Fate/the Atonement feel   作:悪役

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主従関係

 

遠坂真の意識は見知らぬ場所に立っていた。

思わず何時も夢に見ているあの場所かと思うが……全く違う。

ここは■■のように全てがあるわけではない。

むしろその逆でここは余りにも(ちいさ)い。

そして落ち着く……というよりはありのままを受け入れられるという感じがする。

自分でも何を言っているのかさっぱりだがそうとしか感じれないから仕方がないだろう。

だが、それにしても……何というかこの場所は受け入れられるが酷く不安定な気がする。

いや、不安定というより……定まっていない。

風景もごちゃごちゃしているし、何を描こうかも決まっていない。

描きたい物が決まっていないキャンパスにとりあえず何かを描いてみたという感じだ。

そんな曖昧な風景に、思わず苦笑する。

まるで現状の自分を(・・・・・・)形作っている(・・・・・・)みたいじゃないか、と。

そこまで考えて気付いた。

ああ、成程、納得。

そりゃこんなに不安定でも受け入れられるわけだ。

 

そう思い、そしてずっと正面にあったそれ(・・)を視る。

 

それはきっと剣なのだろう。

 

例えそれが形造られず(・・・・・)物質として存在してい(・・・・・・・・・・)ない(・・)としても存在感と見えないのに輪郭のみが浮かび上がる事から感じ取れる。

空想の刃はこの世界にただ一つだけの剣として世界に刺さっている。

先程、納得した理屈が正しいのならば、この剣は抜けないし、振るえないだろう。

何せまだ生まれていない、作られていないのだ。

ただこの世界の属性がこの剣を望んでいるから存在はしているだけ。

面白い話だ。

存在していない剣がこの心象(セカイ)の核になっているのだろうか。

この先、どんな風に形造られるか自由の空想は当然、何も言う事はない。

 

でも、何故だろうか。

 

自分にはずっとこう問いかけられている気がしてならない。

 

 

さぁ───お前はどんな剣を望む?

 

その刃でナニに振るう(・・・・・・)

 

 

おかしな話だ。

例え、この剣が錬鉄されても自分にはこの剣を具現化する回路は無いというのに、この剣はまるできっと振るわれると確信しているように感じる。

でも……確かに。

もしもこの剣が生まれたとしたら……

 

 

自分は一体どうするのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

「───────────っん?」

 

ふと、目が覚めた。

特に理由のない覚醒。

要は寝てたら目が覚めただけの起床。

思わず、天井を見て、ぼけ~っとするタイプの目覚め方だ。

自分もそれに逆らわずにぼけ~っとしていたのだが、何故か疑問に襲われる。

 

はて? 自分は何で寝ているんだろう?

 

いやそりゃ寝たから寝ているんだろう、というのは分かっているのだが何故か寝てちゃ駄目だろ、という確信があるのだ。

そこまで考え

 

「────あ」

 

気絶する直前の記憶が全てフラッシュバックする。

莫大な情報量に一瞬、混迷するが、即座に全ての情報を纏め上げ、現在の自分の状況がどうであったかを再認し、起き上がろうとした所に

 

「目が覚めましたか、マスター」

 

物凄い清涼とした声がするりとぼけた頭に入り込んだ。

誰? とか思う事は断じてない。

もう昨日、たった少しだけ会話しただけでもう脳は彼女の声を完全に刻み込んだ。

敢えて言うなら気配を読むのを怠ったのが不覚だと思ったのだが

 

眼に入った彼女が現代の服装を着て座っているのは流石に予想外だった───

 

「───」

 

今度こそ完全に不覚。

ナイスクリティカルヒット。

ほんの僅かに残っていた眠気は残らず伐採された。

ちくしょう……女の神秘っていうのを見た気がする。

服が変わるだけでこれ程、強烈な攻撃力に変わるとは……

 

「ええと……確かセイバーだよな……?」

 

「ええ。昨日は急だったとはいえ挨拶も出来ず申し訳ありません。剣の英霊、セイバーと呼んで下さい」

 

とりあえず自分の昨日の記憶が思春期による痛い妄想とかではない事を確認出来───そしてとりあえずむず痒い問題を先に解決する事にする。

 

「とりあえず、そのマスター、っていうのは止めないか? そんな主人(マスター)なんて言われるような大仰な人物じゃない。遠坂真っていう名前があるからそこから好きに呼んでくれたらいい」

 

そう頼むと、少女はまた昨日の土蔵で見たようなちょっとした驚きの表情を浮かべ、微笑する。

 

「ではシン、と。ええ、私としてもこの発音の方が好ましい───どうしました?」

 

何でもない。

ただ少女のド天然発言に許容ゲージが粉砕されてベッドに勢いよくヘッドバットを叩き込んでしまっただけである。

両親のラブラブ固有結界で耐性を得ていたと思ったが、自分が被害に合う時の経験は些か足りていなかったようだ。

 

「いや、そうじゃない。男として重要だが今はそっちじゃなくて今、何時だ?」

 

