もし結城リトのラッキースケベが限界突破していたら 【完結】   作:HAJI

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第三十五話 「参戦」

「ど、どうしてナナとモモが……?」

「朝言ったでしょ? 三人で遊ぼうって、だから一緒に連れてきたの。いけなかった?」

「い、いや……そういうわけじゃないんだけど……その……」

 

 

いけなかった? と首をかしげているララにまともに返す言葉が見つからない。そういえば朝、そんなことを言っていたような気もするがデビルーク王の乱入ですっかり忘れてしまっていた。だがそれよりもやはりというか、ララのいつもと変わらない態度はある意味すごい。自分の背後では大音量のえっちぃ画像が絶賛放映中にもかかわらず特に気にした様子がない。むしろこっちが心配になるレベル。

 

 

「リ、リトお前、なんでそんなケダモノみたいなビデオ見てるんだ!? とらぶるだけじゃなくて、まさか本当のケダモノなんじゃ……?」

「ち、違う!? これはその……なんというか……」

 

 

ある意味ではこっちが安心するリアクションをしてくれるナナにほっとするが、同時にどう説明したものか。ララとは対照的にナナは耳まで真っ赤にして狼狽している。それでも気になるのかちらちらと自分の背後の映像に目を奪われている。だがどう言い訳したものか。というか別に悪いことをしていたわけではないので言い訳する必要もないような気もするのだが。男はみんなケダモノだとでも言えばいいのか。とにかくこのままではまずいとあたふたしていると

 

 

「……全く、本当にお子様なんだから、ナナは。殿方がこういったものを持っているのは当たり前でしょう? それにこの映像装置は宇宙規格。きっとお父様と一緒に買いに行かれたんですよね、リトさん?」

「え……? あ、はい……」

 

 

思わず敬語で返事をしてしまう。あまりにも理解があるモモの対応に感謝しながら同時にある種の恐怖も感じる。ララよりも年下でナナと同い年。日本でいえば中学生の年齢でここまで男の事情を理解しているなんて。えっちぃ映像を見ながら若干頬を赤くしながらも取り乱すどころかむしろ楽し気にしている。ナナとは対照的な反応。

 

 

「わたしも昔、パパが同じようなの見てるの見たことあるよ。なんでかママに怒られてたけど」

「そ、そうか……」

 

 

思い出した、とばかりに聞きたくなかった思い出を聞かされてどう反応すればいいのか分からない。どうやらデビルーク王は昔から変わらないらしい。娘に見られた挙句、妻に没収されるところまで見られてるなんて。だが今の自分も決して他人ごとではない。もしかしたら状況的には自分のほうがアウトかもしれない。

 

 

「リトもこういうのが好きなんだね。でもどうしてとらぶるは嫌なの?」

「っ!? いや、それとこれとは別で……と、とにかく出て行ってくれ! これ壊れちゃってるみたいで止まらないから!」

 

 

どこか興味深げに映像を鑑賞し始めているララに驚きながらも、我に返り必死に部屋から追い出そうとする。このままでは二次被害がどこまで及ぶか分かったものではない。だがそんな自分の必死さを勘違いしたのか。

 

 

「そうなんだ、だったら任せて! わたしが直してあげる♪」

「え?」

 

 

ララは得意げにどこからか工具のようなものを取り出して映像キューブを手に取って修理を始めてしまう。万能ツールと呼ばれる道具。それによってあっという間に機械は分解され、同時に組み立て直されていく。目にも止まらない早業。改めてララが天才的な発明家なのだと認識させてくれる。

 

 

「はい、これで直ったよリト!」

「あ、ありがとうララ、た、助かったよ……」

 

 

ニコニコと笑顔を見せながらキューブを見せびらかしてくるララには感謝するしかない。これでとりあえずえっちぃ映像が流れ続ける悪夢からは助かった。だが別の意味では全く助かってはいないのだがもはやどうしようもない。

 

 

「でもなんでそんなに恥ずかしがってるの? 男の人と女の人が裸でとらぶるしてるだけでしょ?」

「と、とらぶるじゃないって! 大体とらぶる持ってるのはオレだけだし」

「? ならどうしてこの人たちはこんなことしてるの?」

「っ!? なんでまた点けてるんだよ!? やめろって!?」

 

 

なぜか再びポチッとボタンを押しアダルトビデオを再生し始めるララ。安心した直後の漫才のような展開に体がついていかない。どうもララはえっちぃこと=とらぶるだと認識しているらしい。前に校長に襲い掛かられた時もそんなこと言ってたような気がする。自分のせいとはいえその常識、羞恥心のなさはどうにかならないのか。というか映像を止めてくださいお願いしますと懇願していると

