キングは1匹! このコイだ!!   作:d.c.2隊長

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難産だった……そしてギャグは難しいと改めて感じた話でした。でも私はポケモン以外の技や能力は決して使わない!!

ところで、私の垢にはアヴェンジャーが搭載されていなかったみたいなんですが誰か出ました? 後、スパさんとか育ててないんですが←


コイキングのばくれつパンチは世界を狙える

 グレンタウン。それはナツメを(色々な意味で)降したアンバーが向かうべきジムがある町……というより島。火山が存在するその島は、その火山に相応しい炎タイプの使い手であるジムリーダー、カツラがいる。坊主頭と白い髭が素敵なそのカツラは、噂では本当はふさふさの髪があるがハゲのカツラを被っているとか、付け髭だとか。

 

 それはさておき、グレンタウンに向かうには空路、又は海路を行くしかない。しかしアンバーの手持ちはコイキングのみであり、“そらをとぶ”も“なみのり”も使えない。今度こそ、新しいポケモンをゲットするしかない。

 

 

 

 「おら必死こいて漕げ。じゃなきゃ沈めるぞ……こいつみたいにな」

 

 【へい! アンバーのアニキ!!】

 

 「ゴボボボボッ!? (ああっ、御主人様の愛が苦しい! でもそれがイイッ!!)」

 

 

 

 しかしそこは我等が主人公アンバー。彼はいつかの暴走族を数人呼び出し、ゴムボートを漕がせることでグレンタウンへと向かっていた。意地でもコイキング以外のポケモンは使わないつもりらしい。尚、コイキングは見せしめの為かアンバーによって海に沈められていた。魚の癖に泳げない上に苦しさすら感じるらしい。

 

 そんなこんなでグレンタウンに辿り着いたアンバーは暴走族達に幾らかのお金を持たせ、ポケセンに待機するように言ってグレンジムへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 冒頭でも説明したが、グレンタウンに存在するジム、グレンジムのジムリーダー……名をカツラ。彼はジムリーダーであると同時に研究者でもあり、その研究者としての頭脳がグレンジムのギミックに使われている。

 

 グレンジムのギミック……それは、単純なクイズだ。ジム内は幾つかの壁によって仕切られ、チャレンジャーはポケモントレーナーならば常識である内容をクイズとして出題され、クリアすれば壁が開く。外せばジムトレーナーと戦うことになり、勝てば扉が開くというモノ。そして、全ての壁を越えた先にいるカツラはチャレンジャーを待っていた。

 

 (さて、今日のチャレンジャーは……こいつか)

 

 そしてチャレンジャーは現れる。ジム内の監視カメラに映るその姿は、勿論アンバー。その姿を見た瞬間、カツラは面白いものを見たように笑みを浮かべた。

 

 前回の話でも触れたが、あまりに無茶苦茶なチャレンジャーアンバーの存在はジムリーダーの間で知られている。出回っている情報はどれもこれもぶっ飛んだモノだが、どれもこれも肉体的なモノばかりだった。

 

 (さあ青年……お前の知識はどうなんだ?)

 

 

 

 「楽勝だったな。つまんねえ」

 

 「ココココ……(御主人様……おいたわしや……)」

 

 「速っ!?」

 

 

 

 カツラがそう考えた数秒後、目の前の最後の扉が開いてアンバーが入ってきた。どうやら彼は一切ボケも暴力も理不尽もなく普通に問題を解いてきたらしい。文武両道の男、それが我等が主人公アンバーなのである。しかも容姿端麗、可愛いお嫁さんもいる。誰だこんな主人公考えた奴……私ですすみません。

 

 「まあいいや……チャレンジャーアンバー、あんたのジムバッジを貰いにきたぜ」

 

 「……う……うおおおーす!! よく来たチャレンジャー!! 俺はグレンジムのジムリーダーカツラ!! お前の挑戦、受けてたつ!!」

 

 (うるせえ……)

 

 アンバーの言葉に燃え上がる何かがあったのか、突然カツラは大声で彼の挑戦を受け入れた。その大声に顔をしかめているアンバーの姿は見えていないに違いない。

 

 カツラの使用するポケモンの数は4匹。その全てが炎タイプの為、相性だけを考えるならアンバーに分がある。勿論、コイキングではタイプの相性など一切生かすことが出来ないが。

 

 「行け、ポニータ!」

 

