Fate/kaliya 正義の味方と桜の味方【完結】 作:faker00
――――赤い荒野だった。
見渡す限りに広がる無機質な風景はどこか侘びしさを覚えさせる。
――空を見る。地平線を覆う程大きな歯車が2つ。
どこまでも堅牢で、それでいて今に崩れ落ちそうなそれはギシギシと音をたてて歪に廻り続ける。何の目的もありもせずただひたすらに。
――大地を見る。無数の剣が地に突き刺さる。
その一つ一つに担い手などいはしない。何一つとして同じ物のない剣の山はただ捨て置かれるのみ。
何もかもが異質な世界。
こんなところに人がいるはずもない。いれるはずもない。それは絶対の真実だ。いた所で何日と持たないうちに壊れてしまうはずだ。
だというのに、ここには誰かがいる。
――ただ歩いた。どこへ行くあてもない。夥しいまでの剣の海を越え、真っ直ぐに。
――見つけた
1番孤独な場所、錬鉄の丘。そこにそいつはいた。
何がしたいのか、何の為なのか、それは分からない。ただ黙々と剣を鍛つ。飽きもせず一心不乱に撃ち込む後ろ姿。そこから目を離すことは、何故か出来なかった。
――――寂しいな
ただ、なんとなくこんな事を思った。
―――――
色褪せた風景はセピア色に。記憶は遠く、穴だらけで摩耗したそれは、今や想い出の断片と呼べない代物。
それでも……忘れてはいけない、護りぬかなければならないモノがある。
――火の夜だ。全てを覆い尽くす死の臭い。誰も逃げられない、誰も生き残れない。そうしてその小さな灯火も例外ではなく消えるはずだった。
『ありがとう……! 生きていてくれて……本当に……』
何故、救った側がまるで救われたかのような顔をしているのか。
何もかもを失った――はそう思ったのだろう。そして、その男に憧れた。空っぽになった――の中に生まれた唯一の感情。
全ての始まり。
『子供の頃、僕は正義の味方に憧れてた』
月の綺麗な夜だった。
――は――と語り合う。どこか遠くを眺めるその男が死に場所を見つけているのはどことなく分かっていた。不思議とそれは恐れる事でなく、自然なものだったのだが。
『まかせろって、じいさんの夢は――俺がちゃんと形にしてやるから』
『ああ――安心した』
誓いを立てる。
唯一貰った願いを固く胸に、それが呪いなのか、鎖なのか、はたまた理想なのか。それは分からない。
『問おう、貴方が私のマスターか?』
その日も、月が綺麗な夜だった。
たとえ地獄に落ちようとその光景を忘れることはないだろう。
僅かに振り向いた横顔、どこまでも澄んだ聖緑の瞳。
この時間は一瞬で、永遠だ。思い返してみれば――はこの瞬間から――――に惚れていたのだろう。
ああ、どこまでも愛おしい。
『――あんた、笑わないからさ』
妙に鋭い友がいた。顔すら思い出せないが、彼女に核心を突かれたその時だけは頭の片隅にずっと残っている。
だが、嫌な想い出ではない。彼女は――にとって大事な人の1人だったのだろう。
『いつもすまんな――我が校の財務状況は逼迫しているからな。お前がいなければ廻りもしない』
共に多くの時間を過ごした友がいた。
彼と過ごした時間はとても、自然だったように思える。
『――は私のものなんだからね! リンにもサクラにもあげたりしないんだからー!』
妹のようで、それでいて姉のような白銀の少女がいた。
彼にとって不思議で、それでいて大事な存在。
『――!! 早くご飯にしようよー! お姉ちゃんお腹空いちゃったよー』
――に家族はいない。けれども、家族のような人はいた。
どこまでも底抜けに明るくて、放っておけなくて、一緒にいることが、楽しかった。
『先輩――』
平穏な日常なんて――には自ら求める事が出来なかったのだろう。それは彼の意志がどうこうではなく、本質がそう上書きされてしまっただけ。
