Fate/once more night   作:ココイッチー

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復活の時だ〜!!(by 石堀)

みなさん大変長らくお待たせいたしました。
ちなみに、冒頭のネタには特に意味はありませんw


10話 帰宅

ぶつかり合う2つの剣と二人の少女。

セイバーが持つのは、王を選定する聖剣-勝利すべき黄金の剣(カリバーン)

対するクロは、強大な邪竜を葬った、竜殺しと謳われた魔剣-グラムを取り出し、否、即座に造り出し迫り来る黄金剣を迎え撃とうとしていた。

 

セイバーに対してグラムで対抗したのはいい選択だっただろう。理由はどうであれ、オレの推測が正しければセイバーの正体はアーサー王だ。彼女の血には竜の因子が流れている。竜殺しの魔剣との相性は最悪だ。

だが、2つの剣がぶつかり合った時…竜殺しの魔剣の刀身は金属音と共に砕け散った。

セイバーはそのままクロに向かって黄金剣を振り下ろす。そしてオレは…

 

「勝負あったようだな、クロ。」

クロに剣が振り下ろされる瞬間、2人の間に割って入りその一撃から彼女を守った。クロが使った剣と同じ、魔剣グラムで。

「決闘を邪魔した非礼は詫びよう。だが、義妹が殺されるのを黙って見ているわけにもいかなくてね。聞きたいことは色々あるが、まずは剣を収めてもらえないだろうか。」

「お兄ちゃんが、そういうのなら…」

「私も、売り言葉に買い言葉で…」

取り敢えずこの場を取り押さえることができた。何故この2人が戦わなければならなかったのかは分からないが、まずは2人にフォローを入れるのが先だろう。

 

「帰りが遅くなってすまなかった、クロ。オレはたまたま、そこの彼女が襲撃されていたのを目撃して、手を差し伸べただけだ。君が思っているような仲ではない。」

クロに詫びながら彼女の髪を撫でる。その髪質はイリヤとはまた違った感触で、汗で湿っていたものの高級タオルのような触り心地だった。

「君も、あれだけ動けるということは先の戦闘で負った傷はもう癒えている、と思っていいのか?」

「あ、はい。おかげさまで、今はこれといった問題は。」

「そうか。」

セイバーにも傷のことを尋ねる。少し顔が赤かったが、苦悶の様子は見られなかった。

 

「さて、落ち着いたところで自己紹介としよう。お互い、名前が分からないと会話に苦労するだろう。オレの名前は衛宮士郎だ。隣にいる彼女、クロの従兄だ。」

「私の名前はクロでいいわ。で、お兄ちゃんと仲よさげなそこの女は?」

「私はセイバーとお呼びください。士郎さんの従妹としらず、先ほどの御無礼申し訳ございませんでした。」

「ふぅ〜ん…まぁいいわ。礼儀正しそうだし、私の周りにはあんまりいないタイプの美女だし、許してあげる。」

従兄妹と聞いた途端、慌ててクロに対して礼儀正しくなるセイバーと、誇らしげな様子のクロ。

この突然の変化は…言わぬが花だろう。

 

しばらくして、クロが尋ねてくる。

「ところでお兄ちゃん、どうして私と同じ魔術を使えるの?」

それはオレも聞きたかったことだ。生前、オレは様々な魔術師を見てきたが、オレと同系列の魔術を行使できる魔術師は、若い頃の俺を除いては彼女が初めてだ。

「それはオレにも分からない。固有結界自体が禁忌とされる術式だ、オレも自分以外にこの魔術を行使できる魔術師がいるなんて思ってもいなかった。」

「固有結界?どういうこと?」

どうやらクロは、まだ自分の能力を正確に把握してきれていなかったようだ。

「仮にクロの得意とする魔術がオレのものと同種のものだった場合、君のそれは投影ではなく固有結界に分類されるだろう。正確に言えば、固有結界、つまり心象風景を具現化する魔術といったところだろうか。」

「何も考えずに使ってたけど、これってそんなにすごい魔術だったんだ。」

驚きの表情を見せるクロ。オレもこの事実に気付いた時は時は驚いたものだ。

クロが何故魔術師なのか、イリヤはどうなのか。また、セイバーは何故この時代に召喚されたのか、それはオレと関係あるのか。聞きたいことは山ほどある。だが、近くにあった時計を見ると1時を指していた。

 

