魔法少女まどか☆マギカ クロスss/2つの風車と7つの宝石   作:がとーショコラ

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タイトル詐欺です。すみません。あと、1話に比べてめちゃくちゃ長いです。にしても文章書くのって楽しいけど難しい。


第2話 風見志郎、見滝原へ行く

ここは見滝原市のとある建物の地下室。薄暗く、不気味さが漂っていた。また、その部屋の壁の中央には蠍をモチーフにしたマークが描かれていた。さらに、そこに集まっている者の多くは人とは遠く離れた姿をしており、全体的な数は50程で、その中の半分ほどが赤の尖った細く長い帽子をかぶり、服装も赤のマントを羽織っていた。

全ての怪人が列をなして、ただ一方向を見て跪いていた。その視線の先には一人の中年の男ー2mを超える巨体で、民族衣装のような者を着ているーがいた。

その男が右手をゆっくりとあげる。すると、そこにいた全員が

 

「「「「デ〜ストロ〜ン、デ〜ストロ〜ン、デ〜〜ストロ〜〜ン!」」」」

 

と声を合わせて唸った。

その後、その男がゆっくりとした口調で話し始める。

 

「偉大なる大首領様がいなくなった今、我ら『ネクスト・デストロン』こそがその悲願を達成するしなければならない。これまでは忌々しき仮面ライダーのせいで行動できずにいたが、今奴らは世界中に散っている。ここ、日本にいる仮面ライダーはV3のみ。そして、日本全国を飛び回っている彼奴に我らの存在が知られる可能性は限りなくゼロに近い。で、あればここ日本を拠点に世界を征服することも・・・・・何事だ!?」

 

その男の言葉は遮られた。なぜなら、一人の戦闘員が駆け足で入室してきたからだ。

その戦闘員はよほど急いで来たのか、肩で息をしており、その男の質問には答えることができずにいた。

 

「何事だと聞いている!!」

 

しびれを切らしたのか男は怒鳴った。戦闘員は一度大きく息を吸ってからこの部屋にいる者全てに聞こえるような大きな声でとあることを伝えた。

 

「き、緊急連絡です!風見志郎が現在、見滝原市に向かっているとのこと!監視員によるとサイタンクを倒した後、何かしらの通信をしていたとのことです!!」

「その通信の内容とは!?」

「分かりません!!ただ、見滝原という単語を呟いていました!!」

 

直後、戦闘員の頭が胴体と離れた。

 

「こぉ〜〜〜の役立たずがぁ!!それを探るのが貴様らの仕事だろうが!!」

 

倒れた胴体をぐちゃぐちゃに踏みつけながら怒りをぶつける男。

戦闘員は無残にも原型をとどめないほど破壊された。

 

「ハッ!いかんいかん。落ち着かなければ。今はこんな事をしている場合ではない」

 

何十発踏んだのかは定かではないが、ようやく理性を取り戻したようで、咳払いをしながら足を退けた。

 

「さて、醜いところを見せたな。風見志郎、奴がここに来るという情報は間違いないだろう。なれば、作戦を早めるしかあるまい」

 

ふむといった顔で数秒思案した後、顔を上げ大きな声を出し、

 

「磁石イノシシ!マシンガンスネーク!!」

 

2体の怪人を指名した。

直後、跪いている中から2つの影が立ち上がった。

その2つに光が当てられ、その姿が露わになる。一つは人型のイノシシ。しかし、その左手にはu字磁石を2つ組み合わせたような物を付けていた。対してもう一方は頭部は蛇、胴体は人間で、右手マシンガンがついているマシンガンスネーク。

 

「アドミ・Σ、我らの仕事は?」

 

男ーアドミ・Σーに磁石イノシシが聞いた。

 

「それを説明する前に呼ぶ奴がいる。ハサミジャガー、あいつを呼んでこい」

 

指名されたハサミジャガーー赤い顔の人型をしたジャガーで、両腕がハサミとなっているーは部屋から出て行った。

数分後、ハサミジャガーは戻ってきた。その肩には一匹の白い獣が乗っていた。

 

「どうしたんだいΣ?僕に何か用かな?」

 

その獣が口を動かさずに感情を感じさせない声で話すと、Σは頷いて、

 

「作戦を早める必要が出た。マシンガンスネークは風見志郎の暗殺に。貴様には磁石イノシシと共に今日中にターゲットに会ってもらう。分かったな?」

「やれやれ、だいぶ急だね。何かあったのかい?」

「貴様は知らなくてもいいことだ」

 

