女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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大分空いてしまいました・・申し訳ないです。
では、どうぞ


第28話 来訪者-静かなる侵略-その②

同時刻 三年生教室

 

「中々止まないわね・・・」

 

「予報では一日中降るみたいやね」

 

「こうも降ってると、気が滅入るわね」

 

三年生の教室では絵里、希、にこが止まない雨のことで話をしていた、そしていつもの様に予鈴が鳴った。

しかし、鳴って数分も経つが一向に教師が来る気配がない・・・

 

「遅いわね、予鈴はもう鳴っているのに・・・」

 

「忘れている・・・何て流石にないわよね」

 

「うちが呼びに行こうか?」

 

「呼びに行かなくてもその内来るでしょ・・・・ん?」

 

そう言ったにこが何かに気付く・・・それは席の近くにある窓ガラスの鍵が閉められていなかったのだ。

 

「こんな雨の日なんだから閉めなさいよ、全く!」

 

「まぁまぁにこっち、あんまりカリカリしない方がええよ」

 

希に諭されたにこが、鍵を閉めようと窓ガラスに手を伸ばそうとした時だった。

ふと窓ガラス越しに希が外を見ると、そこには逆さまになってお面のような物を被った「何か」を見た。そして彼女はすぐさま叫んだ!

 

 

「にこっち!今すぐ窓ガラスから手を放して!!」

 

 

「わ!・・・何よびっくりするじゃない」

 

その叫びは一歩遅かった、すでに鍵に触れた所だった。

 

ーーガチャン

 

鍵が閉まる無機質な音が鳴ったのと同時に、にこの姿は何十人の人の前で忽然と消えてしまったのだ。

彼女が消える直前まで持っていたシャープペンが、持っていた主を失い床に落ちた・・・・

 

「に・・・にこっち?」

 

「え・・・?に・・・こ・・?」

 

突然の出来事に誰も立ちすくんでいると、後方の窓ガラスが勢い良く開いた!

そしてその近くいた何人かの生徒が先ほどのにこと同様に姿が消えた。

 

(な・・何が起きているんや・・・)

 

「は、早く先生を呼びに行かないと・・!」

 

そう言って何人かの生徒が教室を飛び出していった。

走る足音が教室のすぐ傍で消えてしまった。

 

(まさか・・!)

 

希はすぐに教室から出た!そこには校庭側の窓ガラスが二枚ほど全開となっており、先ほど飛び出した生徒の姿はどこにもなかった・・・

 

「の、希・・!」

 

「エリち!どうし・・・!!」

 

絵里が呼ぶ声が聞こえたので、急いで教室の中に戻ると先ほど見たお面を被った「何か」が彼女の後ろに立っていた・・・

 

 

「・・ッ!エリちィィィ!!!」

 

その叫びと同時に絵里の姿は消えてしまう・・・

 

「・・・・うッ・・・!!」

 

こみ上げてくる感情を抑えて、教室から飛び出す。向かう場所は比屋定達がいる二年生の教室だった。

 

(悔しいけど、うちのスタンドじゃ太刀打ちはできない・・けど比屋定君なら・・)

 

(それに、あのスタンドの能力発動条件は分かった。おそらく特定の範囲・・・「結界」の様なものを張ってその中に入った人達を消すことだと思う・・)

 

(そして、その範囲は「窓ガラス」の付近・・!ならそこに近寄らなければ・・!)

 

 

しかし、その推測に僅かな疑問が出てきた。それと同時に向かう足が止まる。

 

(じゃあ・・・何故あの時窓ガラスを開ける必要があるのかな・・?)

 

(窓ガラスに触れさせる為?でもにこっちが消えたのが見えたから余計に近づきにくいはず・・・)

 

(もしかして・・・窓ガラスを触れさせることじゃなく、開けさせることが目的なら)

 

(開けたなら何が入ってくる・・・!あのスタンド?風?・・・いや、「雨」・・・・!)

 

(「雨」・・・「雨粒」・・・「触れる」・・・!まさか!!)

 

一つのある仮説が頭の中に浮かんだ、確かな証拠がある訳ではない。だがそれなら全てのことに説明がつく

 

「早くこのことを伝えないと!!」

 

改めて目的の場所に向かう為、一歩を踏み出そうとした時だった。

 

 

 

ブシュウゥゥゥ!!

 

 

風船がしぼむ様な音がしたと思ったら、突然下半身に力が入らなくなり床に伏せてしまう。

 

(・・ど、どうして・・・?)

 

上半身を起こし、恐る恐る下半身に目をやるとそこには・・・

 

 

「な・・・何・・・これ・・・?」

 

確かに足は見えた、いつも通りだった・・・・「紙の様に極薄くなっていること」以外は・・さらに恐ろしかったのはその足に触れるといつも変わらず体温を感じ、肌の感触があることだった。

 

「何で・・?何処で・・?あッ・・・!」

 

思い返してみると、教室から出た後の廊下で開けたままの所から雨が吹き込んでいたことを思い出した。

 

「あの時、雨に当たっていたんか・・!」

 

床を這いずるように何とか前進しようとした時だった・・・ふと自分の左隣に気配を感じたかと思うと・・・

 

 

ーーブン!!

 

何かが振り下ろされる音がしたのと同時に、左腕に力が入らなくなった。

 

 

「やはり・・・気付いていたのか」

 

聞いたことがない低い声が聞こえたので上を見上げると、一人の男が立っていた。

 

「だ、誰・・?まさかあなたが・・・・」

 

「ほう、勘が良いな・・」

 

すると男の背後に自分達の教室で見た「スタンド」が現れる。

 

 

「まさか我が「レイニーデイズ」の能力を短時間で理解するとはな・・・人間にしては優秀な方だな」

 

「人間にしては・・・?それはどういう・・?」

 

「君が知る必要はない、例え知ったところで理解はできまい」

 

「しかし、その洞察力は私の「目的」の邪魔になるかもしれないから・・・」

 

「君はここで「GAMEOVER」だよ・・!」

 

 

そして「レイニーデイズ」のマントが希の視界を覆った。

 

 

(・・・ひ、比屋定・・・君、伝え・・ないと・・・)

 

 

彼女の意識はそこで暗転してしまった・・・・・・。

 

 

 




いかがだったでしょうか?スタンド紹介はないです。

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