい音が鳴る。

 

 

二人の戦いはある意味幻想的であった。

 

須佐之男が矢のように鋭い攻撃を放つと、楼夢はまるで風のようにその軌道を逸らし、受け流す。

 

一撃必殺の異名をも取れる須佐之男の一撃一撃を、楼夢はその千本桜のような無数の斬撃を放つことで対抗する。

 

質と量。この戦いを一言で表すならこれ以上ふさわしいものはないだろう。

 

 

だがそれでは決着がつかないという事を、両者は理解する。

 

そして、最初に動き出したのはーー楼夢だった。

 

「霊刃『森羅万象斬』!」

 

楼夢の舞姫から青白い巨大な刃が放たれる。

だが須佐之男は己の愛刀『叢雲草薙』に神力を込め始める。

 

「破剣『薙散(ナギサ)』!」

 

その言葉と共に神力が放たれ、右から左を緑の烈風が薙ぎ払う。そしてそれは楼夢の森羅万象斬を徐々に押し返していった。だがーー。

 

「『テンション』」

 

それでもただでやられる楼夢ではない。テンションにより二倍の威力となった森羅万象斬はすぐにその烈風を再び押し返す。

そしてそのまま爆発し、二人の攻撃は相殺される。

 

だが須佐之男は上手く爆風を避けることができずに、そのまま吹き飛ばされる。

 

すぐさま受け身を取り立ち上がるが、楼夢の追撃が遅いかかる。

 

幸い刃が通る距離ではなかったため、楼夢の追撃は瑠璃色の弾幕のみだった。

 

次々と切り裂き防ぐが、その間に楼夢は須佐之男との距離を詰めようとする。

 

「『天地逆転』!」

 

須佐之男が刀を地面に突きつけると、楼夢の真下の地面が膨らむ。

そしてその後爆発を起こした。

 

だが今の楼夢にとっては驚異にはならなかった。すぐに上にジャンプすることで爆発を避け、そのまま空中で吹き飛ばされた地面を須佐之男へ蹴りとばす。

 

その瞬間蹴り飛ばされた地面は数十の土の槍へと変形し、須佐之男を襲う。

 

それを全て叩き折り、空中から地面に着地した楼夢に目掛けてすぐさま刀を振るう。

 

その斬撃はその威力に鎌鼬となって楼夢を襲った。

 

だが、そんな見え見えの攻撃に当たるような楼夢ではない。

 

「『ヒャダイン』」

 

そう呟くと、楼夢から氷の刃が放たれ、鎌鼬を打ち消す。

そしてそのまま次の魔法を唱えた。

 

「『メラゾーマ』」

 

そう唱えると、左手の平に巨大な火球ができあがる。そしてそれは地面を削りながら、一気に須佐之男へと向かった。

 

「壞剣『砕牙(サイガ)』!」

 

須佐之男は刀で火球を十字を刻む。

すると火球はその後内側から破裂し、崩壊した。

 

あっさりとメラゾーマが防がれて少し動揺する楼夢。

その間に須佐之男は体を休ませていた。

 

今の戦況は正直言うと楼夢の圧倒である。

両者はまだ怪我という怪我をしていないが、手数が多い分須佐之男は多く攻撃を防がなければならない。

その分須佐之男は不利になるのだ。

 

 

だからこそ、須佐之男は楼夢を真っ直ぐ見つめ、()()()()()()()()()()()()()()

 

「ハァッ、ハァッ……やっぱり強ェな。まるで全く歯がたたない」

 

「まあ今の俺は以前とは比べ物にならないくらいまた強くなったからな。簡単に倒せると思うなよ」

 

「…だからこそ、お前には俺の最終奥義を見せることにした。…感謝しろ……これを見せるのは……お前が初めてだッ!!」

 

その叫び声と共に、須佐之男の体から溢れんばかりの神力が出てくる。そしてそれを全て刀に詰め込むと、須佐之男は再び叫んだ。

 

 

「神……解ッ!!『羅閃叢雲草薙(ラセンムラクモクサナギ)』!!」

 

 

その言葉と共に、辺りは緑色の光に包まれた。

 

 

 

 

 

Next phantasm……。






~~今日の狂夢『様』~~

「どーも皆さん、学園祭が近くてため息がでる。作者です」

「そういえば楼夢は楼夢は人間だったころそういう行事は全部不参加だったな。ていうかよくあれで高校卒業できたもんだ。狂夢だ」


「さーて今話は突然思いつきで書いた楼夢さんVS須佐之男戦です」

「そういえば戦闘の時は三人称、それ以外は一人称にしたんだな」

「ええ、どっちがいいか迷った結果そうなりました違和感があったら御報告ください」

「という事で今回はここまで、次回もキュルッと見に来いよ」
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