星界の風章「祝宴」    作:いち領民

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星界の風章「祝宴」 第二章

「ジント、そなたの猫をつれてきたぞ。まったく、帝国の王女にこんな使いを出すのはそなたぐらいだぞ」不機嫌そうに言う黝い髪の美少女・ラフィールはいった。

 

「ごめんよ。ラフィール。僕も色々とここで、やる事があって、王宮まで迎えにいけなかったんだ。今度、一緒に夕食でもおごるから勘弁してよ。(なんだか、ラフィール。妙に不機嫌だな)」いつものようになだめにかかるジント

 

「そうか。ジント、なら許す。ところで、ジント気になったのだが、そなたの家臣は女性ばかりなのか?」本当はこの理由で機嫌を悪くしているラフィール

 

「えーっと…。まぁ、今のところはね。ラフィール、何か誤解していないかい?たまたまだよ。ラフィール」なぜか動揺するジント

 

「そうか、私はもしかしたら、そなたに前フェブダーシュ男爵と同じ趣味があるのかと思った。そういえば、ヴォーラシュ伯国で地上の友人にあったとき、後宮計画を作るとかつくらないとか言っていたな。あれも、関係ないのか?」疑念口調で詰問するラフィール

 

 

「だから、誤解だって。僕が家臣を頼んだ友人がたまたま、全員女性を選んだんだ。それに、彼女達は優秀だから。他の家臣を頼むよりずっと、いいんだ。その友人もそれは保証していた。領主としては優秀な家臣が欲しいのは、どこも一緒だろ。ラフィール」あせりながらも弁明するジント

 

「ほぅ、そんなに優秀なのか?私は単に容姿で選んだとしか思えないような美人ばかりだったぞ。あのガブリエルという管制官もそうだったし、私をここまで連れてきたミカエルという家臣も私が見た地上人の中でも最も美しい部類に入るぞ。ジント。」最後のジントというところにかなりの怒気を込めて言うラフィール

 

「どうしたら、わかってくれるんだよ。ラフィール。僕にそんな趣味はないよ。それに友人も貴族で1番優秀な家臣だと保証してくれたんだ。容姿で選んだわけではないよ。」ラフィールの誤解がなかなかとけないのでうんざりするジント

 

「そうか、まぁ、こんな話を続けても結論はでないであろ。ディアーホは、届けた。私の役目は終わった。そろそろ帰るかな。」不機嫌なまま帰ろうとするラフィール

 

「ちょっと、待ってよ。ラフィール。そうだ、もうちょっとたったら、お昼ご飯を一緒に食べよう。それまでは、帰るのはやめてくれるとありがたいよ。(誤解を持ったまま帰らせたくないな)」必死に止めるジント

 

 

「まぁ、そなたがそこまでいうならしかたないな。」口調でそう言っているが、誘われたのは嬉しいラフィール

 

 

そこへ、家臣の一人からジントへ通信が入った。

 

「伯爵閣下、サラカエルです。王女殿下との会見中、恐れ入りますが、明日の祝宴の式典の進行について決めてもらいたいことがあるので、執務室へ来てもらえないですか?」

銀髪に金色の瞳の美少女が通信をしてきた。

 

「ああ、サラカエルさん。わかったよ。ちょっと、待ってて。」と立体映像の通信に返事をするジント

 

すると、ラフィールは、その映像に映ったのがまたも地上人としてはほとんど見られないほどの美少女が出てきたので、再び、機嫌を悪くした。

 

「そうか、ジントは色々と仕事が忙しいみたいだな。私はここで、ディアーホをかまっているから、早く、いくがよい。」再び、機嫌が悪くなるラフィール

 

「ああ、ごめんよ。ラフィール。じゃぁ、いってくるよ。(ふー、今話しても、油に火を注ぐ状態になりそうだから、ここは、少し間を置いた方がいいな)」今は放っておいたほうがいいと判断するジント

 

 

帝都城館・執務室

 

 

「伯爵閣下に確認してもらいたいのは、ここの主賓の言葉の枠なんですけど、どなたなのです。一応、ダリシュ様の知り合いとなっていますけど、わかりますか?」

祝宴の進行表を作っている役目をするサラカエルが尋ねた。

 

「これは、たぶん、ダリシュの想人だよ。サラカエルさんは、知らないの?あまり、公にすると、色々面倒だから、名前は書いていないんだ。」

皇帝であるラマージュは、一応戦争中ということもあり、なるべく情報を秘匿するようにダリシュに言われていたので名前はふせていたのであった。

 

「はぁ、そうなのですか?わかりました。では、当日になんとか調整してみます。閣下。ところで、何だか元気がないみたいですが、王女殿下と何かありましたか?」ジントの様子に気づくサラカエル

 

「まぁ、ちょっと、ご機嫌斜めみたいなんだ。」頬をかくジント

 

「そうなのですか、まさか、私たちが原因ではないでしょうか?」

 

「えーっと……そんなことないよ」嘘が下手なジント

 

