魔法少女まどか☆マギカ クロスss/2つの風車と7つの宝石   作:がとーショコラ

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今回は少し早く投稿できました。
それと、今回、より読みやすさを追求するために少し書き方を変えました。効果があったら幸いです。
それでは、第6話その①、お楽しみください!


第6話 新たな魔法少女、誕生①

スーパー磁石イノシシとの戦いを終え、ほむら、マミ、さやか、まどかはそれぞれの自宅へと帰った。

 

-さやか宅-

さやかは頭を抱えていた。

仮面ライダーとの接触により、自らの持っていた一般常識が覆され、少なからずともショックを受けていた。

 

「志郎は自分の事をV3って言ってた。でも、コスプレって事もありえ、ないか…。なんか変な形したカラフルなバイクにぶつかっても生きてたし…。一体何が正しいんだろ…?」

 

考えれば考えるほど現実と一般常識とのギャップに悩み、混乱した。

 

「でも…」

 

しかし、もし本当に仮面ライダーというのがいるのなら

 

「恭介…」

 

彼女の想い人である人物の事を考えながら一つの可能性を考えていた。

 

 

-マミ宅-

 

マミの気分は落ち込んでいた。実は彼女自身仮面ライダーの存在を密かに信じており、それが実在することが分かってかなり喜んだ。

しかし、

 

「何で気絶してたのよ。私ったら…」

 

会える機会を自ら潰してしまい、多少後悔していた。

 

「あの時は暁美さんを守るためとはいえ、他に方法はなかったのかしら…」

 

そこまで考えてため息をつく。

 

「今度はいつ会えるのかしら…?」

 

…………コンコン…………

 

突然窓を叩く音が聞こえた。

 

「あら?」

 

その音のする方へと向く。そこにはQBがいた。

 

「QB、おかえりなさい。何だか懐かしく感じるわね。どこに行ってたの?」

 

マミに窓を開けてもらい、中へと入ってQBは答える。

 

「他に魔法少女候補の少女がいたから勧誘していたんだ。」

「そうなの」

 

マミは納得し、台所へ行ってQBへの食事を準備して渡した。

 

「ありがとうマミ」

 

QBは礼を言ってそれをモグモグ食べ始めた。

その様子を見てクスリと笑い、

 

「会いたいな…」

と呟いた。

 

 

-ほむら宅-

 

「仮面ライダー」

 

誰もいない部屋でその名を呟く。今日突然現れ、自分達を助けてくれた異形の姿をした人物。

 

「…………」

 

もう1度今日の事を思い返す。

 

(彼はきっと敵ではないない。でも、味方とも限らない)

 

仮にV3が自分達の敵になった時、果たして勝てるだろうか。

これから起こり得る最悪の事態を想像し、ほむらは憂鬱になった。

 

 

-まどか宅-

 

帰宅したまどかは何も言わずに自分の部屋へ行き、ぬいぐるみを抱きしめてボーッとしていた。

 

「仮面ライダーV3…」

 

まどかはその名を呟く。

自分が気絶している間にさやかと自分を助けてくれた戦士。彼が味方だという事はまどかには分かっていた。

なぜなら…。

 

「そうだ」

 

まどかはある事を思い立ってリビングに行き、知久と詢子の元へと行った。

 

「ねぇ、パパ、ママ」

 

「何だい、まどか?」

 

「どうしたの?」

 

知久と詢子が答える。

 

「あのね、パパとママが少年ライダー隊だった時の話を聞かせて欲しいんだけど、いい?」

 

それを聞いた2人は目を合わせ、真剣な眼差しでまどかを見つめた。

 

「どうしてそんな事を聞くんだい?」

 

知久が聞く。

 

「え、あの、その、今日学校でそういう話になって」

 

「嘘はやめな」

 

まどかが理由を言うと詢子が即座にそう言った。

 

「嘘なんて…」

 

まどかは何とか反論しようとする。しかし、

 

「あんたは嘘や隠し事があると目線を下に向けるから、分かるんだよ」

 

と、詢子が言った。

まどかは迷った。昨日今日の事を素直に言うべきかどうか。

仮に言ったとして、この2人なら自分の事を信じてくれるだろうという確信はまどかは持っていた。しかし、それを言うことで再び混乱を招くかもしれないという危惧もしていた。

 

(私、どうしたらいいんだろう…?)