「今は丁度昼を過ぎた頃です」

 

「そうか……二日三日寝たとかそういうのじゃなくて良かった」

 

布団から出ると寝間着に変わっているのを見ると親父辺りがやったのだろうと思う。

ついでに刺された足の様子を見るともう完治している。

随分と治りがいい。

母がやってくれたのだろうか? と思いつつ、立ち上がり、服を用意する。

ちんたらしている状況ではないのは確かなのだ。

せめてこの少女と家族とで情報を共有する必要がある。

だが、その前に

 

「昨日は助かったセイバー。そして多分、これからも助けて貰うと思う。その、それでいいか?」

 

勝手に自分の都合で呼んで、こちらの状況に巻き込んで大丈夫か、という意を込めた発言に

 

「無論です。この身は貴方の剣なのですから」

 

だからそういう発言は止めて欲しい。

思わず、足を滑らせて自分が暇潰しに造ったゼルレッチ宝箱に頭から突っ込んで封が閉じてセイバーに救出される寸劇をかましながら真はコーヒーを欲しくなった。

 

 

 

 

とりあえず宝箱から脱出して服を着替えた後、セイバーと一緒に居間に向かった。

 

「もう親父達とは状況説明は?」

 

「いえ。リンが二度手間になるからシンが起きた後でいいわ、との事で」

 

「母らしい……寝ている間に再度襲撃とかされた場合とかを考えてない所が実に遠坂……!」

 

人呼んでうっか凛と呼ばれ、冬木にうっかりの概念を浸透させたあかいあくまはの伝説があるとまことしやかに語られていると言う。

当時の人間からの口だと

 

「あれはもうどうしようもないなー。もう、こう血とか呪いっていうより……生態? 自分は何故心臓が動いているかって聞かれてるようなもんだわさ」

 

とかつての母の友人で女傑の母はこう語る。

というか母よ。一体、何をした。

 

「ま、それはさておき、じゃあ説明は居間に集ったらか。ああ、何か言いたくない事とかあったら親父や母が無理強いしても言わなくてもいいぞ」

 

「いえ。特にそういう事は無いので大丈夫ですが……失礼かもしれませんが、貴方はどちらかではなく二人に本当にそっくりですね」

 

おいおい、まさか自分的にほぼ初対面の相手にすらそんな風に言われるとは思わなかった、と思いながら居間へと続く襖を開け

 

 

そこにはどう見ても親父が母を押し倒している光景が見えた。

 

 

「───」

 

四人の沈黙が空間にルールを作る。

何かを発するか、動くとその瞬間に何かが起きる、というルールだ。

まず二人の両親の表情と視線は間違いなく"しまった! 最悪な状況を二人に見られた!? やっちまったぜ!"という分かりやすい蒼褪めた状況であった。

そしてセイバーの方は二人のその光景に驚くべきか、窘めるべきか、申し訳ないと思うべきかなどとどうすればいいか分からない状態になっている所だ。

最後に俺は完全な無表情になり、最早、何も見えず聞こえない状態に陥った。

 

「……」

 

時計の針が無機質に刻む中、最初に動いたのは俺だ。

俺は表情をそのままにし、その中で密かに廊下のみかんに偽装していた実は俺作製による暇潰しシリーズ宝箱を取出し、二人に見せびらかした。

それを見た瞬間に最も反応が顕著だった親父がぎょっとし、沈黙を破った。

 

「ま、待て真! そ、それは悪夢の不思議の国系に突撃する新感覚ホラーアクションストーリーの地獄(パラダイス)絵本……! ば、馬鹿な……! 俺自らが命を懸けて封印した宝箱が何故そこにーーー!?」

 

「いい質問だ父よ。これは新作、男なら一度でも滾る魔界皇帝編だ。頑張って進めば勿論、ハッピーエンドが待っているZE? ただし、今度はホラーではなく恋愛ゲー。攻略するヒロインの大抵がヤンデレだけどそれも一つの王道ストーリー……包丁は標準装備である……!」

 

「ち、父のここに至るまでの過程なぞ聞く気はないかね?」

 

「いや、どうせ二人で色々と考えあったり、話し合ったりしている中、母がご都合主義(うっかり)で転びそうになったのを父が受け止めようとした拍子に都合良くそんな体勢になって甘い雰囲気に脳が侵される中、理性ではそんな場合ではないのに母の甘い匂いや父の頼もしさとかを至近距離で感じて抜けるに抜け出せない状況の中、俺がここに来てしまった。とかそういうのかなぁって」

 

「そ、そう! 正にその通りだ! 流石は俺の自慢の息子! 父を遥かに上回る千里眼……!」

 

「うんうん───そういう事にしてやらない」

 

OH! と欧米風に驚く父は無視する。

次にアクションを起こすのは2番、遠坂凛。

 

「た、確かその宝箱って箱に入るのをキーにした最高(さいあく)レベルの暗示による脳内エピソードでしょ? な、なら幾ら才能で負けても私がそんなのにかかると思ってるの!?」

