もし結城リトのラッキースケベが限界突破していたら 【完結】   作:HAJI

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第六十一話 「リト」

「失礼します、エヴァ様! 宜しいでしょうか?」

 

 

緊張をした面持ちで、指揮官の一人である兵士が指令室へとやってくる。無言の許可と共に、ドアが開き兵士は招き入れられる。そこには一人の女性がいた。十字架の印が刻まれた仮面と甲冑に身を包んでいる。女性と分かるのはその長い桃色の髪のせい。もしそれがなければ、誰もが彼の人を女性だとは思わないだろう。

 

 

「何だ……状況に変化があったのか?」

 

 

仮面を被っているせいか、それとも変声機の類でも使っているのか。曇った機械のような声が響き渡る。その威圧感だけで息が詰まりそうなほど、エヴァ・セイバーハーゲンは常軌を逸している。かつて宇宙を二分し、今はあのデビルーク王を倒したとされる、曰く魔人だとされる存在。味方だとしても畏怖せざるを得ない。

 

 

「は、はっ! 状況は全て終了。メモルゼ星は我々の支配下に置かれました。その王族と思われる者たちも捕らえたのですが、いかがいたしましょう?」

 

 

デビルークとの同盟国であるメモルゼ星に侵攻しておよそ一日。もはやメモルゼ星に戦う力は残っておらず、完全にエヴァ側の手に堕ちた。その王族たちも捕らえられてしまっている。兵士はその処遇をどうするか指示を仰ぎに来た形。だが

 

 

「……好きにしろ。オレは忙しい。デビルーク侵攻の準備が整うまで、余計な報告は必要ない」

 

 

エヴァはまるで興味がないとばかりに返答するだけ。そう、エヴァにとってはここは通過点に過ぎない。デビルークにとっての最終防衛線であるメモルゼ星が攻略された以上、もはや残るはデビルーク星のみ。それこそのエヴァの本懐であるそれ以外は些事に過ぎない。それを示すように、エヴァからは先ほど以上の威圧感が感じられる。これ以上余計なことを言えばどうなるか分からない、と思わせるほど。

 

 

「わ、分かりました……失礼致します!」

 

 

まるで逃げ出すように、敬礼をしながら兵士は部屋を去っていく。敵からだけでなく、味方からも恐れられる。それが今の、エヴァ・セイバーハーゲンの姿だった――――

 

 

 

「ふむ……」

 

 

一人きりとなった指令室で椅子に腰掛けながら思案する。予想よりも遥かに状況は整った。もうデビルークを守るものはなく、直接侵攻を行うのみ。王手をかけたも同然。いや、それは間違いだろう。デビルーク王を倒した時点で既にデビルークは詰んでいたのだから。改めてこの体の理不尽ともいえる力を実感する。先の大戦から既に布石は打っていたが、この体のおかげで多少の誤差などあってないような物。不確定要素を全て消し去って余りある力。それを実感している中

 

 

『ねえ、どうしてあなたはこんなことをしてるの?』

 

 

そんな、少女の声が頭に響いてくる。もう何度目になるか分からない問いかけ。ここにはいない、この体の内にいる、本来の肉体の持ち主。

 

 

「またお前か……もう出てこれないようにしたはずだが……なるほど、その頑固さは父親譲りだな」

 

 

ララ・サタリン・デビルーク。変身融合によって肉体を乗っ取り、精神も拘束したはずだがそれでも抗いながらこちらに話しかけてくる。デビルークだからか、それともこの少女の精神の強さか。変身融合に精神だけとはいえ抵抗してくるとは、流石はギドの娘といえるのかもしれない。

 

 

『そんなことはいいの! どうしてあなたはこんなことをしてるの?』

「妙なことを聞く。デビルークを滅ぼすのがオレの目的だ。見ればわかるだろう?」

 

 

半分呆れながら当然の回答を返す。ギドは手に入れたが、それが奪われる可能性はゼロではない。そうなればギドは力を取り戻し、厄介なことになりかねない。その可能性があり得るデビルーク、あの女を始末しなければオレの勝ちにはならない。もう二度と不覚を取るわけにはいかない。だが

 

 

『違うよ! どうして好きな人を傷つけるようなことをしてるのって聞いてるの!」

 

 

そんなことはどうでもいいとばかりに、少女は真っすぐにオレに向かって問いただしてくる。何も知らない子供のような幼稚な言葉。だからこそ、どうしようもなく、オレの本質に気づいているかのように。

 

 

「好きな人……? いったい何の話をしている」

『パパのことだよ! あなたはパパのことが好きなんでしょ? なのに何でこんなことしてるの? こんなことしてもパパは喜んだりしないんだから!』

「何を言うかと思えばそんなことか……当然だろう。昔からオレはこうやってギドと争ってきた。それの何がおかしい」

 

