女神達の奇妙な冒険   作:戒 昇

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今回の話で三章は終了となります


第49話 強襲、そして・・・・

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

 

承一はまだ痛む箇所を押さえながら、家の数百m手前まで来ていた。時間帯はちょうど昼時だったので太陽の日差しが体力を奪っていく、それでも一歩一歩前へ進んでいく・・・

 

 

(心配をかけさせる訳にはいかないからな・・・)

 

 

先の戦いからおよそ三十分ほど経っており、余計な不安を抱かせてしまうのではないかと思い歩を進めている。しかし承一にはもう一つの考え事があった。

 

 

(三枝の件を楓さんに報告をしないと、奴の事だから今後も俺を狙うに違いないからな)

 

 

神場崎と闘う前に、三枝と交わした会話が思い浮かぶ・・・自身の目的の為なら殺人をも躊躇わないあのドス黒い精神力、財団との協力で何とか手遅れになる前に止めないと・・

 

 

(おそらく・・・神場崎の持つ「矢」は奪われたかもな)

 

 

何より奴の事だから自分が持つ「矢」を奪う為、「μ's」のみんなに危害が及ぶかもしれない・・・それを防ぐ為にも話しておいた方がいいかもしれない

 

進み続けてようやく家が見えてきた・・・と思っていたが様子がおかしいことに気が付く。

 

 

「玄関が・・・開いている・・?」

 

 

あんな不用心な事を母やましてや「μ's」の皆がする訳が・・・それに開けたままでいるのもおかしい・・・

「何かが起きている」・・・そうとしか思えない、気が付いたら承一の脚は動いていた。

 

 

(頼む・・無事でいてくれ!・・・)

 

 

最悪の未来が頭を過ったが、すぐにかき消した・・・!そんな事を考えている暇があったら脚を動かせっ!と脳が叫ぶ。

そして・・・・眼前に広がる光景に言葉を失う・・・

 

 

スタンド攻撃の影響か、地面の所々が抉れていて、さらに目を玄関の周りにやるとそこには傷ついて倒れた二人の人物ーー真姫と希の姿があった。

さらに、視線を右にずらしていくとまた二人の人影があった・・・

 

 

一人は金髪の女性だったが見覚えがない人物だった。

 

 

もう一人の人物ーー穂乃果がいたが・・・その体はボロボロで気を失っているのかピクリとも動いていなく、その代わり謎の「スタンド」が彼女の首を掴み、その体を持ち上げていた・・・・

 

 

 

 

「な・・・・!」

 

 

言葉が続かない・・・だけど・・・早くしないと・・・!

 

 

 

 

「穂乃果ぁあああああああ!!!!!」

 

 

 

 

承一は体中の痛みに構うことなく走り出していた・・・それに気づいたのか金髪の女性がこちらを振り向く。

そして、「スタンド」を穂乃果から離し立ち塞がる。

 

 

「邪魔だぁあああ!!!」

 

 

「アウタースローン」を発現させ、ラッシュを放つ。

しかし、それを予測していたか全て受け流されてしまう。そのまま両腕を掴まれてしまい身動きができなくなった。

 

 

「・・・単調な動きですね」

 

「く・・・」

 

 

少しでも動けば腕を捻り上げられてしまう体勢の中、承一は不敵な笑みを浮かべる。

 

 

「何が可笑しいのですか・・・?」

 

「いや、ここまで自分の予想通りになったからな・・・つい」

 

 

言っている意味が分からず、少しばかり考える素振りをしようとした時だった。

 

 

(・・・?何、この音は)

 

 

どこからか乾いた音が微かに聞こえてきた、だがあまりにも小さい音なのでその正体は何なのか分からなかった。

 

 

「まだ気付かないのか・・?もう向かって来てるぞ」

 

「どういう・・・はっ!」

 

 

その瞬間、承一の背後から数個の植木鉢が飛んでくるのが見えた。それを避ける為に腕を振りほどいたが、一つが右腕に直撃し鈍痛に襲われる。

 

 

「ぐ、うぅ・・・」

 

 

解かれたと同時に、穂乃果の元に駆け寄り首元に手をあて脈の確認をする。幸いな事にただ気を失っているだけだったので、彼女を背にして目の前の敵と対峙する。

 

 

