ヒーローは英雄ではない   作:hakusai

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皆さま、お久しぶりでございます。

受検やら合格発表やら新しい生活やらで忙しく、執筆を行えなかったのです。


ちなみに合格しました。ありがとうございます。

これからはまた、執筆を始めていくと思いますので、ぜひ読んでくださいね!


最弱と最悪

「っ!!」

 

黒霧は驚愕し、それと同時に、この男には何もできないとたかをくくっていたことを後悔した。

 

そしてようやく、目の前の男の危険度。いや、過負荷度がどれだけ高く、どれだけ近寄るべき相手ではないかがわかった。

 

(これは非常に不味いですね…)

 

黒霧は目の前の男への警戒を強めながら、咄嗟に死柄木に指示を出そうとする。

 

「死柄木君!すぐに距離を…なっ!」

 

 

しかし、指示を出したときには既に、

 

 

 

 

 

死柄木は壁に螺子で磔にされていた。

 

 

 

 

あまりの素早さに呆気にとられてしまった黒霧は、

 

 

 

「がっ!」

 

 

 

 

 

一瞬のうちに死柄木と同じように壁に磔にされてしまった。

 

 

 

『まったく、酷いじゃないか!なんの抵抗もしてない人間を殺すなんて!いったいどういう考えをしてるんだ!』

 

 

死柄木と黒霧は絶句した。

 

 

なぜ、こんなにも簡単に磔にされたのか。

 

どうやって一瞬のうちに壁にうちつけたのか。

 

この螺子はどこから出したのか。

 

そもそも、どうやって死柄木の攻撃を耐えたのか。

 

 

 

疑問はつきない。だが、これだけは言える。

 

 

 

 

この男は自分達よりも強い。

 

 

 

『あっれれー?どうしたの二人とも。鳩が豆鉄砲食らったような顔しちゃって。』

 

 

「本当にまともな話ができませんね…ですが、お忘れですか?私の個性を。」

 

『うん!もちろん忘れてないよ?でも、動くのはあんまりおすすめしないなぁ。僕の“過負荷”………今風に言うなら、“個性”は制御があんまり効かない上に、取り返しがつかないからね…もしかしたら、君の“個性”を消しちゃうかもしれないよ?』

 

「な…どういうことですか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[その説明は私がしよう。]

 

 

 

 

 

突然、部屋においてあったテレビから声がした。

 

 

「っ……“先生”」

 

『先生?』

 

[彼らには先生と呼ばれているんだよ。“球磨川禊”くん。]

 

 

 

 

球磨川禊。

 

 

それが、黒霧たちを襲った“過負荷”の名前である。

 

 

一部の敵から、神のように崇められていたりする。

 

 

 

“英雄”から、“敗北”から、何からも逃げず、戦う。

 

 

それが、彼の生きざまで、見る人が見れば、英雄のようでもあった。

 

 

 

残念なことに、黒霧や死柄木は球磨川のことは知らないのだが。

 

 

[さて球磨川くん。君に関しての説明だが、私がしてしまっても構わないかな?]

 

『んーそうだねぇ……1つだけ聞いてもいい?』

 

[なにかな?]

 

『君は悪平等(ぼく)?』

 

「?」

 

黒霧と死柄木には質問の真意はさっぱりわからない。

 

だが、そんな質問にも、先生とよばれた人間(?)はしっかりと答える。

 

[私は悪平等(ぼく)ではない。だが、“彼女”のことは知っている。]

 

『ふーん。まぁいいや。それで?急にしゃしゃり出てきた君は、自分の名前も名乗らずに、悠々と画面越しに僕に話しかけてきた訳だけど、何か用かな?』

 

[そうだね。まずは、君の勧誘かな。こうやってぬくぬくと安全な場所からじゃなければ、君と話なんてする気が起きないからね。]

 

『なるほどね。素晴らしい適切な判断だよ。僕の“個性”は、君すらも“なかったこと”に出来るだろうけど、さすがに画面越しだと出来ないからね。』

 

[それが本当かどうかはわからないが……概ねあっているね。それに、こう見えても私は君のファンでね。君の、何度でも立ち上がる姿勢はとても参考にしているんだよ。]

 

『それはとても嬉しいなぁ!なんせ僕は“過負荷”だからね。忌み嫌われることはあっても、憧れられることなんて滅多にないからね。』

 

[謙遜しなくてもいい。君はたくさんの敵に憧れられているからね──さて、話を戻すが、君に協力してもらいたいことはいくつかあるが、大まかに言えば───

 

 

 

 

───“平和の象徴”オールマイトを消し去ることだ。]

 

『…ふぅん。なるほどね。平和の象徴を打ち破って、世界を悪一色に染め上げようって魂胆か。』

 

[正確には違うのだが、まぁ、そんな認識で構わないよ。]

 

『まぁそうだねぇ…確かに、魅力的な話だ。でも、それに乗る義務も義理もないね。』

 

[それに関しては考えてある。君には報酬を用意しよう。]

 

『おいおい、報酬なんかで僕が釣れるとでも思ってるのかい?まったく、球磨川禊も甘く見られたものだぜ。』

 

[実は───────]

 

 

 

“先生”の一言をうけて、球磨川は一瞬顔に驚愕の色を見せた。

 

 

そして、張り付いたような気味の悪い笑顔を浮かべて、

 

 

『それは面白い冗談だね。いやぁ、面白すぎて君をなかったことにしてしまいそうだよ。』

 

そう言う球磨川の目は、笑っておらず、微かに怒りの色も見せていた。

 

[冗談などではない。だが、確認したわけではないから、正確な情報という保証はない。無論、我々に協力すれば、我々も君には協力を惜しまない。]

 

『…なるほど。まさにwin win といえるような取引だね。いいよ。乗った。僕は分の悪い賭けが好きだけど、こんな対等な取引も嫌いじゃないぜ。』

 

[では、これで取引は完了だな。と、いうわけで球磨川くん、死柄木たちの拘束を解いてやってくれ。あと、制御が出来ないとか、つまらない嘘はやめてくれ。]

 

『わかったよ。仕方ないなぁ。』

 

そういって、球磨川は、一本一本螺子を抜いていく。

 

そして、

 

『というわけだから、これからよろしくね!』

 

と、死柄木と黒霧に握手を促した。

 

二人はしばらくためらっていたが、先生が言ったから仕方ないと、意を決して球磨川と握手した。

 

 

──今ここで、最悪で、最凶の同盟が出来上がったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに死柄木と握手した球磨川の手は朽ちた。




はい。久々に書くと疲れますね。

いやぁ、運動したくねぇですよ…
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