 「ヒヒーン!」

 

 カツラが繰り出したのは、炎の鬣(たてがみ)を持つ馬の姿をしたポケモン、ポニータ。その炎は主人と認めた者を焼くことは決してないという。つぶらな瞳が可愛いポケモンである。

 

 

 

 「ヅラごと吹っ飛べええええっ!!」

 

 「コッ!?」

 

 「ヅラじゃない! カツラだ!!」

 

 「ヒヒーブッ!?」

 

 「ちょ、こっちくんぐへぇ!?」

 

 

 

 最早語るまでもないだろうが、お約束の一撃必殺コイキックである。手順も何時も通り、コイキングを持って現れる→相手がポケモンを出す→コイキングから手を離して落とす→相手のポケモン目掛けて蹴り飛ばす→いちげきひっさつ!!! ここまでがテンプレです。ここ、テストに出ますので覚えておきましょう。

 

 そうして何時ものように蹴り飛ばされたコイキングはポニータにぶち当たり、吹っ飛んだポニータはカツラを巻き込んで壁にぶつかる。カツラは壁とポニータのサンドイッチ状態である。因みに、コイキングはアンバーのところまで跳ね返っている。

 

 「う……おおおーす!! いきなりやってくれるなチャレンジャー!!」

 

 「生きてる……だと?」

 

 「俺がこの程度で死ぬハズがないだろう! 次はこいつだ! 行け! キュウコン!!」

 

 「コーン!」

 

 意外にもカツラは自分の上で気絶しているポニータをボールに戻しつつ、何でもないように立ち上がった。が、その脚は産まれたての小鹿の如く震えている……まあ固い壁とかなりの重量があるポニータに挟まれたのだから仕方ないのだが。

 

 そんなカツラが続いて繰り出したのは、9本の尾と煌めく黄金の毛並みが美しいポケモン、キュウコン。その姿を見た瞬間にアンバーがコイキングを投げる姿勢になるが、ジムリーダーは同じような手が2度通じる相手ではない。

 

 「もう1回いってこい!!」

 

 「ココココーッ!! (御主人様の為ならばーっ!!)」

 

 「キュウコン! “ほのおのうず”!!」

 

 「コーン!」

 

 「コッ!?」

 

 アンバーに力の限り投げられたコイキング。しかし、キュウコンの吐いた“ほのおのうず”によって防がれた挙げ句、コイキングは渦の中に閉じ込められてしまった。

 

 「“にほんばれ”!」

 

 「コン!」

 

 更にカツラは動く。キュウコンが自分の尻尾の先に炎を灯し、天井高くに飛ばして1つにすることでまるで小さな太陽のようなモノを作り出した。“にほんばれ”……真夏の太陽のような強い日差しを作り出し、その間炎タイプの技の威力を上げるサポート技である。そしてこの“にほんばれ”には、こういう使い方もある。

 

 「キュウコン! “ソーラービーム”!!」

 

 「コン……コオオオオン!!」

 

 「コッ!?」

 

 「こ、コイキングー!?」

 

 草タイプの中でも高い威力を誇る技、“ソーラービーム”。本来チャージ時間が存在するこの技は、日差しが強い場合に限りノータイムで発射することが出来る。水タイプが苦手な炎タイプのキュウコンが覚えられる、数少ない草タイプ技である。

 

 そしてその“ソーラービーム”は“ほのおのうず”に閉じ込められているコイキングを渦ごと撃ち抜き……その光は天井を貫いた。

 

 「コイキング! 大丈夫か!?」

 

 「コ……コ……」

 

 渦の炎に焼かれ、熱線で撃たれたコイキング……その姿は痛々しい程に傷だらけだった。あちこち体が焦げており、香ばしい匂いが漂っている。

 

 「コイキング……お前……」

 

 「コ……」

 

 

 

 「滅茶苦茶美味そうになったな……いただきます」

 

 「コ……♪ (召し上がれ……♪)」

 

 「お前いきなり何いってんの!?」

 

 「コン!?」

 

 

 

 バトル中であるにも関わらず、アンバーは焼けたコイキングを持って思いっきり食べようとする。その発言に思わずツッコむカツラだが、当然アンバーは聞いていない。忘れがちだがこのアンバー、最初はコイキングを食べるつもりで買っている。500円で。それはさておき、ついにアンバーの口がコイキングの体に食い付いた。

