もし結城リトのラッキースケベが限界突破していたら 【完結】 作:HAJI
まばゆい変身の光が収まった先には一人の少女がいた。身に纏っているのは浴衣でありながらも丈が短く、今にも胸や恥部が露わになるようなもの。その色は赤毛の異名と同じ、鮮やかな深紅。背中には翼、手には鉤爪、頭には角。それがN.S剤によって覚醒した兵器としてのメアの姿だった。
「――――すっごく素敵な気分♪」
恍惚とした笑みを浮かべながらメアは吐息とともに爪を舌なめずりする。煽情的な衣装と相まって男なら魅了されてしまうような色香。天使のような翼を持ちながらも魅惑的な悪魔。
「…………えっちぃ気分の間違いなのでは?」
「あは、お姉ちゃんだったらそうかもね。お姉ちゃんも使ってみる? すっごいよ、世界が違って見えるんだから! すっごく素敵で最高なの!」
「……いいえ、私は遠慮しておきます。その様子では、まだ続ける気のようですね」
「当たり前でしょ? わたしがこうなったのはお姉ちゃんのせいで、わたしがわたしでいるためにはお姉ちゃんじゃなきゃダメなんだから! この爪でお姉ちゃんを切り裂いたらどんな気分になるかな? お姉ちゃんを殺せばわたし、ずっとお姉ちゃんと一緒にいられるよね……考えただけでイっちゃいそう、あは♪」
想像しただけで達してしまったように体を震わせているメア。それを前にもはや言葉に意味はない。言動は支離滅裂、目は完全に正気を失っている。残っているのは本能に基づいた行動原理のみ。
(おそらくはあの注射による作用……しかし影響があるのは精神面だけではなさそうですね……)
薬による中毒症状だけならまだいい。しかしあの注射の本来の効果はそれではないのだろう。その証拠にメアは今までに見られなかった変身状態を晒している。明らかに常軌を逸している変身。対峙しただけで分かる圧倒的なレベルの違い。ナノマシンが共鳴しているかのように自身の身体も疼いてくる。あれと戦ってはいけない、逃げろという本能。
「いいでしょう……正気に戻してあげます。覚悟はいいですか、メア?」
それを振り払いながら真っすぐにメアと向かい合う。今のメアはかつての自分と同じ。デビルーク王との戦いの中で自分を見失い、暴走してしまった自分と。あの時は結城リトが自分を救ってくれた。なら、今度は私が
「姉妹で殺し合えるなんて……素敵♪ でも今度のわたしは一味違うよ、お姉ちゃん?」
メアは宣言とともに翼を大きく羽ばたかせながらこちらへと向かってくる。対抗するように自分もまた翼を変身によって生み出しながらそれに応じる。
空中戦。足場の悪い砂漠を度外視しての高速戦闘。互いに変身によって刃を造り出し、交差する。だが拮抗できたのは最初の一撃のみ。二度、三度とぶつかり合う度にこちらは押し込まれてしまう。
(まずいですね……ここまで差があるとは。正面からでは勝機はほとんどない。どこかで隙を見つけ出さなければ……)
冷静に今の状況を判断するも同時に、焦りによって汗が流れる。視線の先にはヒビが入り、今にも砕けそうなほど劣化してしまっている変身の刃。すぐさま構成し直すも焼け石に水。今の自分ではメアの変身の刃を超えることができない。圧倒的なスペックの差。気合いでどうこうなるレベルではない。加えて飛行能力の差も歴然。最高速度も旋回速度も全てメアのほうが上回っている。このままでは嬲り殺しにされるだけ。どこかで隙を見つけなければ、そんな思考は
「どうしたのヤミお姉ちゃん!? まだまだこれからだよ!」
メアがその髪を自分ではなく、真下の地面である砂漠に突き刺したことによって中断させられてしまう。
「っ!? これは……!?」
ただ目の前の光景に圧倒される。眼下の砂漠がまるで生き物のようにうねりながら自分へと襲い掛かってくる。あるものは拳、あるものは槍。もし直撃を受ければ一撃で戦闘不能になるほど巨大な砂漠の砂による変身。紙一重で何とか回避し続けるもそこまで。とても反撃する余裕など残らない。
(これは……砂漠に変身能力を伝播させている!? なんてデタラメな……!?)