 

心臓の鼓動が早くなる。

ゴクリと生唾を飲み込む。

 

「…………ら」

 

「ん?何だって?」

 

「どうしても、知りたいから」

 

「…………」

 

「私、仮面ライダーについて、知りたいの。だから、お願い」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………。ハァ」

 

とうとう詢子が折れたのかため息をついた。

 

「知久。言ってもいいかい?」

 

詢子が尋ねる。

 

「僕は君の判断に任せるよ」

 

優しい表情と共に知久はそう答えた。

 

「分かったよ」

 

そう言うと詢子はまどかの眼を見て

 

「いいか、まどか。この事は絶対に誰にも言うなよ?分かったな?」

 

と言った。

 

「うん。約束する」

まどかは力強く頷いた。

 

「よし、それじゃ話してやるよ。私達が少年ライダー隊にいた時の頃を」

 

まどかはそこから一語一句聞き逃すまいと詢子の話を聞いた。

 

 

-某所-

 

風見志郎は悩んでいた。どうやって魔法少女達と接触すればいいのか。

『ほむらちゃん』には会ったが、何から、どうやって助けるまでかは分からない。そのため、問題だけが増えていき解決するための糸口をなくしていた。

 

「どうしたらいいのやら。……ん?」

 

ふと、下を向くと1枚の広告が落ちているのが見えた。

 

「ゴミくらいちゃんとゴミ箱に捨てろよ」

 

そう広告を捨てた誰かに毒づきながら志郎はそれを拾った。

 

「これは……!」

 

その広告を読んだ時、志郎の心は歓喜に包まれた。

広告にはこう書いてあった。

 

『見滝原中学校警備員募集中』

 

「ほぅ……」

 

志郎はそれを見て、一つの考えが浮かんだ。

 

(警備員か。学校へ行くには十分な理由だな。さて)

 

志郎は広告にあった必要事項を読み、行動を開始した。

 

魔法少女まどか☆マギカ クロスSS

2つの風車と7つの宝石

 

翌日、まどかとさやかはいつも通り仁美と共に学校に登校した。しかし、昨日の事がどうしても頭の中で引っかかり、仁美の話を聞いていないことが多く、再び誤解されかけた。

それをさやかとまどかが必死で説得していると、その横を1台のバイクが通った。

普段その道ではバイクは通らないため、その光景が珍しく、少しざわついた。そのため、まどか達は一旦説得を止め、その方向を向いた。

 

「今のバイクかっこよかったね」

 

まどかが言った。

 

「確かにかっこよかったね。んにしても、どっかで見たことあるような…」

 

さやかが首を捻る。

 

「…………ですわ」

 

仁美がボソッと呟いた。

 

「ん?何だって?」

 

聞き取れなかったためか、さやかがもう一度言うように促した。

 

「GT750ですわーーーーー!!!」

 

それに応えるかのように、仁美が裏返った声で叫ぶように言った。

 

「GT750?」

 

まどかが聞く。

 

「ええ。あれはGT750という車種ですわ!!今から11年前に生産中止されたもので…」

 

そこからまどかとさやかは仁美からGT750の素晴らしさについての講義を学校に着くまで聞かされた。

 

 

 

 

「ふぅ」

 

学校に着いた志郎はヘルメットを外し、バイクから降りた。キーを掛け愛用の黒いグローブを外して用務員室へと向かった。

(…………懐かしいな)

 

志郎はすれ違った生徒達を見て、ふとそう思った。

自分の学生時代を思い出し、感傷に浸る士郎。

「ん、ここか」

 

そんな事を思っていると、目的地に着いていた。

 

「さて」

 

気合を入れ、志郎は用務員室にいる職員へと声をかけた。

 

 

 

 

教室に入って室内を見回した時、まどかはほむらがいるのを見て安心した。すると次の瞬間、さやかがまどかをトイレに誘った。

 

「どうしたの?」

 

トイレに着いた瞬間に、まどかが聞いた。

 

「あのさ、転校生のことなんだけど…」

 

「ほむらちゃんのこと?」

 

「うん。昨日はさ、V3がいてくれたからなんとかなったかもしれないけど、これからはそうはいかない」

 

「…………」

 

「だからさ、転校生と一緒に行動するべきじゃないと思う。やっぱ信用できないし…」

 

「…………どうして?」

 

「え?」

 

「どうしてそんな事言うの?なんでそんなにほむらちゃんの事を嫌ってるの?」

 

ここにきて、まどかが口を開いた。

 

「どうしてって、あいつは」

 

「QBを虐めてたから?魔法少女狩の犯人かもしれないから?」

 

「そうだけど………」

 

「何で、さやかちゃんはそんなにほむらちゃんを悪者にしたがるの?」

 

「だからあいつは……」

 

「さやかちゃん、何か変だよ……。」

 

「変って、何がさ?」

 

「どうしてほむらちゃんの話を聞かずに勝手に決め付けるの?」

 

