遊戯王ARC-V Undead Duelist 仮面を添えて。 作:羽吹
まあ読まなくても問題の無い場所ですが。その内書き直すかもしれません。
【注意】
このお話にはソリティア要素が含まれています。
苦手な方は呪文だと認識しましょう。合っています。
私は。
「ハッピーバースデー! 遊歌お姉ちゃん!
どしたの? ボーっとしちゃって?
誕生日だよお姉ちゃん。今日で
だからね、お誕生日会! 皆で飾り付けとかしたんだよ! ほらっ、早く!」
私にとって。
「遊歌、どうしたんだよ。今日ぐらい笑えよな。
いっつも院長先生とお金がー、とか食費がーとか言って難しいしてるんだからさ」
「その、お姉ちゃん。お姉ちゃんはいつも僕たちを優先してくれてるよね……。皆知ってるんだよ。自分の分を少な目に入れたりとかしてるって。だからね、その……。皆でちょっとずつお小遣いを……」
「そんなこと言わなくていいんだよ!
それより、こっち来いよ。お前の好きなの一杯あるぜ! 量とか気にすんなよな。今日はお前のために皆頑張ったんだからさ、一杯食えよ。ただでさえ小せーんだから」
本当に。
「遊歌、どうして唇を噛んでるの?
ふふ、本当に責任感の強い子ね。自分が泣いちゃったら皆に迷惑がかかるって思ったのかしら。それとも、こんなことは始めてでどうしていいのか分からないのかしら。
大丈夫よ。泣いて良いの。皆始めはそうなの。ここは一杯痛い思いをした子ばっかりだから。
だから、大丈夫。皆ちゃんと受け入れてくれる。だってここは貴女の家で、皆は家族だもの。ね?」
本当に!
「じゃーん! さーらぷーいず!」
「えっ……。その、サプライズじゃ……」
「今日はね! プレゼントがあるの!
お姉ちゃんのカードって全部拾った物でしょ? アンデット族、だっけ。怖いモンスター! それでね、皆で一生懸命調べてね。凄いカード見つけたんだ!
世界でもととんど、ほとんどだっけ? まあいっか。珍しいカードなんだって! 使い方とかが分かんないけどいいの? って言われたんだ!
しかもね、サービスでカードがもう一枚着いてきたの! ねぇ、受け取って! お姉ちゃん!」
大切だったんだ。
ーーー
「デュエルを受けて貰おうか」
「受けましょう。で、貴方誰なの?」
それが会って数秒の会話だった。
初手でエクゾディアを揃えられたような反応。
つまり出落ちにも程がある。頑張って場に出たのに「お前は用済みだ」とばかりに破壊される何処かの煉獄のティエラさんのようである。
「私は赤馬零児。
「LDSのCEO……? どうしてそんな人がこんな場所に? それも一人で。失礼だけど、
無法地帯だよ? ここでの権力とは実力を表す。そんな場所に態々ご主人様を経由してまで来るとは思えない。
「それとも何か理由が有って私とデュエルを?」
「当然だ。だがその理由は話せない。今はまだな」
私は実力のあるデュエリストを探している。
彼は眼鏡を押し上げて、初夏だと言うのにマフラーをはためかせてそう言い切った。
「君は裏デュエル界において名が通っている。この私と相対している今ですら、その仮面を取らないのは自信の現れなのかな?