砂の嵐をその身に浴びながらも看破する。メアが変身能力を砂漠に伝えて操っているのだと。第二世代の特徴である生体との物理融合、精神接続。恐らくはその応用。しかしその規模は桁違い。まさか砂漠の全てを意のままに操ることまでできるとは。個人で災害レベルの力を発揮できるのと同義。明らかにメア個人の限界を超えている能力の行使。このままではまずい。
「うまく避けるね、お姉ちゃん♪ じゃあこれならどうかな?」
楽し気にパンと両手をメアが合わせた瞬間、視界が全て遮られてしまう。それは津波だった。違うのは海水ではなく、砂漠の砂でできた物だということ。空を飛んでいる自分を飲み込んでしまうほどの巨大な砂の波。巻き込まれてしまえば圧死は免れない、同時に避けることができない攻撃。ならば対抗するしかない。
「はあっ!!」
右手に変身の力を集中させ巨大な刃を生み出す。狙うはただ一点のみ。津波のすべてを切り裂く必要はない。自分一人分の穴を空けさえすればいい。そのまま渾身の突きを繰り出す。凄まじい衝撃と負担。今にも砕けてしまいそうになる刃を必死に支えながらただ突き進む。恐らくは数秒もない攻防。歯を食いしばりながらそれに耐え、ついに砂の壁を突破する。砂によって視界が遮られていたものが一気に開け目の前にあるのは青い空だけ。その安堵の隙を
「隙だらけだよ、お姉ちゃん♪」
赤い悪魔は見逃さなかった。
「――っ!? メ、ア……! これ、は……」
「精神侵入の応用だよ。お姉ちゃんの身体はわたしが
悪戯が成功したような無邪気さと狂気を含んだ笑みを見せながらメアは宣告する。
「このまま物理的に殺しちゃってもいいんだけど、せっかくだからマスターの好きな、精神的破壊ってやつでお姉ちゃんを
そう言いながらメアはそのまま精神侵入によってわたしの心に入り込んでくる。他人に心を覗かれるおぞましい感覚。だがそれに抗う術はない。肉体的ではなく、精神的に殺されてしまう。そうあきらめかけた瞬間、
目もくらむような光と凄まじいエネルギーの余波とともにメアが吹き飛ばされてしまった。
「ハアッ……ハァッ……!」
すぐさまその場を飛び退き、メアと対峙する。一体何が起こったのか分からない。しかしそれはメアも同じようでどこか心ここにあらずと言った風に先ほどまで自分とつながっていたであろう髪の毛を見つめている。その先端は焼き焦げてしまっている。
「…………あは、そういうことなんだ。お姉ちゃんのダークネスって、そういうものだったんだね♪」
何を理解したのか、メアは先ほど以上に興奮した様子で体を震わせている。
「メア……いったい何を」
「なら早くしないとね。お姉ちゃんがお姉ちゃんでいる内に殺してあげる」
こちらの質問に答えることもなく、メアはそのまま襲い掛かってくる。そこには楽しんでいたメアの姿はない。ただ純粋にわたしを殺そうとしている。まるでそれがわたしのためだというかのように。それに反応することができない。だがそれを庇うかのように目の前に突然、鉄の壁のようなものが現れる。
「え? これって……」
「くっ……!」
その壁によって攻撃を阻まれたはずのメアは何かに気づいたのか動きを止めてしまう。その間に何とか距離を取りながら体勢を立て直し、顔をあげた先には
「ふむ……終わったのかと来てみればどうやらギリギリのタイミングだったらしい。大丈夫か、金色の闇?」
どこか尊大な態度をとっている小さな少女、マスターネメシスの姿があった。
「ネメシス……? どうして貴方がここに……なぜ私を助けるような真似を」
「おや、勘違いしてもらっては困るな。私は最初からお前を殺すつもりなどないよ。お前の中のダークネスには興味があるがね」
「…………そうですか。それはいいです、プリンセスはどうしたんです? まさか貴方が」
「おおう怖い怖い。そう睨むな。プリンセスなら無事だよ。むしろ私の心配をしてほしいぐらいだ。危うく消滅しかかったのだからな」