 

くだらないことを繰り返してくる少女に容赦なく宣言する。自分とギドの在り方。誰にも理解されず、誰に理解してもらう必要もない自分とギドの繋がり。それをこんな小娘に理解できるはずもない。なのに

 

 

『おかしいよ! ママ言ってたもん! あなたもパパが好きなんだって! 好きな人を傷つけるなんて、間違ってる!』

 

 

その言葉を聞いた途端、全身が総毛立つ。同時に凄まじい感情が生まれてくる。脳裏に浮かぶのは、あの女の姿。奇しくも今の肉体と瓜二つの、桃色の髪をしたオレの――

 

 

「っ!? きゃっ!?」

「……他人よりもまず自分の心配をしたらどうだ。今の状況が分からないほど未熟ではあるまい。お前はもう二度と表に出ることはない。死んだようなものだということを理解しているのか?」

 

 

変身融合の力を強めて、少女の精神に負荷をかける。それから逃れる術はない。今すぐには無理だが、やがてその精神すら摩耗してなくなっていくだろう。それはもはや死と同義。なのにその相手に話しかけて、あろうことか心配するなど正気ではない。およそ自分には理解できない存在。

 

 

『ううん……わたし、信じてるもん。きっと……リトが助けに来てくれるって……』

 

 

今度こそ、言葉を失う。この状況で、誰かの助けが来るなどという希望を持っている少女に。強がりでも何でもない。この少女は信じている。自分を助けにその誰かが来ることを。

 

 

「リト……? あの、黒鳥の少年のことか……? 何の力もない地球人に何ができる? 黒鳥の力に期待しているなら無駄だ。あれはもはや黒鳥ではない。変質してしまっている、別の何かだ。よしんばあったとしても今のオレには」

『違うの……黒鳥とか……とらぶるとかじゃないの。わたしは……リトのことを信じてるの。わたしが……宇宙で一番好きな人だから』

 

 

こちらの言葉などもはや聞こえていないかのように、ただそれを繰り返す。好きな人。誰よりも信頼している誰か。端から見れば、無様この上ない姿。なのに、どうしてこんなにもオレはそれに苛立っているのか。

 

 

「そうか……ならその覚めない夢を見続けているといい」

 

 

それを棚上げしたまま、今度こそ少女の精神を奥底に封じ込める。もうその声は聞こえてこない。それに知らず安堵していると

 

 

「どうした、辛気臭せー顔しやがって。仮面をしててもバレバレだぜ?」

 

 

ケケケ、といつもと変わらないこちらを小馬鹿にするような笑いと共に部屋の一角にある牢屋から声が聞こえてくる。ギド・ルシオン・デビルーク。その姿はもはや全盛期とはほど遠い赤ん坊同然。その首には首輪、手には手錠がかけられている。万が一にも抵抗ができないように特注されている物。問題があるとすれば、捕虜になっているはずなのにまるでそれを気にしてないギドの振る舞い。

 

 

「ふん、うるさい娘が頭の中にいてな。頑固さに頭を痛めていたところだ。流石はお前の娘だ。他人の言うことを全く聞こうとしない」

「ハハ、そりゃ災難だったな。だが油断しない方がいいぜ? あいつは言い出したら聞かねえからな。親のオレでも読めねえ奴だからな、あいつは!」

 

 

傑作だとばかりに馬鹿笑いしているギドにお仕置きという名の電流を流してやろうかと思うも思いとどまる。ここで反応していてはこの親子と同じレベルまで落ちてしまう。

 

 

「だろうな……だが、随分余裕があるようだな。これからデビルークが滅ぼされるというのに……まさかとは思うが、まだ負けを認めていないのか?」

「ケッ、そんなの当たり前だ……って言いてえところだが今回ばかりはどうにもならねえ。認めてやるさ、今回はオレ様の負けだ」

「…………」

 

 

今度こそ言葉を失ってしまう。まさか言葉だけとはいえ、あのギドが負けを認めるなんて。嘘をついてこちらの隙を狙うつもりかとも思ったがそんな素振りもない。あり得ない。普通なら納得するところだが、この場に限ってはそれは、どんな言葉よりも不気味だった。

 

 

「だが、勘違いするなよ。お前はオレに勝っただけだ。今のお前を負かすとしたら……次の世代、何も知らない子供(ガキ)どもだ」

 

 

その瞳に確かな灯を見せながらギドは予言する。およそギドらしくない、オレが知らないギドの姿。それに言いようのない感情を抱く。先の少女に抱いたものと同質のもの。

 

 

「知ってるか? 子供(ガキ)ってのは親に反抗するもんだぜ?」

 

 

