女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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続きです、それではどうぞ


第33話 アイズ・トゥ・トゥモローその②

 

歩道橋より少し離れた道路にある自動販売機の前に、スーツ姿の男が佇んでいた・・・・

その男は微動だにもせず、ただ歩道橋のある部分を見つめてる。

 

すると見つめていた所から人影がゆっくり立ち上がり、走り始めた・・・その行動に呼応するかのように男も歩き始めた。

人影が公園に入ったのを確認すると、男も後を追うように入ろうとする・・・その時目の前から来たカップルの存在に気づかなかったのか、肩同士がぶつかる。

 

「痛ってなぁ、ちゃんと前を見て歩け!」

 

ぶつかられた方の男がそう叫ぶ、ぶつかった方の男は何も言わず顔だけをこちらに向けた。

 

「人様にぶつかったら謝るのが筋だろッ!!」

 

一言の喋ろうとしない事に痺れを切らしたか、女性の目の前でいい格好しようとしたのか、男はそいつに向かって肩を掴みながら言う。

 

「・・・・ッ!」

 

その男の顔を見るや血の気が引く感じがした・・・なぜなら表情が全く動かず、どこを見ているのか分からないが鋭い眼差しだったからだ。

男はその眼差しに気圧されたか、さっきまでの勢いはなくただ黙っていることしかできなくなっていた。

 

すると、さっきまで無表情だった男が気持ち悪いほどの満面の笑顔になり肩に手をポンポンと叩き、口を開いた。

 

「いや~~すまなかったね、考え事をしていたみたいで気づかなかったよ!」

 

「え・・・お・・・おう」

 

さきほどの雰囲気は一変し、突然フレンドリーになる男に付いていけず半端な返事しかできなかった。

 

「次から気をつけるよ!バイバイ、じゃあね!!」

 

そう言って男は立ち去る、残された二人はよく分からないままその場から歩き始める。

 

 

しかし・・・・・

 

 

それから三十秒後、暴走した乗用車が歩道に突っ込み歩いていたカップルを撥ねた・・・二人は即死だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~*****~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、承一の元へ戻る・・・・

 

 

「ぐ・・・・くぅ・・・」

 

歩道橋の壁に押されているか引っ張られているのか、とにかくすごいパワーが働いている・・・

 

(このままだと、壁を突き抜けてしまう・・・・)

 

最悪の想定を覚悟し、再び能力を発動させようとした所急にその力が無くなった。

 

「と、止まった・・・・のか」

 

安心したのか、ふと見上げると手すりの内側にアルファベットの「C」を逆向きにした「マーク」があった、しかしそれはすぐに消えた。

 

「今のは・・・まぁいい、ここからすぐに離れないと」

 

すぐに立ち上がり、その場から走り去る。

 

歩道橋を降り、近くにあった公園へ行く。公園というより運動公園みたくなっており、学校が終わったのか小学生達が野球やサッカーなどをしていた。

走り続けたおかげで息が辛くなりすぐ傍にあったベンチに腰掛ける。

 

 

(さて・・・これからどうするか、学院に戻ってもいいが・・・・駄目だなここからだと遠すぎるな・・・)

 

(そもそも、敵の能力がまだ分からない以上、下手に動くこともできないな・・・・)

 

これからの事を考えてた時、後ろの方で大きな音がした。

 

「何だ・・・・ッ!」

 

見ると、乗用車が歩道に乗り上げ停車しており、事故を近くで目撃した人達が慌てふためく様子が見えた。

 

(これも、敵の能力か?だとするとここにいるのはマズい・・!)

 

すぐさま走り出し、公園を抜ける。

 

(あまり人がいなさそうな所へ行くしかない・・・!)