 

未だ押し倒されている状態でイメージカラー通りの顔色で食って掛かる母親に息子の立ち位置なのに可愛いなぁって思ってしまう。

だってそれでどうにか助かると思っている母なんて捕食者(おれ)からしたら最高の足掻きではありませんか。

 

「うんうん、そんな誇らしい母の能力を更に磨きかける為に用意した母の教材はこちらで御座います」

 

「あ、あば……!?」

 

希望を打ち砕かれた表情と声を即座に反してくれる母に満足しながら取り出した分厚い参考書のような説明書───ただの携帯電話の説明書をドン、と居間の机に置く。

何を隠そう、この説明書……ただの説明書である。

そう、ただの説明書。

魔術的な処置は一切無ければ、科学的に何かあるわけでもないただの説明書。

しかし、母の脳で視ればただの説明書は進化して魔道書になってしまうのである。しかもクトゥルフ系の魔道書に。

 

「ば、馬鹿な……! それは何時か私の命を脅かすと思い、丹念に燃やしたはずの魔道書(せつめいしょ)! 家中引っ繰り返して他に無いか探したのに!」

 

「ふっ……母が絶対に探る事はない物の中に、さ」

 

「な……ま、まさか……何かの機械の中に隠したというの!? 何て卑劣……!」

 

この状態で自分が言うのも何だが、そこまで言われるのは予想はしていたが心外である。

デフォルメあかいあくまといけにえおやじになっている二人を見ながら理性が何をしているんだ自分と語りかけてくるが即座に封印し直す。

今は断罪の意志のみ。

人が空前絶後の美少女相手にドギマギしているのをいかんいかんシリアスシリアス、と念じて必死に鎧を着込んでいたのに自分らだけイチャラブしている万年新婚夫婦を見てどうして我慢出来ようか。

にまり、と三日月に歪む俺の口を見てひぃっ、と唸る哀れな生贄達はこの後、息子への必死の命乞いを行う。

普段こそ表も裏もボスと君臨しているのは遠坂凛だが、遠坂凛がデフォルトのボスならばこの少年はイベントボス。

突如降って湧く災害のような立ち位置にいるのであった。

ちなみに父は二人にやられる被害者Aであった。

そうしてそんな場に遭遇した英霊はリンの血の方がやはり濃かった……そのカオスが見て溜息を吐き、7分くらいしたら己のスキル、カリスマを利用した鎮静を行う委員長として君臨するのであった。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、改めて情報交換といきましょ」

 

母の少々疲れた表情を見ながらお茶を飲む。

ちっ、と舌打ちも密かに心の中でしておく。

結局、セイバーによる謎の説得力がある言葉によって事態は有耶無耶になってしまった。

何れやろうと思う。

ちなみに今日は平日なのだが、もう昼過ぎなので両親が当然の如く俺の欠席を学校に連絡していた。

体調不良による欠席にしたらしいが魔術師故にそこらの耐性は高いのだがなる時はやはりなるものである。

最後に風邪とかになったのは───懐かしい、小5の時だ。

小4の事件の後に、色々とする事が出来てしまった父と母はその時家を空けていた。

そのタイミングで風邪になってしまい……まぁ色々あって洋食を習いたくなった。

ずっと会ってないけど、あの人は今でも元気なのかなぁ、と思いつつ、腕を組み発言する。

 

「むしろこっちが聞きたい───もうこの地で聖杯戦争(・・・・・・・・・・)は起きない(・・・・・)、が二人のお話の最後のオチだったと思うんだけど?」

 

かつて冬木の地で行われた凄惨な血の儀式。

過去の英霊を持って魔術師同士が殺し合い最後の一人が願いを叶える事が出来るという聖杯を手に入れるという、聞いただけでイカれた儀式である。

そして見ても正気ではないと理解された。

現代の魔術師程度がどうして英霊を呼んで使役しようなどと思うのだろう。まぁ、実際は現代ではなくご先祖様のせいなのだろうけど。

ともかく寝物語のように聞かされていた戦争は、しかし何時も二人はもうこの地でそれは起きないと常に言っていた。

理由は実に簡単、賞品であり、英霊を呼び出す物である聖杯を、既に解体したからだと言ってたからだ。

聖杯戦争が如何にとんでも儀式でも、そもそもの発端である聖杯が無いのなら始まる事なんて出来ない。

実に分りやすい答えである。

しかし、それだと隣の少女や自分を襲った女の怪物が方程式に当て嵌まらなくなる。

 

「まさか母さん、また超絶うっかりかまして聖杯を解体したと思って逆に新生させるようなミラクル起こしたんじゃないだろうな……?」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! そこで頷いている士郎と成程表情のセイバーも! あんたらの私のうっかりに対する信頼は一体何なのよっ!」

 

歩んできた道のりとしか……

 