「そうですか……。また、私たちの居場所がなくなるの?…。そんなのいやだです………伯爵閣下、私たちを捨てないでください。」突然、瞳に涙をあふれさせて泣き出すサラカエル

 

「どうしたんだい?突然泣くなんて。」動揺するジント

 

「すいません。でも、もし、王女殿下に私たちが嫌われたら伯爵閣下は…」不安げに言うサラカエル

 

「大丈夫。君たちを見捨てることをしないよ。ラフィールの不機嫌はいつものことだし、それに、ダリシュにかわいがってくれと頼まれたんだ。」

安心させるようにサラカエルの手を優しくジントは握った。

 

「そうですか、…ありがとうございます。また、私たちの居場所が無くなると思うと不安でしかたなかったのです。」少し落ちついた様子のサラカエル

 

「サラカエルさん、その居場所が無くなるというのは、どういうことか教えてくれないかな。」サラカエルの様子を思い優しく尋ねるジント

 

「はい、閣下、私たちのことを話します。私たちは、以前、ダリシュ様の『青の牙』と敵対する兵器でした。それを中身だけ、入れ替えて、いわば、生まれ変らせたのがダリシュ様でした。ダリシュ様は私たちの名前を与えて、そして、ここにいる7人をアークエンジェルという部隊にして、育てて、紋章院にダリシュ様の直属の部隊として存在していました。」まっすぐジントの瞳を見ながら話すサラカエル

 

「そうなんだ。でも、どうして、僕の…ハイド伯爵家の家臣になることになったんだい?」

 

「それは、簡単に言うと、紋章院の方々や『青の牙』の方々の誇りを傷つけたのかもしれません。私たちは、たぶん、ダリシュ様の教育の賜物でしょうが、あまりにも優秀過ぎたのです。」残念そうに言うサラカエル

 

このあと、サラカエルは、紋章院の諜報員や『青の牙』と一緒にアークエンジェルが特殊任務を行ったときの話をした。

そこで、アークエンジェルは、まさしく、特別の存在を発揮していた。10年以上の経験を持つ諜報員や選ばれた『青の牙』のメンバーも圧倒するほどの戦闘力、情報分析力、そして、一糸乱れない統率力、おまけに体はオリハルコンという特別の金属でできていたために、傷つくなんて言うことは微塵も無かった。

しかし、それが紋章院の諜報局の人々にとっては、とてもショックだったと同時に誇りを傷つけられたのであった。機械の人形なんかに自分たちの神聖な任務を取り上げられたと思った。

そして、彼らはアークエンジェルの生みの親であり、ヘルマスターであるダリシュを批判しはじめたのであった。それを聞いたミカエル達は、自分たちのせいで、ダリシュに迷惑がかかったので、自分たちはいらない存在だと思った。そのとき、ダリシュが提案したのがジントの家臣になることだった。ここなら、絶対、君達を必要としてくれるからということで、アークエンジェルをハイド家の家臣に推薦したということだった。

 

「そういうことだったんだ。なら、なおさら、ここにいて欲しい。君達はハイド伯爵家にとっては、必要だよ。それに、かわいがってくれとダリシュにも約束したしね。」得意の曖昧の笑顔をするジント

 

 

「閣下、ありがとうございます。このことは、皆にもあとで伝えます。」

普通の地上人の男ならほとんどが惚れるようなかわいらしい笑顔をするサラカエルだった。

 

ジントとサラカエルが領主と家臣の関係を深めていた頃、ラフィールは、ディアーホをかまいながらも、少し落ちこんでいた。

 

「ディアーホ、そなた、悩みは無いのか?私は、また、つまらぬことでジントにあたってしまった。本当は、このディアーホをつれてくる役目は、別に他のものでもよかったのに、ジントに会いたい口実が欲しいためになったのに………」ディアーホのノドをさすりながら言うラフィール

 

「にゃーん。にゃーん」甘える風に答えるディアーホ

 

「そうか、そなたは、ここを気に入ったと見えるな。そのうち、セルクルカもつれてこようか。それにしても、私はどうして、あれほど怒りが沸くのであろうか?美人の家臣がジントの側にいるのが嫌なのであろう………まさか?嫉妬。そんなわけないであろ。」と一人、自問自答するラフィール

 

 

「にゃーーーん。ごろごろ。」

ラフィールの空気を察してか細い指を前足で反応するディアーホ

 

「そうか、すまんな。そなたをかまうのを忘れていたな。それにしても、なんで、ジントのことばかり、考えるのだろう。………とにかく、私が勝手に怒っていたのだから、今度あったら、謝るしかないか。だが、ジントが彼女達を雇った理由を聞いてからだな。本当に優秀なのかはわからないしな。」そう決意するラフィールだった。

 

 

 

一方、サムソンとミルフィーユは、家臣用の休憩室で昼間から酒精を飲んでいた。そこへ、一人の訪問客がやってきた。

 

 

「監督、昼間から酒精とは、相変わらず悪癖だね。」

そこに来たのは、軍衣ではなく、士族のつなぎを着たソバーシュ・ウェフ=ドール・ユースだった。

 

