魔法少女まどか☆マギカ クロスss/2つの風車と7つの宝石 作:がとーショコラ
今回は予告通りV3には2回戦ってもらいます。
それと、オリジナルの魔女が登場します。出来るだけその姿形が分かるように書いたつもりですが、わかりにくかったらスミマセンm(_ _)m。
それでは、お楽しみください!!
「!奴ら、一体何を!?」
V3ホッパーから送られてきた映像には、廃ビルに爆弾を運ぶ戦闘員とそれを指示する磁石イノシシの姿があった。そして、そこへ向かって走っている2人の少女がいた。
「北西20kmか。よし」
GT750に乗り、その場所へと向かう志郎。
タイムリミットまであと……。
魔法少女まどか☆マギカ クロスSS
2つの風車と7つの宝石
志郎はフルスロットルで現場に向かっていた。変身してハリケーンに乗った方が速いが、そうしないのには理由があった。
〜〜〜〜〜〜〜
『BADAN』との戦いに勝利して事で、仮面ライダーの事が世界中に知れ渡った。それにより、仮面ライダーを新たな脅威としてみなし、彼らの排除を望む者や、彼らを戦力として取り入れようとする国や組織が数多く現れ、少なからず心と体に傷を負った。
『何の為に自分達は戦ってきたのか。』
彼らの誰もがそう思いながら、隠れて暮らしていく中、とある出来事が起きた。
突如、世界各地で大きな光の柱が現れたのだ。それがあったのは5分にも満たない時間で、すぐに消えたが人々に大きな変化をもたらしていた。
[BADANを倒したのはSPIRITS部隊だが、仮面ライダーという奴らも貢献したらしい]
それまでは確かに人々の記憶にあった仮面ライダーという存在が都市伝説化され、誰もが存在を信じなくなっていたーとは言っても、元少年ライダー隊のメンバーや立花藤兵衛のように、長年仮面ライダーと共に戦ってきた人物に関しては、最初こそは他の人同様になっていたが、本郷や一文字、風見の姿を見て思い出したー。
それからは極力人前では変身せず、かつ人前でその姿を見せない事を徹底し生きてきた。
〜〜〜〜〜〜〜
(間に合えよ…!)
焦る気持ちを抑え、現場へと向かう志郎。しかし、20分経過しても目的地にはつけなかった。
「ッ!!」
そこである事に気付いた志郎はGT750を停め、一旦降りた。
周りを確認し、ある事を確認する。
「ここは、さっき通ったな。だが、あそこまでは一本道だったはず。迷うはずがない」
そこで、志郎はV3ホッパーを飛ばした。が、本来であれば上空500mまで上がるはずのホッパーが“何か”に当たり、落ちてきた。
驚いた志郎は空を見上げる。しかし、当然の事ながら彼の目には雲ひとつない空があった。
「どういう事だ?」
体内にある時計で時間を確認する志郎。それは16時を指していた。
(今は秋。この時間でこれだけ明るいのはありえない。と、なれば)
ここで、志郎は自分の経験と現状からある答えを導き出した。
「しまった、やられたな」
磁石イノシシに意識を奪われていた自分を呪いつつ呟いた。
「魔女の結界にハマったか…!」
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あれから10分ほど、志郎はバイクを走らせながら魔女を捜していた。だが、その景色は先日のような奇妙なものではなく、時間と明るさは一致しないが、普通に見えた。
(魔女を倒す事が出来ればこの結界から出られる)
それは分かっていた。が、肝心の魔女が見つからなかった。
(クソッ!このままだと…)
間に合わない。
朝の事が頭の中でチラつき、余計志郎を焦らせた。
「ん?なんだ?今、景色が歪んだ…?」
ふと、空間の一部が歪んでいる事に気付く。
(魔女が、出るか…?)
