東方意味怖録   作:kokohm

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 以前に書いた話の解説なので、まだ読んでいない人からはそちらからどうぞ。




意味怖・13~18(解説)

13.壁の中の遺体(宇佐見蓮子)

 

 じゃあ、解説なんかをしていきましょうか。ある種興ざめみたいなものだけど、まあそれもそれでいいってことで。

 

 

 この話を大雑把に纏めると、友人が前に住んでいたマンションの壁から遺体が見つかった、といったところね。で、それで問題となってくるのがその友人の発言ね。作中で私は友人に対して、マンションの一室の壁から遺体が見つかった、としか言っていないわ。

 

 ――それなのにどうして、彼はその遺体に対して、『その子』なんて表現が出て来たのかしらね? 私はまだ一言も、その遺体が少女のものだなんて言っていないのに。言い間違い、というのも少し考え難いわね。普通、相手が子供だと思っていないと、その子、なんて表現は出てこないでしょうね。となると、彼はその遺体を、一体どんな関係があったのかしら。彼が殺したのか、はたまた、といった感じで、この解説は終わりよ。

 

 ……え? 私の発言もおかしかった? へえ、何処の事を言っているの? …………ふふ、よく気付いたわね。そう、私はその遺体に対して、『殺して壁に埋める』という発言をしているわ。その後、犯人に対して怒りを感じている心理描写もあるし、私はどうもこれが殺人事件だと確信しているようね。ま、普通は壁から遺体が出てきたなんて聞いたら、殺人事件と思うのが普通かもしれないから、結局はそこまでだけれど、ね。さ、今度はメリーの番よ。

 

 

 

 

14.交通事故(マエリベリー・ハーン)

 

 何か普通に話すのと違って、解説って妙な感覚になるわね。何とも言い難い感覚だわ。でも、それはそれとして、解説を行いましょうか。

 

 話としては、私が交通事故の現場に遭遇した、という話。まあそれだけなのだけど、じゃあ何故最後の瞬間に私が悲鳴を上げたのか、というが謎な部分よね。まあ、冷静に振り返ってみれば誰にでも分かると思うけれど。

 

 重要なポイントを確認していきましょうか。一つは事故にあった女性ね。車の窓の辺りから首を出して、痛い、助けてと呻いていたわね。

 

 もう一つのポイントは最後のニュースね。内容としては私が遭遇した事故のことだったけど、ここで注目するべきは最後の文、女性は大破した車体に挟まれて首が切断されており、即死したものと見られている、という文章ね。

 

 この二つさえ分かっていれば、自ずと私が悲鳴を上げた理由は分かるわ。即死していたはずの女性が、私の目の前で喋っていたということに気付いたから、私はその恐ろしさに悲鳴を上げたということよ。首が真っ二つになっているのに、それだけで喋るだなんて人体の神秘という言葉だけじゃ説明がつかないわ。万一即死じゃなかったとしても、肺に繋がっていないのにどうやって声を発したのか、という疑問は晴れないし。一体どうやって、彼女は私に思いを伝えたのか。あるいは、私はどうして、彼女のことばを聞く事が出来たのか。それは、私の説明するところではないわね。

 

 

 

 

 

15.電話(秘封倶楽部)

 

 ……これ、説明する必要ってある?

 

 まあ、一応説明しておきましょうよ。それを望まれているんだから。

 

 仕方ないわね。この話のポイントはずばり、私は一体誰と話をしているのかってことよね。

 

 蓮子がまず電話に出たときは、私の声を確認する前に蓮子は私の名前を読んでいたから、おそらくは電話その物は私の携帯からかかってきたと見て間違いないでしょうね。

 

 で、その後も特に声に対して反応を見せていないから、私は会話の相手をメリーって認めていると思っていい。で、この際に問題なのは、会話の内容ではなく、その次の会話ね。

 

 蓮子に誰かが声をかけたところ、蓮子はその声の主を私だと言っているわね。おそらくはすぐ近くで直接会話をしているんでしょうから、声と姿はまず間違いなく私、にそっくりだと思われるわね。

 

 じゃあ、普通に考えるとこっちが本物で、電話先の相手が偽者ということになるのだけれど、それにしてはどうもあちら側の必死っぷりが気に関わるわ。実は電話の向こうのメリーが本物で、私が今対峙しているのはメリーじゃないのかもしれない。

 

 でもそれは考えすぎで、やっぱり目の前のメリーが本物なのかもしれない。どっちが本物か、まるで見当がつかないわ。

 

 どう考えても不可思議な話、ってことね。一体真相はどうなっているのかしら。

 

 ……改めて考えてみると、これって今回の趣旨と外れている話のような気がするわね。結局意味が分からない気がするわ。

 