「だって、QBが言ってたんだよ。犯人の特徴を聞いたって。黒髪の魔法少女だったって」

 

「それだけでほむらちゃんが犯人だって決めつけるの?」

 

「だから、あいつは……!」

 

さやかは再び反論しようとした。しかし、次の瞬間、まどかによって遮られたため、何も言えなくなった

 

「ほむらちゃんが本当に魔法少女狩の犯人だったら私たちを助けるはずないよ?」

 

「そうやって油断させといてから殺す作戦かもしれないじゃん」

 

「何でそんな回りくどいことする必要があるの?」

 

「…………」

 

さやかは若干イラついていた。

何故まどかは自分の言ってることを分かってくれないんだろうか。まどかの事を思って言っているのに、と。

 

「それにほむらちゃんは……」

 

「あのさ、まどか」

 

今度はまどかが止められた。

「どうしてそんなに転校生に肩入れするのさ。あいつが味方だって保証なんてどこにもないのに」

 

「どうしてって、さやかちゃん、ほむらちゃんのこと何も分かってないのに」

 

「何も分かってないのはまどかの方だよ!!」

 

『何も分かってない』という、まどかの言葉に強く反応したのか、さやかが怒鳴った。幸い廊下やトイレには人がいなかったため、誰かが来ることはなかったが、人が来てもおかしくない程響き渡った。

 

「まどかは家の周りにQBが来れないように魔法が掛けられて、何も聞いてないからそんなことが言えるんだよ!!実際、殺された魔法少女は何人もいるんだよ!それも風見野で!!あいつがあたし達と一緒にいない時に何してるかなんて分かんないじゃん!!」

 

「ふざけたこと言わないで!!」

 

今度はまどかが怒鳴った。それも、その小さな身体から出たとは思えないほどの大きな声だった。

 

「そんな事をしてなんの意味があるの!?ほむらちゃんが私達を命懸けで助けてくれたのに、それに感謝もしないで疑ってかかるの!?何でほむらちゃんとちゃんと話そうともせずに決め付けるの!?」

 

「だから何度も……」

 

そこまで言って、さやかは言うことを止めた。まどかの目に涙が溜まっていたからだ。ここで、ようやくさやかは自分の過ちを悟った。

 

「さやかちゃんなんて、もう、もう。……知らない!!」

 

そう言ってまどかはその場を走り去って行った。

 

「まどか……」

 

さやかはその場で立ち尽くし、しばらく動けずにいた。

 

 

 

 

志郎は校長室の中にいた。目の前には校長、教頭、それに加えて教育指導の教師がいた。

 

「どうぞ、腰をかけてください」

 

校長が志郎に目の前にあるパイプ椅子に座るように促した。

 

「はい。ありがとうございます」

 

志郎はハキハキとした声で答え、座った。

 

「えー、それでは面接を始めます」

 

教頭のこの言葉を皮切りに、志郎への質問が始まった。

 

「えー、ではまず、名前と年齢、職歴を教えてください」

 

「風見志郎です。40歳です。8年前まで立花藤兵衛のもとで共に運動器具店を経営していました。それと同時にレーサーとして活動をしてました」

 

「昨年までは何をなさっていましたか?」

 

「BADANの攻撃によって破壊された街の復旧に力を入れていました」

 

「なぜこの仕事をしようと思ったんですか?」

 

「自分の担当した場所の復旧がある程度終わったので、これからは人の役に立つ仕事がしたいと考えていて、その時にここの広告を見て決心しました」

 

「では、最後に。仮に凶器を持った男が学校に侵入してきた場合、あなたはどうしますか?」

 

「生徒たちの誘導は先生方に任せて、自分が盾になります」

 

「あなたは何か格闘技か何かの経験がありますか?」

 

「いいえ。ですが、器械体操をやっていたため身のこなしには自信があります」

 

「……。分かりました。面接はこれで終わります。お疲れ様でした。結果は2時間後にお知らせします。広告にあったように合格だった場合、本日の午後から勤務をしていただくので、お願いします」

 

「はい」

 

こうして、志郎の面接は終わった。そして2時間後、採用の知らせが来た。

 

 

 

 

昼休みの時、まどかは3年棟に来ていた。マミに会うためだ。

 

「えっと、マミさんのクラスは…、ここだ」

 

マミの教室のまえに立ち止まるまどか。

 

「あ、あの、すみません。マ、巴先輩っていらっしゃいますか?」

 

ドアの近くにいた女生徒へと声をかけるまどか。

 

「巴さん?んっとねー。あ、いたいた。あそこだよ」

 

そう言って、その生徒はある方向へと指をさした。そこにはクラスメイト数人と談笑しているマミの姿があった。

 