誰もがそう思ったが全員が沈黙した。

何だかんだでこの家に集まった人間。

基本、黙ってあげる程度の優しさが存在するのだ。

 

「ぐぐぐっ……ま、まぁいいわ……で、質問だけど……実はあんたが家から帰ってくる前に時計塔……いえロード・エルメロイ2世から連絡を受けたの」

 

「ロード・エルメロイ……ああ。確か親父達が時計塔時代に師事したっていう……」

 

時計塔を纏める12のロードの一人。

つまりは大物だけどこの両親なら別に何もおかしくないので普通である。

今はその人物を掘り下げるよりも情報が優先なので続きを促す。

すると母さんはこんな事を口に出すのも嫌なのだけれどという表情で

 

 

 

聖杯戦争が始まった───それも世界規模で、という事らしい。

 

 

 

知っていたであろう親父を除いて、俺もセイバーも流石に眉を顰める。

 

「世界規模って……どうしたらそうなるんだよ」

 

「私に言われても知らないわよ。エルメロイ2世からの説明もそれだけしか無かったんだから。むしろ聖杯に召喚されたセイバーに期待したいんだけど……」

 

注目を浴びた騎士は、しかし応える事が出来ず申し訳ないという顔で

 

「残念ですが……私に与えられた知識は現代の知識と戦争のルールくらいです。前回の聖杯戦争と変わる所があるとすれば……敵は通常よりも多くいるという漠然とした感覚のみです」

 

「……つまり七騎以上のサーヴァントとの殺し合いになるかもしれない、と」

 

親父の結論に嫌な表情を俺は素直に出す。

一騎だけでもあれ程死ぬかと思った相手が普通の七騎以上の相手がいると聞かされて喜ぶ人間は試練大好き人間か、自殺志願者か、マゾヒストだ。

残念ながら自分はどれにも当て嵌まらないのだ。

 

「……まぁいいや。一旦そこは置いて、今の問題にしない? 正直不毛」

 

「全くもって同感だわ真。自慢の息子は話が早くて助かるわ」

 

「褒めても携帯の説明書は捨てないけど」

 

ちっ! と強烈な舌打ちが響くのをガンスルー。

この程度のプレッシャーに負けていたら魔術師なぞやってられないのである。

 

「ではまず私から。とは言ってもシン以外は私の事を知らない仲なのでシン。貴方に対して改めて挨拶を」

 

ならば、という様子で応えたのはセイバーであった。

相変わらず怖いくらい綺麗な顔を凛とした表情にして、自分の事を語りだす。

 

「サーヴァント、セイバー。名前の通り剣士として名を馳せた英霊です。真名はもうシロウとリンも知っているので特に隠す事はないのですが……」

 

「真名? ……ああ、英霊だからつまり本名か」

 

身も蓋もない言葉を出した気がするが事実だし。

でもまぁ、名前を隠すのはそれは彼女が世界に名を刻んだ英雄の一人故に弱点も露呈する事を隠すため。

アキレウスは踵、ジークフリートは背中、ウル○ラマンは3分間しか戦えないみたいなものである。

で、まぁ真名について。

そりゃ気になる。当然、気になるけど

 

「明確に敵がいる状態で、しかも狙われているこの場で喋ると漏れる可能性が……」

 

「あーー、その辺りだけど……もしかしてもう漏れちゃっているかもしれないわ」

 

「は? 何でさ?」

 

昨日の戦いからバレタかもしれないという事だろうか?

少し考えるが昨日の戦いで漏れるような出来事は無かったと思われる。むしろ漏れるような事をしたのは魔眼を晒した敵の方だ。

魔術師でもなく、そして他国の神話であっても下手したら子供でも知っているかもしれないド有名な物を晒したから、多分、この場にいる誰もがもう思い当っているだろう。

逆にセイバーの方は性能を除いて晒した部分は敢えて言うなら風による屈折現象を使うのとセイバーである事くらいだ。

自分でも彼女が英雄の誰かは思い当たっていない。

それに関して答えたのは母ではなく本人であった。

 

「いえ……そのですね。残念ながら……と言うのはおかしな話ですが……実は私はこの冬木の聖杯戦争に今回を合わせれば3度呼び出されています。そして前回も前々回も真名を知られたり宝具などを使っているので……知られていないと判断するのは難しいかと思います」

 

「は? 3……あーーー、あーーー、いや思い出した。そういえばそんな話をしてたっけ?」

 

驚天動地の回数を聞いて、流石に吃驚するがそういえば過去、そんな話を聞いた気がする。

でもそうなると

 

「凄い確率だな、セイバー。衛宮……いや今は遠坂だけど、でもその関係者に3回も呼び出されるなんて」

 

「全くです。最初は不運でしたが……今となってはいいマスターに恵まれました」

 

そんな会話をして微笑しているが故に両親が何故か目を逸らしている事には気付かなかった。

それはともかくとして。

 

「じゃあ、確かに真名を聞いてもいい状況だけど……えっと、こういうのって何かしないと聞けないとか個人的、というか騎士的というかあったりするもんじゃない、よな?」

 

