東方意味怖録   作:kokohm

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 前に書いた話の解説なので、読んでいない方はまずそちらから読むことを勧めさせてもらいます。なお、これはあくまで私の解釈なので、他の解釈があってもおかしいというわけではないと、始めに言っておきます。




意味怖・07~12(解説)

 

07.退院(上白沢慧音)

 

 さて、では私の話の解説を行うことにしようか。

 

 とは言っても、皆にはもう分かっているかな? ……そう、妹紅の言葉がおかしいな。…………ああ、いや、そっちのつもりじゃない。襲われたことを知っていた、ということに関してだが、これについては作中で私は特に何も言っていない。皆には話していなかった、とも、話していた、とも明言はしていない。であるので、そこは別に問題というわけじゃないな。まあ、確かに、そこはそれで気になったのは分かるが。

 

 じゃあ何処か? それはな、妹紅の最後の台詞だ。妹紅は確かに、今度はちゃんとお見舞いに行く、と言った。この意味が分かるか?

 

 そうだ。今度は、ということは、だ。まるで私がまた入院すると言っているようなものじゃないか。何故、そんな事が言えるのか。幾つか考えられるだろうが、こういうのはどうだろうか。――妹紅が私を襲えば、また私は入院することになる、と。

 

 そう考えると、妹紅が私に、犯人を見たかどうかを聞いてきたのも納得がいくと思わないか? 妹紅が、私を襲った犯人だとすれば、実に納得がいくと、まあそういうことだ。私が犯人の、妹紅の顔を見たかを確認しに来たんだろう。

 

 しかしまあ、こう考えてみると妹紅の、お見舞いに、という言葉は若干奇妙だな。私を襲う気はあるのに、これだと殺す気はないように思える言葉だ。さて、一体どういう意図で、妹紅は私を襲うのだろうな?

 

 ……まあ、実を言うと私も考えていないので、その辺りは好きに解釈してくれると助かる。では、次に回そうか。

 

 

 

 

 

08.悲鳴(稗田阿求)

 

 では、今度は私の番ですね。話を順に見て行って、おかしな部分を確認していくとしましょう。

 

 まず、最初に私はお風呂に入っています。が、深夜、というのはどうにもおかしいと思えますね。普通、深夜と呼ばれる時間帯にお風呂に入らないでしょう。まあ、お仕事で忙しい方などはあるのかもしれませんが、私は別にそういう立場ではありませんしね。

 

 次に、悲鳴に関してですね。私が居間に辿り着いた時、そこには覆面の男と三人の倒れた使用人の姿がありました。この状況だと、普通に考えれば、男に襲われた際に使用人たちが悲鳴を上げた、と考えたくなります。しかし、これもまたおかしい。何故、三人もいるのに悲鳴が一つなのでしょうか。三人いるのだから悲鳴の数は三つ、ないしは二つはないと奇妙に思えます。では、何故悲鳴は一つだったのか? ……そう、悲鳴を上げたのは実は男の方だったと考えれば納得できます。つまり、男が三人の死体を見て悲鳴を上げたということです。

 

 男は殺人犯ではなく、おそらくは泥棒だったのでしょう。だから、私に会った際に私を殺すのではなく、逃走を図ったのです。三人も殺すような人間なら、あの場面で私を殺そうとしないのは変ですからね。

 

 さて、しかしこうなるとまた疑問が生まれます。一体誰が使用人たちを殺したのか、です。ここで思い出してほしいのが、私の最後の思考です。何故、私は男が逃げていったのを見て、終わったと思ったのでしょうか。……そう、自らの所業を見られてしまったからです。

 

 ここまで言えばもうお話の真相ははっきりとしていますね。そう、使用人たちを殺した犯人は、それはこの私だったのです。その理由は定かではありませんが、私は使用人たちを殺し、そしてお風呂で返り血を流していたのでしょう。その後、お話の冒頭につながると言うことです。……どうでもいいですけど、こんなことは私には無理でしょうね。精神的なものよりも、主に肉体的な意味で。三人、下手をすればもっとでしょうか? それだけの数の人間を殺せるほど、私には体力がないですし。……蛇足ですね。次の方に回すこととします。

 

 

 

 

 

 

09.本棚(鈴仙・優曇華院・因幡)

 

 あ、はい。私の番ですね。まあ、順序立てて説明して言っても良いんですけど、ささっといきましょうか。

 

 ずばり、今回の謎は、どうして本棚の向こうに人が居たのか、です。確かに、普通の、両サイドから取る本棚なら向こう側と目が合うこともあるかもしれません。しかし、しかしです。最初の方で明言しているとおり、私が本を選んでいた本棚は壁際にあります。つまり、その本棚は壁に背をつけていたということです。……それなのに、どうやって向こう側に人が立てるんでしょうかね?