「おやおや、ソバーシュ百翔長ではないですか?祝宴はあしたですぜ。どうして、ここにきたのですか?」突然のソバーシュの訪問に驚くサムソン

 

「まぁ、祝宴の前にサムソン監督と1杯やろうと思ってね。ハイド伯爵閣下には伝えておいたはずのだが、どうやら、色々と忙しいみたいで忘れ去られたみたいだね。ところで、驚いたよ。どうして、ミルフィーユ、君がここにいるのだい?」そういいながらも杯をどこから持ってきて、机の上に置くソバーシュ

 

「ユースこそ、どうして、ここに?ああ、そういえば、前の突撃艦では二人とも戦友だったみたいね。私はこの帝都城館の管理責任者を任されたの。いわば、サムソン家宰の部下ということになるわね。」ワインの酒精で頬をほんのり紅く染めているミルフィーユ

 

「これは、驚きましたですぜ。お二人が知りあいとは、どんな仲なんです?ソバーシュ百翔長」興味深そうに言うサムソン

 

「監督、彼女とは、交易商人のときに知り合ったんだ。そのとき、ひと騒動起こしてね。あのときは、本当に困ったよ。」

ソバーシュも林檎酒を杯に注ぎ出した。

 

「まぁね。それは、それで、面白かったじゃない。ユース。でも、正確に言うと、知り合ったとのは、そのときだけど、それ以降も付き合いがなかったわけではないわ。」子供らしい笑顔を見せるミルフィーユ

 

「まぁ、色々あったね。それにしても、意外だったな。ミルフィーユがハイド伯爵家の家臣になるなんて、君なら紋章院でも引き手あまただったんだろう。どうして、ここの家臣になったんだい?」そこが気になるソバーシュ

 

「そうですな。ハイド伯国の地上世界のマルティーニュに捕らわれたアーヴのあどけない美少女がよりにもよって、その伯爵家に雇われるとは驚きとしかいいようがないと思いますぜ」おおげさに言うサムソン

 

その大げさな身振りに苦笑しながらもミルフィーユは自分の現状を説明した。

ミルフィーユは、マーティンに5年間もいわば、強制的に地上での特殊任務を行っていたので、数年間、できれば、10年近くは、のんびりと過ごしたかった。しかし、そのための自分の家は、不在中に事故で崩壊しており、家無し状態。娘達も戦陣暮らしで、とても彼女を養う余裕はない。そこで、上司のダリシュにここの職場を紹介されたのであった。

しかも、とびきり、優秀でなおかつ、彼女にとって扱いやすい部下をつけての待遇だったし、主君のジントは、戦陣で、ここに来るのは、ほとんどない。いわば、自分のかりそめの城を与えてもらったような立場というのに魅力を感じたのであった。

 

 

「なるほど、そういう訳ですか。確かに、私も向こうで家宰をやっているが、代官であるスォッシュ氏がなかなか優秀でね。大体の業務は彼任せで、あとは、パーヴェリアも反物質燃料工場の方ではなかなか良い仕事をしてくれるし、軌道に乗れば、ある程度は楽できますぜ。」自分の職場を気に入っているサムソン

 

「監督、そうなのかい?あのときは、かなり苦労していたみたいだけど、1回安定すれば、やることがないというわけか。それで、昼間からお二人とも酒を飲んでいるとは、これは、ハイド伯爵閣下に報告しなくてはいけないね」そういいながらも穏やかに微笑むソバーシュ

 

「いやぁ、それは、やめてくださいよ。どうか、ご勘弁を。今、ここで、このような不貞をさらしては、私の首も風前の灯です。」と両手を頭の上に合わせて、頭を大げさに下げるサムソン

 

「アハハ、面白いわね。サムソン家宰、やっぱり、あなたが上司だと気楽でいけそうだわ。ところで、さっきの話の続きだけど、私とユースの仲を知りたくない?」無邪気に微笑むミルフィーユ

 

「ぜひ、知りたいですな。もっとも、何か関係があったとなるともっと、楽しいですぜ」すっかり、酔いが回り、饒舌になるサムソン

 

「監督、できれば、私は話したくないけど、まぁ、一緒に酒を飲むんだ。これくらいの余興は、必要かな」困った顔をするソバーシュ

 

「じゃぁ、まず、出会いからね。ユース、あなたから話してよ。私だと余計なことまでいいそうだから。」手に取った赤ワインの杯を一気に飲み干しながらいうミルフィーユ

 

「そうだね。彼女、ミルフィーユは、私が独立交易商人としてある地上世界に下りることになったとき、一緒に船員として雇ってくれないと頼んできたんだ。彼女は、その地上世界の言葉を話せるだけでなく、どの地上世界の思考結晶も操作を色々とできた。はっきりいって、こんな優秀な船員なんて、今までもこれからでもいないだろうね。」苦笑しながら話すソバーシュ

 