「その発言自体が魔術師として似つかわしくないですが……敢えて答えさせてもらうのならば問題ありません。シロウとリンの息子です。信頼に値します」

 

「……」

 

物凄い不機嫌のポーズを取るのを我慢出来て良かった。

まぁ、そりゃセイバーからしたら自分の存在はそういうものだよなぁ、とはまぁ分かるし、自分も同じ立場になれば同じような考えをしないとは言わない。

だが、まぁ、うん、でもそうだとしても……やっぱりこの扱いは少々男子の沽券に関わる気がする。

勿論、口には出さないとも? 幾らなんでもガキ過ぎるし。

ただそこでへぇ? とか呟いてにやにやしている母がいたので説明書をズドン! と母の正面のテーブルを叩くと悲鳴を上げた。

コホンとそれで空気を入れ替え

 

「じゃあ、うん。聞こう。さぁ、心の準備は出来た」

 

「はい───私の真名はアルトリア・ペンドラゴン。日本ではアーサー王と名乗った方が分かりやすいでしょうか?」

 

「おーー成程、アーサーかぁ……」

 

───────────────────────────────────────────────────────────アーサー王?

 

「って男だったのかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?」

 

超弩級の大声が喉から発生した。

遠坂真。

人生谷あり山ありの人生をまぁ、一般の人よりかは多く熟してきた少年が自分の純情な心が屈折した方向性であるのかという誤解を叫んだ日であった。

心の準備? それはね? ルビに言い訳って付くんだよ?

 

 

 

 

 

セイバーが物凄く憤慨して、息子がその事に誤解の更なる誤解を知って土下座を繰り出している。

あの土下座への躊躇いの無さは俺も見習うべきかもしれないと思いつつ、苦笑する。

そして同時に湧き上がる懐かしさ。

あの少女の前で謝っている息子の姿が過去の自分に置き換わる。

未熟で、何時も彼女に迷惑をかけていた若かりしあの頃。

今なら自分が如何に無鉄砲で無茶ばかりを彼女に頼んでいたか。よく分かる。

 

「……いかんな。年を取ると過去に耽てしまう」

 

「……ま、分からないでもないわ」

 

年を取っていた。

余りにも当たり前すぎる理屈。

俺も凛も互いに延命の魔術は使っていない。

何事もないまま生きる事が出来たとしても、もう4、50年したら死ぬだろうし、今の自分ですら全盛期の頃と比べると動きが鈍いと時々変に実感するのだ。

でも、そうか。

 

もうあの戦争はあんなに昔に終わっていたのだ───

 

そう思ってたら、音が鳴る。

それは人間の本能が訴えた音。

3代欲求の一つが今すぐやれ、と叫ぶ音。

つまりは腹の音である。

そして出した本人が

 

「あ~~……そういえば昨日の夜食べてないから丸一日食べてない……」

 

懸命に訴える腹の音に真がよしよし、と腹を撫でているのを見て苦笑し、立ち上がる。

自分達も同じ状況なのだ。

腹が減っては戦はできぬ、というのは日本人の実体験による言葉だ。

 

「じゃあ昨日の夜の分を温めようか。量が量だから少々時間がかかるし、セイバーの分も……足りるとは思うし、一応聞くが食べるよな、セイバー?」

 

「無論ですシロウ。ここで食べずして何が騎士か」

 

キュピーーーン、とセイバーの瞳が光る。

それでいいのか、騎士王。

いや、うん、でも俺が知っているセイバーならこれでいいんだけど。

サーヴァントってご飯必要なの? っていう表情を浮かべている真だが、欲しがっているなら食べさせない理由はないか、と納得している。

その納得こそが最も魔術師らしくないのだが、と苦笑を深める。

 

「って4人分の量? 何? 親父か母さんのどっちか知らないけど夜のテンションで恐ろしい量を作ったのか? 母さん大丈夫? もしかして偽物?」

 

「HAHAHA。何、私の愛しい愛しい息子。母の腕に抱かれて死にたかったの?」

 

「もう少し胸があったら、それも良かったんだけど……」

 

「死・ぬ・が・よ・い」

 

ガンドの怒涛の嵐を前みたいに魔術で防ぐ事無く、今度は生まれ持った強靭な回路で耐えている息子を見て、あの防御力は羨ましいと思いながら、喧噪に呆れているセイバーに……迷いながら声をかける。

 

「セイバー」

 

「はい? どうされましたかシロウ?」

 

あの頃と変わらない発音で呼ばれる。

彼女は何も変わっていない。

その事に喜ぶべきか、悲しむべきか。どうすればいいかは答えが出ずに、ただ……思わず聞いてしまった。

 

「失望…………させたか……?」

 

「……」

 

何に、とは口に出せなかった。

だが、言わなくても彼女なら分かってくれる、という身勝手な信頼を押し付ける。

その勝手な信頼を向けられた彼女は、少しの間だけ沈黙しながら───しかし答えた。

 