「ありがとうございます」

 

まどかは礼を言って頭を下げ、マミの元へと向かった。

 

「あ、あの、マミ、さん」

 

おずおずと話しかけるまどか。

 

「あら、鹿目さん?どうしたの?」

 

「あの、その……」

 

マミはまどかの様子を見て異変を感じ取ったのか、周りの生徒に断ってまどかを屋上に連れて行った。

 

 

 

 

「で、どうしたのかしら?」

 

屋上に着いた瞬間、ドアを閉めたマミがまどかに聞いた。

 

「あの、実は……」

 

まどかは朝のことを話した。そして、それが原因で今日1日もさやかと話していないことも言った。

 

「私、間違えちゃったんですか?」

 

全てを話し終え、最後にまどかが涙を腫らしながら聞いた。

 

「そうね………」

 

マミは何かを考える仕草をした。

数分経って、マミはその口を開いた。

 

「美樹さんは少し思い込みが激しい所があるものね…。でも、鹿目さんも分かってると思うけどあの娘も悪気があるわけじゃないのよ?」

 

「………はい」

 

「美樹さんが悪いわけじゃない。当然、鹿目さんも悪くない。それじゃあ、誰が悪いか分かる?」

 

「……誰も悪くないです」

 

「そう。あのね、鹿目さん。友達である以上衝突してしまうのは仕方ないことなの。大事なのはそれをどうやって決着を付けるか。どうすればいいのか、納得のいく形を探すの」

 

「納得のいく形……」

 

「そう。それはとても難しいことよ。でも、一番大切な事でもあるの」

 

「はい」

 

「頑張ってね、鹿目さん。貴女ならできるわ」

 

「ありがとうございます、マミさん」

 

まどかはそう言って頭を下げた。

マミはニコリとして、ええ、と答えた。

 

「私、さやかちゃんの所に行ってきます!」

 

まどかはそう言って屋内に入ろうとした。

しかし、

 

「あ、待って!鹿目さん!!」

 

とマミが引き留めた。

何ですか、と言いながらマミの方を振り向くまどか。

 

「今日から魔法少女体験講座は終了よ」

 

マミはそう言った。

 

「え……?」

 

何を言っているのか分からないといった風に聞くまどか。

 

「貴女達みたいに、普通の女の子にあんな危険な目に合わせるわけにはいかないもの」

 

と、マミは優しく微笑みながら言った。

まどかはただ、何も言わず、深々と頭を下げて屋内へと入った。

 

 

 

 

「はぁ………」

 

さやかは見滝原のとあるデパートのエスカレーターでため息を吐いた。

彼女は昼休みになってすぐに荷物をまとめ、学校から抜け出していた。

 

「何やってんだろ、あたし…」

 

朝のことが思い出される。さやかはそのことについてずっと後悔していた。

 

「まどかの言い分だって分かってたのに……」

 

気分が憂鬱のまま、さやかは当てもなくデパート内を彷徨った。すると、ふと1枚のCDケースが目に入った。

 

「恭介………」

 

ふと、想い人の名を呟くさやか。

本来ならこんな気分で想い人の事を考えるさやかではないが、彼女の知らない所で精神的に疲労が溜まっていたのか、無意識のうちに現実逃避していた。

 

「そうだ、夕方、恭介のところに行こう」

 

 

 

 

-某所-

 

2人の少女が小さな椅子に座っていた。彼女達はカップに注がれた紅茶とクッキーを楽しみがら今後の事を話していた。

 

「予定通り?」

 

「ええ。仮面ライダーもQBも、私の見た通りに動いてくれているわ」

 

「それじゃあ今度志郎に会うのは」

 

「2週間以内に会うわ。それも、敵として」

 

すると、その内の一人がクスリと笑って

 

「でも、可哀想だよねぇ。私達のコンビネーションに勝てるわけないのに」

 

と言った。

 

するともう一人は、ええ、と言って、紅茶を飲み干した。

 

「ねぇ、今日はあと何人救えばいい?」

 

その様子を見た少女が尋ねる。

 

「そうね。あと3人といったところかしら。できる?」

 

「当然!!君のためなら、たとえ火の中、水の中、草の中、どこにだって行くし、どこまでもついていくよ!!」

 

「そう。でも、無理はしないでね?」

 

「分かってるさ。もう、心配性だなぁ、織莉子は」

 

「そうさせてるのは貴女でしょ?キリカ」

 

二人の少女-織莉子とキリカ-はクスクスと笑った。




ありがとうございました!
さやかちゃん、いい具合に病んできてますね。
これが後の話にどう影響してくるのか……。
病んでる娘ってなんかいいよね…?
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