ならばその実力、私に示して欲しい。
その為に色々と話を着けてきた。私の立場上観客の居るデュエルはできないが、地下デュエル場の一つは貸し切った。存分にデュエルはできるだろう。試合は明日の夕方だ。構わないな?」
楽しみに待っている。と赤馬社長は言葉を切り、眦を下げる。だが口許が微かに釣り上がり、下がっていた眦が急浮上する。
「闇のアイテム」
たった一言。彼はそう口にした。
その一言は私の警戒度を引き上げる。始めからかなり高かった警戒レベルは今やレベル12クラスにまで跳ね上がる。だがその言葉に反応するような愚は犯さない。私から簡単に情報を引き出せるとは思わないことだ。
「ほう、反応しないか。だがLDSもその存在までは既に辿り着いている。最も情報が少なすぎて、能力までは把握できていないがな」
「……それを知った上でここに来たのね。最終警告よ、デュエルを取り下げなさい。私は誰が相手でも容赦なんてしないわよ」
そうだ。この場所で、私の居るこの場所に降りて来た以上は遠慮も容赦もない。私は私の全力でデュエルをするだけ。勝敗などその結果でしかない。
「望むところだ。私の目的はそうでないと測れない。君のようなデュエリストが必要なのだ」
一刻も早く見付けなくてはならない。彼はそう言って私の前から姿を消した。焦燥感の見え隠れするその態度に私は少し笑う。焦燥感は良い。人を狂気に至らせる大きな要因のひとつだ、と。
ーーー
「私のステージへようこそっ!」
誰もいない。当然返事はなかった。
証明すら着いていないこの地下デュエル場には2人のデュエリストだけが居る。普段のスタッフも審判も観客すら居ない、その寂れた場所に声が響く。
「この場所には私と君以外は誰も居ない。その言葉に何の意味がある? 不可解な思考だ」
「理解? 下らない。人を測るだの理解するだの、それこそその人自身を見ていない。事実なんて客観も主観も混ざって始めて産まれるのよ」
「良いだろう。なら、デュエルの決着と言う絶対的な事実を叩きつけて見せよう!」
赤馬と仮面少女が同時にデュエルディスクを構えると同時に、少女が身に付けたブレスレットに刻まれたウジャトが光る。黒い霧がそこから噴出して2人のデュエリストを包み込む。
目だ。大量の目。どこかの隙間さんのように目がぎょろりと動き、目玉が少女を見る。一斉にぐるりと目玉が動き、今度は赤馬を見る。ぐにゃりと目の輪郭が歪んで目玉が笑う。可笑しそうにおかしそうに笑っていた。
「さあ、闇のデュエルの時間。敗者は闇に飲まれる楽しいたのしいデュエルよ。私たちの全てを壊し合う最高のデュエル!
今回の演目は他人の痛みを理解するデュエル! つまり、モンスターの痛みを体感するデュエル!」
城之内死す! のデュエルと同じ闇のデュエル。
このデュエルは心の弱い人には向かない。何人かは痛みに耐えかねて途中にデュエルを投げ出し、闇に意識を持っていかれた。そいつらはデュエリストとは呼べないけど。
「これが、闇のデュエル……。良いだろう。君の実力測らせて貰うぞ!
私の先攻だ! 手札から《地獄門の契約書》を発動する。私は《DDラミア》を手札に加える」
(この仮面デュエリスト。対峙しただけで分かるが、間違いなく強い。なら私も容赦はしない)
「行くぞ。手札から《DDスワラルスライム》の効果を発動。手札のこのカードともう1枚のDDモンスターで融合召喚が行える。私は《DDスワラルスライム》と《DDバフォメット》を墓地に送る。
神秘の渦よ、異形の神よ。冥府に渦巻く光の中で、今ひとつとなりて新たな王を生み出さん!
融合召喚! 《DDD烈火王テムジン》!」
☆6 ATK2000
《DDD烈火王テムジン》
異形の神と呼ばれているように、その威圧感は凄まじい。赤色を基調にしたそのモンスターは無表情で仮面少女を見下ろしている。
「そして《DDナイトハウリング》を通常召喚。
このモンスターの通常召喚に成功した時、墓地からDDモンスターを特殊召喚する。ただし、このターン私は悪魔族モンスターしか特殊召喚できない。
そしてレベル4《DDバフォメット》にレベル3《DDナイトハウリング》をチューニング!
闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ! シンクロ召喚! 《DDD疾風王アレクサンダー》!」
☆7 ATK2500
《DDD疾風王アレクサンダー》
風が吹く。疾風のように速い風が渦巻いてそこに王が生誕する。剣先を仮面少女に向けてその仮面を叩き切ってやると意気込んでいる。
「この時《DDD烈火王テムジン》の効果が発動する! このカードが存在する時にDDモンスターが特殊召喚された時、墓地からDDモンスターを特殊召喚できる!
来い! 《DDバフォメット》!
そして同様に《DDD疾風王アレクサンダー》の効果! このカードが存在する時にDDモンスターが特殊召喚された時、墓地からレベル4以下のDDモンスターを特殊召喚できる!
現れろ! 《DDナイトハウリング》!
そして《DDバフォメット》の効果! 自分フィールド上のDDモンスター1体のレベルを1~8までの宣言した数値にする。私が宣言するのはレベル4! この効果を適用したターンはDDモンスターしか特殊召喚できない!
私はレベル4《DDバフォメット》とレベル4になった《DDナイトハウリング》をオーバーレイ!
この世の全てを統べるため、今 世界の頂に降臨せよ! エクシーズ召喚! 《DDD怒濤王シーザー》!」
ランク4 ATK2400
《DDD怒濤王シーザー》
青が基調なのだろうか。
「《DDD怒濤王シーザー》はオーバーレイユニットを1つ取り除くことでこのターンに破壊されたモンスターをバトルフェイズ終了時に自分の墓地から可能な限り特殊召喚し、次のスタンバイフェイズにその数×1000のダメージを受ける。
またこのカードフィールドから墓地に送られた時、デッキから『契約書』と名の着いたカードを手札に加える。
まだだ! 私は手札の《DDラミア》の効果を発動する! このカードは手札・墓地に有るとき手札のDDモンスターまたは『契約書』を墓地に送り、特殊召喚できる。私は《地獄門の契約書》を墓地に送り、手札から《DDラミア》を特殊召喚! この効果で特殊召喚されたこのカードは墓地には行かずにゲームから除外される。
そしてレベル7《DDD疾風王アレクサンダー》にレベル1《DDラミア》をチューニング!