オレの知らない、親としてのギドの言葉。それがいったい何を意味するのか。分からない。自分には子供などいない。だが……もし、そう言える者がいるとすれば――――

 

 

瞬間、けたたましい警報音が鳴り響く。緊急事態を知らせるもの。それが何を意味するのか、エヴァはまだ知らない。だがすぐに彼女は思い知ることになる。因果応報。自らが弄んだ全ての因果が今、ここに追いついたのだと――――

 

 

 

「何だあれは……?」

 

 

反乱軍の兵士の一人はただ呆然とその光景に目を奪われる。それは全ての兵士も同じ。臨戦態勢のまま、突如現れた宇宙船と対峙する。既にメモルゼ星の戦力は掃討している。ならあれはデビルークからの援軍なのか。それを示すようにそこにはデビルーク軍であることを示すマークがある。だがあり得ない。もう大勢は決した。ここを奪還するために戦力を派遣するよりも、母星であるデビルークでの防衛戦に備えるのが定石であり当たり前。デビルークは血迷ったのか、特攻の真似事か。どよめき立つも反乱軍が迎撃態勢を取ろうとした瞬間、それは現れた。

 

 

「――――ごきげんよう。私はデビルーク王妃、セフィ・ミカエラ・デビルークです」

 

 

絹のように滑らかな桃色の髪に、純白のドレス。顔を隠していても抑えることができない美貌。宇宙で一番美しいとされる女性が今、姿を見せている。しかも無防備に、宇宙船の甲板に。一体何が起こっているのか。反乱軍はただ混乱するしかない。当たり前だ。王妃はその美貌もだが、デビルーク王がいない今は最高司令官に相当する存在。それが戦場の前線に現れる。正気の沙汰ではない。一体何が狙いなのか。

 

 

「今日は皆様にお願いがあってきました……」

 

 

思わず見とれてしまうような美しい所作でお辞儀をしながら王妃はそんな言葉を口にする。そこでようやく兵士たちは悟る。それが降伏宣言なのだと。あのデビルークがついに白旗を上げたのだと。それならば王妃が出てくるのも頷ける。そんな一瞬。、弛緩した空気が戦場を支配しかけた瞬間

 

 

「全員、私の美しさにひれ伏しなさい――――!!」

 

 

それまでの可憐さ、優雅さを脱ぎ捨て、足を広げ、仁王立ちしながら王妃はとんでもない宣言を行う。およそ王妃とはかけ離れた女王様宣言。だが問題はそこではない。問題は、その素顔が露わになっていること。今までの姿は偽りだったかのように、決死の表情を見せながら、それでも雄々しく女王は降臨している。のちに兵士たちは語る。あれは女王ではなく、魔女だったのだと――――

 

 

 

「ふぅ……」

 

 

ただ呼吸を整えながら、自分を鼓舞する。大丈夫だと何度も自分に言い聞かせるも動悸は収まらない。今まで数多くの公務をこなしてきた自分でも、緊張し逃げ出したくなるのを必死に耐える。これから行おうとしているのは、自分にとってはトラウマに近いもの。十数年、夫以外には決してしなかった行為。

 

でも逃げるわけにはいかない。作戦に私の能力は不可欠。これが成功の前提の条件。(ギド)を、(ララ)を救い出すために何よりも未来の息子に情けないところを見せるわけにはいかない。

 

 

「全員、私の美しさにひれ伏しなさい――――!!」

 

 

普段絶対に見せることのない、自分の内側を吐露しながら顔を隠していたヴェールを脱ぎ捨てる。王妃として、妻として、チャーム人としての覚悟の証。それが晒された瞬間、世界の半分が反転した。

 

 

「WRYYYYYYY!!」

「ヒャッハ――――!!」

「な、何だ!? お前たちいったいどこに――!?」

「い、いかん! これはチャームの能力! 全員顔を伏せろ! 女王の顔を見れば理性を失ってしまうぞー!?」

 

 

まるで理性を失ったように、兵士たちは奇声を上げながら宇宙船に向かって、女王に向かって走り出す。それを何とか制止しようとするもとても抑えれるような規模ではない。すぐさま状況を理解し、チャームから逃れた男と女の兵士以外は全てまるで光に吸い寄せられる虫のように大群を為しながら女王へと群がっていく。そこには知性のかけらもない、ただの動物の群れ。地獄絵図。とてもお見せできないような有様。

 

 

「――ひっ!?」

 

 

だがそれに一番恐怖しているのは女王であるセフィ自身。分かっていたこととはいえ、実際にそれを目の当りにすれば戦慄するしかない。チャームを使った敵戦力の無力化及び誘導。それがこの作戦の第一段階。それはほぼ成功したと言っていい。およそ敵戦力の半分を削ぐという偉業。だがそれでも

 

 

「い、嫌あああああ!? う、美しさって罪――――!!」

 