そう言い終わるとΣは部屋の出口へと向かった。

 

「全く、訳がわからないよ。君のその言動は何かを恐れている時の人間と同じものだね。最早人間ではないはずの君がどうしてそんなことを…」

その獣の台詞はそこで途切れた。Σが指先から放った針が頭を貫通させ、その後爆散させたためだ。

 

「無駄口を叩くな。我の言った通りに行動すればいいのだ」

 

そう言って部屋を出たΣ。それに続き怪人達もぞろぞろと部屋を出て行った。

誰もいなくなった部屋ー正確にはその獣の肉片があるのだがーに声が響いた。

 

「酷いじゃないか。事実を言っただけで殺すなんて。でも、これではっきりしたよ。ネクスト・デストロン、君たちはやはり僕達に利用される立場だ。僕達が利用さるのではなくね…」

 

魔法少女まどか☆マギカ クロスss

2つの風車と7つの宝石

 

場所は変わって、見滝原市市内。ここはかつて未だにBADAN侵攻の時の傷跡は深く残っており、まだいくつもの建物が再建されないでいた。現在再建されたのは、学校や病院、図書館などの公共施設に加え、一部の大型デパートや富裕層の家ばかりで、基本的には仮設住宅に住んでいる。また、一部ではあるがその被害を避けた家も所々あった。

その中にある、市内で最も大きな中学校、見滝原中学校のとある2年の教室で事は起きていた。

 

「今日は皆さんに大事なお話があります!目玉焼きとは固焼きですか!?それとも半熟ですか!?はい、中沢君!!」

 

このクラスの担任教師である早乙女和子が朝の会の開始と同時にヒステリックな声を出して早口でこのようなことを話し始めたのだ。これは、和子が彼氏に振られた時にする恒例行事のようなもので、生徒達はまたダメだったのかと同情の視線を送っていた。また、中沢はそういうときには常に指名されており、彼に注がれる同情の視線も少なくはなかった。

 

「え、えっと・・・。どっちでもいいんじゃないかと・・・」

 

おっかなびっくりといった感じで答える中沢。

 

「その通り!どっちでもよろしい!!たかが卵の焼き加減で女の魅力が決まると思ったら大間違いです!!女子の皆さんはくれぐれも半熟じゃなきゃ食べられな〜いとか抜かす男とは交際しないように!!そして、男子の皆さんは絶対に卵の焼き加減にケチをつけるような大人にならないこと!!」

 

ここまで一気に話したかと思うと、次はおちついた口調で話し始めた。

 

「コッホン。ハイ、それでは今日は皆さんに転校生を紹介します。暁美さん、いらっしゃ〜い」

 

そっちが後回しかよと女生徒が言ったのとほぼ同じタイミングで暁美と呼ばれた女生徒は入室した。

瞬間、小さな歓声があがる。それほどその暁美という生徒は美しかった。すらっとしたボディライン、長くなびく黒髪、強い意志を込めた瞳をしていた。

 

「暁美、ほむらです。よろしくお願いします」

 

スラスラと黒板に名前を書き、簡単な自己紹介をすませたほむらは自分の席とされている場所に座った。クラスメイト全員の視線が集まる中、ほむらはただ一人の少女を見つめていた。

朝の会が終わった後の放課。ほむらはクラスの女子から質問責めにあっていた。それに対して大したリアクションもせずに返すほむら。授業が始まるまで続くと思われていたが、それは叶わなかった。なぜならほむらが

 

「・・・ごめんなさい。ちょっと緊張しちゃったみたいで気分が悪くて・・・。保健室に行かせてもらえるかしら」

 

と言ったからだ。

だったら私が、と他の生徒がいう中、ほむらはそれを係りの人にお願いするからと言って拒否し、その場を離れた。

そして、机に座っいる、青い短髪の少女と緑のウェーブのかかったセミロングの少女と話していた、ピンクのツインテールをピンクのリボンで結んだ少女のもとへと近づいた。

 

「鹿目まどか、あなたがこのクラスの保険係よね?」

「ふぇ?」

「連れてってもらえるかしら?保健室に。」

 

まどかはほむらと話したことは当然ない。それに自分が保険係だというとこは伝えてなかったので、戸惑った。

 

「あっ、えと、保健室は・・・」

 

が、転校してきたばかりのほむらを不安にさせてはいけない。そう思ったまどかは保健室に行くために案内を始めた。しかし、その決意虚しく、

 

「保健室はこっちよね?」

 

とほむらが言って勝手に進んでしまった。だがある事に気付いたまどかは声をかけた。

 