闇を這う蛇よ、身を割く風を得てその血を啜れ! シンクロ召喚《DDD呪血王サイフリート》!」
☆8 ATK2800
《呪血王サイフリート》
赤い目。血を啜ろうと鬱血した顔と血の滴る牙を唸らせてサイフリートは仮面少女に視線を向ける。
「《DDD呪血王サイフリート》は1ターンに1度フィールド上に存在する表側表示の魔法・罠を次のスタンバイフェイズまで無効にする。この効果は相手ターンでも使える。
また、このカードが破壊され墓地に送られた場合に自分フィールドの『契約書』の数×1000のライフを回復する。
カードを1枚伏せてターンエンドだ。
さあ、君の実力を私に示してみろ! 融合、シンクロ、エクシーズ。それらを自在に操る実力を!」
【
LP4000
手札満足
場 《DDD烈火王テムジン》
《DDD怒濤王シーザー》
《DDD呪血王サイフリート》
伏せカードが1枚。
三体の王、三種の王を従えた赤馬は空中に浮く。闇のデュエルの空間の中で物理法則も常識も関係ないのだ。当たり前のように空中に浮かび、仮面少女を見下ろしている。赤馬の掛ける眼鏡がキラリと光って、仮面少女は少し呆れた顔をしていた。
(『DDD』。ディファレント・ディメンジョン・大好きブルーノちゃん。ふざけた効果ね。ぱっと見ただけで『シフル』までの到達ルートが2つ位見える。何これ? デッキパワー違いすぎない?
まあいいけど、今回はアンデット使いと言うよりはアンデットで回す戦い方になりそう。このクラスの能力相手はアンデットの大型じゃ対応できないからね)
「融合、シンクロ、エクシーズね。確かに実力を測るには悪くない指標だと思うわ。でもね、貴方は囚われすぎてる。できることと、実行することの間には明らかな違いが存在するわ。それを証明してあげましょう!
私はフィールド魔法《アンデットワールド》と永続魔法《奇跡のピラミッド》を発動する!
更に《ピラミッドタートル》を召喚! そしてバトルフェイズに入る。《ピラミッドタートル》で《DDD烈火王テムジン》に攻撃!」
何っ!? と赤馬は驚いたように仮面少女を見つめた。
(これは……成程。私が彼女を測っているつもりだったが、逆だな。私が彼女に測られている。
まず前提として《DDD呪血王サイフリート》の効果だ。1ターンに1度、表側表示の魔法・罠を無効にする。この効果をどう使うかを試しているのだ。
《アンデットワールド》。フィールドと墓地のモンスターを全てアンデット族にする効果。
《奇跡のピラミッド》は相手フィールドのモンスターの数×200ポイント、自身のアンデット族モンスターの攻撃力を上げる。
彼女の狙いは何だ? 《ピラミッドタートル》はリクルーター。なら、キーカードを引き込むためか? 違う。彼女程のデュエリストならそんな回りくどいことはしない。《ピラミッドタートル》がキーカードなのだ。なら、ここはダメージを稼ぎにいく!)
「《DDD呪血王サイフリート》の効果!
《奇跡のピラミッド》を無効にする!」
「へぇ、そういう思考をするのね。貴方は。
でも良いの? 少し早すぎないかしら?」
そう笑う彼女のフィールドに聳えるピラミッドに電流が走り、光輝いていたピラミッドが沈黙した。
(《ピラミッドタートル》からは大型のモンスターが出てくる。《奇跡のピラミッド》があれば攻撃力が3000を越えかねない。今は圧力を与えるべきだ)
「何て、考えているのかしら? 甘い。アンデット族の怖さを知らない目ね。しっかりと恐怖を叩き込んで上げる!
くっ、つっ! 《ピラミッドタートル》が破壊された時、デッキから守備力2000以下のアンデット族モンスターを特殊召喚!
おいで《
そして攻撃! 《DDD烈火王テムジン》を噛み砕け! レッドアイズ・クランチ!」
身体が腐り落ちた竜はその赤い目を光らせて口胞に力をいれる。そしてその口から赤い火が吐かれた。アンデット・メガフレアだった。
その灼熱がテムジンを襲い、焼き尽くした。
「っ、ぐぅぉおおおっ! ぐっ! っ、!