緊張が走り、ベルトを出して両手を水平に上げた。
突如、歪みが大きくなり、一つの大きな穴となった。
「……」
眼を凝らし、見つめる志郎。次の瞬間、その穴から2人の少女ー一人は青い短髪で、もう一人はピンクのツインテールをピンクのリボンで結んでいたーが仰向けの状態で放り投げられた。
「おい、大丈夫か!?」
突然の事に驚きながらもバイクから降り、少女達の元へと駆けつける。
二人の少女は気を失っているだけで、目立った外傷は無かった。
「………………」
息を殺しながら2人の胸へと耳を近づける志郎。
「………………」
数秒後、心臓の鼓動も正常であることを確認した志郎は耳を離した。
「不幸中の幸い、か」
誰にも言うわけでもなく、志郎は呟いた。
確かに彼女達が生きていること自体は幸運で、志郎も喜ぶところだった。しかし、状況が状況なだけに素直にはそうできなかった。
(この子達が早く目を覚ましてくれればいいんだが…)
そう思いながらもう1度V3ホッパーを飛ばす志郎。しかし、やはり上空で“何か”に当たって落ちてきた。
焦りが募る志郎。目を瞑り状況を整理しつつ今打てる最良の1手を導き出した。
___________
あれから更に10分。志郎は青髪の少女をおぶり、ピンクの髪の少女をGT750の座席に寝かせて歩いていた。志郎のGT750は改造されており、彼の脳波である程度操縦できるようになっているため、このように対応した。
「魔女が出てくる様子もない。使い魔もいない。この子達が目を覚ます様子もない。怪人もいない、か」
依然として変わらない状況に多少の苛つきを覚えつつ歩く志郎。
もう暫くはこれが続くかと思われた。しかし、
「んん…」
志郎の背中から声と何かガサガサと動いた。
「うん?」
志郎は足をとめ、首を捻って後ろを見た。すると、至近距離に青髪の少女の顔が現れた。
「うわっ!?」
「んっ!」
互いに驚いた声を出す。
「は、離せっ!!このっっ!」
「落ち着け。俺は敵じゃない」
「この!ロリコン!!」
「俺はロリコンじゃない」
「早く離せ!!」
話が通じない。
そう思いため息を吐きながら少女を下ろした。
「このロリコン!なにした!!?」
青髪の少女が噛み付くが、志郎はそれを無視してピンクの髪の少女の容態を見た。それを見た青髪の少女は青筋を立てて志郎に殴りかかった。
しかし、それを見向きもせずに志郎はかわし、青髪の少女はバランスを崩して地面に激突した。
「いった〜」
青髪の少女は頬から血を流していた。しかし、それを気にもせずなお、志郎に攻撃をしようとした。
「おい」
それを見かねた志郎が声を出す。
「いいかげんにしろ。今君と争ってる暇はないんだ。すまないが後にしてくれないか」
「だったらまどかを離せ!!」
少女が叫ぶ。
「まどかとは、この子のことか?」
志郎がピンクの髪の少女を見て言った。
「そうだ!まどかをさっさと返せ!」
「悪いが、それはできない相談だ。この子は気を失っている。今はきみに引き渡せない」
「………」
「………。信じれないかもしれないが、俺は君たちの味方だ。害を加えるつもりもない」
「………。本当?」
青髪の少女は訝しげに聞く。
「俺を信じろ」
志郎は出来るだけ力強く言った。
するとその少女は、分かった、と一言だけ言い警戒はしつつも攻撃するのを止めた。
その後、志郎は青髪の少女の名前が“美樹さやか”だという事を聞き出し、互いに持っている情報を交換した-とはいってもほとんど志郎が話す側で、さやかは殆ど何も喋らなかった-。
「それと、今いる所について話す。信じられないと思うが、聞いてくれ」
志郎が喋る。
「………。分かったわよ」
「実はな、俺たちは今、魔女の結界という所にいる」
「魔女の結界!!?」
さやかが大きく反応した。
「知っているのか?」
「あ、えと…」
「知っているようだな」
「そういう志郎は何で知ってんのさ?」
さやかが尋ねる。
「この前戦ったからだ」
「はぁ!?」
予想外の答えにさやかは驚いた。
志郎はどこからどう見ても20代後半の男だったからだ。
(魔法少女っておっさんでもなれるの!?それって何?魔法少女じゃなくて魔法壮年?)