 

 

「あら、いいじゃないですかリトさん。せっかくですからみんなで鑑賞しませんか?」

 

 

桃色の小悪魔は尻尾を揺らしながらそんな意味不明なことを提案してくる。聞こえているのに、何を言っているのかわからない。こんな経験は生まれて初めてだった。

 

 

「み、みんなで……? い、一体何を言ってるんだモモ!? そんなことできるわけないだろ!?」

「そうですか? わたしは全然気にしませんけど、それにリトさんにとっても必要なことかもしれません。実はお姉様とナナは性教育を受けてないんです」

「は……?」

 

 

さらっとモモはそんなことを暴露する。ララに関しては既に確認しており、ナナに関しても赤ちゃんの作り方を知らなかったことから自分はもう分かっているのだが本人達の前でそれを暴露するなんていったいどういうつもりなのか。

 

 

「っ!? モ、モモ、お前何勝手にしゃべってるんだ!?」

「本当のことでしょう? ナナは王宮の勉強をさぼってばかりでまともに受けてませんし、お姉様は発明に夢中でそういったことに興味がなかったようですから」

「ララ、お前、前聞いた時には保健体育はなかったって言ってたじゃないか!?」

「えへへ、ごめんね。その性教育っていうのとリトが言ってたのが同じって知らなかったの」

 

 

舌を出しながら謝っているララに脱力するしかない。どうやらデビルークに性教育がないわけでなく、ララがまともに受けていなかっただけらしい。もっとも受けていたとしても羞恥心のなさがなくなるかと言われれば疑問だが。

 

 

「なので二人にはいい機会だと思うんです。リトさんの授業ならきっと二人も受けてくれると思いますし」

 

 

人差し指を唇に当て、ウインクをしながらモモはそんな提案をしてくる。なるほど、確かに理に適っていると一瞬思いかけてしまったがやはりあり得ない。

 

 

(な、なんで男の俺が女の子の性教育なんてしなきゃいけないんだよ!? しかも自分の選んだアダルトビデオを教材にって……どんな拷問なんだ!?)

 

 

男の自分がするだけでもおかしいのにその教材が自分の好みのアダルトビデオ。拷問以外の何物でもない。モモもそれが分かっていないわけではない。むしろ理解したうえでそんなことを言ってきているのだろう。最近どこかおとなしかったのに、その反動なのか。

 

 

「そ、そんな無茶苦茶な……ん? じゃあモモにはもう性教育は必要ないんじゃ……」

「っ!? そ、それはその……」

「ふん、気をつけろよリト。モモの奴、王宮の勉強だけじゃなくてネットでもエロいこと調べてるビッチだからな」

「なっ……!? お、お子様のナナには言われたくないわ! そこまで言うんだったらあなただけ部屋に帰ればいいでしょ? わたしとお姉様は残るから。まあ、そもそもナナには刺激が強すぎて無理でしょうけどね」

「バ、バカにするな! あたしだって、その、こんなの全然平気なんだからな! リトのとらぶるに比べたら大したことないぞ!」

「もう、二人とも喧嘩しないの。みんなで一緒に見ればいいんでしょ? じゃあ始めるよ」

「お、お前らな……」

 

 

あれよとあれよという間に何故かもう視聴が確定事項になってしまっている。一人で喧嘩になるならみんなで。ララの考え方で正しいことだと思うのだがこの場合は明らかにおかしい。必死に抗議するがもうララ達は動く気はないらしい。自分だけこの場を離れる手も考えたがそれはそれで問題がある。

 

そんなこんなでデビルーク三姉妹とのあだると性教育(強制)の時間が始まってしまった――――のだが。

 

開始一分ですぐに理解する。これはララたちにとっては性教育でも、自分にとってはただの羞恥プレイでしかなかったのだと。

 

 

「……あれ? この女の人、お姉様に似てませんか?」

「え? ほんとだ、私よりは年上だけど、すごい偶然だね!」

「…………ソ、ソウデスネ」

「――――」

 

 

もっとも気づかれたくないことに開始一分も経たずにモモに見抜かれてしまう。当のララは全く気にした風もないのだけが救い。しかしナナからはどこか侮蔑のこもった視線を向けられてしまう。元々釣り目なので余計に怖い。モモはどこか意味深な笑みを浮かべてこっちを見つめている。間違いなく二人は気づいている。自分は正座したまま。本能だろうか。出鼻からすでに心が折れそうだった。

 

