真・恋姫†無双~怒気ッッ グラップラーのいる三国志ッッッ~   作:クーロン

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これは、なろうでも刃牙と恋姫のクロスで書いていた小説です。一時期、刃牙シリーズを手元におけなかったため更新できなかったのですが、なんとか再び手元におけたので再開しました。


格闘士降臨編
シンクロニシティ


 男と生まれたからには誰でも一生のうち一度は夢見る『地上最強の男』

 『グラップラー』とは『地上最強の男』をめざす格闘士のことであるッッッ

 

   壱

 

 鍛錬とは苦痛(いたみ)の連続だ。

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……」

 

 太陽も姿見せない薄明るい朝早い時間に、少年がロードワークをしていた。

 少年といってもどこか大人びた雰囲気がある。歳は大体、十七か十八の辺りだろうか。

 普通の人ならば朝練でもしているのか、と思うのだろうが少年の雰囲気が『そんなものではない』と物語っていた。

 パッと目につくところからだと、かいている汗の量が尋常ではない。

 それもその筈だ。

 ロードワークの果ては富士山なのだ。

 東京から富士山までの道のりがロードワークコースなのだ。

 そして肉体(からだ)を見ると、その少年の非凡さが更に明白になる。

 首、肩幅、腕は太く発達しているうえ、Tシャツの下の素肌には、無数の傷跡がきざまれている。

 肉も固く大きな、見せるための肉ではなく、しなやかさを持つ実用的な肉だ。

 どう見ても部活――例え、強豪野球部であろうとこれ程までには至らない。

 

「……ごぶさたしています、長老」

 

 少年は目的地に着いたのか、走るのを止め巨木の前に立ち止まった。

 巨木は樹齢何年かなど、想像もつかないほどに風格を宿しており、太い枝を天へ伸ばし、太い根は地面を鷲掴みにし、幹は壁かと思える程であった。

 その巨木に一礼し、今度は帰宅へのロードワークを始めよう、という時に少年は“あるモノ”に気づいた。

 

「ん……? なんだァ……これ……?」

 

 少年の足元に金属板が転がっていたのだ。

 随分と古いのか、かなり錆びついており、それが何の用途に使われるのかは全くの不明だ。

 少年は汚れをとろうと、金属板を払うが、キレイになる兆候はない。

 何であるのかは気になるが、ロードワークに戻ろうと金属板を元に戻した。

 巨木に背を向け、ロードワークを再開しようとしたが前に行かない。

 まるで、後ろから吸われるような感覚が少年にはあった。

 

「~~ッッ!?」

 

 瞬間、眩い光。

 カキイッと金属に亀裂の入る音がして、少年の姿はその場から消えていた。

 少年の名前は範馬刃牙(はんまバキ)

 地下闘技場王者に君臨する地上最強の高校生である。

 

   弐

 

 『地上最強の格闘技は何か?』

 

 何年もかけ、多くの人に議論をされてきた議題だ。

 これには様々な説があり、様々な人が様々な意見を述べている。

 曰く、ムエタイだ。曰く、ブラジリアン柔術だ。曰く、コマンドサンボだ。

 様々な意見がある。

 しかし、一貫してこの説を唱える人もいる。

 ――空手最強説――

 

   参

 

 とある都内のビル。

 その壁には大きな絵が描かれている。

 空手着のスキンヘッドの男性が、虎の首を手刀でへし折っている絵だ。

 門下百万を超えるという、世界最大の勢力を誇る空手道団体、神心会の本部ビルであった。

 そのビルの地下に三人の男が集まっていた。

 

「こんな物が出てきやがったか……克巳ィ! これが何か分かるかぁ!?」

 

 身体の大きい男性だ。歳は五十代だろうか。

 身長は百七十後半あたりだろう。

 これだけなら人目をひくほどではないのだが、間違いなく他人より大きい。肉と、そこからあふれる雰囲気が、その男を大きくしていた。

 身体はかなり鍛えこまれている。

 首、肩、胸、腹、脚、手足の指にいたるまで太い。

 頭は外の絵と同じくスキンヘッドで、右目に黒い眼帯をしている。

 ――愚地独歩(おろちどっぽ)

 それがその男の名前。神心会の元館長だ。

 

「親父、何を見つけたってんだ?」

 

 入ってきたのは若い男だ。

 独歩よりも背が高い。百八十の後半に入っているだろう。

 独歩と同様に身体の各部位、それぞれが太く、鍛えこまれている。

 ――愚地克巳(おろちかつみ)