「確かに。貴方が日常を過ごす事を選んだ事についてはいい意味でも、自分の勝手な想いでも思う事があるのは偽れない」

 

「……」

 

「ですが……」

 

「……?」

 

予想した言葉に、続いての予想外の言葉の続きが自分の心を間違いなく穿った。

 

 

 

 

「それ以上に───貴方が幸福であれるようになった事を心から祝福したい」

 

 

 

「───」

 

視界が、揺らぐ。

少女の笑顔を直視出来ない。

この笑みを自分が見つめるには余りにも堕落した。

もしかしたら……あの赤い背中の男も、この少女相手に似たような思いがあったのかもしれない。

口には出さなかったが……しかしあの男は決してセイバーを相手に敵意は向けても殺意を向けなかった。

サーヴァント同士で、しかも奴の八つ当たりが行える状況で、刃は向けても、それで結果的の殺してしまっても、殺すという思念だけは感じれなかった。

無論、これは勝手な思い込みだ。

だから、俺は彼女の笑顔から目を逸らし厨房に向かう。

 

「昨日の物で悪いが……温めたら直ぐに食べれる。今は腹ごなしとしよう」

 

 

 

 

 

そして居間は戦場となった。

人生最大級の絶望を前に遠坂真に出来る事は奪われる事を甘受する事だけだった。

己が欲する物が全て奪われる。

無論、最初から奪われる事を良しとしたわけではない。

最初は抵抗した。

力で抵抗した。技で抵抗した。頭で抵抗した。

終いには情に訴えようと情けなく頼み込みもした。

しかし、敵には届かない。

それもそのはずだ。

 

野生の獣に対してどうして情や力や技が届くというのか────!

 

「シロウ、おかわりです」

 

既にこの死刑宣告を何度聞いたか。

そう、これこそが少年は知らないがかつて彼女の臣下が吐いた言葉

 

「王は満腹を知らない……!」

 

先程まであった満漢全席のような食卓は、もう寂れた料理亭みたいなレベルでしか残っていなかった。

特に親父が作った和食系はほぼ全滅。

天麩羅や魚などには手を出す事も出来なかった。

洋食は意地でも食べに行ったが、その間に母の炒飯や餃子、唐揚げなど好物も全て食い散らかされた。

これが遠坂真の人生最大の敗北であった。

 

「……いや、ご飯程度で何言ってんのよ……」

 

母の言を無視して少しでも胃袋に入れようともがく。

しかし、その奮起も

 

「シロウ、おわかりです」

 

基本、神速が当たり前の彼女からしたら鈍間の亀のような速度であったという。

南無三。

 

 

 

 

 

 

セイバーは食事を平らげた後に凛の休憩の一言に同意し、久しぶりに道場にでも向かおうかと思っていた所にマスターに声をかけられ彼の部屋にいる。

 

「すまないな、セイバー。本当ならもう少し自由に行動させるべきなんだろうけど……」

 

マスターの言葉にいいえ、と否定する。

実際、不満はない。

この少年はある意味ではシロウ以上に私を人間扱いする。

人間として女として見ているように見え、その姿はかつての私が見たら何を馬鹿な、と吠え、今の私からしたら微笑ましく見える。

しかし、同時に彼はかつてのシロウのようにか弱くい存在のようには扱わなかった。

昨日のほんの刹那の共闘から見て取れる。

彼は双剣を持って現れた時、援護をするといった。

援護だ。

助けるでもなければ、やれ、とただ命令するだけでもない。

 

私の力になると言った。

 

聖杯戦争を3度も経験した自分ですら経験したことが無い言葉であった。

何せ英霊とは人では到底叶わず、恐れられる存在だ。

その存在である自分は間違いなく、そんな存在だ。

有り得ない話ではあるが仮に私が、ここにいる3人の戦闘能力だけならば並み所か最上位に位置する魔術師3人を相手取っても勝てると断言出来る。

そんな相手に彼は本当に歴史上の頼もしい偉人が現れたような態度を取る。

 

……これもまた対応力なのでしょう

 

寝ている間にリンとシロウに聞いた事なのだが、シンは今まで殺し合いのレベルでの戦闘を行った経験は無いらしい。

つまり、昨日が初陣だ。

それなのにあの立ち振る舞い。

リンもシロウも彼の事を天才と言っていたが、それは魔術に呑み発揮される言葉ではないらしい。

それが喜ばしいのかはともかくとして。

 

「シン。改まって用件とは何でしょうか?」

 

「ん? いや、別に特別な事をするってわけじゃないさ。まずは当たり前だけど、改めて昨日の事には感謝する。ありがとう、セイバー」

 

やはり、この少年は本当に両親にそっくりだ。

今のはシロウの側面だが、まだ僅かしか接してはいないが土壇場の思い切りの良さ、天才性、その純粋さ、魔術師とは思えない在り方。

どれも父と母の好感に値する所を一つに纏めた様な少年である。

 