だがまだそれは序盤も序盤。ようやく女性が服を脱ぎ、その裸体が露わになってしまう。ララ達は興味深げにそれに魅入っているが自分は下を向いて直視しないようにするしかない。できるだけ意識しないように、心を鉄にする。しかし

 

 

「こんなのが面白いの? 裸ならわたしの毎日見てるのに……」

「リ、リト……お前、姉上の裸を毎日見てるのか!?」

「………ソ、ソウデスネ」

「流石ですね、リトさん♪」

 

 

それは硝子のように無残に砕けてしまう。ララから明かされるとらぶるの実情。自分も慣れてきてしまっているから麻痺していたが、明らかにそれはおかしい。同時に自分が毎日そんなことをララにさせてしまっていることを突き付けられていたたまれない気持ちになってしまう。ナナとは対照的にモモはどこか尊敬のまなざしを向けてくる。一体オレを何だと思っているのか。

 

そんな中、とうとうえっちぃことが始まってしまう。女性が胸を触られて喘ぎ声を上げている。映像は見ないようにしてもその声だけで体が反応してしまいそうになるのを必死に耐える。本当に自分は何をしているんだろうか。

 

 

「やっぱりおっぱいを触られるのって気持ちいいんだ。わたしもリトにとらぶるされるとそうだし、みんな同じなのかな?」

「…………ソ、ソウデスネ」

「確かにリトさんのとらぶるはすごかったですから……ナナもそう思わない?」

「な、なんでそこであたしに聞くんだよ!?」

 

 

話題はやはり自分のとらぶるに飛び火してしまう。もはや自分には何も言う権利はない。あるのは申し訳なさと一刻も早くこの鑑賞会が終わることを願うだけ。

 

だがおっぱいの話題になってから、明らかにナナの様子がおかしい。

 

 

「――――」

 

 

ナナはどこか心ここにあらずと言った風に映像に目を奪われている。そして無言のまま映像の胸と自分の胸を見比べている。あまりにも残酷な現実。

 

 

「いくら見比べてもそのペッタンコな胸は変わらないわよ、ナナ……」

「だ、誰がペッタンコだ!? あ、あたしはただあんなケダモノみたいなことして何が楽しいのかなって思っただけで……それだけなんだからな!」

「そっか、ナナ、おっぱい小さいの気にしてたもんね。今度おっぱいが大きくなる発明品作ってあげようか?」

「ほ、ほんとか姉上っ!?」

「でもナナの胸を大きくするなんて、リトさんのとらぶるを治すより難しい気がするわね」

「な、なんでそこまで言われなきゃいけないんだ!? だ、だいたい胸の大きさなんてどうでもいいだろ! な、リト!?」

「…………ソ、ソウデスネ」

「? リト、さっきからそれしか言ってないけど、どうかしたの?」

「リトさん、正直に仰ってくださいね。その方がナナのためですから」

「な、なんだよ……リトまで……ペ、ペッタンコで悪かったな……」

 

 

ぐすっと涙目になりながら落ち込んでいるナナにかける言葉が見つからない。ナナにはナナにしかない魅力があると伝えたいのだが状況的に何を言っても今は通じないだろう。それにナナを気遣っている余裕はすぐになくなってしまう。

 

それは男性の描写。しかも無修正。モザイクも何もない、雄々しく反り立っている男性自身が映し出されてしまう。

 

 

「――――」

 

 

瞬間、部屋の空気が変わる。ララは興味津々、モモはごくっと息を飲んでいる。ナナに至っては理解できないのか頭の上に?マークがいくつも浮かび完全な混乱状態。あまりにも刺激的な状態。同時に三人の視線が自分に向けられる。正確には自分の股間に視線が集まってしまう。戦慄し、変な汗が全身からにじみ出てくる。ただ両手で股間を隠したまま正座をしたまま固まるしかない。

 

 

「リトのもあんな風に大きくなるの?」

「と、時と場合による、かな……」

 

 

純粋なララの質問にそれ以上答えることはできない。大きさについてはノーコメント。ある意味それは女の人に胸の大きさを聞くより尊厳に関わる事案なのだが言っても分かってはもらえないだろう。自分にできるのはできるかぎり前かがみになりながら必死に耐えることだけ。そんな自分の姿にモモはまあ、とどこかわくわくした様子、ナナはうわ言のようにケダモノと連呼している。

 

それからも地獄に近い時間が続く。あれって舐めるとおいしいの? とか舐められるのって気持ちいの?とか しまいにはリトの見せてくれると迫ってくるララ。そんな様子をどこか楽しそうに見つめ、茶々を入れてくるモモ。そういえばこのころからナナがしゃべらなくなっていった気がする。そしてついにその時がやってくる。いわゆる本番が始まってしまったのだった。