 愚地独歩の養子で、現・神心会館長だ。

 克巳は独歩が持っている金属板を見るが、自分も分からないと言うように首を振った。

 

「門弟がこんな物を持ってくる理由(わけ)は無えから、親父が昔に買ったもんじゃないか?」

「記憶に無いんだがよォ……。まず何かも分からん。烈に聞いてみっかァ……」

「烈さん。ちょっと来てくれ」

「克巳さん。愚地氏は何を見つけたのでしょう」

「おうよ、烈。コイツだ」

 

 烈は独歩から金属板を渡され、まじまじと観察する。

 この男の名前は烈海王(れつかいおう)といった。

 褐色の肌をしていて、髪は後ろへ一本のオサゲにしている。辮髪とよばれる髪型をしていた。

 身体は非常に鍛えこまれ、格闘技が好きでよく見てる人さえも唸らせるほどだ。

 

「これは……鏡です。それも大昔の。どこで見つけましたか?」

「へェ……」

「何で本部神心(うち)にそんな物が……」

 

 ――どうやら本当に親父のものではないらしい。

 克巳はそう判断し、それへの扱いを考えたが、どうしたものかと悩んでいた。

 ――大昔の鏡であれば高価な筈だ。

 自分に鑑定眼は無く、本当に高価な物かは分からないが、簡単に捨てられる物ではない。

 

「ところでよォ、これはお前さんの物か?」

「いえ。残念ながら誰の物かも……」

 

 ――烈先生も違う。

 なら義母(おふくろ)の物かと克巳は思ったが、違うと思い直した。

 義母――愚地夏恵(おろちなつえ)なら自宅と神心会との線引きをしてる筈だ。

 ――なら、誰がここに鏡を……

 誰かの物なら返すべきだと思い、克巳は持ち主を特定しようと鏡を覗きこんだ。

 

「烈先生……。なんかァ……これ、光ってません?」

「ただ、光を反射してるだけじゃねェか?」

「いえ。確かに光ってます。まるで――ッッ」

 

 突如、閃光。

 そしてこの三人も、範馬刃牙同様に光に呑みこまれた。

 

   肆

 

 シンクロニシティ

 意味――意味のある偶然の一致。一見無関係に隔絶された物質や生物、果ては思想が地球規模で同時同様の変化を起こすことだ。

 かつて、アメリカ、イギリス、ロシア、日本から計5人の死刑囚が脱獄し、東京に集まったことがある。そのようなことが再び起こった。

 この日を境に達人、喧嘩師、アンチェイン、そして……

 

「人工衛星が対象を見失いましたァッッ」

「なにィッッ すぐに見つけろォ! 大統領にオーガを見失ったなどと知られれば……!」 

 

 オーガなどの人物が姿を消した。

 

   伍

 

 世が混沌に覆われし時、天の使者達が現れ、太平へと導く。

 その者、類まれなる武を持つものなり。

 

「流星……? 近いわね……」

「華琳様! お気を付けください!」

「秋蘭、私が華琳様についていく!」

 

「天の御使いかしら? 冥琳、行ってくるわ!」

「待て雪蓮! 何のために……!」

「だって天の御使いの血を私達に入れたら孫呉は安泰じゃない。行くわよ!」

 

「桃香様! お待ちください!」

「愛紗ちゃん遅いよ~! 急がないと!」

「にゃはは 今の桃香お姉ちゃんには何を言っても無駄なのだ!」

 

 その日、大陸の各地で流星が落ちた。




真・恋姫†無双~怒気ッッ グラップラーのいる三国志ッッッ~第一話を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
中には、グラップラー刃牙? 名前はしってるけど、ぶっちゃけどんなモンよッッ!? と思っている方もいるかもしれませんので、ここで解説を。

刃牙シリーズには、3つのシリーズがあります。グラップラー刃牙、バキ、範馬刃牙の3つです。
内容は、地下闘技場の最年少チャンピオン範馬刃牙と、刃牙の父で地上最強の生物の範馬勇次郎を中心とし、様々な格闘家との闘いを書いた格闘モノ(で、合ってるハズ)

刃牙世界の時間軸としては、ブラックペンタゴン編が終わり、ピクル編が始まるまでのインターバルと考えています。
次回の後書きでは、出て来た格闘士のファイトスタイル等の説明を軽く書こうかと思っています。
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