それでも日常が、日常のようなものがあったのは、彼女が側にいたからだろう。
『――! 全く……そんなんじゃいつまでたってもへっぽこのままじゃないのよー……まあいいか。そんな――を立派に育てるのも師匠としての責務だもんね! 今日はいつも以上に厳しくするから覚悟してなさいよー!』
『……私、遠坂凛よ。貴方の好きな風に呼んでいいわ』
戦友のような、師匠のような、そして……恋人のような人がいた。
時を越え、時空を越えても忘れることの無い心地良い響き。
彼女がいたから――は人でいようとすることが出来たのだろう。
何度も裏切られた。何度も理解されなかった。何度も、何度も、いくら繰り返しても報われることなどなかった。絶望し、背を向けたこともあった。
それでも……その理想は、決して間違ってなどいなかった。
――――
「――っ、何だ今のは……いや、分かっちゃいるんだけどさ」
久しぶりの寝覚めの悪さに雁夜は顔を顰める。
不揃いなイメージの連続。それがなんなのかは自然と分かった。ただそれを受け入れることが出来るかどうかはまた別問題だ。
「聞くしかないよな……」
昨夜からの激動はここで更に増すのだろう。嫌な確信に頭を悩ませながら雁夜は立ち上がった。
「おはよう雁夜。昨晩は……寝られるわけがないか」
「分かるか?」
食卓で雁夜を待ち受けていたアーチャーはいつも通り……だったのだが、雁夜の顔を一目見て察したのか、直ぐに険しい顔つきにした変わる。
何もかも分かっているという風に。
「ああ、サーヴァントとマスターの結びつきが強くなった際にはよくあることだ……ち、今までは意図的に抑えてきたが、あれを使ったことでこちらの栓が緩くなったか」
大きな溜め息をつくアーチャー。心からそれを失態と思っているのは間違いない。ならば、だからこそ聞かねばならない。
「そうか、それじゃあ遠慮なく聞かせて貰うぞ――アーチャー、お前は一体
「――――」
向き合う二人。時計の針の音だけが静かに響く。
何秒か、それとも何分か、沈黙を保っていたアーチャーだが、意を決したように顔を上げた。
「全て話すしかないな。だが場所を変える必要がある。ここでは面倒な事になりかねない」
その提案に雁夜は黙って肯く。
面倒なこと、というのがなんなのかは明々白々。狡猾な爺に付け入る隙を与えるなど有り得ない。
「どこか行きたい場所でもあるのか?」
「まあな。今はまだ恐らく使われていないはずだし都合が良い」
場所を変えると言ってもどこにするつもりなのか、よくよく考えてみれば難しい問題に気づいた雁夜だったが、その心配は杞憂だったようだ。
家を出るとアーチャーが自ら先導し、雁夜はその後を追うだけだったのだから。
ずっと無言というのもどこか気まずい。声をかけてみるとアーチャーは不自然なほどいつも通りだった。
「そうか……」
「道すがら昨夜の確認をしておこう。昨日は色々とありすぎたからな。それに、君の話も聞かなければ」
「凛ちゃんを返しに行った時の話か?」
「ご名答だ。昨夜は別れざるを得なかったので別れたが、概要くらいは知っておかなければな。君がどこまで切れているのかどうかを理解しておく必要がある」
「分かったよ。我儘を聞いてもらったのは確かだ。それくらいは呑むさ。けど」
「先に私の方、と言うよりも昨日の一件だな。確かにこちらの方が早急に知らねばならんな」
道中の過ごし方についてどちらも異論はないらしい。
雁夜に背中を向けたままアーチャーは語り出す。
「まず最初に、私は示し合わせた通りキャスターに急襲をかけ、それはほぼ成功したと言っていい。抵抗される前に右腕、左足を切断、そして臓器の5割は潰した。キャスターが魔術師と言ってもあれは黒魔術の類。今どこにいるのかは知らんが……恐らく今日中にキャスターは自然に脱落する」
「けど、潰しきれなかった」
「その通りだ」
