モンスターハンター 青熊好きのハンター   作:littlelock

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第四話



第四話

(狩猟時間残り6時間30分)

 

 

 

 

 ハンターの目の前でアオアシラの太い右前脚が振り下ろされる。

 

 攻撃を予期していたジュンは後方に避ける。 さらに間髪いれず左側に転がった。

 

 その転がる前にジュンがいた場所をアオアシラの左前脚が空を切った。 さらに転がった先にいるジュンに向かってもう一度右前脚を振るう。

 

 しかしそれも来る事が分かっていたジュンは数歩下がって攻撃をやり過ごす。 そしてアオアシラの攻撃が終わると同時にジャンプ攻撃をお見舞いした。

 

 数回の攻撃をつなげてジュンはアオアシラの後方に転がる。 転がる前にいた場所にアオアシラはおい被さるように前脚を地面につけた。

 

 そしてジュンがいる方に振り向きながら立ち上がり、両前脚を一斉に振るって攻撃する。

 

 ジュンは盾でこの攻撃をいなし、今度は攻撃にまわる。

 

 このような狩猟の流れを30分は続けた。

 

 アオアシラの攻撃を避け、または盾で受けながし、隙をついて攻撃し着実にダメージを与えていく。

 

 閃光玉やシビレ罠などの動きを止められるアイテムがない今、地道に攻撃していく以外ジュンに手はない。

 

(そろそろ先輩達終わったかな……)

 

 一度引き返すか、そう考えながらもアオアシラを斬りつけ続ける。

 

 すると、アオアシラが不意に立ち上がった。

 

 そして、

 

「グオォォォォオ、グオォォォォォォオオ!!」

 

 白い息を吐きながらジュンを威嚇する。 最初に威嚇された時より声が荒く目が血走っている。

 

「……怒り状態か!」

 

 文字通りモンスターが怒った姿。 普段の平静さが残った状態では見せない攻撃をしてきたり、攻撃力が上がったりとかなり危険な状態だ。

 

 ベースキャンプへ引き返すなら今だとジュンは思った。 怒り状態は時間がたてば自然に解けるはず。 その間にベースキャンプで先輩達の「準備」を確認してくるのもいいかもしれない。

 

 しかしジュンの考えをよそに、アオアシラは右前脚で攻撃をはじめる。

 

 アオアシラの正面で堂々と考え込んでいたジュンは避ける余裕を失い、盾を正面に構える。

 

 盾から先程のアオアシラによる攻撃より重い衝撃が伝わって来た。 攻撃の勢いで後退させられる。 体にダメージが残るがなんとか防ぐことが出来た。

 

 だがアオアシラの攻撃はまだ終わっていない。

 

 今度は左前脚を振るってきた。 後退の反動で動けないジュンは構えたままの盾でやりすごすしか手はない。

 

 再び衝撃が伝わってくる。 勢いで後退させられ、また振るわれた右前脚もなんとか防いだ。

 

 普段ならここで攻撃が終わるため、防御姿勢を解いて大勢を整えるところだが、ジュンは盾を構えたままだった。

 

 今アオアシラが見せた攻撃は連続引っかきと呼ばれている。

 

 前進しながら両前脚を交互に引っかき、避けられてもその対象を追いかけながら引っかいてくる。 普段なら片脚2回、もう片脚1回、計3回の攻撃をしてきて、攻撃が終わると少しの隙が生まれるため、その間に攻撃に転じたり、アイテムを使う事が出来たりする。

 

(……だけど怒り状態のときは)

 

 右前脚を振り終わった後、普段ならあるはずがない左前脚の4回目が振り下ろされる。

 

「ぐっ!」

 

 攻撃は盾に当たったが、今までの疲れもあってか後ろに飛ばされてしまった。 少しの時間体が宙に浮いた後、地面に転がる。

 

「うっ……!」

 

 まだ痛む体にむちをうって立ち上がる。 その場で立ち止まると相手のいい的だ。

 

 アオアシラは前脚を地面につけて走り出した。 まっすぐジュンに向かっていく。 ハンターに向かって突進をするつもりだ。

 

 少し息を整えた後、ジュンは横に跳ぶ。 外見も恥もかなぐり捨てた緊急回避だ。

 

 後ろから何か通りすぎていった感覚がある。 やり過ごしたと分かった。

 

 安心していられないとばかりにジュンは立ち上がると同時に前に転がる。

 

 後ろを振り向くと、アオアシラはベアハッグと呼ばれる攻撃をしていた。 前方に跳び、両前脚を同時に引っかく攻撃で、前と横の広い範囲を攻撃できる。

 

 幸いジュンは動いていたため、攻撃は当たらなかった。

 

 その間にジュンはペイントボールを投げる。 ペイントボールは曲線を描きながらアオアシラの顔にあたり、薄桃色の煙をまき散らす。

 

「グオォォォ!?」

 

視覚をふさがれ、驚くアオアシラ。 その隙にジュンはベースキャンプへと引き返す。

 

 荒い息を吐きながらも懸命に走る。

 

 別のエリアへ移動して振り返ると、アオアシラの姿はない。 うまく逃げ延びたようだ。

 

 周りに危険な事がないか確かめると、ジュンはアイテムポーチから最後に残っていた応急薬を取り出し、いっきにあおる。

 

「ふぅ」

 

 やっと落ち着く事ができたといわんばかりに息を吐く。 するとすぐに、

 

「……ふふっ」

 

 急に笑い出した。

 

(いやぁ、かっこよかったなぁ)

 

 危険な状態だったのが嘘のように、ジュンはそんな事を思う。

 

(油断してたとはいえ、懸命に前脚を動かすのし、すごかったなぁ。 いやもう、やっぱり無理してきたかいがあったなぁ)

 

 そんな事を思いながらベースキャンプに引き返していくジュンだった。

 

(残り時間6時間15分)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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