「あ、暁美さん、そっちは、違うよ?保健室はこっちだよ?」

 

ピタリ。ほむらが止まりくるりと振り向いた。その顔は耳まで赤く、とても恥ずかしそうだった。

 

(あ、かわいい)

 

まどかの中でほむらの印象が変わった。

目的地である保健室についた後もほむらの失敗は続いた。

 

「たしか、体温計はこの棚よね」

「違うよ。こっちだよ」

「記入用紙はここよね」

「こっちだよ」

「た、たしか薬は・・・」

「うん、それも違うよ。こっちだね」

 

ほむらは撃沈した。

薬を飲んだ後、2人でベッドに腰掛け、何も語らずに時間だけが過ぎていった。

 

「そ、そうだ。鹿目まどか、あなたに聞きたい事があるわ」

 

なんとかして気分を落ち着かせてからほむらは口を開く。

 

「な、何?暁美さん?」

「ほむらでいいわ」

「どうしたの、ほむらちゃん?」

 

スーッと息を吸い、伝えたい事を言い始める。

 

「鹿目まどか、あなたは自分の人生が尊いと思う?家族や友達を大切にしてる?」

「え、と、私は、大切だよ。家族も。友達のみんなも。大好きで、とっても大切な人達だよ」

 

突然の質問に戸惑いながら答えるまどか。

 

「本当に?」

 

ほむらが念を押すように聞く。

 

「本当だよ!嘘なわけないよ!」

 

先ほどとは違い、強く返すまどか。

 

「そう・・・。もしそれが本当なら、絶対に今と違う自分になろうなんて思わないことね。」

 

ここまで言ったほむらはもう一度深く息を吸い、より強い意志のこもった目でまどかを見つめ、

 

「さもなくば、全てを失う事になる。」

 

そう言った。

その日、ほむらは早退した。体調不良のため、という理由で。真実を何となく察しているまどかは複雑な表情をしていた。

 

(ドジなほむらちゃんと真面目なほむらちゃん。どっちが本当のほむらちゃんなんだろう?)

放課後、まどかは親友の美樹さやかー青髪の短髪の少女ーと志築仁美ー緑のウェーブのかかったセミロングの少女ーと共にデパート内のハンバーガーショップに来ていた。そこでまどかは保健室でのほむらとの出来事を話した。すると、

 

「ギャハハハハハ!!ドジっ娘かと思いきや真の姿はサイコな電波さん!!どんなキャラ立てだよそれ〜!!」

 

さやかが品のない笑い声を出しながら腹を抱えた。対する仁美はお嬢様なためか口を押さえてクスクスと笑っている。

 

「ふぅ〜、それにしてもあんたら、本当に会ったことないの?なんかあの転校生、まどかにガン付けてたじゃん?」

 

笑い終えたさやかが聞く。

 

「う〜ん、現実じゃありえないんだけど…」

「現実じゃないところであってたってこと?」

「夢の中で会ったような…」

 

それを聞いた瞬間、さやかは先ほど以上に笑った。仁美もやはり口を押さえてだが、声を上げて笑っていた。

 

「うぅ〜、酷いよ〜」

 

実際、まどかは前日の夜にほむらに会った夢を見た。その夢では何か巨大なものが街を破壊しており、ほむらはそれと闘っていた。それが何なのかは分からないが、彼女はとても悲しそうな顔をしていたことだけは強く印象に残っていた。

 

「ひ〜〜、もうあんたら確定だ!前世から結ばれた仲なんだよ!」

 

抱腹絶倒するさやか。恥ずかしさで涙目になるまどか。すると、

 

「もしかしたらまどかさんたちは本当にどこかで会っているのかもしれませんよ?1度会った体験が深層心理に刻まれていたのかもしれませんね」

 

と、仁美がフォローした。

 

「いや、それどんな偶然だよ!」

 

そう言い返しながらなお笑い続けているさやかに対して

 

「あら、前世説よりは有効だと思いますわよ。」

 

と返した。

直後、腕時計を確認する仁美。そこである事に気付いきのかいそいそと帰る支度を始める。

 

「あれ、仁美?今日もボランティア?」

「ええ。親がいい経験になるからってうるさいんですの。全く、受験も近いというのに。」

 

ふぅ、といった感じに頬に手を当てる仁美。

 

「カーーッ!さすがお嬢様!一般庶民に生まれてよかったわ」

 

赤の他人がこの言葉を聞いたらしかめっ面をするだろうが、これにはさやかの仁美に対する嫌味は全くこもっておらず、むしろ親友であるからこそ思った事が言える。そして、仁美自身もそれを自覚しているからこそニコリと笑顔を返した。