 

 まあ、その理由自体は謎です。単純に、何か幽霊の類だったのかもしれないですし、ひょっとしたら壁がくりぬかれていて、そこに人が居たのかもしれません。ただまあ、不気味なのは変わりませんね。……うん、こんなものですね。じゃあてゐ、次は貴女の番よ。

 

 

 

 

 

 

10.ゲーム(因幡てゐ)

 

 はいはい、じゃあ私の分の解説をしようか。まあ、これに関しては大して説明する事がないんだよね。全ては最後の私の思考が物語っているし。

 

 賞金が私のすぐ前にあった、と私は最後に思考していたね。で、その賞金に関しての情報として重要なものが一つあったのは覚えているね? そう、それが箱に収められているってことだ。この二つを組み合わせると、つまり、私は賞金の入った箱の中に閉じ込められたってことになる。

 

 ここで問題になるのが、箱がとても頑丈だっていうことだ。素手では開けられない、と明言されているくらいだ。そんな箱の中に閉じ込められて、果たして私は脱出ができるんだろうかね? 箱の中に武器があるとも思えないし、第一満足に身動きがとれるほど大きいとはちょいと思えない。まず、脱出は不可能だろうね。

 

 そうなると、私の結末は窒息か、あるいは餓死だろうね。どっちもあまり死に様としては好ましくないねえ。ま、実際の私はこんな嘘に引っかかるほど馬鹿じゃないけどさ。私の話はこれでお仕舞い。次、頼むよ。

 

 

 

 

 

11.山盛りの肉(西行寺幽々子)

 

 じゃあ、今度は私の番ね。お話の内容としては単純で、室内にある肉を全て食べろ、というものだったわね。まあ、出来なければ死ぬのだけれど。周りにある死体のようにね。

 

 さて、話の中で私は目の前の皿にあった肉を全て耐え切っているわね。でも、声は私を罰する、つまりは殺すと言ったわ。ということは、他にもまだ食べなければならない肉があったということね。じゃあ、それは一体どこにあったのだと思う?

 

 ……そうね、私もそう解釈しているわ。つまり、その肉とは、私の周りにある死体のことも指していたと、そういうことでしょう。ぞっとする話ねえ。生きる為に人肉を食い尽くせなんて。私は亡霊だから人間というわけじゃないけれど、それでもそんなことはしたくないわ。

 

 ……ああ、成る程。そういう解釈もありね。私自身も肉に含まれている、か。それはちょっと思いつかなかったわ。でもそれだと、私自身を食べないと死ぬということになるわね。どう転んでも死亡、よっぽどその声は私を殺したかったようね。まあ、実際のところ解釈も含めどうなのかは、皆の好きに任せることにするわ。はい、では最後にどうぞ。

 

 

 

 

 

12.家族(八雲紫)

 

 ええ、じゃあ最後に私ね。内容を簡単に纏めましょうか。まず、少女は家族を消すように私に願った。しかし、少女の家族はそのまま。だけど、私は確かに少女の家族を消しており、そして少女は何かを悟って泣き出した、と。まあ、こういうお話だったわね。

 

 まあ、これはちょっと解説が面倒だから、最初にある真実を話しておきましょうか。それはずばり、少女が養子だったということよ。ただ、それを彼女自身は知らなかったようね。その所為で、彼女は大変愚かなことをしてしまった。

 

 少女は家族を消して欲しいと私に願ったわ。この際、少女からしたら今一緒いる者たちのことを言っていたのでしょうけど、私はそうは思わなかったのね。少女と血のつながっている者、それを家族と解釈し、そして彼女の願いを実行したのよ。結果、少女の本当の家族が消滅してしまい、それを悟った少女は泣き出したというのがこの話の真相ね。無知は罪、なんてよく言うけれど、ある意味ではこれもそういうことなのかしら、ね?

 

 




 はい、解説です。大分今更ですが、まあご容赦を。しかし相変わらず、ある意味ではこちらの方が書きにくいですね。ちゃんと伝わるかとか、まあ色々と難しいので。新しい意味怖に関してはお待ちを。一応、オリジナルをちょこちょこと考えているので当面は先のことになるかと思います。面倒ですが、秘封倶楽部の分の解説を先に書くことになりますかねえ。ではまた。
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