 それは……、まあ亜種って事で。頭を切り替えて、次に行きましょう。

 

 

 

 

 

 

16.年齢当て(宇佐見蓮子)

 

じゃ、二週目と行きましょうか。今度の話では人の年齢を当てる男性が現れたのだけど、その当人は最後に言っていたわね。自分が見えるのは、その人が死ぬ年齢だって。

 

 男性にはその人が死ぬ年齢が見える、その年齢を当人たちに尋ねれば当人達はそれが今の年齢だと言っている。つまりこれが示すことが、この場にいる全員が、最長でも一年以内に死ぬということ。この時点で既に詰んでいるのだけれど、それに追い討ちをかけることもあるわね。

 

 それが、最後の女性が言った、後五分で五十一歳になるという言葉よ。この直前で彼は、その女性に対し、その年齢を五十歳だと言っていた。ここでわざと見えている年齢ではなくその一つ前の年齢を言った場合はまた話が変わってくるけれど、これまでの事を踏まえるとおそらく男性は見た年齢をそのまま言ったと考えるのが自然でしょう。

 

 ……と、いうことは、よ? その女性は五十歳に死ぬということになっている、しかし女性は後五分で五十一歳になる。この二つを踏まえると、どうなるか。

 

 ――後五分以内に、この場に死が訪れるということよ。

 

 最後の描写から察するに、脱輪かあるいは衝突か、何か大きな事故が起こったと見てまず間違いないでしょうね。まあ、そこはどうでもいいのだけれど。

 

 たぶん、男性はその場にいた人たちの死の年齢と、その見た目の年齢に大差がなかった事にまさかと思ったんでしょうね。次々と年齢を聞いていってそれを確かめていって、もし年齢と違う人がいた場合、その人の傍にいるなりすれば助かるかもと思ったのかも知れない。

 

 ただ、最後の女性の言葉で、もう無理だと悟ったんでしょうね。タイムリミットは最長でも五分。次の停車駅までは十五分。逃げ場はないと分かった彼の気持ちは、一体どうだったのかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

17.ノック(マエリベリー・ハーン)

 

 

 さて、この話を短く纏めると、ホテルに泊まったらノック音が聞こえ始めて怖かったと、そんな感じかしらね。まあ実のところ、これはそれほど複雑な謎でも無いから、答えを言ってしまっていいかしら?

 

 今回の話の肝は、その幽霊は一体何処にいたのか、ということよ。最後の友人の言葉を信じると、かつて部屋に閉じ込められたまま亡くなってしまった人がいたということだけど、この人物がイコール今回の幽霊だとしたら、まったく怖い話よね。

 

 だって、閉じ込められて死んだってことは、その人は部屋の中で死亡したってことよ? ドンドンと、開かない部屋のドアを叩きながら、外に出る事を望んだその人が、幽霊になっても同じ事をしているのだとしたら。それはつまり、その幽霊は室内にいたって事になるわ。……そう、私は最初から、幽霊と同じ部屋の中にいたってことになるんだから、まったくぞっとする話よ。この話の中の私も、後々に気付いて、また悲鳴でも上げたのかしらね……。

 

 

 

 

18.誘い(秘封倶楽部)

 

 

 これはまあ、簡単よね。単純に、上から誰の発言かを考えていくと分かりやすいわ。

 

 まず、遅くなった、というのが私の発言。次の長話と言っているのがメリー。

 

 その次に私が蓮子を誘う。……で、問題はその次。

 

 この後、そうするわ、という言葉と、いいの? という言葉が続いているわね。

 

 後の私の返答から察するに、いいの? と言ったのが蓮子だと考えられるけど、じゃあ、そうするわ、というのは一体誰の言葉なのか。

 

 私もメリーも、その発言に対し一切触れていない。会話から考えても、その場には私達二人しかいないと考えるのが自然。じゃあ、一体誰が言ったのかしら?

 

 何にしても私は、その誰かを家に誘ってしまった。一体私の家に、何が訪れることになるのかしら、ね。

 

 

 

 

 

 

 

??.???(秘封倶楽部)

 

 

 ……ねえ、メリー。

 

 どうしたの?

 

 …………私達、誰に対してこんな話をしていたのかしら?

 

 ? それは当然…………え?

 

 ……ここには、私達二人しかいないわ。…………一体誰に対して、こんな話を聞かせていたの?

 

 




 はい、遅くなりましたが秘封倶楽部二人の話の解説です。あくまでこれは私の考えなので、他にも解釈があると思います。ですがまあ、ここではこういうことでお願いましす。もし何か疑問があれば、適当に聞いてくだされば答えますので。次回はまあ、やはり高確率で間が開きます。その時はオリジナルを投稿できるようにしたいですね。ではまた。
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