「そうか。でも、おかしいですぜ。確か、ソバーシュ百翔長は、船員には、女性を雇わないと聞いたことがありまずぜ。どうして、彼女を雇ったんです?」そういって、ミルフィーユを眺めるサムソン

 

「それは、彼女がその基準を作らせた原因だからさ。それまでは、男女関係なく、私の趣味に合う悪癖があったら雇っていたのさ。まぁ、彼女の場合、姿自体が特殊だったけど、それに、性欲が強いというのは、恐ろしい悪癖だったさ」そういいながらも楽しそうなソバーシュ

 

「つまり、その悪癖でひと騒動あったというわけですな。でも、こんな子供を取り合うなんて言うことあるんですかね?」

 

「あら、サムソン家宰、こう見えても私はもてるのよ。だって、ロリコン(少女嗜好)やショタコン(少年嗜好)のアーヴはけっこう、いるのよ。だから、私たちの一族が生まれたのよ。」恐ろしいことをこともなげに言うミルフィーユ

 

「まったく、あのときは、驚いたよ。全く違う悪癖で雇った三人のアーヴ男性が君を取り合うなんて思いもしなかった。あのときは、散々だった。まあ、君のおかげで商売も上手く行いったけどね。」当時を思い出し、げんなりした風のソバーシュ

 

 

「でも、私はユースのおかげで、すんなり地上世界に入って、任務を滞りなく成功させることができたわ。」当時の様子を振り返るミルフィーユ

 

「ということは、ソバーシュ百翔長の船に乗りこんだのは、紋章院の任務のためだったというわけですか?なるほどね。さぞかし、苦労したのでしょうな。」

ミルフィーユの悪癖を知っているサムソンは傍観者としては面白そうだと思った。

 

「全くだよ。監督。あれ以来、2度と恋愛沙汰は起こって欲しくないと思ったよ。それで、さっきの基準がでてきたのさ。」

 

「でも、あのとき、ユースは、私の仕事に興味を持ったみたいで、驚いたことにその後、紋章院に入ったのよ。特別捜査官としてね。」巻き毛の髪の毛を人差し指でいじりながいうミルフィーユ

 

「そのときの捜査官の教習生の教官がミルフィーユで生徒が私だったというわけさ。それが、それ以降のつきあいというわけさ。」

 

「そうね。じゃぁ、その話は今度は私がしましょう。」そういって、瞳に少女とは違う女の色を見せながらミルフィーユは話した。

 

その後、ソバーシュの教習生としてのときのどのように訓練したかを楽しそうに長々とミルフィーユはサムソンに話したのであった。

 

 

再び、執務室

 

 

「さてと、祝宴のための準備と段取りもほとんど終わったな。あとは、昼食までになんとかラフィールの機嫌をなさないと。でも、どうしたらいいかな……そうだ。ダリシュに相談しよう。」仕事が一段落したので、ダリシュにラフィールのことを相談するジント

 

 

「ねぇ、ダリシュ、今、大丈夫かい?」クリューノで呼びかけるジント

 

「うん、ジントか。ちょっと、待っていてくれ。」しばらく、沈黙のあった後、ダリシュは通信に答えた。

 

「ダリシュ、忙しいところ、ごめんよ。相談したいことがあっていいかな。」

 

「いいぞ。ジント、それで、相談事ってなんだい?」

 

「ラフィールのことなんだ。さっき、色々あってね。」

 

ジントは、ラフィールが不機嫌になった話とサラカエルから彼女達の現状についても聞いたことをダリシュに話した。

 

「ダリシュ。それで、どうしたらいいと思う?」

 

「王女殿下には、ありのままを話すべきだと思うよ。嘘なんてついても意味が無いし、だいたい、その方が殿下は安心するさ。」あっさりと結論を下すダリシュ

 

「わかったよ。ダリシュ。でも、なぜ、ラフィールが安心するんだい?」

 

「相変わらず鈍いな。ジント。君は、嫉妬されたんだ。想人に美人の女性が家臣についたとなったら、それは王女殿下も心中穏やかじゃないだろう。でも、その家臣は人間ではなく、機械ということがわかれば、安心するさ。君をとられないということをね。」鋭い洞察力を見せるダリシュ

 

「ラフィールが嫉妬だって。そんなことあるのかな…。それに、ダリシュ、残念ながらラフィールは僕の想人じゃないよ。」驚きを隠せないジント

 

「なんだって、ジント。まだ、王女殿下とは想人じゃないのかい。まったく、信じられないよ。」ジントの発言に彼以上に驚くダリシュ

 

「えーっと。実はいうと、ちゃんとした告白はしていないんだ。告白みたいなのはしたけど…………(ロブナスのときが告白かな?)」曖昧な笑顔で頬をかくジント

 

「はぁー…。どうして、告白しないんだ。誰が見ても、王女殿下の想人になれるのは、現段階で君以外しかいないと思うな。ジント」

ダリシュは、珍しく声を上げて、興奮した様子で言った。

 

「うーんと、まだ、自分の中ではっきり、ふんぎりがつかなくてね。修技館時代から僕を見ているダリシュには、情けないと思うかもしれないけどね。」ダリシュの興奮ぶりが身にしみるジント