 

 しかしこのコイキングというポケモン……ほとんど骨と皮と鱗だけで食べられない。しかもアンバーのコイキングは彼の理不尽かつ人外レベルの暴力を受け、耐え抜き、悦ぶようなポケモンである。

 

 

 

 「……硬くて食えねえんだよ!!」

 

 「コッ!?」

 

 「食えねえのかよ!」

 

 「コン"ッ!?」

 

 「キュウコン!?」

 

 

 

 その体は鋼の如し。ガキッ!! という音が鳴るほどに噛みついたアンバーだが、その身を食らうことは出来なかった。怒りのままにコイキングを投げつけ、投げられたコイキングはキュウコンの顔に直撃する。キュウコンの首から何やら嫌な音が聞こえたような気がするが、恐らく気のせいだろう。ビクビクと痙攣しているキュウコンの姿など見えない。イイネ?

 

 「本っ当に無茶苦茶な奴だなお前は!!」

 

 「ありがとう、最高の誉め言葉だ」

 

 「誉めとらん!! ええい行け!! ギャロップ!!」

 

 「ブルル……ヒヒーン!!」

 

 叫んだカツラにどこかのマイスターのように物凄く誇らしげに返すアンバー。そんな彼に苛立ちを隠しきれないカツラはキュウコンを戻し、ポニータの進化した姿であるギャロップを繰り出す。円らだった瞳はキリッとしたモノに成長し、頭には鋭い角が生えている。そしてカツラは直ぐ様、キュウコンに当たって跳ね返ってそのまま部屋の真ん中にいるコイキングを指差して命令を下す。

 

 「ギャロップ、“ふみつけ”!!」

 

 「ヒヒン!!」

 

 「ゴッ!?」

 

 「コイキング!」

 

 カツラの命令に従い、容赦なく全体重と勢いをつけて前足を振り下ろし、コイキングを“ふみつけ”るギャロップ。その小さな体躯にかかる重量は想像を絶する。

 

 「もう一度“ふみつけ”!!」

 

 「させるか! “とびはねろ”!!」

 

 「コッ!」

 

 「ヒヒーン!!」

 

 再度“ふみつけ”を行うギャロップだったが、当たる前にコイキングが跳ねた事でそれは失敗に終わり、床を踏み砕いてしまう。回避したコイキングは天井に当たる程に“とびはねて”おり、器用にも尾びれを天井に当て、更に跳ねる姿勢になっていた。

 

 「そのまま全力でギャロップ目掛けて“たいあたり”!!」

 

 「コッ!」

 

 「舐めるな!! ギャロップ、蹴り飛ばしてやれ!!」

 

 「ヒヒン!!」

 

 「コッ!?」

 

 尾びれを使って反動をつけ、ギャロップへと突撃するコイキング。だが、ギャロップはその突撃にタイミングを合わせて後ろを向き、後ろ足で蹴り飛ばした……というところで、カツラは己の失策に気付いたようにしまった、という顔をした。その理由は……コイキングがアンバーの方へと向かって飛ばされたからだ。あっ(察し

 

 

 

 「よく来てくれたなコイキング。こいつはサービスだ、とっておきなあ!!」

 

 「コッ! (御主人様のサービスううううっ!)」

 

 「ヒヒン!?」

 

 「ギャローップ!?」

 

 

 

 ギャロップに蹴られた勢いを微塵も感じさせずにコイキングを蹴り返すアンバー。うん、またなんだ。すまない。仏の顔もって言うしね……許してもらおうとは思わない。でも、この一連の行動を見て、君達はきっと言葉に出すまでもない“ああまたか……”という諦めのような感情を抱いたと思う。このワンパターンなギャグと理不尽な作品を読むときには、そういう気持ちを忘れないでほしい。

 

 そんなこんなで後ろ足で蹴った姿勢のままコイキングを後頭部に受けたギャロップはその長い顔を床にめり込ませて窒息死寸前になり、戦闘不能判定が出た為にカツラは戻した。尚、コイキングはペチャッと情けない音と共に床に落ちている。これで一対一となるが、彼にはまだ最強の手持ちが残っている。

 

 「話に違わん奴だ……しかし、お前の快進撃もここまでだ!! いでよ、ウィンディ!!」

 

 「グルアアアアッ!!」

 