 

 

「な、何だあれ……? な、なにしてるんだ……?」

「何って子作りに決まってるでしょ……? ナナ、貴方まさか本当にやり方すら知らなかったの? 電脳サファリで赤ちゃんたくさん生まれてるでしょ?」

「そ、そうだけど……夫婦になると自然にできてたから、そういうもんだって思ってて……あ、あんなに入れるなんて知らなくって……」

「すごーい! ああやって子供つくるんだー」

 

 

ナナは顔だけでなく、体全身をか真っ赤にし体を震わせている。涙目でかろうじて耐えているような有様。血圧が上がり過ぎて鼻血を出して倒れかねない。対してララは生物の神秘に触れたように違う意味で興奮している。同じ姉妹なのにここまで違うなんてある意味感心してしまうほど。

 

 

「じゃ、じゃああたし達も父上と母上がああいうことしたから生まれて……あ、あたしも将来ああいうことしなくちゃいけないのか……? あたしも、あんなケダモノみたいに……」

 

 

目をぐるぐる回しながら、ケダモノがゲシュタルト崩壊を起こしているナナ。ある意味、人間もケダモノなのだと真実を知ってしまった代償。コウノトリを信じているような少女に無修正のポルノを見せてしまった罪悪感でこっちは一杯だったがもうここまで来てはどうしようもない。

 

そこからは全員が映像に食い入るように見入ってしまう。言葉数も減り、余裕を見せていたモモも黙り込み、ララも集中している。ナナも今にも倒れそうになりながらも目を離していない。だがそれだけではない。

 

 

(なっ――――!?)

 

 

思わず声を上げそうになるも寸でのところで我慢する。そこには目を背けたい光景が広がっている。ララは自分の胸をもみ、ナナは足をモジモジさせ、モモに至っては尻尾をいじっている。あまりにも背徳的でマズイ状況。

 

 

(い、いくらなんでもマズいだろ!? こんなところ誰かに見られでもしたら……っていうかなんでオレ、こんなことしてるんだ!?)

 

 

理解できない状況にようやく正気に戻ることができた。アダルトビデオを見ているのがバレてしまったショックから始まってあれよあれよという間にここまで至ったがどう考えてもおかしい。こんなところを誰かに見られたらどうなるのか。今度こそセフィさんの説教を受ける羽目になりかねない。

 

 

「も、もういいだろ!? これで終わりだ!」

 

 

長時間正座をしていたせいで足がしびれて情けないことになっているが何とか映像を中断する。はじめからこうすればよかったのにどうしてこんなことになってしまったのか。自分も何か変な状況にあてられてしまっていたのかもしれない。

 

 

「えー? もうおしまいなの?」

「そ、そうだよ。もうほとんど終わってたし、夜も遅いからみんな部屋に戻ってくれ。今日はゲームはなしな」

 

 

いいところで終わってしまったからか、ララは不満げにしているが無視する。どうやら胸をもんでいたのは無意識だったらしい。映像はともかく、すぐ近くで女の子が自慰している状況には流石に耐えられない。というか自分も限界に近かった。

 

 

「そ、そうですね……じゃあわたしはこれで失礼します。お邪魔しました、リトさん。ほら、ナナ、あなたも部屋に帰るわよ」

「ほえ? わ、らひはだいじょうぶらろ。おこしゃまあつかいしゅるなって……」

 

 

どこかそそくさと慌てながらモモは完全に呂律が回っていないナナを引っ張りながら部屋を後にしていく。部屋にたどり着けるか非常に心配だが、モモに任せた方がいいだろう。いろいろ意味で。

 

 

「はあ……とにかくこれでもうおしまいな。ララもこれで色々その……分かっただろ?」

「うん! これからは知らない人には見つからないようにとらぶるするね!」

 

 

全く分かっていないララの返事に頭が痛くなるが仕方ない。それでも人前ですることではないと分かってくれただけでも収穫と言えるかもしれない。

 

 

「そ、そうだな……それと、今日のことは誰にも内緒にしておいてくれ。その代わり……うん、えっちぃこと以外なら一つ言うこと聞くからさ」

 

 

とりあえず忘れないうちに釘を刺しておかなくては。ナナとモモについては心配ないが、ララは普通に今日のことを誰かに話す可能性がある。セフィさんにもだが、ヤミや美柑にバレたらどうなるか分かったものではない。代わりと言っては何だが言うことを一つ聞くことにしよう。前のように体を拭くようなえっちぃこと以外なら問題ないはず。だが

