モンスターハンター 青熊好きのハンター   作:littlelock

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第三話


第三話

(制限時間残り七時間二十分)

 

 

 

 村を出発してから一時間半を過ぎて、ジュン達は狩猟場に着いた。

 

 ジュン達は乗っていた竜車から降りて、いそいそとベースキャンプとなるテントを組み立てる。

 

「お前はもういけ、こっちは俺達がやっておく」 

 

「……すみません、お願いします」

 

 ジュンは礼を言うと、竜車に置いてある武器とアイテムポーチを身体に装備し始める。 武器が自分の腰に備えられ、これからの狩りに心が沸き立つ。

 

「ねえジュン。 アイテムがそれだけで本当に大丈夫?」

 

「大丈夫とは言えませんが、支給品があるので何とか持つと思います」

 

 そう言いながら片手剣より少し下辺りに取り付けられたアイテムポーチは、いつもより垂れ下がってみえる。

 

「しかし、狩猟場までの移動時間を短縮するために持ってくるアイテムを最低限必要な物だけにするなんて。 恐れしらずな……」

 

 アプトノスは、人間よりも強い力を持っているため竜車をけん引させる事が出来るが、それでも後ろの竜車に肉焼きセットなど重い荷物を乗せたら移動する速度が遅くなってしまう。

 

 そこでジュンは村で、荷物を最低限以外の物を置いていこうと提案したのだ。

 

 現在ジュンのアイテムポーチの中身は、回復薬と回復薬グレートが二つずつとペイントボールが一つ、砥石が三つとアイテムがこれから大型モンスターと戦いに行くとは思えないほど少ない。

 

 他の先輩ハンターも同様のアイテムしか持ってきておらず、みな軽い荷物に違和感を感じているようだ。

 

「おいおい、いくら危険性が低いモンスターだからって、もう少しポーチに色々詰めておくぞ? 本当に俺らが終わるまでもつのか?」

 

「伊達にアオアシラ中心の狩猟生活をしてませんよ? もたせてみせますって」

 

 そう言いながらベースキャンプに置いてある青いボックスから支給品を取り出すジュン。

 

「それに、先輩達ならすぐに(準備)を終わらせてくれますよね?」

 

「まったく、先輩をこき使おうとは……。 ま、期待しとけや」

 

 テントにくいを打ち込みながら先輩の一人が答える。他の先輩も笑顔で頷いている。

 

「ありがとうございます! それでは」

 

 そのままジュンはベースキャンプを飛び出した。

 

 

 

(残り七時間五分)

 

 

 

(……ここにはいない)

 

 アオアシラの姿がないと分かるといなや次のエリアに向かう。 月明かりだけをたよりに慣れ親しんだ道を突き進んでいく。

 

(おそらく次のエリアにいる!)

 

 ジュンはなんとなく、そう思った。

 

 確固たる確信がある訳ではない。 しかし、自信はあった。

 

 長年の経験と思いがジュンにそう予想させる事が出来たのだろう。

 

 次のエリアまでもう少し。 スタミナに気を配りながら大地を蹴る足に力をいれる。

 

 そして地図上で分けられているエリアの境目を通過した。

 

 はたして、次のエリア移動したジュンの見ているさきには、大きく青いモンスターがいた。

 

「やっぱり……」

 

 青く輝く甲殻をまとう後ろの上半身。 ふさふさに生やした青い毛並みのある尻。 モンスターがジュンに背を向けているため、正面は見えていないが、ジュンにはもう分かる。

 

 青い狩人・アオアシラ

 

 そして始まる。 青い一人と一匹の死闘が。

 

 

 

 

(残り七時間)

 

 

 

 

 アイテムポーチからペイントボールを取り出しジュンはアオアシラに向かって走り出す。

 

 向こうはハンターの存在に気付いてない。 シビレ罠などの設置に時間がかかるがモンスターに効果的なアイテムがあればこの間に仕掛けているが、重い荷物となる罠類は持ってこなかった。 となれば、今は自分の実力だけで戦うしかない。

 

 アオアシラはまだ気付いていない。 ゆったりと歩くその背中に目掛けてペイントボールを投げる。 それと同時にジュンはまた走り出す。

 

 ペイントボールは曲線を描きながらアオアシラへと向かう。 アオアシラの尻にペイントボールがぶつかった。 パサッと小気味よい音とともに薄桃色のした煙が現れ、アオアシラの青い毛を桃色に染め上げていく。

 

 少し遅れて、鼻に残るような独特の匂いがアオアシラから伝わってくる。この匂いがアオアシラの位置を突き止めてくれる。

 

「グァ?」

 

 さすがに気付いたのか、尻に何がぶつかったのか後ろ振り返ると、そこには振り下ろされた刃物が。

 

 とっさにアオアシラは瞼をとじて目を守る。 直後顔に痛みが。

 

「グオォォォア!?」

 

いきなりの攻撃にのけぞるアオアシラ。 

 

その隙を見逃さずジュンは左後脚に片手剣の技「ジャンプ攻撃」を叩きこむ。 飛び上がる事で発生する重力の勢いを利用して頭上高く掲げたハンターカリンガを脚に向かって振り下ろした。 刃が青い毛の生えた肉を斬りつける。 着地と同時に刃先が地面をえぐった。

 

 そのままジュンは攻撃をつなげる。 「斬り上げ」から始まり、「斬り下ろし」「横斬り」、盾を装備した右手で裏拳をするようにして盾を殴りつけてから剣で斬りつける「剣盾コンボ」と息もつかずに攻撃していく。

 

 次の技を浴びせようとした時、アオアシラが立ち上がった。 

 

 すでに目の前のモンスターからは殺気を放っている。

 

 ジュンは安全をとってアオアシラの後ろに転がる。 一度ひるませたため、威嚇の咆哮をせずに攻撃してくるかもしれないからだ。

 

 しかしジュンの考えは余所に、アオアシラはハンターが先程までいた場所に向かって怒号を放った。

 

「グオォォ、グオォォォォォオ」

 

 両前脚を振り上げ、頭を前に突き出して威嚇しようとしている。 

 

 しかしジュンは咆哮に顔をしかめながらもすでに後ろから斬りつけていた。 先程の攻撃に加えてさらに「水平斬り」「斬り返し」、身体を横に一回転しながら攻撃する「回転斬り」と一気に攻撃をつなげた。

 

 さらに攻撃をしようした時、アオアシラが時計回りに上半身をひねらせた。

 

 今までの経験からその行動だけで次の攻撃方法が分かった。 しかし避ける時間がない。 仕方なしに右手の盾を前にかざす。

 

 次の瞬間、盾から殴られたような衝撃がきた。 勢いが強く、ジュンはつま先を引きずらせながら後ろに押し出される。

 

 盾をさげると、アオアシラは誰もいない空間に前脚でひっかく。

 

 とっさに盾で防御したとはいえ、完全に勢いは殺せなかったため体に痛みが残っている。

 

 やはり一筋縄にはいかない。 ジュンは警戒しながら攻撃を再開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 




つづく
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