アーチャーの言葉に露骨な嫌悪感が宿る。
「トドメを刺そうというその瞬間、君も見たように大量のアサシンに取り囲まれた。奴らが前もってあの場所に張っていたのか、それとも私達が来てから集まったのか、それは分からん。しかしキャスターの脱落が確定したと見るや、狙いをすぐさま私に変えた。それだけは間違いない」
元々様子見をしていたのが、場の動きを見てどちらも潰せると踏んだということなのか。
「後は君も知っている通りだ。幸い私には切り札……宝具とすら呼べない代物だがそれを発動し、難を逃れるどころかアサシンを脱落させることに成功した。保険をかけていたであろうアサシンまで私の空間に引き込んでいたからな。足せば計百人、もうあれ以上の保険はあるまいし、あったところで脅威にはならん」
「ああ、因みにアサシンを一掃したあれは――」
言葉が詰まる。
どこからどう考えても最重要課題。そんな事はアーチャー自身百も承知だろう。だと言うのに、それ以上続けるな。そう背中が語っていた。
「分かったよ……とにかくアサシンは脱落、キャスターももう時間の問題。ざっと纏めるとそういうことだな」
「それで良い。さて、次は君の話だ」
それに雁夜が大人しく従うつもりになったのは何故だろう。普通に考えれば抗議の一つもしない訳がない。
だがとにかく、この事についてアーチャーが話さないということはないだろう。なんの根拠もないくせに、そんな確信めいた予感はあったのだ。
「――葵さんとも話したさ。とにかくもう、本当にこれで後には退けない」
―――――
『凛ちゃん! 大丈夫かい!』
全ての片がついた後、今までの喧騒が消え失せた廃墟の中で雁夜は凛の肩を叩く。
しかし凛からの反応はない。青白い顔と冷たい手足がその焦りを加速させる。
『命に別状はない。奴の遊びグセが幸を奏したか……』
『本当か!?』
『ああ、だがあまり良い状態とはいえんな。中途半端に魔術を齧った程度の少女がこんな極度の狂気を孕んだ魔力、そして恐怖に晒されたのだ。下手を打てば一般的なそれを通り越した魔術的障害が残るかもしれん』
アーチャーも凛のそばにしゃがむこむとそう決断を下した。
あまりに冷静すぎるその言葉に、頭に血がのぼりかけていた雁夜の芯がすっと冷えていく。
『教えてくれアーチャー、俺はこれから一体どうすれば』
『――いち早く良質な霊地に連れて行く必要がある。この近くなら遠坂家が最良だが……』
『禅城の家!』
アーチャーの言葉を遮って雁夜はパチンと手を叩く。
別にアーチャーの示した言葉が気に食わなかったわけではない。それ以上の妙案が浮かんだだけだ。
『あそこなら葵さんもいる! 何より最高の土地の一つだ!』
『そうなのか?』
アーチャーはどこか微妙な表情で尋ねる。元より遠坂家という言葉を出した時点で彼の顔は雁夜の応対を予期していたのか曇っていたのだ。
そこからの案の定そんな案は無かったと言わんばかりの雁夜のこの反応。あまり信用していないのが目に見えていた。
『ああ、元々は魔術師の家系、今では廃れて一般人になってるが……それが逆に手付かずのまま霊地を保存する要因にもなってると聞いたことがある』
しかし雁夜からしてみればそんなアーチャーの心配は杞憂でしかなかった。
時臣の顔がちらつかなかった、とは言うまい。だがそんなことは些事である。腕の中で冷たくなっている凛の回復の方が余程急務。
『……ならそこにするとしよう。この時間だ、まだ電車が無くなるということもあるまい。リンを連れて警察の厄介になるようなことだけはないように気をつけて送り届けてくれたまえ』
『ん――?』
どこか他人事のようなアーチャーの言葉に雁夜は違和感を覚えた。
これではまるで自分はついてこないとでも言うような
『ついていきたいのは山々なのだがな。私は――』
そんな雁夜の内側を見抜いたようにアーチャーは顔を顰め立ち上がる。