 

「なぁ、ジント。王女殿下とずっと側にいたいか?」  「うん」

「殿下は銀河で1番大切か?」  「うん」

「もし、できたら、殿下を抱きしめたいか?」 「…うん」

「なら、どうして、告白しない?怖いのか?」  「…うん」

 

「なら、こう考えてみてはどうか?殿下がもし、ジントを誰よりも好きで大切で側にいて、抱きしめたいと思ったら、ジントが告白しない方はかわいそうだと思わないのか。君の育ったデルクトゥーでは、男の方から告白するのが常識、女から告白する前に言えというのは、君の授業で聴いたことがあるよ。」責めるようにいうダリシュ

 

「それは、わかっているよ。でも、まだ…ラフィールの気持ちを完全にはわかっていないし………」煮え切らないジント

 

「わかったよ。ジント。とにかく、告白するという決意だけ決めておけよ。それじゃぁ、いつまでたっても、先へすすまないぞ。さて、相談はのったよ。じゃぁ、僕は忙しいから。(ふー、こうなったら、僕達でなんとかするしかないな)」

そういって、ダリシュには珍しく不機嫌そうに通信を切った。

 

「わかったよ。ダリシュ。(なんだか、不機嫌にさせたみたいだな。確かに彼にはこのことで色々迷惑かけているしな)」ダリシュの対応に落ちこむジント

 

 

帝都城館・食堂

 

「あれ、そなたしかいないのか。ジント。」昼食に誘われていたので、猫籠をもって、食堂にきたラフィール

 

「ええ、サムソンさんたちは、もうすでに、とったみたいだから、二人でとってくれといわれたんだ」

 

「そうなのか。まぁ、よい。」

 

食堂にはすでに料理が並べられていて、ジントとラフィールは向かい合って食べていた。

しばらく、食事を勧めていて、ジントは意を決した風にラフィールに話しかけた。

 

「ラフィール、ミカエルさんたちのことなんだけど?」おそるおそる聞くジント

 

すると、眉毛が危険な角度になって、瞳に怒りの火をともしながらもラフィールはいった。

 

「別にいいぞ。話すがよい」

 

そして、ジントは、アークエンジェルのミカエル達のことを全てありのままを話した。

 

「そうなのか。そういうことか。(なんだ、あのものたちは、機械の人形か。よかった。ジントをたぶらかされずにすむ)でも、意外だったな。そなたの親友がダリシュだっとはな。」ジントの発言を聞き、機嫌が良くなるラフィール

 

「僕も意外だったよ。君がダリシュのことを知っていたなんて。」

 

「ああ、そうか。それで、シュリル前衛翔士とそなたのつながりがわかった。あのものは、ダリシュの妹だからな。」思い出した風にいうラフィール

 

「そうだね…(彼女、ユーリルが僕に惚れていたことはラフィールにはやはり、わかっていたのか)」その言葉に思わず苦笑するジント

 

「まぁ、そなたの話を聞いて、私の誤解だった言うことは認める。すまぬ。」ようやく本格的に機嫌を直すラフィール

 

二人の穏やかな昼食の時間が過ぎ、最後の飲み物でジントはスルグーでラフィールはティル・ノムを飲んでいたとき、ふと、ジントは思いついたように言った。

 

「ねぇ、ラフィール。二人きりだし、あの称号で呼んでいいかい?」恥ずかしそうに言うジント

 

「突然何を言うジント」ラフィールもジントの意図を理解して顔を赤くした。

 

「わかったよ。言わないよ。」残念がるジント

 

「別に言わなくてもよいなどとは、言っていない。ジントが望むなら呼んでもよいぞ」さっきより、さらに赤くなるラフィール

 

「わかったよ。『ぼくの可愛い殿下』……」ラフィールの瞳をまっすぐ見ながら言うジント

 

「ばか…(その言葉を聞くと、なぜ、こんなに胸が熱くドキドキするのだ」そういいながらもラフィールの心臓の鼓動は早手のように打っていた。

 

ジントとラフィールは二人とも顔を真っ赤にしながらも見つめあい、沈黙していた。

その瞬間、ジントの心に奇跡的とも言うべき、告白するという勇気が出た。

 

「『ぼくの可愛い殿下』、おも」

とジントが告白しようとした瞬間、ラフィールのクリューノが突然鳴った。

 

「我が愛よ。久しぶりだな。そなたの父だ。突然なんだが、頼みがある。そなたの弟・ドゥヒールを飛翔科修技館まで迎えにやってくれないか?」

その通信はドゥビュースからだった。

 

「父上、どうしたのです?(く、ジントといい雰囲気だったのに邪魔をするなんて、相変わらずだ)」怒りがつのるラフィール

 

「そなた、その声は、怒っているのか?どうやら、あまり機嫌はよくないみたいだな。まぁ、よい。今日の晩餐に久々に家族3人でそろうことができそうだから、ドゥヒールを迎えにいってほしいのだ。あのものも姉と会うのを楽しみにしたのだ。そなたが迎えに行けばもっと喜ぶであろう。」