などと見当違いなことを考えていた。
「そういえば、お前たちはどうやって魔女の結界に入ったんだ?」
志郎が聞いた。
「分かんない。ただ、まどかに向かって何か黒い玉が来たから危ないって思って、守ろうとしたら気を失って」
「そうか…」
(何か分かればよかったんだが)
落胆する気持ちを隠せずに、志郎はため息をついた。
が、そのような憂鬱な気分を消す出来事が、次の瞬間に起きた。
「!?」
自分達に向けられた殺気にいち早く気付いた志郎はさやかの前に、背を向けて立った。
「え?どうしたの?」
さやかが尋ねるが、志郎はそれを無視して
「俺の側を離れるなよ」
と言った。
「え、何があるの?」
志郎の背中から顔を出したさやかは、視線の先にあるものを見て絶望した。
そこには2体の魔女がいた。
-1体目の魔女の名は『タブラジア』。性質は『悪因』。彼女は気に入らないものを禁止する。それがどのようなものであるかは関係ない。彼女に目をつけられれば、死ぬまで開放されることはないだろう-
-2体目の魔女の名は『グリーファンネ』。性質は『貪欲』。彼女は欲しいものを全て手に入れなければ気が済まない。いつか、彼女の欲が満たされる日は来るのだろうか-
タブラジアは糸のように細い体と歪んだ立ち入り禁止の標識の頭部で、グリーファンネは1mほどの黒い球体に多数の手が突き出していた。
「チッ!面倒なことになったな」
そう言いながら志郎はチラリとさやか達を見た。まどかはまだ目を覚ましておらず、さやかは怯えきっていた。
志郎は一瞬思考したあと、覚悟を決めた。
「おい、さやか」
「な、何?」
「今からの事は他言無用だ。いいな?」
「え、何いって」
さやかが言い終わる前に志郎は両手を水平に上げた。
「ヌゥン…!」
そして、変身するためのスイッチを起動すべくその動作を行っていく。
「変っ身、V3ァァァァ!!」
瞬間、志郎の腰に付けられたダブルタイフーンが高速で回転し、風を発生させる。
「うわっ!?」
さやかは風の強さに目を瞑った。
「うぅ…」
風が収まり、目を開けるさやか。すると、そこに志郎の姿はなく、緑の異形の者がいた。
「仮面ライダーV3!!」
異形の者-仮面ライダーV3-はポーズをとりながら名乗りを上げた。
「え、仮面、ライダー?」
さやかは目の前の状況に理解が追いつかず惚けていた。
「さやか、ここから離れるんじゃないぞ?」
V3はそう言って、高く跳躍した。
「V3スクリューキック!!」
そう言ってV3は錐揉み状に回転し、タブラジアめがけて急降下して放つ。
(奴の能力は不明だ。だが、前のやつのように使い魔を召喚するようなやつなら)
そう思い、放った。しかし、その考えは甘いことをすぐに知る。
「何!?」
グリーファンネがタブラジアの前に出てきて、体から生えた無数の手がV3の身体をとらえた。スクリューキック自体破壊力は高いためそれを止められたことに驚いた。
その隙を突いてタブラジアがV3のコンバーターラングに自身の頭部をくっつけた。
次の瞬間、タブラジアの頭部と首から下が切り離された。そして、切り離された身体と頭部が消滅して、グリーフシードを産んだ。だが、V3のコンバーターラングには標識のマークが浮かんでいた。
それを見たグリーファンネはV3を離した。
着地し、反撃を開始しようとするV3。しかし、ある異変に気付いた。
「!?何だ、これは…!?」
身体がピクリとも動かなかった。
「さっきの魔女の能力か…」
(あの見た目だ。“動く事”を禁止されたんだろうな)
動けない。それは戦いの場においては非常に危険なことだった。しかし、V3は落ち着いていた。
何故なら、『V3・26の秘密』の一つ、“マトリックスアイ”の能力によってタブラジアがどんな力を持っているかを分析していたからだ。
(奴の能力を解除する方法。それは…、ならば…)
敵の能力と現在自分ができる行動を照らし合わせ、最善の1手を考えついた。
「さやか!」
V3が呼びかける。
「な、何?」
さやかがおっかなびっくりといった具合に聞く。
「ハリケーンに乗せてあるまどかを下せ!!」
ハリケーン、という聞きなれない単語に頭に?マークを浮かべつつ周りを見るさやか。すると近くに見慣れないバイクがあることに気付いた。
そして、そこにまどかがいることを確認し、出来るだけ丁寧に下ろした。
「で、できたよ!」
と、出来る限り大きな声でさやかは知らせた。
それを聞いたV3はチカチカと額にある赤い部分が光った。すると、ハリケーンのエンジンに火がつき、V3めがけてかなりのスピードで走り出した。
「よし…」
そう呟き、身体の力を抜くV3。すると、両目の複眼の色が暗くなり、光をなくした。