 

もはや逃げ出すのを抑えきれない。涙目になって船内に逃げ帰りながら、セフィを乗せた宇宙船は逃亡を始める。あとただ鬼ごっこを続けるだけ。捕まればどうなるかは想像すらしたくない。妄想しただけでも意識を失ってしまいそうなことになるのは間違いない。

 

 

それがセフィ・ミカエラ・デビルークの役割。宇宙で一番美しい女性である彼女はこの瞬間、宇宙で一番の囮となったのだった――――

 

 

 

 

「ケ、ケダモノ……」

「流石です、お母様♪」

「うぅ……申し訳ありません、王妃。どうかご無事で――ぶっ!?」

「顔を上げないでください、ザスティン。貴方もえっちぃことになりますよ?」

「なんだか楽しくなってきたね、マスター♪」

「ふむ、これがあの銀河大戦だと思うと身も蓋もないな。チャーム人、恐るべしといったところか。自分が女で良かったと思うのは生まれて初めてだよ」

 

 

セフィさんの決死の作戦成功を確認しながらも、反応は様々。ナナはドン引きし、モモは尊敬のまなざし向けている。女王にそんなことをさせていることに申し訳なさを滲ませているザスティンさんだが、顔を上げかけたところをヤミによって強引に防がれている。メアとネメシスについては言わずもがな。とても戦場にやってきているとは思えないような空気。

 

 

「と、とにかくこれで敵の半分はいなくなった! あとは……あの施設にたどり着けばいいんだろ?」

「うむ、だが残念だが私は手伝うことはできんぞ。お前と変身融合するには無駄に力を消費するわけにはいかん」

 

 

腕を組み、楽しそうに笑みを浮かべながらネメシスはそう告げてくる。それは既に先刻承知している。自分とネメシスの変身融合は時間制限がある。無駄にすることはできない。だからこそ、自分はここにいる。この作戦は単純そのもの。自分とネメシスを無傷でエヴァのところまで辿り着かせること。例えるなら自分は勇者であり、エヴァは魔王。ゆえにこの戦いは、勇者を魔王の下に辿り着かせることができるか否かで全てが決まる。

 

 

「心配無用です。そのために私たちはここにいるのですから」

 

 

自分の不安をかき消すように、ヤミが宣言する。その表情に迷いや恐れは欠片もない。あるのは決意と自信だけ。それはヤミだけではない。ナナも、モモも、ザスティンも、メアも。その表情は違えど、心は一つ。自分がすべきことを理解している。それを前にしてもはや言葉は必要ない。

 

 

「よし! じゃあそろそろ行くぞ! 頼むぞ、ドラ助!」

 

 

号令のようにナナの声が響き渡る同時にそのデダイヤルから巨大なドラゴンが現れる。自分にとっては初めて会った時に食べられかけたトラウマがあるが、今は頼もしいことこの上ない。その背中に全員乗りながら、ドラ助は飛翔し、地面すれすれを飛び始める。対空迎撃に対応するための策。目指すはエヴァがいる司令部。あっという間に戦場を駆けるも、すぐさま凄まじい数の攻撃に晒されてしまう。

 

 

「っ!? だ、大丈夫なのかナナ!?」

「こ、このぐらいなら大丈夫だってドラ助が! でも、このままじゃ……」

 

 

流石はエヴァの率いる反乱軍。セフィさんの奇策によって戦力を失っているはずなのにすぐさまこちらに狙いをつけて襲い掛かってくる。見れば兵士だけでなく、ロボットや戦闘機のようなものもこちらに向かってきている。いくらドラ助が頑丈だとしてもこのまま攻撃を受け続ければ耐え切れない。そんな中

 

 

「――それでは私が一番槍をいただきましょう」

 

 

ようやく出番が来たとばかりに威風堂々、ザスティンさんが立ち上がる。凛々しい表情とたなびかせているマントは本当にかっこいいのだが、さっきまでヤミに押さえつけられていたせいで額には無数の擦り傷の跡。情けなさ、残念さが滲み出ている。ある意味出会った時から変わらないザスティンさんらしさ。

 

 

「ザ、ザスティンさん……その、大丈夫なんですか……?」

「ご安心を。これこそが私の役割。リト殿……いえ、次期デビルーク王! どうかデビルーク王とララ様をお願いいたします! デビルーク親衛隊隊長ザスティン……推して参る!!」

 

 

感極まったのか、涙目になりながらザスティンさんは跳躍し、敵の真っただ中に突っ込んでいく。自らが道を切り開くために。その姿は本当に感動するし、嬉しいのだが不安が尽きないのはなぜなのか。というか時代劇の見過ぎなのか、口調もどこかおかしい。あの人は地球でいったい何をやっていたのか。

 