 

「そうか、わかった。ドゥヒールのためだということだな。ジント、残念ながら私はこれから帰らなければならない。すまぬ。では、また明日の祝宴で」

そういって、ジントとの甘い雰囲気を壊されて不機嫌のまま帝都城館をさるラフィールだった。

 

「わかったよ。ラフィール。じゃぁ、また、明日(なんて、僕は運が無いんだろう。どうして、僕の人生はいつもこうなんだ)」一人になり落ちこむジントだった。

 

 

その様子をミルフィーユ、サムソン、セールナイ、パーヴェリア、ソバーシュは、別室で見ていた。

 

「あー、惜しい。もう少しで、坊やが告白できるところだったのに。それにしても、アクリアさん、この監視装置色々と役立ちそうですね。」まだ、酒精が回っているサムソン

 

「そうね。惜しかったですわ。せっかく、二人きりにして、状況を見守っていたのに…。よし、決めたわ。サムソン家宰、我が君主であるハイド伯爵閣下の想いを成就させましょう。この祝宴でなんとかしてみせるわ。ぜひ、協力お願いね」

ミルフィーユも頬を酒精で赤く染め、興奮していた。

 

「協力しますぜ。パーヴェリア、セールナイさん。あなた達もぜひ、協力をするんだ。これは、家宰としての命令だ。」すっかり、その気のサムソン

 

「監督、わかりました。協力します。これは、面白くなってきた。」パーヴェリア

 

「わかりました。サムソン家宰。王女殿下と伯爵閣下は、私もぜひ、恋人になって欲しいと思っていたの。確かに我が君主は頼りないけど、それを健気に助ける殿下も見てみたいし。」自分の趣味のために頑張るセールナイ

 

「私は今回は、傍観者になるよ。その方が楽しいし、無責任な観客ほど楽しいものはないしね。」ソバーシュも楽しそうに微笑んでいた。

 

こうして、祝宴の場でラフィールとジントの仲を結ぼうという動きがハイド伯爵家の家臣達に起きるのであった。

 




★原作設定その2(ウィキペディア抜粋)