状況が分かっているのか、それとも分かっていて煽っているのか。飄々としているネメシスに毒気が抜かれてしまう。目的がどうであれ助かったのは間違いない。
「あ、やっぱりマスターだ! あれ? でもなんでマスターがいるんだろ? ま、いっか! マスターも一緒に殺してあげるね、そうすればみんな一緒にいられるもんね♪」
ネメシスを見つけたことで正気に戻るかと思ったがそんな甘いことにはならない。どころかさらに正気ではなくなってしまっている。端から見ても危険な兆候であることは明らか。
「……なるほど、これは予想外だな。まさか下僕に命を狙われるとは」
「予想外も何も、貴方が渡した薬のせいでああなっているんでしょう。どうしてあんな危険なものをメアに持たせたんです?」
「なに、自衛のためさ。ダークネスは手順を間違えば私達も飲み込みかねない力だからな。それに以前使用させた時にはこんなことにはならなかった。どうやらメアをかなり追い詰めてくれたようだな」
「…………ええ、必要なことでしたから」
ネメシスの言葉にそう答えるしかない。確かに薬の影響もあるだろうがそれ以上にメアを追い詰めてしまったのは自分であることは間違いない。だからこそ責任は取らなければ。
そんな中、メアに変化が訪れる。それは血。赤い鮮血がメアの鼻から垂れている。
「あれ? これ、わたしの血かな? こんなに赤いんだ、わたしの髪とどっちが赤いかな、マスター?」
それにようやく気付いたのか、鼻血を手で拭いながらメアはそんなことを口にしている。それが自身の肉体の異常であることにすら気づけていない。限界を超えた変身能力の代償。オーバーフローの前兆。兵器ではないメアに待ち受けているのは機能停止ではない死だけ。
「どうやらあまり時間はなさそうだ。こうなってしまったのは私のせいでもあるしな、尻拭いはしてやるさ」
「メアを止める方法があるんですか?」
「一応な。ただどうしても近づく必要がある。そのための隙を何とかしなければいけないがね」
「……尻拭いをしているのは私のような気もしますが、いいでしょう。ちなみにどのくらい力が残っているんですか?」
「実はプリンセスに手ひどくやられてな。ほとんど力は残っていない。プリンセスがこちらに来てくれるのを待つのも考えていたが……どうやら間に合いそうもないな」
ネメシスの言葉を証明するように、メアは上空に移動しながらその手に力を集中し始める。集まっているのは変身の光。それがメアの手から伸び、巨大な光の剣が形成されていく。その大きさもだが何よりもエネルギー量は桁外れ。避けたとしてもここ一帯が消滅して余りある。もしかしたら星ごと斬ってしまいかねない。デビルークの尻尾ビームと対極に位置する変身兵器の切り札。
「……私が隙を作ります。あとは貴方が何とかしてください。主人なんでしょう?」
「当然だ。こういうのを共同作業というのかな?」
互いに軽口を言いながらメアと向かい合う。色々と文句を言いたいことはあるが今は後回し。今はただ、駄々っ子な妹の目を覚まさせるために。
「イクよ、お姉ちゃん、マスター! みんなで一緒になろう!」
絶叫とともにメアは光の剣を振り下ろす。それに向かって全力で飛翔する。突撃、特攻にも近い博打。ただ右手に力を集中させる。感覚だけは覚えている、あの光の剣の能力。目には目を、歯には歯を。だが想像を絶する疲労と消耗が襲い掛かってくる。体はふらつき、目は霞んでくる。同時に、ナニカがわたしに囁いてくる。それに飲み込まれそうになるのを必死に耐える。思い浮かぶのはあの時、デビルーク王に言われた言葉。その先にある光景が、感情が今の私にはある。宇宙一の殺し屋ではなく、宇宙一の護衛になるために。
瞬間、光が全てを支配した――――
(あれ……? これは……何……?)