 

「うおおおおお!! 邪魔だ邪魔だ! ここにおられる方を誰と心得る! 次期デビルーク王にあらせられるぞ!!」

 

 

完全に役に入り込んでいるのか、興奮しているのか。意味不明のことを口走りながらザスティンさんは光子剣(フォトンブレード)を振り回しながら敵をなぎ倒していく。その言動とは裏腹に普通に強い。流石は親衛隊長。

 

 

「ザ、ザステインさん……ほんとに強かったんだな」

「まあな……あれでも一応デビルークじゃ一番の剣士らしいし。でもドジなのは変わらな……あ!」

 

 

ナナから散々な評価を受けている中、言っている間にザスティンさんは敵に囲まれてしまっている。それもものすごい数に。考えなしに突っ込んでいた結果。いくら強いと言ってもここは戦場。数の暴力には圧倒されるしかない。徐々にザスティンさんが追い詰められていってしまっている。このままではマズイ。誰かが助けに行かなければ、そう思い動き始めようとした瞬間

 

 

「……相変わらず猪突猛進だな、ザスティン」

 

 

聞いたことのない男の声と共に、ザスティンさんを取り囲んでいた兵士たちが爆発によって吹き飛ばされてしまう。それだけではない。中にはまるで雪山に放り込まれたかのように、固まってしまっている者もいる。一体何が起こったのか。振り返った先には男がいた。黒髪に、真っ黒なコートを身に纏った青年。金の瞳から、黒猫を連想してしまうような容姿。その手には黒い大きな装飾銃が握られている。

 

 

「遅いぞクロ!? 貴様一体何をやっていた!?」

「道が混んでいてな。その分は働いてきっちり返すさ」

 

 

知り合いなのか、クロと呼ばれた男を見るなりザスティンさんは怒り心頭と言った様子。そんなザスティンさんを慣れた様子で受け流しているクロ。まるでコンビのような安心感がある。とりあえず味方なのは間違いないらしい。

 

 

「……クロ」

「え? ヤミ、あの人のこと知ってるのか?」

 

 

知らず隣にいたヤミがその名前を呟いている。同時にどこか驚いているような表情。知り合い、顔見知りなのだろうか。それを聞こうとするもそれよりも早く、敵の大群がこちらに向かってくる。ナナが慌てながらドラ助に指示を出そうとするもそれよりも早く、無数の銃声と共に兵士たちは瞬く間に戦闘不能になり倒れていく。

 

その全てが一撃必中。何よりも驚愕するのはその速度。全ての弾丸を同時に撃っているのではないかと思えるほどの早撃ち(クイックドロウ)。銃に詳しくない自分でもそれがどれだけの神業なのかは想像はつく。

 

 

「す、凄い……! あんな一瞬で」

「……殺し屋クロ。それがあの男の名前です。銀河でも知らない者はいない殺し屋です」

「こ、殺し屋……? じゃ、じゃあヤミと同じ……?」

「ええ。ですが……」

 

 

殺し屋クロ。ヤミから聞かされようやく理解する。確かに宇宙の殺し屋ならあの強さも頷ける。でも元とはいえヤミは宇宙一の殺し屋。なら、ヤミのほうが強いということなのだろうが、そうとは思えないほどクロは強い。何よりもザスティンさんとの息があっている。ザスティンさんの隙をクロがフォローし、先にクロを始末しようとした相手を今度はザスティンさんが斬り伏せている。だがヤミが驚いているのはそこではなかった。それは

 

 

「……どういう風の吹きまわしだ、クロ? 一人も殺していないとは」

 

 

倒された兵士たちが誰一人死んでいないということ。戦闘不能にはなっているが、全て急所を外している。殺し屋とはかけ離れた真逆の行為。

 

 

「まだ言ってなかったか。今のオレは殺し屋じゃなくて掃除屋だ。掃除屋クロってところだな」

 

 

リボルバーに弾丸を補充しながらクロは告げる。自分は殺し屋ではなく、掃除屋だと。その意味は自分には分からない。でも同じ光景を見たことがある。そう、自分の隣にいるヤミ。彼女もまた自らのことを殺し屋ではなく、護衛だと宣言していた。きっとそれと同じなのだろう。

 

 

「掃除屋だと!? 最近できたという女の影響か!? 前も言ったはずだぞ、女にかまけていては――」

「っ!? ち、違うっつーの! オレとあいつはそんな仲じゃねえ!」

 

 

およそ戦場とは思えないふざけたやり取りをしながらも二人は全くそれを感じさせることなく敵を掃討していく。詳しい事情は分からないが、分かることはただ一つ。あの青年が自分たちにとっては頼りがいのある援軍だということ。それだけで十分だった。

 

 