「さて、クロと私の魔術についての話はここまでにして。セイバー、君は今夜どこで寝泊まりするつもりかね?」

「ここで野宿するつもりですが。」

「野宿、か…。」

「はい。寝る場所さえあれば、いつでもどこでも寝れるので。」

「そ、それで問題あるような…」

困惑するクロ。まぁ、この時代での野営はホームレスと同義だ。彼女ならば暴漢などに襲われても撃退できるだろうが、それは後味が悪い。

「もし君がよければ、オレの家に来ないか?布団のあるなしでは寝心地も違うだろう。」

「よ、よろしいんですか?!」

「そうね、流石に女の子1人を野宿させるのは後味悪いしね。」

「ほ、本当にいいでしょうか?」

「あぁ。行くあてがないなら、しばらくいるといい。クロの友達といえば、セラも納得するだろう。」

「あ、ありがとうございます!」

「私の友達、ね。まぁいいわ、ひとまずよろしくね。」

「はい!よろしくお願いします!」

 

クロも納得しセイバーも快諾したことで、オレたち一向は家に向かった。ちなみに今は、クロ・セイバー・オレの順番で一列だ。

 

家の前に来るとセラがいた。だがいつもと様子が違く、終始笑顔だった。衛宮士郎の記憶では、あの様子のセラは激昂状態らしい。原因は…門限を過ぎてしまったことなのだろうか?

「セラ、遅くなってすま」

「おかえりなさいクロさん。あら、そちらの方は?」

「彼女はセイバー、私の友人よ。両親が海外に赴任しちゃったみたいで、しばらくうちに泊まることになったの。ダメ?」

「そういうことでしたら是非。」

「よろしくお願いします!」

「不自由なこともあるでしょうが、ゆっくりしていってください。」

「はい、ありがとうございます!」

オレの謝罪は無視されたまま、思いの外スムーズに進んでいくセイバーの居候計画。

「さぁ、お二人は先に家に入っててください。私はそこの男と話がありますので、クロさんはお風呂場と寝床の案内をお願いします。」

「ハ〜イ。おっ先〜♪」

「お、お邪魔します…」

 

2人とも家の中に入り、玄関にはオレとセラの2人きりになった。ちなみに言うと、セラは最初からずっと笑顔だ。それがかえって恐ろしい。

「あの…セラさん、遅くなってすまなか」

「さて士郎さん、玄関の前に立っているのも他の人の邪魔でしょう、一度中に入りましょうか。」

そういって首の襟を掴んでズルズルとオレを運ぶセラ。

この後、朝遅くまで説教され続け、途中で2人とも眠くなり眼が覚めると、オレがセラを腕枕して寝ていたという事が発覚。顔を真っ赤にしたセラにビンタされて再び気を失ったのはまた別の話である。

 

 

interlude 2-④

 

1人の女は、物陰から1人の少年とそれを取り巻く2人の少女のやり取りを目撃していた。

彼女はその手に持った、おそらく現代の物ではないと思われる大きな槍に寄りかかりながら、どこか浮かれた様子だった。彼女の目には2人の少女は写っておらず、ただ少年だけを見つめ、見惚れていた。

 

「…困ります。セイバーを始末するためにここまで来たのに…。まだ少年なのに、どうして彼の背中からは過酷な運命を背負わされた悲哀な何かを感じるのでしょう。あの人を思い出してしまいます…。」

そう熱の籠った声を呟きながら、自身の局部に槍を押し当てる。

「エミヤ、シロウ…それが貴方の、名前なのですね…」

槍と局部を擦り合わせながら、呟きも途切れ始め徐々に嬌声が響き始める。

「ハァ、ハァ、シロウさん、シロウさん、英雄(あなた)英雄(あなた)英雄(あなた)…!」

やがて少年、エミヤシロウが少女達を連れて公園を後にすると共に、彼女は腰をグッタリと地面に下げた。

「…困ります、欲しくなってしまいました。…シロウさん、私が必ずあなたを、英雄(あなた)を…」

 

そう意味深な言葉を残し、彼女はフラつきながら夜の街へ消えていった。

 

interlude out




前書きにも書きましたが、本当に遅くなってしまいました。

最近及びこれから忙しくなってきてるので、今までのように1週間に数話投稿というペースで書くのが難しくなりそうですが、今後も続けていく予定です。これからも応援よろしくお願いします。

本編について。
クロやセイバーについて、説明が少し雑になってしまって申し訳ありません。それぞれについての説明は、回を分けてしていこうと思っています。
最後のR-18的な描写ですが、自分でもやり過ぎたかなと少し反省していますw あのテケテケ槍女もエミヤハーレムに参戦する予定ですので、お楽しみください。
バーサーカーと邪ンヌのストーリーも、同時並行で展開していく予定です。
こうして書くと、やる事多いな…w

それでは、今話もご覧いただきありがとうございました。


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