光の中でメアは目を覚ます。周りには誰もいない。あるのは光だけ。見慣れたはずの変身の光。その全てが、断片的に何かを映し出していく。
『おはよう、気分はどうかしら?』
『うん! すごくいいよ、ティア!』
『そう、それは何よりね。あとで絵本を読んであげるわね』
『うん!』
目の前にいるのは優しい笑みを浮かべている金髪の女性。ティアと呼ばれている、ヤミにとって母であり姉である存在。
(そっか……これ、ヤミお姉ちゃんの記憶なんだ……)
メアはようやく気付く。これがヤミの記憶であることに。精神侵入とは違う、共鳴、共感によって生じている精神同化。
断片的にメアは追体験する。ヤミがまだイヴと呼ばれていた頃の記憶。ティアと共に過ごした穏やかな時間。ヒトとして生きていた、光に満ちていた時間。
『おやすみなさい、イヴ』
絵本を読んでくれた後に、ティアに抱かれながら眠ることがヤミにとっての安らぎだった。
だがそれも終わってしまう。いなくなってしまったティア。兵器としての教育。殺し屋としての生活。一人きりの時間。それによってイヴは金色の闇になった。光を失ってしまった。
でも、新しい光をヤミは見つける。ティアに対するものとは違う感情。それでも、あの光に満ちていた時間に勝るとも劣らない、かけがえのない何か。
結城リトへの想い。兵器では持ちえない、ヒトとしての感情。
――――素敵。
メアは初めて正しい意味でその言葉を呟く。
『恋』
それが戦いではない、日常の中で持ちえるヒトとしての初めての感情。同時に、こうなりたいというメアの憧れだった――――
「……あれ? わたし……」
意識を取り戻し、体を起こす。体中が軋み、痛みが走るも何とか我慢する。自分の身体には毛布が掛けられている。その下は真っ裸。一体何がどうなっているのか。
「目が覚めましたか、メア」
「ヤミお姉ちゃん……? そっか、わたしお姉ちゃんと戦ってて、それで」
自分を見つめているヤミお姉ちゃんの姿でようやく事情を思い出す。敗北してしまったこと、N.S剤を使用したこと。しかしそれから先のことは全く思い出せない。ただ今の状況を見るに、それでもわたしは負けてしまったのだろう。マスターになんて言えばいいのか。そんなことを考えていると
「全く、危うく全滅するところだったぞ。はしゃぐのはいいが、ほどほどにしておけよメア?」
何故か自分の胸元からにょきっとマスターが生えてきた。あまりに突然の出来事に目が点になってしまう。
「マ、マスター? どうしてここに、っていうかなんでわたしの中にいるの?」
「
マスターはいつもの調子でそんなことを言ってくる。同時にようやく分かった。あの時マスターが自分と一緒に行動を共にしてくれた理由。マスターにとってはダークマターを維持するために宿主が必要だったのだと。普通なら怒るのかもしれない。でも
「そっか……マスター、ずっとわたしと一緒だったんだね、素敵」
今のわたしにあるのは喜びだけだった。ひとりぼっちではなかった。たったそれだけなのに、それがこんなにも嬉しい。
「ふむ……妙なやつだな。まあそれでもお前が私の大切な下僕であるのは変わらん。あまり世話を焼かすなよ」
理解できんなとばかりに呆れているマスターに感謝しながらも改めてヤミお姉ちゃんに向き合う。ヤミお姉ちゃんはいつもと変わらない。無表情で不愛想。
「姉妹喧嘩はここで終わりです。それと言っておきます。兵器ごっこをしている内は私には勝てませんよ」
いつかと全く逆のことを宣言されてしまう。それに反論もできない。こうして負けてしまっている以上、それは覆せない。けれど
「それと、喧嘩する気でなければいつでも遊びに来ればいいでしょう。私はともかく、結城リトはドがつくほどのお人好しですから。きっと今までのことも許してくれるでしょう」
淡々としながらも、どこか声色を変えながらお姉ちゃんはそんなことを言ってくれる。恥ずかしいのか、そっぽを向いたまま。それだけで十分だった。