そんな中、ふとクロの視線がこちらに向けられる。自分ではなく、ヤミに。それは一瞬。金の瞳と紅の瞳が交差する。刹那ほどの間。

 

 

「……変わったな、金色の闇」

「……変わりましたね、クロ」

 

 

同時に、全く同じ言葉を口にする二人。僅かなやり取り。きっと二人にしか分からないもの。

 

 

「貴様、何を無駄話をしている! 大金を払った分はしっかり働いてもらうぞ!」

「うるせえな……言われなくても分かってるさ。あの子たちの道を作ればいい、そうだろ?」

 

 

不敵な笑みを浮かべながら、クロはその銃を両手で構える。今までは左手一本で扱っていたにもかかわらず。ハーディス。それが彼の愛銃の名前。オリハルコンで作られた、彼でしか扱えない、彼が扱っても壊れない唯一の銃。そこから凄まじい電気が流れ始める。全身が発光し、そのエネルギーがハーディスへと流れ込んでいく。それこそが掃除屋クロの切り札。ナノマシンによって発生させた電気をオリハルコンによって弾丸に伝える奥義。

 

 

電磁銃(レールガン)

 

 

閃光のような光と衝撃によって敵の中に道が開かれる。そのあまりの衝撃に兵士たちは吹き飛ばされ、地面には抉られたような跡。それが掃除屋クロの実力。

 

 

「ありがとう! ザスティンさんも気を付けて!」

 

 

そう礼を言いながら先に進む。ここは二人に任せて行くしかない。それが自分の役目なのだから――――

 

 

 

「ふん、柄にもないことをしているな。その技は消耗が激しかったはずだろう?」

「へっ、ちょっと大人として子供にカッコいいところを見せたかったのさ。追加料金としてこれが終わったらミルクを奢ってもらうぜ」

「いいだろう。しばらくはもうミルクが飲みたくないと言うほど飲ませてやる」

 

 

無事にここを去っていった子供たちを見ながら二人は軽口を言い合う。そのまま二人は背中を預けながら戦い続ける。互いに己の職務を全うするために――――

 

 

 

 

「ふむ……流石にここまでか。これ以上は空からは近づけそうにはないな」

 

 

ネメシスが口にしているように、そのまま一気に司令部まで距離を詰めるがそこまで。司令部に近いこともあってか、敵の攻勢も激しくなっていく。とてももうドラ助に乗っていけるような状況ではない。それでも、全く焦りはなかった。なぜなら

 

 

「それでは今度はわたしたちの出番ですね。準備はいい、ナナ?」

「当たり前だろ! お前こそ遅れるんじゃないぞ!」

 

 

ここには小さくとも、優しくて頼りになる二人の妹の姿があるのだから。

 

 

「いくわよ、みんな! 今日は加減も遠慮もなし……全力で暴れなさい!」

 

 

その瞳に隠し切れないドSっぷりを見せながら、モモは手に持っているデダイヤルから植物を召喚し、使役する。その数も質も、普段の比ではない。まるでこの一帯を電脳ガーデンに作り替えるつもりなのかと疑いたくなるような植物のオンパレード。あるものは巨大な種子を砲弾のように発射し、あるものは花粉を振りまき相手を眠らせ、あるものは取り付いて生気を奪っていく。その様子をうふふ、とどこか愉し気に見つめているモモ。

 

 

「モモの奴、大丈夫だろうな……よし、あたしたちも行くぞ、みんな!」

 

 

先陣を切ったモモに若干及び腰になりながらも、ナナもまたデダイヤルによって動物、友達たちを召喚する。そこにはこの半年で知り合った宇宙の動物達。だが可愛いだけではない。その野生をもって、動物たちは兵士たちを蹂躙していく。圧倒的な原始の力。その声を聴きながら、優しく、それでも力強くナナは声を上げている。

 

ナナとモモ。双子でありながらその容姿も性格も全く違う女の子たち。でも自分は知っている。その根底にある物は全く同じなのだと。どこまでも優しくて、力強い少女たち。

 

 

「ここはお任せください! お姉様とお父様のことをよろしくお願いします、お兄様♪」

「まったく……さっさと終わらせて戻って来いよ! あ……兄上……」

 

 

モモはウインクをしながら、ナナは溜息を吐きながら自分を送り出してくれる。未来の妹たちの姿を頼もしく思いながら先を急ぐ。ただ自らの足を使って走り続ける。もうゴールは目の前。それでも、その前には見渡す限りの兵士たち。自分だけではその一人ですら突破できないだろう。でも、恐れはない。なぜなら

 

 

「――――では、行きます。私から離れないように、リト」

 

 

今の自分には、宇宙一の護衛がついているのだから。

 

 