 

 

「ほんと!? じゃあわたし、リトにキスしてほしいな」

 

 

ララは本当にこっちの話を聞いていたのか疑いたくなるようなお願いをしてきた。

 

 

「キ、キス……!? は、話聞いてなかったのか!? えっちぃこと以外って言っただろ?」

「だってリト、とらぶるしてても一度もキスしてくれないんだもん。どうして?」

 

 

どこか不満げにララはそんなよく分からない質問をしてくる。どうやら今朝、自分がララとキスしたくないと言ったのを気にしていたらしい。

 

 

「それは……キスってのは、本当に好きな人とするものなの。婚約者候補の振りでも、しちゃいけないからさ」

 

 

キス以上のことを散々しておいて説得力は皆無だが、それでもだファーストキスは女の子にとっては大切なものに違いない。だからこそララには本当に好きな人とキスをしてほしい。なのに

 

 

「だったら大丈夫だよ。わたし、リトのこと好きだもん」

「え……?」

 

 

当たり前のようにララはそんなことを口にしてくる。まるで挨拶のように。そこに嘘はない。間違いない自分への好意。けれど同時に、自分が言っている『好き』とララの口にしている『好き』が違うのだとはっきり感じられるもの。

 

 

「そ、そういうのとは違うんだって、セフィさんも言ってたろ!? とにかく、キスは禁止だ!」

「えー、よく分かんないなー。そういえば、リトはキスしたことないの?」

「え? あ、ああ……好きな人とはキスしたことないよ……うん」

 

 

嘘は言っていない。好きな人とはキスをしたことはない。男とはキスしたことはあるが。それも二度。でもそれはノーカンだ。きっとそのはず。

 

 

「そっか……ならいいかな。じゃあ……そうだ! わたし、リトと学校に行きたい!」

「が、学校に……? お前、まだあきらめてなかったのか?」

「そうだよ。だってヤミちゃんとは一緒に楽しそうに学校行ってるのに、わたしはダメだってリトが言うんだもん」

「それは……ヤミが来てるのはオレの護衛の仕事だからで、別に遊びに来てるわけじゃ……」

「知ってるよ。でも楽しそうだなーって。みんなの前でとらぶるしたり、裸にならないようにしたらいいんでしょ? ちゃんとそれは守るから! 何でも言うこと聞いてくれるって言ったのはリトだよ?」

 

 

ララのもっともらしい説得に思わず押されてしまう。確かにそれなら問題ないかもしれない。聞かれるたびにララにいじわるしているようで悪い気がしていたのも事実。今回の件で人前でとらぶるしたり、裸になることはいけないことだと理解してくれたのは間違いない。ララ自身が楽しそうだというのもあるが、自分が学校でちゃんとできているか心配させてしまっているのもある。それにララが来てくれれば、ヤミの負担も少なくなるだろう。

 

 

「…………分かった。でもみんなには内緒だぞ。バレるときっと面倒なことになるからさ」

「ほんと!? やったー! これで学校が始まってもずっと一緒だね、リト!」

 

 

やったーとぴょんぴょん跳ねながらペケで制服姿に着替えて喜んでいるララを見ていたらまあ仕方ないかと思える。ただ今から明かすとナナやモモも転校してきかねない。今回のことからもほぼ間違いない。宇宙人のララをどうやって転校させればいいのかふと心配になるもすぐに心配無用だと気づく。あの校長のことだ。可愛いからよし! と親指を立てているのが目に浮かぶ。

 

 

(夏休みが終わっても……いろいろ大変かもな……)

 

 

分かり切ったことに頭を痛めながらもあきらめるしかない。それが自分とララの関係なのだから。ただこのままでは居候になってしまう日も遠くないのではと心配になってくる。

 

そんなこんなで、なし崩し的にララ・サタリン・デビルークの二学期からの彩南高校への電撃参戦が決定されたのだった――――

 

 

 

 




作者です。第三十五話を投稿させていただきました。

今回はデビルーク三姉妹とのアダルトビデオ鑑賞とララの彩南高校転入決定までとなっています。

一応対面上はララとナナに対する性教育ですが半分以上リトに対する羞恥プレイのようなものになっています。

プロットではヤミと美柑に見つかってしまうパターンもありました。違いとしてはリトが選んだのがララではなく、ヤミに似た女性の作品になり、ヤミに変身によって破壊されてしまうのですがヤミはこっそり回収、復元して持ち帰ってしまうという内容でした。

いつもよりはえっちぃ内容ですが楽しんでいただければ嬉しいです。では。
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