 カツラが繰り出したのは獅子のような姿をした白い鬣が勇ましい四足ポケモン、ウィンディ。でんせつポケモンと分類されるその溢れんばかりの力強さはその身に違わない。

 

 「ウィンディ、“しんそく”!!」

 

 「ガアアアアッ!!」

 

 「コッ!?」

 

 「コイキング!?」

 

 “しんそく”。“でんこうせっか”や“こおりのつぶて”のような先手を取れる技の中で最高峰の威力を誇る技である。その速度は正しく神速……目で追うことなど叶わない。しかもその速度でウィンディのような巨体がぶつかってくるとなれば、数値以上のダメージが出るだろう。

 

 アンバーの前に飛んできてぴくぴくとしているコイキング……その姿は瀕死にしか見えないが、まだ戦闘不能判定は出ていなかった。どれだけ頑丈でタフなんだと呆れたくなるカツラだったが、直ぐに思考を切り替える。まだ瀕死ではないというのなら、瀕死になるまで攻撃あるのみだと。

 

 しかし、カツラがウィンディに命令する前にアンバーがコイキングを手に持つ。また投げるのか、それとも蹴り飛ばすのかと出方を待つカツラだったが、アンバーの口から出たのは意外……でもない言葉だった。

 

 「来な……返り討ちにしてやる」

 

 「……後悔するなよ。ウィンディ、“しんそく”!!」

 

 「ガアアアアッ!!」

 

 コイキングを肩に置いて挑発するアンバーに対して、カツラは一切の躊躇なく、微塵の後悔もなく命令を下す。ウィンディもまた人間がいることを気にせずに命令を遂行する。“しんそく”は正しく神速……勝ったと、カツラもウィンディも確信していた。しかし、ウィンディは見た。全てを置き去りにする神速の世界で、己の前に現れたコイキングの姿を。

 

 「コイキング……」

 

 そして、遅れて聞こえてきたアンバーの声を。

 

 

 

 「“ばくれつパンチ”!!」

 

 「ゴボエェッ!?」

 

 「グルブギュッ!?」

 

 「……はい?」

 

 

 

 神速の突撃に対して、アンバーはコイキングをウィンディと挟むように拳を突き出した。一応ヒレが当たっているのでパンチにはなっているような気がする。これでもコイキングは死なない。それどころか嬉しそうにしていた。駄目だこの主従早くなんとかしないと。

 

 己の速度と点による一撃であるコイキングの“ばくれつパンチ(?)”を顔に受けたウィンディは急所に当たったどころじゃねえダメージを貰い、意識を飛ばした為に戦闘不能判定が出た。こうしてアンバーは勝利し、グレンジムのバッジであるクリムゾンバッジを手に入れるのであった……尚、ウィンディはしばらくの間、顔が“*”のようにめり込んだまま元に戻らなかったという。

 

 「コイキングのパンチ力、甘く見るんじゃねえ」

 

 「……は?」

 

 

 

 こうして、アンバー第7の戦いは終わった。相手はその膨大な知識と炎にも負けない情熱をもってアンバーを追い詰めたが、彼はその身に宿るコイキングへの信頼とポケモンマスターになるという夢への熱意で打ち破り、勝利を納めた。だが、最後のジムリーダーは今までのジムリーダー達を越える強さを持っているだろう。その相手に勝つ為にも、アンバーはもっと強くならねばならない。

 

 頑張れアンバー! 負けるなコイキング! 500円の魂を引っ提げて、目指すはポケモンマスター! さあ! 右手の人差し指を伸ばし、天高く掲げて叫べ!

 

 

 

 キングは1匹! このコイだ!!

 

 

 

 「この後、俺は暴走族共と一緒にタマムシに行くことになり、久々にエリカの家で過ごした。それはもう色々な意味で過ごした。後、いつのまにか親同士の話し合いの元、俺の婿入りが法的にも決まっていた……」

 

 「あ……は……♪ もう、こんなに沢山……♪」

 

 「と、殿ぉ……拙者にもぉ……」

 

 「ココココ……(御主人様……私にも御慈悲を……)」

 

 『何!? 俺と戦ったなら、俺がヤられるのではないのか!?』




アンバーが法的に人生の墓場に突っ込みました←

次回は某悪の組織のボスですね……そして手持ちには、奴がいる。そう、キングの名を持つポケモンが……ワンパターンにならないように頑張らないと(使命感

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