ヤミはただ圧倒的だった。もはや言葉にはできないほどに、今のヤミは強い。敵の攻撃などまるでないかのように、金色の髪を自由自在に操り、自らの肉体を変身させながら駆けていく。自分はただその後ろについて行きさえすればいい。疑う必要などない。彼女は自分にとって、最も親しい友なのだから。

 

だがそれでも死角は存在する。それは後方。進んでいくヤミからすれば、全く真逆になる向き。後ろを走っている自分は真後ろから狙われれば、いくらヤミと言えども完全には防ぎきれない。しかしそれは

 

 

「あは、お姉ちゃんと一緒に戦えるなんて……素敵♪」

 

 

赤毛の少女、メアによって防がれる。いつもならおさげになっている髪は解かれている。メアの本気の証。メアは自分の後ろを走りながら護衛をしてくれている。まるで姉であるヤミの真似をするように。それが楽しいのか、メアは本当に楽しそうな笑みを浮かべている。いつかの、戦闘に酔っている兵器としてではない、ヒトとしてのメアの喜び。

 

前門の虎に後門の狼。それに守られている自分を傷つけることなどできるわけがない。そのまま、一度も立ち止まることなく道を走り切る。ヤミとメア。二人の姉妹は最初から知っていたかのようにユニゾンし、舞い続ける。

 

 

「……ここまで来ればいいでしょう。あとは貴方にお任せします、ネメシス」

「ほう? てっきり最後までついてくると思っていたのだが、いいのか?」

「構いません。ここで敵を足止めする必要がありますし、私が行ったところで邪魔にしかならないでしょうから」

 

 

目的地を直前にして、ヤミは反転し後をネメシスへと託す。それが何を意味しているのか。分かっていながら、自分は何も口にできない。

 

 

「ヤミ……オレは」

「何をしているんですか、リト。早く行ってください。私は聞きましたが、プリンセスは貴方の答えをまだ聞いていません。ちゃんと直接、伝えてあげてください。今度こそ」

 

 

振り返ることなく、その金の髪をたなびかせながらヤミはそう言ってくれる。それを前にして、もはや迷いはない。今はただ

 

 

「……分かった。行ってくる、ヤミ。ありがとう」

 

 

ララを助けるために。そのまま走り出す。自分が選んだ答えを伝えるために――――

 

 

 

「……まったく、世話が焼けますねあの人は」

 

 

もう見えなくなりつつあるリトの背中を見つめながら溜息を吐くしかない。同時に自分のお人好しぶりに。だが仕方ないだろう。ああいう人だから、自分は好きになったんだから。成就することはなかったけれど、それで私の気持ちが嘘になるわけではない。報われなくとも、私がリトを好きなことは変わらないのだから。

 

 

「ふふっ、お姉ちゃんって絶対愛人タイプだよねー」

「っ!? メ、メア……貴方、意味が分かって言ってるんですか!?」

「もちろん♪ あたしも愛人になってみたいと思ってるの。お兄ちゃんに帰ってきたらぺろぺろしてもらうことになってるし」

「ぺ……!? ゆ、結城リトがそんなことをするわけがないでしょう!?」

「うん。だからマスターにお願いしたの! 今お兄ちゃんはマスターの下僕だから、命令は絶対だしね♪」

 

 

楽しみーと浮かれている妹の姿に頭痛がしてきそう。同時に同情するのはリトのこと。どう転んでも彼にはとらぶるな生活が待ち受けているに違いない。だが構わない。それを含めて、彼を守るのが私の誓い。

 

 

「――――えっちぃのは嫌いです」

 

 

いつものセリフを吐きながら、ただ戦い続ける。リトを守るために。その先にある全てを守るために――――

 

 

 

 

「ハァッ……ハァッ……! こ、ここで合ってるんだよな……?」

「そうだ。間違いなくここが反乱軍の司令部。あとは探し出すだけだが――」

 

 

肩で息をしながらも気を引き締めて周りを見渡す。兵士の姿は見られない。みんなが引き付けてくれているおかげだろう。なら一刻も早くララとデビルーク王を助け出さなくては。そんな思考は

 

 

「――――どうやら向こうからお出迎えのようだぞ、リト」

 

 

ネメシスの言葉によって断ち切られてしまう。そこにはいつか見た女性の姿がある。見慣れているはずなのに、その仮面と甲冑によるそれはまるで別人のよう。ララではありえない、全てを威圧するような、冷たい空気を纏った存在。

 

 

「――――まさか、な。誰かと思えば黒鳥の少年に、失敗作か。ここまで侵入を許すとは、やはり兵の質でいえばデビルークのほうが上ということか」

 

 

魔人、エヴァ・セイバーハーゲン。エヴァは何も変わっていない。あの時と同じように、自分とデビルーク王以外には全く興味がないかのよう。それでもデビルークを滅ぼそうとしているのはきっと。だがそれは今はどうでもいい。

