(「喋る」事ができる「スタンド」…「自動操縦型」か「遠隔操作型」なのか…?)
目の前の「スタンド」の一声を聞いて承一が最初に思ったのが「スタンド」の
「自動操縦型」にならば本体は近くにいる事はなく、しかも「スタンド」に攻撃を与えても本体へのフィードバックダメージがないことから、直接本体を見つけ出して叩くしか勝つ方法がないのだ。
(高速道路内にはいる可能性は低い…なら)
最初の目的地である「助松JCT」が後数百mである事を示す看板が目に入った。
(一般道に降りるから、そこで仕掛ける…!)
出口が目前にまで迫った時、並走していた隣の車が車線変更をして承一達の目の前に入り込んでくる。
そしてバックドア部分に「スタンド」の姿が浮かび上がってきた。
「…!」
「スタンド」は鎌となっている左手を掲げるとそれをスイングする様に振りかざしてくる。そして鎌の先端部分が車体から出ようとした時、その個所からまるで飛び出して来るかのようにメタリックブルーの「大鎌」が向かってきた。
「な、何や!!?」
「島さん!右へ避けてそのまま追い越してくださいッ!!」
「え?!、お、おう!」
鎌が当たる寸前に島はハンドルを右にきり追い越し車線に出てそれを避けた後、再び元の車線に戻った。
「はぁ、はぁ…何だったんだ今のは…?」
「すいません…急に叫んでしまって…」
「ええよ、それよりも詳しい事は聞かないけど…随分な厄介事に巻き込まれているみたいやな」
「もう慣れっこですけどね」
「そうかそうか…って、あ!!」
急に大声を出したかと思うと、島の顔色が悪くなっていくのが見てとれた。
「島さん?」
「承一はん…さっきのを避けるのに必死だったから気付かなかったんけど…
スマン、一般道に降りれなくなってしもうた…」
「え…?」
「正確に言えば、他の高速に乗ってしまったからだな…けど目的地には問題なく着けるで」
島曰くここは「堺泉北有料道路」と呼ばれている所で、目的地である「堺JCT」に通っている為そこは問題ではなかった。
問題はここからは通行量も多くなるという事なのだ、つまりは…
(能力はまだ分からない上に、本体の見当もつかない…その状況で普通の人達を巻き込む訳には…)
承一は窓の外に目をやるが、先ほどの車はどこにもおらずその代わりにトラックや前を走る複数の乗用車の姿が確認できた。
スタンドがいなくなった事に漠然とした違和感を覚えるが、念のために自身のスタンドを出した時だった。
『何処に目をつけている…?』
不意に聞こえたその声に車内を見渡す、そして奴はいた…
承一のちょうど目の前…車のボンネットから体を出していた。
「何ッ!!?」
『…意外にもあっけなかったな』
そう言い、体をボンネットの中に沈める。
承一が姿を追おうとしてシートベルトを外した時、ドアが一人でに開いた。
『死ねッ!』
開いた隙間からスタンドの腕が伸び、承一の服を掴み車外へ引っ張る。座席に手をかけ落とされない様にしたが、スタンドの力が強くそれは無駄に終わってしまった。
宙に浮く感覚の後、体が外に飛び出してしまう。
「承一はんッ!!」
『始末したぞ!!』
「やれやれだ…気の早い奴だな」
島と敵スタンドが同時にその声に反応する…その声は車の後方、リアウィング辺りから聞こえてきた…敵スタンドがそこを良く見てみるとウィングを掴んでいる承一の姿が確認できた。
『ば。馬鹿なッ?!!』
「これが無かったら、危なかったな…」
「アウタースローン」を出し、それに掴まりバックドアの上まで上る。すると目の前の車の天井部にスタンドの姿があった。
お互いが睨み合っていると島の声が聞こえてきた。
「承一はん!、大丈夫なのかッ?!」
「何とか大丈夫ですよ!」
『いや…大丈夫じゃなくしてやろう、某「メタル・フリック」の能力でな』
「それが名前か…覚えておくぜ」
『覚える?…これから死ぬ身がか?』
「ああ……
ここまでやってくれたからな!この礼は倍返しにするぜ!!」
~~~~~~*****~~~~~~
同時刻 東京
薄暗い部屋の中で一人の男が新聞を読みながら紅茶を啜っていた…腰かけていた椅子をさらに深く座る。
同じ部屋にはテレビが点けっぱなしになっていた、そこからニュースが流れてくる。
「…では次のニュースです、昨日大阪湾付近で目撃された未確認飛行物体ですが、新たに地元住人の話では岸和田市の海岸辺りに墜落したものと証言がありました。
警察では事実確認をする為、海上自衛隊と共に大規模捜索をすると決定しました。」
そこまで聞くとテレビをオフにした。手にしていた紅茶をカップに置く。
「…比屋定承一、奴は生きている…そしてこちらに戻ろうとしている…!」
「ご安心ください、既に「メタル・フリック」鍵山蓮が対処を開始しています」
いつの間にかそこには一人の女性…「神奈いやび」が控えていた。
「奴に始末ができるのか…?」
「彼の能力は特筆したものがあります、仮に退けたとしても手は残っていますので問題は発生しないかと」
そこまで聞くと男は椅子から立ち上がり窓の外を眺める。
「奴の…「空条」の血はしぶといからな、慢心はするなよ」
「分かっています…
それとしぶとい点ならあなたも同じでしょう?…「空条丞一郎」様…」
それを聞くと、顔だけいやびの方を向ける…その表情は決して良いものではなく、むしろ不機嫌そのものだった。
しかし、それを知ってか知らずか彼女はその場で一礼をして部屋を出ていく。
部屋に静寂が訪れる…
また遅くなってしまいました。すいません…
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