「ただし、えっちぃのは見逃せませんが」
お姉ちゃんが、わたしのことを想ってくれているのが伝わってきたから。精神侵入しなくても分かるぐらい、はっきりと。
「……うん、またね、お姉ちゃん!」
それがわたしとお姉ちゃんの姉妹喧嘩の終わり。そして仲直りができた瞬間だった――――
(とりあえず、これで一段落といったところでしょうか……)
もうここにはいないメアとネメシスのことを考えながらもとりあえずは溜息を吐く。色々と問題は山積しているが一安心していいだろう。ただ気になるのはネメシスの去り際の一言。
『私たちは創造主の掌の上で遊ばされている。それを忘れないことだ』
それが引っかかっている。もしかしたらあれはネメシスなりの忠告だったのかもしれない。なんにせよまだ油断はできない。そんなことを考えていると
「あ、やっと見つけた! ヤミちゃーん!」
「こ、こら、ララ!? もうちょっとスピード落とせって! また落っこちちゃうだろ!?」
「あれはリトが悪いんだから! 敏感だって言ってるのに尻尾掴んだりするから」
「スピードが速すぎてほかに掴むところがなかったんだから仕方ないだろ!?」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら自らの主とその婚約者候補(偽)が空を飛びながらこっちにやってくる。どうやらあの二人はどこまでいってもあの調子らしい。
「よかった……ヤミも大丈夫そうだな。メアとネメシスは?」
「もう逃げて行きました。それよりもまだそんな恰好をしていたんですか? 露出の趣味があったんですか」
「そ、そんなわけないだろ!? 着替える暇がなくて仕方なくだよ……」
「わたしのペケ貸してあげようか、リト?」
「そしたらまたお前が裸になるだけだろ!?」
プリンセスに振り回されている結城リトの姿に逆に安心感を覚えているのはわたしもこの二人に影響されてしまっている証拠だろう。
「いつまで騒いでいるんですか。早く地球に戻りましょう。美柑たちも心配していますから」
「そ、そうだな……できれば服だけは回収してから帰りたいんだけど」
そう言いながらそそくさと私とプリンセスの後をついてくる結城リト。端から見れば情けないことこの上ない。なんでわたしはこんな男のことを。そんな中
「え?」
「あ」
ただ声をあげることしかできない。もはや口に出す必要もないほど慣れてしまった、あの感覚。結城リトのとらぶるに巻き込まれてしまう感覚。しかも私だけでなくプリンセスも一緒。プリンセスは胸を鷲掴み(もちろんペケは解除され全裸)にされ喘ぎ声を上げ、私はパンツに手を突っ込まれてしまっている。何とか声は我慢したが問題はそこではない。なぜなら
「すごいね、リト! これって新記録だよ!」
純粋に驚いているのか、それとも結城リトのテクニックが凄かったのか。息を乱しながらプリンセスはそう声をあげる。そう、結城リトは今日既に四回のとらぶるを消費していた。にもかかわらず、五回目が起こってしまった。つまり
結城リトのラッキースケベがさらに限界突破してしまった、ということ。
「は、はは……ご、ごめんなさ」
「えっちぃのは嫌いです!」
悟りにも似た乾いた笑みを浮かべている結城リトに仕方なくいつも通りの制裁を行う。
それがリト、ララ、ヤミがいつもの日常に戻った瞬間。そしてさらなるとらぶるな日々の始まりだった――――
作者です。第三十二話を投稿させていただきました。
本当なら早く更新できる予定だったのですが遅くなってしまって申し訳ありませんでした。
今回でメア、ネメシスとの戦いは一段落となります。バトル展開が多くなってしまっていましたがこれからはしばらくいつもの日常パートになる予定です。
次話は起承転結の転の部分のエピローグ。そしてデビルークの夏休みになる予定です。お付き合いくださるとうれしいです。では。