和人の周りで数頭の狼が唸り声をあげている。
その内1頭が飛びかかってくるが、ギリギリ横に回避しながら片手剣を切り上げ、狼の胴を両断する。続いて左右から同時に2頭が襲い来るも、剣を左脇に抱えるような構えをとり、
和人「〈スネーク・バイト〉!」
全身への魔力ブースト、さらに片手剣を一際強い魔力光が包む。右から左へと高速の2連撃が放たれ、2頭の狼を横一文字に両断した。
魔法剣技〈ソード・スキル〉。身体、武器の瞬間強化、自らの体術などを織り交ぜた和人の得意戦技である。
和人「さーて、まだまだ行くぜ?」
ユージオ『ほどほどにしなよ?和人は戦闘になるとすぐスイッチが入っちゃうんだから。」
襲い来る狼の爪や牙に一切触れられることなく、次々に切り捨てていった。
準一「さて、管理局に嗅ぎつけられる前にさっさと済ませるか。結界の強度は充分か?」
テルティウム『問題ないよ。この狼たちを掃討する程度には、だけどね。』
準一「わかってるさ。そこまで本気を出すつもりはないよ。」
そう言うと日本刀を抜き、体の正中に構える。
準一「〈穿て、厳霊丸〉!」
瞬間、準一の魔力が爆発的に膨れ上がり、日本刀が細剣(レイピア)に形状を変えた。
準一「〈雷の矢・101矢〉」
準一の周りに雷でできた矢が101本現れ、周囲の狼へと一斉に放たれる。次々に狼らに突き刺さり、更に放電。周囲の狼を殲滅した。
なのは「・・・すごい。」
魔法使い、じゃなかった・・・魔導師になったばかりの私でもわかる。桐ヶ谷君も長瀬君もとっても強い。それに・・・
なのは「命を奪うことに、ためらいがない・・・。」
死んじゃった狼さんは塵みたいになって消えていってるけど、見た目は本物の動物と変わらない。私は怖いよ。命を奪うのも、奪われるのも。でも、
【頼んだぞ】
なのは「それでも、ここで頑張らないで他の誰かが傷つくのはもっと怖い!行こう、レイジングハート!」
レイジングハート『イエス、マスター。』
桜色の魔力弾を展開、対象を定める。
なのは「アクセル、シューート!」
地上の狼に、天空からの鉄槌が降り注いだ。
準一「片付いたようだな。」
和人「結局、ネロ・カオスは来なかったな。」
なのは「長瀬くーん、桐ヶ谷くーん!」
準一「お疲れ様、高町。それと済まなかったな、無理に手伝ってもらって。」
なのは「そんな、私もやらなくちゃって思ったから。2人の方こそお疲れ様。見ててびっくりしちゃったよ。」
和人「それより移動した方がいいんじゃないか?」
準一「ああ。とりあえず、高町を送って行く。」
なのは「ええっ、そんな、悪いよ!」
準一「女性や子供をこんな夜中に1人で行かせられるか。それに、何があるかわからない。送って行くよ。」
なのは「あ、えっと・・・ありがとうなの。」
和人「俺は1人でいいから先に帰るよ。この件についてはまたあとで話し合うってことで。」
準一「わかった。気をつけろよ。」
和人「じゃあ、また・・・」
なのは「あっ、桐ヶ谷君!」
和人「ん?どうかした?」
なのは「えっと、なのはのこと、これからは名前で呼んで欲しいの。長瀬君もいい?」
準一「構わないけど、急にどうした?」
なのは「だって私達、もう友達でしょ?」
準一「・・・・・・(さっきのを経験して、話しがそう飛ぶとは)。」
和人「・・・・・・(天然?っていうかメンタルが強いのか?)。」
なのは「あれ、どうかした?」
準一「いや、なんでもない。よろしく、なのは。」
和人「これからもよろしく、なのは。」
なのは「うん。よろしくね、準一君、和人君!」
これが、高町なのはと長瀬準一の本当の始まり・・・。