「いえ。私もかつての戦友である二人を助けただけです。それに、先程も言ったように私は貴方の剣だ。貴方の守りたい者を守る為ならば、それは私の誇りとなります。」

 

「そうか……ん、じゃああんまり長引かせてもセイバーに失礼だな。分かった、じゃあ本題に入ろう」

 

本題と言われ、セイバーも背筋が伸びる。

今代のマスターの発言を一つ残らず記憶する勢いで集中する。

 

「もしも母さんが言った通りならば……今回の聖杯戦争の規模は世界規模……まぁ本当かどうかは定まってないけど……下手したら長期戦になる可能性が高い。というよりもむしろ世界中にサーヴァントが散らばっているっていうならならない方がおかしい」

 

「……同意です」

 

かつての聖杯戦争との最大の違い。

それは戦場が余りにも大き過ぎるという事だ。

星その物を舞台とした戦場において英霊の数はどれだけ居るかは分からないが……少なくともどこかに行けば絶対に巡り合えるというレベルの数でいるわけではないだろう。

セイバーの考えでは恐らく前哨戦では今回のような同じ都市にマスターがいた場合による小競り合いで削られ、中盤戦が最も長く過酷なマスターを探し、ルール無用の殺し合いを行うという泥沼の状態になると思われる。

唯一例外となるとすれば……魔術師が集うロンドンだろう。

かつての自分が守った国が一番の地獄であるというのは中々皮肉だが……どう甘く見繕っても地獄以下(・・・・)になっている事は無いだろう。

だが、しかし。

そんな話をする前に先に聞かなければいけない事がある。

 

「マスター。率直に聞かせて願いたい───貴方には聖杯に叶えて欲しい願いがあるのですか?」

 

「え? ────いや、別に? 叶えられない様な理想を抱く夢想家でもないし、叶えられそうな願いを叶えて貰うほど面倒くさがりではないつもりだから」

 

後者はともかく前者の言葉には自分からしたら苦笑するしかない言葉だが、今はそれはどうでもいい。

聖杯にかける願いはないという。

セイバーの目からしてもそれが嘘偽りではないと感じ取れる。

ならば

 

「……その割にはやけに好戦的ですね。興味がないのでしたらそもそも参戦しなければいいのでは?」

 

そう、今回の聖杯戦争にはそれが絶対とは言わないが、許されるレベルの範囲になっている。

世界が戦場なのだ。

自分から探さなければ敵と接敵するのは中々難しい。

勿論、絶対とは言わないが、そうでなくても積極的に戦いに行かないのならば戦闘に巻き込まれる数は最低限にまで減らす事が可能だろう。

叶えたい願いがないというのならば尚更だ。

報酬の無い殺し合いなど誰がする。

その疑念に───彼はきょとんとした顔で

 

 

 

 

「え? だってセイバーには叶えたい願いがあるんだろ?」

 

君の願いを叶える為だけど、という答えが返ってきた。

 

 

 

 

 

「───」

 

想定した予測を全て覆す言葉に剣の英霊であり、理想の王であった彼女が黙る。

下手に壮大な願いを答えられるよりも衝撃的であったかもしれないが……似たような前例はあったので復帰は早い。

それは実は元マスターなのだが。というか彼の父親だ。

 

「? 違ったのか……? 親父の昔の話だとセイバーには願いがあって必死だったって言ってたからつい……それを叶えられなくて申し訳なかったとか言ってたし」

 

「……成程」

 

やはりシロウは相も変わらずシロウであったという事なのだろう。

その発言には感謝の念を覚えながら

 

「その事ですが……今はもう願いを持たぬ身となっているのです。かつての妄執は切り捨てました」

 

それこそ彼女は彼と彼の戦いを見て、自分の願いが間違っているのだと気付いたのだ。

ああ、でもそうか……確かにその旨を彼に伝える事を忘れていた。

ずっとそんな些細な事を後悔させていた事だけは謝らなくてはと思う。

 

「そう、なのか……? その……俺に気を使ってとかそんなんじゃなく?」

 

「ええ。この剣と誇りに懸けて。故に貴方が私の事で気を使う理由はないのです」

 

「そうかぁ……じゃあそれならば確かに戦う理由は無いな。ライダー……なんだよな? まぁ真名から考えても可能性があるのはライダーか……アサシンは違うだろうし、キャスターもどうかって所だからな。とりあえずライダーだけを倒したら何とかなるかな」

 

「ええ。ですからライダーとそのマスターを倒した後に───令呪を破棄し、私との契約を解除すれば貴方は戦争に関われずに───」

 

「大却下だ」

 

済む、と最後まで言わせない憮然とした表情をしたマスターが不機嫌な声で遮った。

何故、というこちらの疑念を察したかのように彼はそのまま言葉を続ける。

 

