モンスターハンター 青熊好きのハンター   作:littlelock

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第十三話


第十三話

「グオォォ、グオォォォォ?」

 

 群れの長は現在の状況に戸惑っているのか、周りをキョロキョロしながら動けずにいた。

 

 ハンター二人とドスジャギィとの距離はまだ遠いおかげか、はたまたけむり玉から発生した煙のおかげか、どちらもあるのかジュンとクラルの存在は群れの長に発見されていなかった。

 

 加えてドスジャギィの部下であるジャギィの大群がジュン達少数の存在を目くらませる事が出来ている。 結果的にこの大群がドスジャギィ達の仇になっていた。

 

 二人は更に攻撃を続けながら進む。 前の打ち合わせでドスジャギィを見かけたらその辺りを避けながら進むよう決めていたため、ハンターの二人は大型モンスターを間に入れるように通り過ぎて行った。

 

 そしてしばらくして、

 

「! 抜けた!」

 

 ジュンはジャギィの最後尾を通過していた。 クラルはまだいない。 おそらくまだジャギィの群れを抜けられていなかったのだろう。

 

 ジュンはジャギィの群れから距離を取りながら周りを見回す。 すると少し先に、

 

「……森?」

 

 そこにはジャギィの群れで隠れて見えていなかった森林を見つけた。 足跡が森まで続いている。 

 

「あぁ、ここからジャギィの群れは移動して来たんだ……」

 

 足跡を見ながらジュンは思考をめぐらせる。

 

(……何もない草原を走って逃げ続けるくらいなら……)

 

 ドゴッ! 

 

「ギャア!」

 

 鈍い響きと短い断末魔が後ろから響き渡ったすぐ後に、

 

「ふう……あ、ジュン君!」

 

 女性の疲れが見えつつも明るい声でジュンの名前が呼ばれた。 ジュンは振り返る。 声が発せられた方から最近知り合ったボロスシリーズを着こんだハンターがジュン目掛けて駆けてくる。 ジュンもこっちに来いと手を動かす。

 

 ジュンの目の前まで走ってくるとクラルは息を切らしながら話しかけた。

 

「早いねージュン君! もう少し急げばよかったかな?」

 

「けむり玉の効果がまだ切れていないんですから大丈夫ですよー。 ところでクラルさん、あの森が見えますね?」

 

「見えるね、あそこからジャギィ達が来たのかな?」

 

「おそらく。 それでなんですけどクラルさん。 最初の作戦を少し変えて、こっちの方に逃げませんか? 隠れる所がいっぱいあるかと思うんですが」

 

 ジュンの問いに少し考えるような間があった後、下を見ながら口を開く。

 

「いやでも、あそこからジャギィの群れが来た訳だよね」

 

「そうでしょうなー」

 

 ジュンもクラルと同じく地面に着いた足跡を見る。

 

「向こうの方がここら辺の事情知ってるかもよ? それに森の中に遅れた群れがいるかもしれないし」

 

 それはジュンも考えた。 しかし、

 

「そうかもしれませんが、じゃあ最初に考えた町の援軍が来るまで大量のモンスターをキルしながらエンドレスランしますか?」

 

「フォレストでハイドしながら援軍待ちたいかなー」

 

「……ハイドってどういう意味ですかね?」

 

「あれ、キルって倒すって意味だっけ?」

 

 共にうろ覚えの異国語を話しながら作戦の打ち合わせをしていると、急に視界が明瞭になっていく。

 

「そろそろですねー、大量のモンスターから追いかけられる覚悟はいかほどに?」

 

 そう問いながらジュンはアイテムポーチからアイテムを取り出そうとまさぐり始める。

 

「はぁ。 三、四体なら余裕でこなせそうなのにな~。 まさか百対に追いかけられるとは」

 

「僕もそうですよ~。 あれが全部アオアシラだったらな―……」

 

「ハチミツが大量発生したのその地域? てかその群れに人類勝てんの? てかなんでアオアシラ?」

 

「アオアシラへの愛は後々にでも……って、煙が消えましたね。 始めますよ」

 

 そう言ってジュンはポーチからある物を取り出す。

 

 □ □ □

 

 煙が消え視界が見えるようになったドスジャギィは周りの部下を見回した。

 

 何が起こったか分からず興奮している者、負傷している者、果ては絶命している個体までいた。 

 

 前方にいるジャギィが警戒の声を上げたかと思うと急に煙が巻き起こり、部下の悲鳴が聞こえながらも煙をやり過ごすと、目の前には傷ついた部下達の姿が。

 

 何が起こった。 そう危機感を募らせていると、

 

 ガンッ!

 

「!?」

 

 背後からなにかに攻撃された。 痛みはあまりなかった。 しかし、自分を狙った者がいたのが大事なのだ。

 

 後ろを振り返る。 すると自分達が抜け出した森の入口に変な生き物達が見えた。 そしてドスジャギィはその生き物達が自分と自分の部下を襲った張本人だと信じて疑わなかった。

 

 自分達の脅威になりそうな者は排除しなければならない。 そう考えると、

 

「ヴォ―、ヴォ、ヴォ、ヴォ、ヴォ!」

 

 ドスジャギィは自分の部下に指示を出した。

 

 

 □ □ □

 

 ジャギィの群れが進路を変え、ジュン達に近づいてくる。

 

「お、来ましたね!」

 

「うわ、怖! ものすっごい殺気感じる!」

 

 そう話しながらジュン達は森の中に入っていく。 まともに相対するつもりなど二人にはなかった。

 

 ジャギィの群れも森の中に入っていった。

 

 これがジュンの作戦だった。

 

 まずけむり玉で視界をふさいで移動を止めた後、二人で攻撃しながら前に進む事で混乱させ前方に進む事を忘れさせる。

 

 さらにけむり玉の効果が切れる前に群れから距離をとる。 そしてけむり玉の効果が切れた後、ドスジャギィに、ドスジャギィがいなかった場合は群れの最後尾にジュンが調合する際に余った石ころをぶつけ、ジュン達の存在を教える。  

 

 そうすれば自分達の脅威を排除しようとジュン達を追いかける。 その隙にシイナを乗せた竜車を安全な場所まで走らせる。

 

 結果的に上手くいってジャギィの群れはジュン達に矛先を向けた。 おそらく竜車の方は安全に逃亡する事が出来ただろう。

 

 後は自分達が生き残るだけだとジュンは気合いを入れ直した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




つづく
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