そのまま部屋の奥にある大きな扉まで歩いていき――
『うわ――』
『私はこの者達をどうにかせねばならん。前回は手遅れだったが……今回は救える』
その言葉すら本当なのか疑わしい。
雁夜が息を呑んだのは人として当たり前の反応だった。開け放たれた扉の奥に見える無数の人影。それが狂騒者達の玩具であることを言うまでもない。
『大丈夫……なのか?』
『必ずどうにかしてみせる。君の心配には及ばんさ……ああ、今の進行具合からしてリンを連れている君を唐突に襲ってくるような手合いがこの聖杯戦争にいるとは思わんが、ギリギリまで公共機関を利用したまえ。そして事が済んだら私を呼べ、決して一人にはなるな』
万が一があるようなら令呪の使用も躊躇うな。そんな言葉を背に雁夜は凛をおぶると駅へ向けて駆け出した。
『はっはっ、まだ凛ちゃんが軽くて良かった……こんな長い距離普段走らないぞ……』
だがこの時間、電車を1本乗り過ごすとそれだけで30分のロスはくだらない。
そういうわけで息を切らして人気の無い街をまたも走る雁夜。
段々と暗がりから抜け、纏わりついていた嫌な空気もいつの間にか掻き消えていた。
『――』
『寝てるだけ……なら可愛いんだけど』
そうじゃない、というのが明らかなのが雁夜を焦らせる。
ようやく見えてきた駅の明かり、その距離すらももどかしい。
『――――』
『あれ――?』
聞こえるはずのない声が聞こえた気がする。
雁夜は走りながら首を振った。この程度でへばっているとは情けない。
『――!!』
『気のせいじゃ……ない?』
が、疲労から来ているはずの都合の良い妄想は消えない。と言うよりもますます現実味が増していく。それどころか姿まで見えるような……
『凛――!!』
『葵さん!』
自然にスピードが上がった雁夜を誰が責められようか。
幻覚ではない。恐らく抜け出した凛がこちらに来ると踏んだのだろう。駅前でオロオロしながら娘の名を呼ぶ遠坂葵に雁夜は手を振った。
『え……雁夜君……なんで……それよりも背中に背負ってるのはもしかして……!』
『ありがとう雁夜君……貴方がいなかったらどうなっていたことか……』
『いや、俺は何もしてないですから。礼なら俺のサーヴァントに言ってあげてください』
所変わって禅定の家の縁側。
すやすやと寝息を立てる凛に布団をかけると葵はぼーっと月を見上げていた雁夜の横に座る。
『サーヴァント……そう、やっぱり雁夜君……』
サーヴァントという単語に葵の顔がにわかに険しくなる。
それも当然の事だ。覚悟していたとはいえ、愛する夫と幼馴染が確実にどちらかが死ぬ殺し合いに身を投じていると言うことがこれで確定的になったのだ。これで何も思わないという方がどうかしている。
『はい……』
『けどなんで……? そんなにあの人の事が』
『違うんだ葵さん』
半ば諦めかけたように紡がれたその答えは、最も予見される答えであり、それと同時に真実だったもの――しかし今の雁夜は堂々と首を降る。
そんな彼に何か今までと違うものを感じたのか、そしてそれが真っ直ぐ芯が通っていたからか、葵は困惑したように目を細めた。
『ならどうして』
『確かに時臣のことは嫌いだ。はっきり言って今でも殺してやりたいと思うくらい憎い……けど、もうそんなのどうでもいい』
雁夜は今思っていることを素直に口にすると、月光を背に立ち上がり葵の前に立つ。
正直な所、先ほど駅で彼女を見かけた時に、この話になることは雁夜自身予見できていた。そしてそれが彼女との関係を決定的に壊し二度と修復できない程のものにするであろうことも……
『なにがあっても救……味方してあげなきゃいけない人が出来たんだ』
『そう……魔導から目を背けたのに、結局は家の為に――』
『違う、誰があんな奴らの為に命なんて張るもんか』
――落ち着け
雁夜は自分に言い聞かせる。
