承一にとって目の前の男、「神場崎 渚」の第一印象は悪いものではなく、むしろ今まで出会った中での敵スタンド使いとしてはマトモな部類に入っている。
だが・・・今の彼はとてつもない殺気を纏っているのが分かる。立っているだけのはずなのにこちらは冷や汗が出てきて、威圧感のせいか胸が圧迫される感覚も覚える。その状況下で先ほどまで相対してた「三枝」が口を開く。
「何者だ?邪魔をしないでもらおう」
「邪魔?、そんな事はしないよ・・・ただ」
そう言いながら右手を銃の形にして、それを三枝に向ける。
「続きは・・・あの世でしな!!」
言葉と同時に指先が光ったかと思うと、凄まじい速度で「何か」が放たれた。
「何・・・!」
一瞬の出来事なので三枝は屈んで避けようとしたが、その動作よりも早く彼の左肩を撃ち貫いた。
「うぐあ・・・!」
「心臓を狙ったが・・・いい反応だな」
肩からの出血で片膝を地面につける三枝を横目で見ると、今度は承一の方に向いた。
「君は確か・・・ホテルの方で出会っていたな、まさかあんな形で会うとは思ってもなかったよ」
「・・・・」
何の反応を示さない承一の姿を見て、一つため息をすると何かを思い出したかのような素振りを見せた。
「そう言えば、君は「空条仗世也」の息子だそうだね・・?」
「父さんを知って・・・・!まさかあんたが?!」
「そう・・・「私」が彼を「殺した」のだよ!!この手でな!」
この時、承一は冷静でいなくてはならなかった能力の全容が分からない内は下手に近付かないのはスタンド戦においては基本であり、「相手の能力を見極める」のがまず最優先であった。
しかし、承一は冷静ではいられなかった・・・父の無念、残された母の事を思うと・・・だから
「スタンド」で目の前のヤツをぶっ飛ばす!、それだけが頭を駆け巡った。
気がつくと既に走り出して、距離が縮まりつつある。
「まだ青いな・・・これしきのことで冷静さを欠くとは・・!」
それだけを言うと、懐からハンカチを取り出しそれを丸めて承一の方へ投げる。
「・・・?」
「・・・「スーパーチャージャー」!」
その言葉とほば同時にハンカチの承一側部分にあたるところから放射線状に、針状の光が飛び出してきた。
それらは腕や脚に刺さり、一本一本の痛みは大したことはないが主に脚に刺さった為、歩を止めてしまう。
「く・・・うう」
「彼の息子と言っても・・・その程度か」
「だが・・・」
神場崎が承一をまじまじと見る。
「本当に良く似ている、その黒い髪もオールバックの様な髪型も・・・唯一似てないのは身長ぐらいだな」
「まぁしかし・・・それもどうでもいい事だな、これから死ぬ君にとっては」
それだけ言うと、指を銃の形にして承一の頭部に向ける。
「「アウタースローン」!!」
「ム・・・!」
「スタンド」で近くにあった木の根元を殴りそのまま倒す、一瞬早く反応した神場崎は後方へ退避をしたが、横から近付いてきた三枝が待ち構えていた。
「くらえ!「キング・ロマネスク」!」
「雑魚がしゃしゃり出てくるんじゃない!!わきまえろ!」
指を三枝の足元に向け、そのまま「スタンド」を発動させる。それは左足を貫いた。
「うあ!・・・・」
跪く三枝に対して、その顔面に蹴りを入れ吹き飛ばす。
その隙を突くべく、承一が距離を詰めていた。
「オラオラッ!」
「次は君か・・・」
迫る拳を避け、地面を蹴って飛びさらにその足で木の幹を蹴って飛び上がる・・所謂三段跳びの要領で承一の真上を通過し、着地する直前で周りの景色と「同化」する。
(周りと「同化」した・・・・ここでじっとしているのはまずい・・・なら)
この場に留まるのは危険と判断をし、林の中に逃げる承一・・・それを見ていた神場崎は彼を追う。
(林の中なら障害物が多くこちらの動向を掴め易いと思ったか・・・無駄なことを)
そして一人取り残された三枝は悔しさを滲ませていた。
(くそ・・!どいつも私をこけにしやがって・・・・だが)
彼の心は悔しさの反面、これまで会ったこともない敵を前に高揚感に似たものを感じていた。
(認めたくはないが・・・奴等は強いことは分かった、そして今の状況はかなり追い詰められている・・・しかも能力の全容が分からないときた・・・)
(平穏を求めて「弓と矢」を探し続けていたが、こんな壁にぶつかる事になるとは・・・しかしこれは私への「試練」と受け取った!)
(平穏の為のこれから歩み続ける幸福な人生の為に・・・・・・私は「このくそったれな運命を乗り越えてみせる」!!!)
三枝は立ち上がり、よろめきながらも前に進んでいく。
林の中では承一が走り続けながら後ろから追ってくるものの存在を感じ取っていた。
(やはり、こちらに向かってきたか・・・さっきから攻撃をしてこないのは不気味だがここ一つ試してみるか)
走っている足を止め、「スタンド」で周りにある石を掴み後方へ投げる。そして手に持った小石に能力をかける。
「「アウタースローン」!」
するとさっき投げた石達が戻ってくる。それらは枝などを折ったりしながらこちらに向かっているが何かにぶつかった様子はない。
(後ろからではなかったのか・・・だがまだ気配は消えていない・・・)
手元には集まってきた石がある。それを地面に捨てようとした時、左後方から枝が何かに裂かれる音が聞こえた。
「・・・ッ!」
すぐさま持ってた石を後方に投げ能力をかける、集めたのは地面の土だった。
その土壁に何かが当たり、焦げる様な音がする。
その場から離れるとまた追ってくる気配がしてきた。
(まだ追ってくるか・・・しかし距離はまだ詰められていない!)
しかし・・・走り続けていると少しずつ視界が開けていくのが分かり、そのまま林を抜け砂浜がある海岸線に出てしまった。
「なっ・・・!」
(いつの間に・・開けた場所に出ない様に注意を払ったつもりが、まさか今までは誘導されていたのか・・・)
その時、後ろから声が聞こえた。
「少し気分転換に・・・・昔話でもしようか」
「何!?」
「君が一番思い出したくない記憶・・・「五年前の出来事」でもな!」
いかがだったでしょうか?ここでスタンド紹介です。応募してくださった「鮭宵」様ありがとうございます!
スタンド名:「スーパーチャージャー」
本体:神場崎 渚(同化人間)
破壊力-A、スピード-C、射程距離-なし
持続力-D、精密動作性-B、成長性-C
無像型のスタンド、使用時にエンジンに使われるパイプが周りに現れる。
能力
本体が触れたあらゆるエネルギーを本体自身か本体の所有物に溜め込める。溜められる時間は一分が限界。溜め込んだエネルギーは衝撃として解放できる。
解放する場所や量や方向も本体の自由だが一ヶ所からしかできない、時間が過ぎた場合は全方向に溜めた力と同じ衝撃が拡散される。
溜めたものの耐久量以上の力が溜め込まれると崩壊が起こり完全に壊れると溜めた力は辺りに霧散し消滅する。
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