東方心奪録   作:Agies

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 いつも投稿が遅くなってしまい申し訳ありません。
 今回は、咲雅君が人里でなんやかんやするお話です。


第十九話

 バカ天魔(彗さん)の屋敷から我が家に帰ってきた。時間は3時を少し過ぎた頃。掃除もした。洗濯もした。本格的にすることが無くなった。つまり。暇だ。何かすることはないかな?

 

 そうだ、人里に行こう。

 

 さっきバカ天魔(彗さん)と一緒に寝なかったせいでせっかくのお団子を奢って貰う約束がパーになってしまった。よし、人里でお団子パーティーだ。

 

 

 

 

 

 

~~

 

 

 

 

 

 

 団子屋についた。さっそく団子を頼もう。

「おばちゃーん!御手洗団子6つとゴマ団子4つね~」

 

「はいよー!」

 

 

 

 

 

 

「はい、御手洗団子6つとゴマ団子4つね」

 おお、来た来た。待っていたよお団子君。僕は君を待っていたんだ。鼻腔を擽るようなほのかに甘い香り。口いっぱいに広がるゴマの芳ばしさ。いつ食べてもおいしい。いやおいしいなんて言葉じゃ表現できないこの味。うん。最高。

 

「あびゃー、うまいー」

 

「随分と腑抜けた声をだすねぇ。咲雅君?」

 俺が団子を味わっていると、緋色の髪をしたナイスバディなおねーさんが話しかけてきた。ところでなぜ俺の名前を知っているのだ。

「ん?んぐ、むぐんむんぐぐむん?」

 

「…………飲み込んでから喋りなよ……」

 

「…………んぐ。おねーさんとどこかで会ったことあるっけ?どうして俺の名前を?」

 もしやストーカーか何かという可能性もあるぞ。ここ(幻想郷)にはそういった人が多いみたいだからな。例えばあのバカ天魔(彗さん)とか。

「そんなに警戒することはないよ。ただ、いつもこの店に来て、凄い量の団子を食べてるから気になって話しかけてみただけさ」

 凄い量の団子?そんなに食べてるかな。せいぜい50個程度だろ。

「いや、50個ってかなりの量だからね」

 

「え?マジ?」

 

「うん。マジ」

 

 マジか………団子50個がかなりの量だなんて………この世界はどうなっているんだ!!

 

 ───ふざけてないでおねーさんになんで俺の名前を知っているか聞かなきゃ。

 

「おねーさん。なんで俺の名前を知ってるの?」

 

「『おねーさん』じゃなくて小町。小野塚小町だよ。気軽に小町とでも呼んでおくれ」

「それで、なんで俺の名前を?」

 

「アハハハハ」

 

 ……いや、答えろよ。なに?はぐらかそうってか?おいおい。ふざけるのも大概にしろよおねーさん。

 

「えーと……そうだ!ここのおばちゃんが君のことを咲雅君って呼んでたから名前がわかったのさ!」

 俺が怪しんでるのがわかったのか、焦った様子で答える。『そうだ!』ってなんだよ。嘘だってことがバレバレだぞ。目が泳いでる。まぁいいや。そのうちわかるだろうし。時間が解決してくれる。そんな感じがする。

 

「それじゃ、日も暮れてきたし帰ろうかな。おばちゃーん!ここにお代置いとくねー!」

 

「あれ?もう帰っちまうのかい?」

 

「あぁ、そろそろ帰らないとな。じゃあ、またどこかで。おねーさん」

 

 そう言って俺は空へと舞い上がった。こうやって人里で飛ぶと驚かれたりもしたが、今じゃそんなことはない。団子屋のおばちゃん曰く、『もうなれた』らしい。慣れって凄いね。

 それにしても今日は疲れた。妖怪の山でバカ天魔(彗さん)といろいろしたり、人里で小町さんと出会ったり。

 飛ぶ速度を少しだけ上げて一直線に家へと向かう。家に帰ったらすぐ寝よう。今日は疲れた。

 

 

 

 

 

 

~~

 

 

 

 

 

 

 私がいつもどうり人里で仕事をさぼっt………仕事の合間に一旦休憩していると、とある少年を見かけた。

 その少年は私の()上司の親戚で前にも何度か会ったことがある。だが、その少年は私のことを覚えていない。いや、私のことだけじゃない。この世界こと全てを忘れてしまっている。なぜ少年がこの世界の記憶を無くしてしまったのかはわからない。なぜ記憶を無くしてしまったのかは本人、あるいは私の()上司に聞くしかないだろう。

 今日、その本人に接触してみたがやはり、私のことは忘れているようだった。少年はどうして自分の名前を知っているのか終始疑問に感じていたようでなぜ俺の名前を知っているのだ。と聞かれたが答えるのがめんどうだったから適当にはぐらかしておいた。

 

「小町、どうでした?彼は」

 私の隣に佇む少女は私の上司だ。一見、ただの少女だが、その小さな体には強大な力を秘めていて、閻魔という職業のせいか少し説教好きな節もあるけど、かの妖怪の賢者がこの人を避けるくらいの、実は凄い人だったりする。

「案の定私のことを忘れてましたよ。まぁ、会ったのが14年くらい前で、彼も幼かったから物心がついてなかっただけかも知れませんけど……」

 

「そうですか。まぁ、彼の記憶はそんなに関係無いんですけどね」

 私の上司はおどけたように言う。

「え、そうなんですか!?」

 私が彼を観察してた意味って…………とほほ。この人が彼の記憶がどうたら~って言ってたから何かあるのかと思って彼の記憶について探ってみたけど、何の意味もなかった。

「じゃあ、長期間仕事をサボって張り込む必要なんてなかったじゃないですかー」

 

「……長期間?………仕事をサボる……?」

 小町が発言したとたんに閻魔の眉間に皺がより始める。

「あ、しまった……」

 

「……小町……!どういうことですか!長期間張り込むなんて!しかも仕事をサボって!だからこのところ送られてくる霊が少なかったんですね!私は、彼が幻想入りしたかどうか確かめなさい。って頼んだだけです!それなのになんで長期間張り込んでるですか!」

 

「ひぇぇええ、す、すいませんでしたぁっ」

 

 陽もすっかり沈み人の往来も少なくなってきた人里に二人の少女の悲鳴と怒号が木霊する。

 

 今日も人里は平和です。

 

 

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