ハリケーンはそのままV3へと突進していった。吹き飛ばされるV3。速度を落とし、停車するハリケーン。
「え……?」
さやかは目の前で起きている光景に理解できずにいた。
ドシャッと音を立てて地面に激突するV3。彼はピクリとも動かなかった。
「欲し、い、ホ、し、以保、し、胃欲しい、ho、死、遺」
その様子を見てグリーファンネは嬉しそうに上下に動いた。そして、少しずつV3に近づき、そしてとうとうV3の四肢をつかんだ。
「府扶、ふフ、不hu、麩巫賦」
グリーファンネが力を入れ引きちぎろうとした。
が、次の瞬間
ギュイイイイイイイイイイン………
ダブルタイフーンの2つの風車が高速で回転した。
そして、V3の緑色の複眼に光が灯った。
「本当はこんな戦い方はしたくないんだがな…」
そう呟き、グリーファンネを睨むV3。そして、
「V3サンダー!!」
そうV3が叫ぶと、触覚から100万Vの稲妻が発生し、グリーファンネに直撃した。
声にならない悲鳴を上げたグリーファンネは徐々に身体がバラバラになっていき、とうとう消滅した。それと同時にグリーフシードがポトリと落ち、結界が崩れて元の世界へと戻った。
「ふぅ」
V3はため息をつき、落ちている2つのグリーフシードを拾った。そして、さやかの元へと近づき、
「大丈夫か?」
と聞いた。
「え、あ、うん」
さやかはなんとか答える。
それを聞いたV3はまどかの元へ行き、彼女の身体に異常がないかを確かめた。
「よし。大丈夫なようだな」
数秒後、まどかに心配がないと決断したV3はハリケーンからある物を出し、さやかに渡した。
「これはスクランブルホッパー改と言って、これを回すと特殊な音波が出る。その音波は魔女の嫌うものだから、ある程度は君の身を守ってくれる。それだけでなく、私の所にもその音波は届くからすぐに助けに行ける。私はここを離れてしまうけど、何かあった時は必ず守る事を約束する」
スクランブルホッパー改。それは、以前少年ライダー隊が使っていた、V3の作ったスクランブルホッパーを改良したものだった。風見志郎の友人である結城丈二が構造を通信で教えてくれ、試作で一つ作っていた。
「多分、まどかちゃんはあと、10分程で目をさます。だからそれまでは彼女のそばにいてあげなさい。いいね?」
「わ、わかった、わよ」
「よし」
さやかの返事を聞いて、V3は安心し、ハリケーン号に跨って本来の目的地である廃ビルへと向かおうとした。
「待って!」
さやかが呼び止めた。
「どうした?」
「あの、頼みがあるんだけど……」
そこでさやかはほむらとマミの事を話した。
そして、マミを守ってほしいということを頼んだ。
「……わかった。約束しよう。だから君たちはもう帰りなさい。いいね?」
「うん……」
それを聞いて、V3はその場を離れた。
(いくら緊急とはいえ、かなり危ない賭けだった)
V3は人気のないところを選びつつ、ハリケーンを走らせながら先ほどの戦いを思い出していた。
マトリックスアイにより、V3はタブラジアの能力の限界を分析した。それは、“禁止”された者が死んだ場合にその能力が解けるというものだった。それを利用してV3は自身の身体を仮死状態にし、ハリケーンとの接触で再起動させるようにプログラムを組んだ。この時ハリケーンに速度を出させたのは、仮に仮死状態になった時、ハリケーンがそのまま減速して停車することなく、慣性に乗ったまま確実に自分の身体に当てるためだった。しかし、当然リスクもあった。あまりにも速度が速すぎて自身の身体が木っ端微塵に吹き飛ぶ可能性もあり、その調整が非常にシビアだったことや、再起動が遅れ、殺されたためにさやか達を守れなくなるかもしれないというものだった。
また、グリーファンネの弱点が電撃だと分析し、それを喰らわせるためにV3サンダーを使った。
V3は戦闘スタイルとして、不意打ちや賭けを嫌っているが、今回は他に方法がないためにそうするしかなかったのだ。
(一度ホッパーを飛ばすか)
そう考えたV3はV3ホッパーを飛ばした。
すると、そこから衝撃的な光景が送られてきた。
「しまった!」
そこには、爆発した廃ビルと、磁石イノシシと対峙する傷ついた魔法少女の姿があった。
(クソッ!!)
内心で舌打ちをしつつ、ハリケーンを最高速度にし、現場へ急行する。
するとすぐに目的地が見えてきた。
だが、そこには、今にも攻撃をしようとする磁石イノシシの姿があった。
(このままだと間に合わない!!どうす…、ッ!!これは、まさか…!?)
マトリックスアイを再び使い、磁石イノシシの分析をしつつ攻撃体制に入ると、ある事に気付いた。
(ならば…!)