 

「それでは皆さん、御機嫌よう」

 

上品に浅いお辞儀をして小走りに去った。

 

「んねぇ、まどか。この後時間ある?」

「大丈夫だけど、どうしたの?」

「いや〜、実は寄りたいところがあってさ。」

 

照れくさそうに笑うさやか。それに対しまどかは意地の悪い顔をして、「上条君?」と聞いた。

 

「うん。ちょっとね。CDを買ってやろっかなって。」

「いいよ。それにしても上条君は羨ましいよ。さやかちゃんにこんなに愛されて。」

「バッ!!違うよ!私と恭介はそんなんじゃないって!!」

 

顔を真っ赤にして否定するさやか。そんな姿にまどかはほっこりした。

CDショップに着いた2人は別々の行動をした。さやかは上条に買うためにクラシックコーナーに行き、まどかは演歌コーナーに行った。

“助けて”

「ふぇ?」

 

それは急に聞こえた。ヘッドホンを耳に当て、試聴していたまどかの脳内に声が響いた。

 

“助けて、僕を助けて。まどか!!”

 

助けなきゃ。そう思ったまどかは走ってCDショップを出た。

 

「え?ちょっと?まどか!?どこ行くの!?」

 

そこへちょうど会計を済ませたさやかがその後を追った。

2人は近くの廃ビルに来ていた。ここはまだ復旧が終わってなく、倒壊しかけていて非常に危険な場所であったがまどかには関係なかった。

 

「ねぇ、まどか。あんたどったの?急に」

 

後に来たさやかが聞く。

 

「助けてって声が聞こえたの。多分この辺」

「多分てあんた、ここ廃ビルだよ?」

「うん。分かってる。でも、行かなきゃ。まだ聞こえるもん。助けてって」

 

そう言ってビルの中へ走って入るまどか。

 

「あ、ちょっと!ねぇ、まどかぁ!」

 

そう言ってさやかは後を追いかけた。

 

______________________

 

場所は再び変わって人気のない道路。志郎は山道を走っていた。

 

(やはり、俺を見張っている)

 

サイタンクを倒してから感じ続けている視線。それを確かめるためにこの道を走っていた。

 

(まさか、BADANの残党がいるのか?)

 

志郎の予想は半分当たっていて半分外れていた。

 

(ダブルタイフーンを出しておくか)

 

そう思った志郎はベルトーダブルタイフーンーを出した。このダブルタイフーンは普段は体内に存在するが、志郎が戦闘の準備をしたり、変身シークエンスをとった時に体外に出るシステムを持っている。

ギュルルルルルルルル・・・・・!

風圧を受けて回るダブルタイフーンの2つの風車。そこで生成したエネルギーを志郎に送っていた。

 

(さて、これでいつでも変身できるようになった。来るか?)

 

そんな志郎を狙う影が一つ。マシンガンスネーク。彼は森の中その手にあるマシンガンと燃料のたっぷり入った一斗缶を抱えて待っていた。

 

「早く来い風車志郎。殺してや・・・来た!」

 

眼を凝らすマシンガンスネーク。その目の中にはGT750を駆る志郎の姿があった。

 

「風見志郎、これで終わりだ!!」

 

そう言ってマシンガンスネークは一斗缶を志郎の目の前に放り投げ、弾を3発撃った。

ドゴォォォォォン・・・!!

大きな爆発が起き、その中に志郎は巻き込まれた。

 

______________________

 

ほぼ同時刻、まどか達は傷ついたぬいぐるみのような白い生物を抱き抱えて、一人のほむらと対峙していた。

まどか達がその生物を発見した後に物陰から現れたほむらはそれを渡すように要求した。しかし、右手に拳銃を握っており、また、左手の前腕には円盤のような物が付いていて、服装も制服とは異なっていてまるでコスプレをしたような格好をしていたため、拒否した。

 

「そいつを渡しなさい」

 

ゆっくりと歩を進めながらほむらは言った。

 

「だ、だめだよ!この子怪我してるんだよ!?何でこんな酷いことするの!?」

 

まどかが返す。

 

「あなたには関係ない事よ」

「関係なくなんてないよ!!私、この子に助けてって言われたの!!」

「それに、何だよあんた!どれだけキャラ立てすれば気がすむんだよ!」

「別にキャラ立てしてるつもりはないわ。それにあなた達は・・・。」

 

そこまで言ってほむらは何かに気付き後ろを振り向いた。

 