帝国(フリューバル)の社会構成[編集]
アーヴ法律上は皇族・貴族・士族の総称。つまり地上人でも、功績によって士族や貴族に取りたてられればアーヴとして扱われるが、子孫にその爵位(スネー)を継がせたければ、遺伝子操作により生物学的なアーヴとしなければならない[1]。 皇族(ファサンゼール)建国帝ドゥネーと、その兄弟姉妹や子女の子孫であり、「アブリアル」の氏姓(フィーズ)と「ネイ」の姓称号(サペーヌ)を持つ八王家(ガ・ラルティエ)に属する帝位継承権を持つ者。生まれながらにして飛翔科翔士として軍役に就く義務を負い、同世代の皇族の中で最初に帝国元帥(ルエ・スペーヌ)まで昇進できたものが皇太子(キルーギア)になり、同時に他の皇族は予備役編入となる。なお、各王家の長はそれぞれ帝都ラクファカールにある八つの門の一つと、それに(平面宇宙側で)近接する多数の門からなる王国に封じられている。王家の長以外の皇族は、通常どこかの恒星系を領地(リビューヌ)として与えられ、貴族爵位を持つ。たとえばラフィールはパリューニュ星系を自領とする子爵である。なお、皇帝は「アブリアル伯爵」の爵位を持つが、これは帝都ラクファカールの領主、という立場であり、実質上皇帝としての称号である。皇族は、全員が生物学的なアーヴであり、「アブリアルの耳」を持つ。貴族(スィーフ)原則として、恒星系を領地として持ち、世襲でそれを統治する者で、領主(ファピュート)とほぼ同義である。実際には領地持ち貴族の方が少ない。皇族から分かれた家は「ボース」、帝国成立時からある貴族の家は「アロン」、帝国成立後に貴族となった家は「スューヌ」の姓称号を持つ。爵位は上位より大公爵(ニーフ)・公爵(レークル)・侯爵(レープ)・伯爵(ドリュー)・子爵(ベール)・男爵(リューフ)がある。アーヴの爵位は、根源氏族直系の長を表す大公爵以外は領地の状態に由来しており(詳細は後述)、それゆえ地球上に存在した爵位のように貴族の階級別栄誉称号ではない。地球上の爵位は元は職名に由来しており、その職が有名無実化することによって栄誉称号化したものが多いが、アーヴの貴族社会はそのような変遷をまだ経験していないためである(後述する通り軍隊は兵器体系の変遷があり、職名が階級化している)。ただし、領地と爵位が密接に関わっている点に関しては、ヨーロッパの爵位と類似はしている[2]。世襲の貴族の場合、各爵位の叙爵基準は以下の通り。 大公爵皇族であるアブリアルを除いた根源二八氏族直系の一族の長のみに与えられる。領地の規模は様々であるが、必ず領民が住む地上世界(邦国(アイス)と呼ぶ)を含んでいる。公爵侯爵の中で、特に大きな功績があった者が昇格する。生まれの血筋に関係なく、帝国内で誰もが到達可能な最高位である。ただし、実際に到達するのは侯爵家の生まれで優秀な者でもない限り、極めて困難である。侯爵領地内に、領民が住む地上世界を持つ。通常、領地内の領民数が1億人を超え、なおかつある程度以上の領地経営の手腕が認められていることが必要。伯爵領地内に地上世界を持つが、領地内の領民数は1億人以下か、領地経営の手腕が不十分である場合。子爵地上世界を持たず、領地はすべて無人の所領(スコール)。ただし、環境改造すれば居住可能になる惑星を領地に持ち、そうした惑星を開拓して帝国の拡大に貢献することが期待される。男爵領地に地上世界を持たず、また環境改造しても居住可能とできる惑星を持たない。恒星エネルギーを利用した反物質燃料(ベーシュ)の生産や、無人惑星(小惑星やガス惑星など)から鉱物資源ならびに推進剤(ヨーズ。水が使われる)を採掘し、それらを売ることで生計を立てる。地上世界を領有する貴族(大公爵、公爵、侯爵及び伯爵)を「諸侯(ヴォーダ)」と呼ぶ。領主の収入は、無人惑星の鉱物資源採掘権、恒星周辺における反物質燃料の生産権を利用した生産物の売却益で、さらに諸侯の場合、他星系との星間交易権の独占による商取引での利益がある。これらの「領地経営による収入」については、帝国から課税される(帝国への納税は貴族の高貴なる義務であり、中世・近世の実際のヨーロッパ貴族が免税特権を持っていたのとは逆である)。帝国に編入されたばかりの星系や、何らかの理由で領主が空位となった星系は、一時的に帝国直轄領=皇帝領となり、新たな領主が決まるまでは代官(トセール)が任ぜられる。そのため、皇帝は上記の「アブリアル伯爵」以外にも、その領地の数だけ男爵から公爵までの爵位を同時に持つ立場になることがある[3]。貴族自身が長く行方不明の場合(たとえばヴォーラーシュ伯爵など)や、特に諸侯で何らかの事情により地上世界の統治が困難または不可能である場合(たとえば取り決めにより領地内に長期滞在できないハイド伯爵など)にも、領地の近く(通常、軌道城館内)に代官が置かれる。これらの場合の代官は一時的なものではなく、比較的長期にわたり、その任に就くこととなる。貴族の子弟が爵位を継ぐには、翔士として最低10年(翔士修技生である期間を含めると13年)、星界軍へ奉職することが義務づけられている。また、領地を持っている場合、星界軍に所属している間は無給である[4]。領地を持たない貴族も存在し、むしろこちらの貴族の方が多い。本来は領地を持つ 世襲の貴族であったが、敵国の侵略などにより領地を奪われた貴族(ジントも一時的にこの立場になった)と、皇族から離籍した公子(皇帝にならなかった皇族や王族の子女)、領地を持つ貴族の子女(例として伯爵位を継ぐ前のジント・伯爵公子)、領地を持つ貴族の傍流で「公子」という爵位のみ継承する貴族、一代限りの貴族(星界軍や帝国政府で特に高い地位に達した国民、官僚、軍人などで、称号には「帝国(ルエ)〜」の後に公爵以下の爵位がつく)がある[5]。また、上記の一代限りの貴族が領地を賜って、世襲の貴族になる場合もある。例を挙げると、星界軍の翔士は、飛翔科以外の各兵科(一部を除く)の最高位である元帥になると叙爵される[6]。また、星界軍の翔士以外にも、官僚が功績を上げて貴族となる場合もある[7]。領地を持たない一代限りの貴族は、かなりの人数がおり、爵位も職位相応のもの(帝国宰相は帝国公爵など)が与えられる。だが、それが世襲の貴族になろうとする場合、受け取る領地の基準は、かなり厳しい。技術科元帥として艦政本部長官を務めても、あるいは、帝国の官僚機構の頂点である帝国宰相を務めても、受け取る領地は男爵領、特筆すべき功績を挙げても子爵領が精一杯とされる(つまり世襲の貴族となる場合、最初に与えられる領地はたいてい男爵領である)。国民ですらなかった地上人が一足飛びに貴族、しかも伯爵となった[8]ロック・リンは史上初の例である。のちにハニア連邦の一部勢力が帝国に帰順しようとした際にも、同様の処置が検討された。上記の叙爵基準から、男爵から子爵への昇格はかなり困難であると考えられる。男爵は、自領にどのような投資をしても有人惑星を持つことが不可能であるため、子爵以上に昇格するには何らかの大きな功績を挙げ、少なくとも有人惑星が持てる別星系の領主となることが必要である。子爵以上であれば、自領への投資(惑星改造、移民募集、邦国への経済的援助など)により、公爵までの上位昇格を狙うことができる。なお、貴族籍を捨てることもできる。すべての貴族特権を失い、領地は帝国へ返上となる。諸侯は約1600家で、家族を足しても2万人足らず。貴族全体では20万人ほどである。士族(リューク)皇族、貴族以外のアーヴ。一等から五等の5階級から成る「勲爵士」と呼ばれる身分を持つ。星界軍での位階との対比の目安は、以下の通り。 一等勲爵士(ラローシュ)艦長称号(サレラジュ)を受けている者。二等勲爵士(キゼー)十翔長と、副百翔長以上で艦長称号を受けていない者。三等勲爵士(ルフール)後衛翔士と前衛翔士。四等勲爵士(エナーヴ)列翼翔士。従士からたたき上げた軍士が最先任従士長から列翼翔士に昇進したら、この位置となる。五等勲爵士(リヘール)士族として生まれ、成人したがまだ翔士になっていない者(翔士修技生を含む)。提督など、より高い軍位階に達した場合は、一代限りの貴族爵位を持つ場合がある(上記)。また、星界軍に入らずとも、官僚としての功績によって国民から士族になる場合もある(貴族にまで昇進するケースもあるのは上記の通り)。ラフィールを保護した『紋章』の反帝国クラスビュール戦線のメンバーのように、領民からいきなり士族になったケースもあるが、これは「アブリアルが約束を守らないのは許されない[9]」・「領民ですら無かった地上人からいきなり貴族になった前例もある(初代ハイド伯爵に叙されたロック・リン)」として認められた特例であり、その後同様のケースが生じたかは、現時点では不明である。帝国成立時からある士族の家の祖先は根源二九氏族に連なり、「ウェフ」の姓称号を持つ。帝国成立後に士族となった家は「ボルジュ」の姓称号を持つ。なお、領地を持たないため、帝国から課税されることはない。約2500万人ほど。地上人国民(レーフ)星界軍従士や貴族の家臣などとして働く者。ただし上記の通り、功績次第では士族や世襲貴族への栄達も可能である。官僚になるアーヴが少ないこともあり、歴代の帝国宰相は地上出身者が多い。領地を持たないので、帝国から課税されることはない。約10億人。領民(ソス)地上世界(ナヘーヌ:有人惑星)で生活する者。領民政府(ソメイ・ソス)の統治下にあり、大気圏から出ない限りは完全な自治権を持つ。課税に関しては領民政府が課すものであり、帝国は関与していない。星系内のみを航行する非武装の宇宙船であれば、領主の許可があれば保有できる。約9000億人。平面宇宙航法の確立前に亜光速宇宙船を使った移民の時代がかなり長期間にわたったため、その文化や社会は実に多様である。また、アーヴに対する見解や立場も様々である。アーヴから遺伝子調整の情報を提供された領民政府も存在するが、アーヴの特色である空識覚器官(フローシュ)だけは禁止されており、空識覚器官を持つ領民は国民にすらなることはできない。なお、国民と領民は所属(帝国か領民政府)が違うというだけで、上下関係はない。個々の地上世界の詳細は星界の紋章・戦旗惑星一覧を参照。
邦国の義務[編集]