「親父の知り合いだから嫌な予感したけど、言ってる事が本当に親父そっくりだ。むかつく。しかも最悪だ。何だ、セイバー? お前は俺が命の恩人で女を利用するだけ利用したら捨てるクソ野郎って思ってるのか?」

 

「い、いえっ……そう思わせたのなら謝罪しますが……ですがこれが一番貴方達の安全を確保する手段なんですよ?」

 

貴方達(・・・)じゃなくて俺達(・・)で考えろって言ってるんだよ」

 

遠坂家だけではなくそこに自分も含めろ。

セイバーは何やら懐かしい感慨というか衝撃というか、とりあえず何かを受け入れる。

そういえばそうだった。

さっきから両親に似ていると言ってたのに何を私はしているのだ。

本当に深く似ているというのならば、彼が誰かを捨てるなんていう選択肢を取るはずがないだろうに。

 

「……承りました。この身を犠牲にする事はいざという時以外は考えないと確約します」

 

「……まぁ、そこら辺が折衷案か。とは言っても今はそんな未来よりも確かな先だ。ライダーについてはもう真名含めて大丈夫だな?」

 

「はい。昨夜の戦いで彼女の性能(スペック)はほぼ丸裸にしました。石化の魔眼があろうとなかろうと勝てます」

 

「同感だ。俺も魔眼に関しては気を付ける。とは言ってもあの手の類は一度視せると二回目以降がランクダウンするタイプだけど……だが、真名から察すると……まだもう少し宝具がある可能性は考えておいた方がいいと思うが、どうだ?」

 

本当に優秀なマスターだ。

彼は決して慢心を抱いていない。

こちらが圧倒的有利であるのを認めながらも、敵対者に逆転の可能性がある事を思考するのを放棄していない。

だから、こちらも素直に頷く。

 

「同感です。彼女の逸話を考えるなら、最低でも一つ、二つ以上はあると判断した方がいい」

 

「うむ……じゃあやはりやるべきだな……」

 

唐突に何か深刻そうな声を出すシン。

これは何か重大な事を言うのか、と思いごくりと息をのむ。

こちらの雰囲気を察して彼もうむ、と求めた答えを吐き出した。

 

「セイバー───色々話し合おう」

 

「───────はい?」

 

いえいえ、今も色々と話し合っていましたよね? という疑念は封じ、とりあえずマスターの考える事を3秒程考えてみる。

今までの情報、状況、全てを総纏めし、彼が下しそうな結論を考え出してみると

 

「互いの能力や得意、不得手などを話し合おうという事でしょうか?」

 

「そうそう。勿論、それ以外も色々話そう。どうせ長い付き合いだし、これから命を預け合うなら背中を預けられるかどうかとかも知っていた方がいいだろ?」

 

それは今までの聖杯戦争において有り得た交流であっただろうか。

 

英霊とは人間からしたら一種の災害だ。

魔術師なら尚更に勝てないという事を痛感させられる存在。

そんな存在故に前回はともかく前々回の聖杯戦争においてどの陣営や手段は様々ではあったが、最終的には英霊は英霊を、マスターはマスター。

そして英霊同士の戦いではマスターは力になれない、というのが当然の結果であった。

だが、しかし……確かに昨日の少年のあの凄まじいカンを見る限り、直接相手をする事は出来なくても援護役としては頼もしいと言える。

あれ以外にも確かにあるのならば素晴らしいが

 

「前線に出るつもりですか?」

 

「いや、そういう流儀(スタイル)だし。遠坂たる者、常に優雅たれってね。こそこそやるのは性に合わないし、何よりあの女にやられっ放しっていうのはむかつくし」

 

人差し指を立てて、笑顔でマスター共々消し炭にしてくれるわ、という調子にあ、ここは凄いリン譲りであると知る。

 

「まぁ、それに安全面でも、やっぱりセイバーの傍が一番確実だし。それとも俺を守れる自信が無い?」

 

「む……」

 

言ってくれる。

シロウのようにお人好しの気質かと思えば、リンのような好戦的な気質。

2人の厄介な所をよくもこのレベルまで引き継いだものだ、とちょっと嘆息ものである。

 

ですが……聞いていた彼の性格とちょっと違うような……

 

寝ている時に聞いた時の両親からの今の彼への評価はスランプに落ちて、調子が悪い少年だという事だった。

だが、今、自分の前にいる少年はむしろ生き生きとしているように見える。

流石にそんな深い所の心の機微を理解し合えるには、時間が足りなさ過ぎる。

だから、まぁ、とりあえず言う事は

 

「そうですね。マスターがとんでも行動を起こしたりしない限り、私は(・・)全て対応しましょう」

 

売り言葉には買い言葉がセイバーの流儀である事を教えた。

 

 

 

 

この後の会話は大凡、1時間半。

その後、部屋から出てきた二人は汗を掻きながらも、確かに満足感、というか達成感みたいなモノを得ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふぅ、久々のFate更新です。
相方の方は恐らく暫く更新しないんじゃないかなぁ、と。
自分ので我慢して頂ければ、と思います。

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