「ほ、ほむらちゃん?」

 

彼女の不可解な行動に疑問を持つまどか。

 

「あなた達は今すぐ逃げなさい」

「え?」

「早く逃げなさい!!」

 

そう言われて始めて行動し始めたのはさやかだった。彼女はまどかの手をとりその場を走り去った。

 

「ふぅ。で、そろそろ出てきたらどうなの?」

 

その声に反応するかのように周りの空間が曲がっていった。時間にしてほんの数秒。それだけの時間で彼女のいた場所はメルヘンチックなものへと変わった。ほむらは白い綿のような頭にヒゲを生やし、芋虫のような体に蝶々のような足をした生物に囲まれた。

 

「こんな時にっ!」

 

苛ついた様子でその手にある拳銃を正確に撃ち抜いていった。

その頃、まどか達もまた、同じような空間に巻き込まれていた。

 

「な、何ここ?ねぇ、私たち変な夢でも見てるんだよね!?ねぇ!まどか!!」

 

さやかが怯えたような声を出す。‘それら’はまるで、狩りが成功した民族のそうな踊りししている。

このままでは、待っているのは間違いなく、死。

まどかとさやかの本能がそれを伝えた。

何体かが襲いかかる。

 

「イヤァァァァァァァァ!!!」

「キャァァァァァァァァ!!!」

 

2人の悲鳴が重なった。

次の瞬間、まどかとさやかの周りに円形の光が現れた。それは一気に広がり、周囲を照らすだけではなく、まるでバリアーのように‘それら’を弾いていった。

 

「危なかったわね。でも、もう大丈夫よ」

 

後方で聞こえる暖かく、優しい声。

振り向くとそこには美しい金髪を縦ロールにして花形のヘアアクセサリーを付けた少女がいた。

「あ、あの…。あ、あなたは」

 

おずおずとした様子でまどかが話しかける。

 

「そうそう。自己紹介しないとね。でも、その前にちょっと一仕事片付けちゃっていいかしら?」

 

そう言うとその金髪の少女の体は黄色の光に包まれた。それが収まると、そこにはブラウスとスカートにベレー帽やコルセットを組み合わせた服装をした少女が立っていた。

その少女は次々とマスケット銃を取り出し‘それら’を僅か数秒で全滅させた。

すると、メルヘンチックだった空間が元に戻り、先ほど彼女達のいた廃ビルの中になった。

 

「あなた達、大丈夫かしら?」

 

変身を解いた少女が近づいてくる。

 

「はい。あの、ありがとうございます」

「フフッ。いいのよ、気にしなくて。私の名前は巴マミ。あなた達は?」

「美樹さやか」

「鹿目まどかです」

 

マミはふと、視線をまどかの手の中へと移す。

 

「あら?QB(キューベー)を助けてくれたのね?ありがとう。その子は私の大事な友達なの」

そう言ってまどかの手からQBを受け取った。マミの腕に抱かれたQBは目を細め、安心したような顔をした。

 

「ごめんなさい。本当は色々教えたいんだけど、まずはこの子を治してあげたいから。2人とも、少し離れ・・・あら?」

 

最後に何かに気付いたのか、周りを見回すマミ。そして、ただ一点のみを見つめ始めた。

 

「そこにいるのは分かっているわ。出てきなさい」

 

キッとした目つきと怒気のこもった声を出し、陰に隠れているであろう‘何か’に言った。

 

「シャシャシャシャシャシャシャシャシャ!シャシャー!!よく気づいたな、魔法少女、巴マミ!!俺はデスト・・・いや、ネクスト・デストロンの怪人、磁石イノシシ!!このスーパー磁石で貴様とそこにいるガキ2人をあの世に送ってくれるわ!!」

 

そこから出てきた磁石イノシシと数体の戦闘員の姿を見て、まどかとさやかは体が震え始め、マミは瞳孔が大きく開き、硬直した。

 

「シャシャー!どうやらベテランの魔法少女と言っても心は人間。怪人のことが怖いようだな!!ならばその恐怖のまま死ね!くらえ!!必殺!イノシシ・ダーッシュ!!」

 

そう言って磁石イノシシは3人に向かって猛スピードで走り出した。

つづく




怪人に遭遇した巴マミ、鹿目まどか、美樹さやかの3人。彼女達に絶対絶命のピンチが訪れる!そして、マシンガンスネークと対峙する仮面ライダーV3。強化改造を施されたマシンガンスネークの特殊能力に苦しむV3に勝ち目はあるのか!?次回「少女達と男の邂逅」、御期待ください。
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