結末が同じだとしても、そこに至るまでの道筋までもめちゃくちゃにする訳にはいかないのだと。
『間桐の家も、時臣も、言ってしまえば魔術そのものも、俺にとっては等しく何もかも下らない。聖杯も……それそのものには正直興味はないんだ』
『雁夜君、私にまで嘘をつくの?』
当然の反応だ。
嘘偽りのない言葉を嘘と断じられながらも、雁夜は自身でも驚くほど落ち着いていた。
それだけ自らの言っていることは異常なのだ。理由を明かしでもしない限り。そしてそれをするつもりははなからありはしない。
『信じてもらえないのは当たり前さ。納得してくれなんて言うつもりもない。ただなんて言うかな……葵さんにだけは伝えておきたかった』
『雁夜君……?』
この雁夜の潔さに、逆に動揺したのは葵の方だった。
今までの、と言うよりもここ数年の雁夜とはあまりにも違いすぎるのだ。
間桐の家を出奔した後……いや、する前からか、目の前の幼馴染はどこか捻くれているというか、必要以上に劣等感から殻にこもるところがあった。それはまるで凋落していく間桐の家そのものを表すかのように。
だと言うのに、今の雁夜は全く違う。再び嫌悪する魔術の世界に放り込まれたというのに、その目はどこも後ろ向きではない。それどころか今までで1番前向きな強い意思を感じる。
恨み募りならば、人の目はもっと濁る。雁夜の場合はそれが顕著なのだ。なら……今の雁夜を作り出している"理由"はいったいなんなのだ?
『応援してくれなんて言わない。もし全てが終わった時に、俺が立っていたなら、その時は時臣の敵としていくらでも恨んでくれ。覚悟は出来てるから』
これ以上は未練が出る。そう判断した雁夜は葵に背を向けて歩き出す。
『待って雁夜君! 貴方はいったい……』
『さよならだ、葵さん。―――』
雁夜は最後に一度だけ振り向くと、彼女が見たことが無いほど清々しい微笑みを浮かべる。そうして蟲にその身体を包まれ、その黒いカーテンが消えたときには彼の姿はもう葵の視界にはなかった。
『雁夜君……』
――桜ちゃんの幸せだけは願ってあげてくれ
最後に残した言葉は、1人取り残された葵の胸に深く突き刺さった。
―――――
「と、言うわけだ」
「君にしては随分簡潔に済ましてきたのだな。遠坂葵への未練からぐずぐずするものと思っていたのだが」
「茶化すな……ここか?」
「ああ、"オレ"の話をするのにこれ以上相応しい場所はない」
そんな話をしているうちに、いつの間にか目的の場所へ辿り着いたらしい。
深山町の中でも閑静な住宅街。その中でも一際大きな武家屋敷の前でアーチャーが立ち止まる。
その感慨深げな声からも、ここが彼にとって重要な場所なのは明らかだった。
「なあアーチャー」
「君の見た夢、そしてその中で見たものは全て真実だ。サーヴァントとマスターの繋がり。気をつけてはいたつもりだったが、アレを開放したことで栓から溢れたか」
もうここからは小細工は無しということなのか。
いつもはどうしようもなく回りくどいアーチャーがズバズバと核心に触れてくる。ここに口を挟むことなどできない。
雁夜はただ黙って聞いていた。
「随分と穴だらけだっただろう? だがそれでも、オレにも普通の日常なんてものがあったんだ」
アーチャーは門を潜る。
「間桐桜に遠坂凛。ああ、どれだけ離れようと、どれだけ地獄に叩き落とされようと、彼女達はいつでもオレの心の中にいる」
「我が家へようこそ。間桐雁夜。オレの名は"シロウ"これから10年後、この冬木で起こる第五次聖杯戦争に参戦する魔術師もどきだ。そして間桐桜と遠坂凛は……オレとここで多くの時間を過ごした……家族だ」
前半最大の山場です。禅城の設定については特にどこも明言されてないところを架空設定させて頂きました
さてさて、思う所あれば感想くれてもええんやで?
それではまた!!