東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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都会は嫌いだ。


by白咲楼夢


蛇狐と超古代都市

 

 

「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ。

俺は人間の姿になろうと頑張っていた。

そしたら煙が出てきて気がついたら人間の姿になっていた。な…何を言っているのか分からねーと思うが俺も何をしたのか分からなかった。頭がどうにかなりそうだった…。催眠術だとか超スピードだとかチャチなもんじゃ断じてねえ。…もっと恐ろしいものの片鱗を味わった気分だ…」

 

「何現実逃避をしているのよ」

 

「しゃーないだろ。俺だって何故出来たのか分からないんだもん」

 

…と若干拍子抜けと楼夢は永琳に言う。

実際楼夢はただ自分の人間の姿をイメージしただけなのだ。これだけでできるのならば誰だってできる。永琳ならわかるかな?

 

「分かるわけ無いじゃない。私は人間だから変化の術どころか妖術すら使えないわよ」

 

ちっ、使えなゴホンゴホン仕方無いな。

とりあえず先程から睨みつけている永琳に、楼夢は心の中で恐怖を感じていた。

 

「あら、貴方今使えないって思ったわよね」

 

何故分かるんだよ何この人。

焦っている自分の心を落ち着かせながら、楼夢は誤魔化す。

 

「い、いやそんなこと思って無いよ」

 

「顔でバレバレよ。それより私の何処が怖いのかしら?」

 

「え、ちょっと待って話をしましょうよ」

 

「死になさい」

 

「嫌だぁぁぁ!!あとセリフ怖えぇぇぇ!!」

 

ピチューン

 

その叫びと同時に、風を切る音が一つ。

永琳の渾身の右ストレートが、アゴを見事に捉え、楼夢は意識を手放した……。

 

 

 

 

 

 

 

「……知らない天井だ。……って何回目だよ。」

 

気がつくと楼夢はまた地面に寝ていた。

そろそろこのセリフ言うの飽きたな、と呟きつつ、再び立ち上がる。

 

「やっと起きたわね」

 

目の前には楼夢を物凄い力で殴った永琳が、悪魔の様な微笑みを彼に向けていた。

 

「取り敢えず変化の術が切れる前に都市に行きましょう」

 

それについては同意見、と目で楼夢は答える。

そして、楼夢は先を歩く永琳の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお!八意様よくぞご無事で……そこの女性は?」

 

「森で過ごしていた人間よ。私が保護してきたわ」

 

「俺の名は白咲楼夢。ただのしがない人間だ。あと俺は男だ」

 

「ええっ!?」

 

永琳同様門番は楼夢のその答えに驚いていた。殴りたい、その顔。

そんな邪気を心の中で抑えつつ、楼夢は門を通り抜け都市の中へ入った。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい俺はいつの間に未来都市に来ているんだよ」

 

それが、この都市に入っての楼夢の第一声だった。

そう、その先には空飛ぶ車に高層ビルが何個も建っていた。

しかも聞けばこれ全て永琳が科学技術を進化させていったお陰であるという。

もしかして自分はとんでもない人を助けてしまったのかもしれない、と若干後悔に満ちながら、その先を歩く。

 

「凄いでしょ。ちなみにあっちの一番大きな建物には月夜見様がいるわ」

 

「月夜見様?」

 

「そう。この都市をまとめている神様よ」

 

「え、神まで居るの?」

 

「ええ、どうやら貴方の世界にはいないようね」

 

当たり前だ、と楼夢は内心答える。

 

楼夢の居た世界には妖怪や神のような非科学的な物は存在しない。

前世の職務は神社関係であった楼夢でさえ、神様など見たことないのだ。ちなみにそれ以外のものなら見たことがあるのは、余談だ。

 

そして先を進もうとして、永琳の言葉が頭によぎる。

 

(待てよ、今月夜見って言わなかったっけ?)

 

楼夢の記憶によれば月夜見は日本の昔の有名な神の一人だった。

そこで一つの結論に至る。もしかしてここは過去の世界ではないのだろうか?だがそうすると一つ疑問が残る。

なぜこの都市は歴史から消えているのだろうか?

だが、それはいずれ分かることだ、と思考を切り替える。

 

取り敢えず楼夢は永琳と一緒に都市の中を歩く。

最初は見たこともない奴が居るから多少は警戒されていると楼夢は思った。だが

 

(八意様今日も可愛ええ)

(美女二人ktkr)

(桃髪の少女クンカクンカ)

(うおおお八意様の隣に居る少女犯したい)

 

野次馬共が楼夢たちを見て興奮していた。

というか最後の人物に関しては絶対危険人物だろ、と永琳に告げるとすぐに通報された。

楼夢は狐、つまり犬科の妖怪なので彼等が何を言っているのか聞き取れるのだ。

 

楼夢は永琳を見る。彼女はどうやらあまり気にしてないようだ。

 

「さあ着いたわよ」

 

「えーと此処は?」

 

「私の家よ。ちょっと広すぎるけど」

 

楼夢は永琳の家、もとい屋敷を見上げる。

それはとても家で収まるようなレベルじゃない物件であったが、永琳は都市の中でも権力者なんだからこれくらいの家を持っていても不思議ではない、と楼夢は結露づけた。

 

「だがどうして永琳の家に?」

 

「どうせ貴方行くあてなんか無いでしょう?」

 

「当たり前だ」

 

「だから貴方は此処に泊まって行きなさい」

 

「……へっ、今なんて?」

 

何かおかしな答えが聞こえた気がする、と思考停止させる。

流石にいくらなんでも異性どうしが同じ家で暮らすなど、楼夢には耐えきれなかった。

 

「Da☆Ka☆Ra貴方は此処に泊まって行きなさいと言っているの」

 

「……ハアッ!?」

 

「ああ大丈夫よ。道場とかなら貸してあげるから」

 

「ちょっと待っていくらなんでも女性の人と……ああっ、ちょっと待って!」

 

楼夢は強制的に永琳に引っ張られ家の中に入る。

そして楼夢は永琳の助手として此処で暮らして行く事になる……。

 

 

 




いや~疲れた。ちなみに作者は投稿日にやっとルピの書き方を覚える事が出来ました。
ではでは次回も見てください。

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