 

明確な場所は分からないが、とにかく移動するしかない・・・そう思い歩を進める。

 

しばらく走った後、とある通りに差し掛かった所で前の角から蕎麦屋のバイクが走ってきた、するとそのバイクが突如こちらに向かってきた。

 

「う、うわあ!な、何だッー!!」

 

「ッ!またかよ!」

 

このままだと自分もバイクに乗った人も無事ではないだろう・・・そう考え承一は「スタンド」を出した。

 

 

「「アウタースローン」!!」

 

スタンドの拳は近くにあった収集前のゴミ袋にかけ、それを自分の目の前に集めさせる。

柔らかいゴミ袋達がバイクを受け止め、事なきを得た。バイクの運転手の安全を確認しその場から去る。

 

「まさか、ゴミ袋に助けられとはな・・・・救いは生ゴミじゃないことぐらいか」

 

 

 

 

しばらく進んだ所で、妙な感覚に陥る・・・・

 

「何だ・・・・ここ、見たことがあるぞ・・・」

 

しばらく歩いた所で、ある建物が目に移りこの感覚の正体が分かった。

 

「あれは・・・「穂むら」・・・穂乃果の家だ・・・・知らない内に戻っていたのか」

 

そう、ここは当初行く目的の場所だった所だ。知らず知らず迂回する形でここにやってきたのだ。

そんな時、「穂むら」の右にある道に目をやると、50メートル先だろうか一人の男性が立っているのが見えた。

 

「あれは・・・・川和先生?どうしてここに・・?」

 

何故ここにいるか?そんな事を考えようとした時、自分を呼ぶ声が上からした。

 

「比屋定さん!どうしたんですか?」

 

「え・・?あ・・」

 

見ると「穂むら」の二階から穂乃果の妹である「高坂雪穂」がいるのが見えた。

 

「雪穂ちゃん!・・・いや何でもないよ」

 

「そうなんですか?あ!お姉ちゃんならまだ帰ってきてませんよ」

 

「あ・・・いや、そういう事で来たのでは・・・・」

 

ふと、視線を戻すと川和先生がこちらに向かって歩いてくるのが見えた・・・・・その時だった。

 

「きゃっ・・・!」

 

何かが割れる音がしたので、視線を再び上げると雪穂が手をかけていた木の板が折れ、バランスを崩し空中へ投げ出される所だった。

 

「雪穂ちゃんッ!!!!・・・ッ!」

 

すぐに受け止めたが、体勢が悪かった為かバランスを崩してしまう・・・そして視線を倒れこむ地面にやった時割れた木の一部が、何故か重力に逆らって鋭い方がこちらに向いていた。

 

(・・・ッ!「スタンド」が間に合わない・・・このままじゃ)

 

「スタンド」が間に合わないことを悟り、すかさず体を捻るが少しばかり遅く一部が脇腹に突き刺さる。

 

「ぐ・・あ・・・」

 

痛みに耐え、雪穂を下ろす。

 

「大丈夫ですか?!」

 

「なんとかな、それより早くこの場から去るんだ!」

 

「え・・・・・で、でも」

 

「いいから、早く・・ッ!」

 

戸惑う彼女に避難するように言おうとした所、彼女の右手の甲には「C」の逆さまになった「マーク」があるのが見えた。

 

(ま、まさか・・・)

 

頭の中で予想した事を確認しようと、こちらに向かってきている川和の方を見る、すると・・・・

 

 

「想像以上に頭の回転が速いな、いやそうではなくてな・・・」

 

既に五メートル以内まで近づいてきた「川和征四郎」の後ろに人型の「スタンド」が立っていた・・・・

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?ここでしばらくぶりのスタンド紹介です


スタンド名:「アイズ・トゥ・トゥモロー」
   本体:川和征四郎(同化人間)

破壊力-B、スピード-B、射程距離-D
持続力-A、精密動作性-C、成長性-なし

能力
対象とした物体全ての「三十秒先の未来」を確定させる能力
スタンドか本体が触れることによって発動する。
物の場合、確定したらその通りに動くことしかできない、人の場合の同様である(「死ぬ」ことを確定された場合、いかなる方法でも必ず死亡する)、さらにもう一つ隠された力がある。

「アイズ・トゥ・トゥモロー:C3(シーキューブ)」
対象とした物体・人物に「印」をつけ、本体が指定した事柄を未来で起こさせる能力
(物なら「落下する」・「激突する」・「滑る」など指定すればその通りに動く)
動いていないものも、指定をされればどんな状態でも動く
但し、持続力がない為何らかの方法で避けられるとその事柄は起きない


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