帝国貴族である諸侯の領地である有人星系、すなわち邦国(アイス)内部の有人惑星を統治する領民政府[10]には、いくつかの義務がある。
領主や帝国との交渉役である「領民代表」を選出すること。一応は邦国のトップの立場である人間が望ましいが、帝国はそこまでは干渉せず、純然たる交渉役でも構わないようである。ただし帝国の側では、領民代表を邦国のトップとみなして扱う。選出方法は、領民が認めるものであれば既存の政府主席、世襲の王、選挙、指名、籤など、何でもよい。ただし、あからさまに帝国に叛逆の意志を示す者や、何らかの理由で領主が拒否する者は認められない(領主は拒否権を持つ)。領民代表の地上世界側での呼称は自由であり、「大統領」や「首相」などは無論、「皇帝」を名乗ろうとも、帝国はそれに関与しない。独立国としての体裁を保つ目的で(帝国を外交相手である外国とみなして)「外務大臣」と称しても構わない。変わったところでは、アーヴを生体機械と定義した上で、領民代表をその「保守責任者」と称する地上世界もある。
平面宇宙航行の可否を問わず、星系間を航行できる宇宙船(メーニュ)の所有は一切禁止される。領民個人はもちろん、領民政府であっても所有は認められない[11]。ただし、星系内の航行に限定された非武装宇宙船に関しては領主の許可があれば、所有可能である。
帝国星界軍の募集事務所(バンゾール・ルドロト)の設置。領民の星界軍への参加は、強要による徴兵ではなく、本人の自由意志による志願が原則であり、領民政府や領民代表もこれを妨げてはいけない。ただし、星界軍に入隊しないようにというプロパガンダを行う程度なら黙認されている。なお、募集事務所では志願兵の受付のほか、移民を募集する他の邦国や家臣を募集する領主、帝国の官僚機構などへの人材斡旋も行う。募集事務所を通さない星系間での移民は、原則として禁止されている。
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