V3はハリケーンの座席を踏み台にして跳躍した。そして、脳波でハリケーンをジャンプさせ、前輪を蹴って高速で回転しつつ磁石イノシシへと突っ込んだ。
「V3マッハキック!!」
V3マッハキック-必死の特訓から編み出した音速を超えるキック-を放つV3。
それが磁石イノシシに命中し、吹っ飛ばした。
「V・・・す、スリィ!な、何故貴様がここに・・・!?貴様は奴が足止めしていたはずだ。」
磁石イノシシが苦しそうに聞いた。それに対してV3はただ一言、
「貴様らがどんな計画を立てようが、この仮面ライダーV3には意味がない。覚えておくことだな」
と言って、磁石イノシシに背を向けた。それと同時に、磁石イノシシは爆発し、跡形もなく消え去った。
V3はそのまま停めてあったハリケーンにまたがった。
「ん、そうだ。」
そのまま去ろうとしたV3だが、何かを思い出し、ハリケーンからグリーフシードを2つ出した。
「これは君達に必要なものだろう?使うといい」
そう言ってV3はそれらを魔法少女へと投げ渡した。
「あ、ま、待って!!」
魔法少女が呼び止めようとするが、一度去った方がいいと判断したV3はハリケーンを飛ばし、その場を離れた。
(あの黒髪の娘が暁美ほむらか。彼女からは殺気は感じなかったから巴マミに手を出すことはないと思うが…。それにしても、なんとか魔法少女である彼女達と接触を図らないとな)
と考えながら。
_____________________
〜某所〜
そこは、地獄と化していた。作戦失敗の報告を受けたΣが怒り狂い、その場にいた戦闘員全員とハサミジャガーとカメバズーカを殺したのだ。
「なぜたぁぁ!?何故この作戦が失敗する!?」
Σの計算では作戦は完璧だった。V3も魔法少女も予定通りに動いてくれていた。しかし、最後の最後で予定が狂ってしまった。
「うがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
壁をフルパワーで殴るΣ。壁に穴が開いた。
「どうやら作戦は失敗したようだね」
突然、あの感情のない声が聞こえた。
Σは声のした方向を振り向いた。
「やはり君達は無能のようだ」
「黙れ!!“生産”しか出来ないゴミクズがほざくな!!」
「やれやれ。僕は君が大丈夫だと言ったから信頼したんだよ?その結界がこれか」
「今回はたまたまだ!!次こそは成功させてみせるさ!!!」
「そうかい。まあ、期待はしているよ」
そう言って、その声の主は消えていった。
それを確認したΣはもう1度壁を殴って破壊し、深呼吸をしたのち、戦闘員を呼びた。
「キキッ!」
奇妙な声と共に室内に入った戦闘員にΣはある人物を呼ぶように言った。
それを理解した戦闘員は一旦その場を離れ、しばらくして一人の少女を連れて戻ってきた。
「あたしに用ですかぁ?」
その少女は入るなり軽い口調で話した。
「貴様、どういうことだ?V3を足止めしろと言ったはずだが?」
Σが努めて冷静に聞く。
「ああ、アレっすか?失敗しちゃいましたね。あの昆虫野郎が意外にも機転が利いて、あたしの持つNo.1,2の魔女をぶち当てたのにいとも容易く突破しやがりましてね。まあ、次こそは」
そこまで言ってその少女は喋らなくなった。Σが首と胴体を切り離したからだ。ピクピクと少女の身体は痙攣していた。
「貴様が私に言ったのだぞ?“必ず作戦成功に貢献する”と。“失敗したら殺してくれてもいい”と。これは当然の報いだよなぁ?」
そう言いながら物言わぬ頭部を持ち、髪に付いている“ある物”を髪の毛ごと引きちぎった。
「まあ、こんな役立たずでもこれぐらい役に立ってもらわんとな」
そう言い、“ある物”を手に握るΣ。そして、
「優木沙々の遺体は消せ!奴に見つかると面倒だ!」
と戦闘員に命じた。
美希さやかは悩んでいた。自分の愛する人の為に戦う運命を受け入れるかどうか、と。
暁美ほむらは悩んでいた。仮面ライダーV3と名乗る男を信用してもいいのか、と。
風見志郎は悩んでいた。魔法少女である彼女達にどのように接点を持てばいいのか、と。
そして、そんな中暗躍するネクスト・デストロンと2人の魔法少女。彼らの目的は一体。
次回、「新たな魔法少女、誕生」ご期待ください。