「そこの女…誰?」
剣をオレではなく、横にいるアルトリアに向けてそう言い放つクロ。
「お兄ちゃん、また女の子落としたんだ。相変わらずのハーレム気質も、ここまでくると嫉妬を通り越して呆れるわね。」
ハーレムだと?いや確かに、少年衛宮には女性の友人が多くいたが、特定の彼女はいなかったはずだ。そしてオレもまた、生涯独身を貫いた…それはいいことなのだろうか?それに
「誤解だ、クロ。オレは彼女を籠絡していたわけではない。確かに女子の友達が多いのは認めよう。だがハーレムとは聞き捨てならんな。オレに恋人はいないし、できる予定もないが。」
恋人がいないと言うと、クロとアルトリアは何故か笑顔になったが、クロはすぐに緩くなった顔を引き締め、こう言い放つ。
「…そう、いないのね、よかった。さて、もうこんな遅い時間だし、そこの女は放っておいて帰りましょ、お兄ちゃん♪」
「お待ちください!」
「何よ、私はこれからお兄ちゃんとお家に帰るところなの。部外者はお家に帰りなさい。」
「部が…私は部外者じゃありません!彼は私の恩人です!その恩人に対して先程からの失礼な言動や、私に対するぞんざいな扱い、彼の妹ならばと黙って見ていましたがもう我慢なりません!決闘を申し込みます!」
「いや、ちょ何言って
「へぇ〜実力で(お兄ちゃんを)手に入れるつもりなのね。いいわ、受けましょうその申し出。」
なんでさ!どうしてこんな展開になった!
「よせ2人とも!セイバーはともかく、クロは"普通の小学生"だ、戦ったところで勝敗など目に見えて
「この格好と剣を見てまだ"普通の小学生"だと思ってるわけ?それに、セイバーって何?」
しまった。彼女が平行世界のアルトリアならば、恐らくはセイバーなのだろう、そう推測していたが、それを口走ってしまった。
「いきなり私のクラスを言い当てるなんて…まさか本当に運命の相手なのでしょうか…」
…普通いきなり身バレしていたら怪しむだろう、何故そこで頬を赤らめるんだ、セイバー。
「へぇ〜その反応だと、彼女はセイバーのクラスのサーヴァントかそれに準ずる何かなのね。聞きたいことが増えたけど、先ずは私とお兄ちゃんのこれから始まるお忍びデートのお邪魔虫を駆除しないとね。
それとねお兄ちゃん、残念だけど普通の小学生っていうのもハズレ。」
「私はね、魔法少女なんだ。」
「魔法…少女?」
「そう。まぁ正確には違うんだけど、そう言った方が一番分かりやすいかな。
ともかく、私なら大丈夫だよ。相手がセイバーだろうと、負けるつもりはないから。」
「魔法少女、ですか。相手にするのは初めてですが、剣を交える以上、こちらも容赦はしませんよ。」
そういって、剣を構えるセイバー。
「お腹の怪我は大丈夫なのか?」
「えぇ、もう問題ありません。お心遣いありがとうございます。」
先の戦闘での傷はもう癒えていたようだ。しかし、彼女の剣を見てオレは疑問を覚えた。
私が知っている彼女によく似たセイバーのサーヴァント、アルトリア=ペンドラゴンの持つ愛剣は
王を選定するための剣、
私の知る限り、アルトリアは生前戦いの最中でそれを失い、英霊となっても使用できなかったはずだ。
しかし、彼女が持っている剣は
というより、それよりもこの不毛な争いを止めなければ。
「よせ2人とも!クロが魔法少女で、セイバーと戦えるというのは分かった。なぜクロが魔法少女なのか、サーヴァントについて知っているのか、それについては後で詳しく聞させてもらおう。先ずは両者ともに剣を下せ!」
「できません!!」
「なんでさ!」
いかん、つい口癖が。
「女にはやらなければならない時というのがあるのです!それが今、今なのです!祖国の救済と共に夢見たもう一つの願い、その成就のため貴女にはここで消えてもらいます!」
「交渉決裂ね。私だって、11年間イリヤの中で夢見てきたものがようやく手に入りそうなの。それをポッと出のあなたなんかに渡す気はないわ!」
「いざ尋常に!」
剣を互い構え、向き合う2人。
「デュエル開始の宣言をして、お兄ちゃん!」
「いやだから2人とも落ち着いt
「「デュエル!!」」
両者駆け出し、剣と剣が火花を散らしぶつかり合う。いよいよ始まってしまった。
とりあえず一言言わせてもらいたい。
「なんでさ…」
更新遅くなりすいませんでした。
士郎がカリバーンについて熟考していましたが、あれは転生したことで付与された直感スキル(c+)によるものです。
この世界におけるエミヤのステータスは次の話までに設定しようと思います。
突然リリィの一人称がセイバーになってることについてですが、エミヤがアルトリアと呼ぶことに慣れていないため、呼び親しんでいたセイバーに切り換えた、という設定にしています。
それから、エミヤの口調ですが、家族以外の前では基本エミヤ、テンパったりすると時々士郎になります(所謂なんでさ病)
次回は1週間以内に書き終える予定です。それでは。
追記
3/1 武器名にルビを追加しました。