 

 

「ククク、初めましてでいいのかな、創造主様? いきなり失敗作呼ばわりとは耳が痛い」

 

 

そんな自分に代わって、ネメシスが姿を見せながらエヴァと対峙する。その表情は喜びに満ちている。皮肉を見せながらも、ネメシスは本当に創造主に出会えたことに悦びを感じているのだろう。

 

 

「そんなことはどうでもいい……お前は何をしにここに来た。変身兵器として、オレの下に戻ってきたというわけでもないのだろう?」

「流石私の源流。性格の悪さは折り紙付きだな。なに、生み出されたものとして生みの親であるお前に渡したいと思うものがあってな。あれだ、子供がおもちゃを見せびらかしに来たようなものさ」

「子供……だと?」

 

 

ネメシスの挑発に、エヴァは今までにない反応を示している。いや、挑発自体ではなく、子供という言葉に。

 

 

「そうだ。私も、テュケも、変身兵器も広義の意味ではお前の子供になるだろう? だからこそ、私はお前の望みを叶えてやろうというわけだ」

「オレの望みだと……?」

「そう。『真の強者』……お前が求めた到達点を、その身で体験してみるといい。もっとも、お前に贈られるのは『幸運』ではなく『不吉』だがね。残念ながら、受け取り拒否は不可能だ」

 

 

宣言した瞬間、ネメシスは黒い霧、ダークマターとなりながら自分の周囲に集まっていく。それが肉体へと入り込んでいく。不思議と異物感はなかった。以前のような拒絶反応は微塵もない。あるのはそう、熱さだけ。まるで体が燃えているように熱い。

 

自分の身体が自分ではなくなっていくような感覚。光があたりを包み込んでいく。変身の光。だがその色は白。ダークネスでも、ダークマターの色でもない。デビルークの、オレの心の形。

 

思い出すのはこれまでの全て。とらぶるから始まった自分の日常。辛いことも、悲しいこともたくさんあった。決してそれはなくならない。でも、それ以上に大切なものができた。

 

ララ・サタリン・デビルーク。常識知らずで、いつもこっちを振り回してくれるお姫様。それにどれだけ困らされたか分からない。でもそれ以上に優しくて、明るい女の子。それにどれだけ助けられたか、救われたか分からない。もしララがいなかったら、今の自分はないだろう。今ならはっきりと分かる。

 

初めて、デビルーク星に行った日。途方に暮れて、庭園にいた自分を探していてくれたララ。とらぶるなんて関係ないと、自分を笑わせてくれた、その時の彼女の笑顔を覚えている。

 

 

『さ、帰ろうリト!』

 

 

それが当たり前であるようにララは自分に手を差し出してくれた。何の疑いもない、信頼の証。今までの自分が欲しくても、絶対に手にすることができなかったもの。

 

恥ずかしくて伝えられなかったがあの時に願った。いつか自分が彼女に手を差し伸べることができる日が来ることを。いつも助けられてばかり、もらってばかりの自分が、いつかララに手を差し伸べたい。それが今。例え借り物の力でも構わない。誰かに手伝ってもらっても構わない。それでもただ――――

 

 

『ララを助けたい』

 

 

たったそれだけ。世界の、宇宙の命運も関係ない。ちっぽけなそれでも絶対に譲れない、結城リトの願いの形。

 

 

瞬間、全てが反転する。内にある黒鳥は、本来あるべき姿に戻っていく。宿主に幸運をもたらす白鳥へと。それがとらぶるの本当の姿。

 

 

 

光が収まった先には一人の少年がいた。その姿は大きく変わっている。マントを纏い、装束のような黒い服。何より目を引くのは背中の黒い羽と尻尾。それがリトの心の形。リトにとっての『強さ』の象徴。そして

 

 

「さて……それでは初陣と行こうか、結城リト。いや……『リト・サタリン・デビルーク』」

 

 

ララと一緒に居たいという、結城リトの決意の証。

 

 

それがこの第七次銀河大戦の終焉の狼煙。そして、未来のデビルーク王が誕生した瞬間だった――――

 

 

 




作者です。第六十一話を投稿させていただきました。

今話のリトの覚醒シーンを描くためにこのSSを書き始めたので、ようやくここまで辿り着けてほっとしています。リトの覚醒、限界突破モードの容姿はとらぶるまにあというガイドブックに載っているモモエンドのイラストのリトとなっています。それを見てカッコいいと思ったのだがこのSSを始めたきっかけでした。

また今回で出てきたクロはブラックキャットのトレインに近づけて描いています。そのため武器や能力もそれに寄せています。ちょっとしたお遊びです。

残りも二話になりますが、クライマックスまで楽しんでいただけると嬉しいです。では。
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