(私とした事が敵を甘くみるとは・・・しかし、あの一瞬で周りを確認する状況判断とそれをこちらに悟らせない技量、確かに厄介かもね・・・)

 

「神場崎の仲間か・・・いつの間に呼んだのか・・・」

 

「今の言葉に訂正を申し上げますと、彼に呼ばれたのではありません・・・・とある任務の為ですよ」

 

「へぇ・・・その任務とやらは?」

 

「たった今変更になりました・・・比屋定承一、あなたの抹殺にね・・・!」

 

 

言い終わったのと同時に「スタンド」を出し、向かってくる。

その「スタンド」に奇妙な違和感を感じる、赤紫の体色に悪魔を彷彿させる捻じ曲がった二本の角が生えている頭部だったが、その首から下は白色の外骨格の様な物に覆われていたからである。

 

 

(妙な「スタンド」だな、だったら能力を使われる前に先手を打つ!)

 

 

「「アウタースローン」!!」

 

 

能力を使い、先ほど飛んで割れた植木鉢の破片を集めさせる。次々に飛んでくる破片を叩き落としている為、歩みが止めてしまい、その隙を衝いて一気に距離を詰める。

 

 

「オラオラオラッ!!!」

 

 

射程内に入ったのを確認し、一気にラッシュを放つ・・・・・放たれた全ては当たるはずだった、だが・・・・・

 

 

「何・・・?!」

 

 

そこにはさっきまであるはずが無かったガラス版みたいな物があり、それがラッシュを防いでいた。

 

 

「こ、これは・・・・!」

 

 

さらに自分の周りを見渡すと戦闘機のコックピットの様な所にいるのが分かった、驚いている暇もなく大きな衝撃と共にそれが動いているのが分かった。

 

 

「まさか・・・!これが能力・・!?」

 

「そう・・・これは私の能力・・・いや借りた能力と言おうかしら・・・」

 

「どういう意味だ・・・?」

 

「その答えを知ることはできない、ただ確実なのはその戦闘機・・「F-4」はここを離陸後一時間もすれば墜落するという現実よ・・・」

 

 

その言葉と同時に「F-4」は宙に浮かんだかと思うと、そのまま急上昇をした。

 

 

「さようなら・・・これで計画に邪魔者はいなくなった」

 

 

戦闘機が見えなくなると、そう呟いてその場を後にした。

 

 

 

 

 

その頃、承一はコックピット内で気圧の変化や「G」に耐えながら打開策を考えていた。

 

 

(く・・・どうにかしないと、奴の言う事が本当なら・・・このままだと不味い!)

 

 

しかし、周りを見渡しても物一つもないのでそれが余計に焦りを促す。

 

 

(ダメだ、焦ってはいけない・・・弱点がない能力は無いのだから手はあるはずだ・・・)

 

 

承一の頭の中に様々な言葉が浮かぶ、一時間後の墜落は決定されている・・ならその裏返しで一時間以内なら何をしても墜落はしない・・・承一にある策が浮かぶ。

 

 

(無事でいられるかは分からない・・・だがやるしかない・・)

 

 

「スタンド」を発現させ、前方に狙いを定める。

 

 

 

「オラオラオラァ!!」

 

 

前にある壁をラッシュでぶち抜く、そしてパイロット席に座る。そして・・

 

 

「オラオラオラオラッ!!」

 

 

様々な計器をラッシュで破壊し、鉄くず達が出来上がる。さらに先ほどまで座っていた後部席の椅子部分を無理矢理「スタンド」で剥がした。

 

 

「「アウタースローン」・・・この細かいパーツを俺の周りに集める・・・!」

 

 

するとバラバラになった鉄くずが承一の周りを取り囲むようにして集まる。

 

 

 

その直後、急に減速したかと思うと機体はほぼ垂直で墜落していくのが分かった・・・・そして轟音と共に承一の意識は暗転した・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

比屋定承一・・・・・生死不明

 

高坂穂乃果、西木野真姫、東條希・・・・三人とも重傷の為、近くの病院に入院

 

三枝三機哉・・・・神場崎の私室から「弓と矢」を二本発見し、それをGET!

 

神場崎渚・・・スタンド:「スーパーチャージャー」、消滅

 

 

 

 

 

第3章「承一と過去と因縁」編、完

 

次話より、「最終章」が開始・・・・




いかがだったでしょうか?


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