はっ、っ。これが闇のデュエルか……!
何て衝撃だ。まるで自身が焼かれたかのような、そんな衝撃。脳に響くな……」
(だが、脳が揺らされたお陰で彼女の狙いに気付けた。《火車》か……! 成程。融合、シンクロ、エクシーズに拘りすぎるなと言うことか)
「《真紅眼の不死竜》が戦闘でアンデット族モンスターを破壊した時、墓地から自分フィールドに特殊召喚する」
「《DDD烈火王テムジン》の効果。このカードが破壊された場合、墓地から『契約書』を手札に加える。
私は《地獄門の契約書》を手札に加える」
ぎゃぁあああああ! と竜が鳴いた。
その声に呼応するように墓地からテムジンが現れ、その竜の背に乗る。伝説の乗っただけ融合、ではなかった。
「そしてメインフェイズ2。私のフィールドにはアンデット族モンスターが2体以上存在する! この時、手札から《火車》を特殊召喚できる!
《火車》の効果! このカードの特殊召喚時にフィールドの全てのモンスターをデッキに戻す!
これで《DDD烈火王テムジン》《DDD怒濤王シーザー》《DDD呪血王サイフリート》はデッキに戻る! 墓地には行かない! よって全員効果を使用することはできない!」
【赤馬しゃちょー】
LP3600
手札1枚
場 伏せカードが1枚
【フリーダム闇の仮面・ユーカ】
LP3200
手札2枚
場 攻撃力1000の《火車》
フィールド魔法
《アンデットワールド》
永続魔法
《奇跡のピラミッド》
「この程度では終わらない!
手札から《アドバンスドロー》を発動! 自分フィールド上のレベル8以上のモンスターをリリースしてカードを2枚する。更に《紅玉の宝札》を発動! 手札から《真紅眼の不死竜》を墓地に送り2枚ドロー。そしてデッキからもう1枚の《真紅眼の不死竜》を墓地に送る。
そして《名推理》を発動する! このカードは相手が1つのレベルを宣言し、私は通常召喚可能なモンスターが出るまでデッキを捲り墓地に送る。そして出たモンスターが宣言されたレベルなら墓地へ、違うならば特殊召喚する!」
「私はレベル4を選択する。さあ捲れ!」
従えるモンスターの居ない赤馬は、しかし余裕を崩してはいなかった。この程度は想定内だとばかりに涼しい顔をしている。
「ふふ。良いカードが落ちたわ《シャッフル・リボーン》2枚。《スキル・プリズナー》《バーサーク・デッド・ドラゴン》《仁王立ち》が落ちて、私が引いたのは《ゾンビキャリア》! レベル2!
そして《愚かな埋葬》を発動! その効果で《馬頭鬼》を墓地に送る!
まだ! 墓地から《シャッフル・リボーン》を発動! 自分フィールドに存在するカード1枚を戻して1枚ドローする。私は《奇跡のピラミッド》を戻して1枚ドロー!
墓地から《馬頭鬼》を除外して《ピラミッドタートル》を特殊召喚! レベル4《ピラミッドタートル》にレベル2《ゾンビキャリア》をチューニング!
死せども積もる思いを。嘆き、叫べ!
シンクロ召喚! 《デスカイザー・ドラゴン》!
そして《デスカイザー・ドラゴン》の効果。特殊召喚した時、相手の墓地のアンデット族モンスターを特殊召喚する! 来い! 《DDナイトハウリング》!」
「何っ!? 私の墓地のモンスターだと……?
その為の《アンデットワールド》か!」
自分の墓地からナイトハウリングのカードを仮面少女に投げ渡し、赤馬は微かに唇を噛む。相手に自分のカードを奪われることに良い感情を抱いては居ないのだ。
「そしてレベル6《デスカイザー・ドラゴン》にレベル3《DDナイトハウリング》をチューニング!
シンクロ召喚! 《幻竜星ーチョウホウ》!
カードを2枚セットして、ターンエンド」
☆9 ATK2800
《幻竜星ーチョウホウ》
蒼い竜。鳳凰のようでいて、だがその姿は竜に近く光を放って翼を広げた。
「エンドフェイズ。罠発動! 《裁きの天秤》。
私の手札・フィールドのカードの数と君のフィールドのカードの枚数の差だけドローする!
私の手札・フィールドの合計は2枚。君のフィールドは4枚。よって私は2枚ドローする!」
【美少女仮面兼闇のゲームプレイヤー・ユーカ】
LP3200
手札満足
場 《幻竜星ーチョウホウ》
伏せカードが2枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
【CEO赤馬マン】
LP3600
手札3枚
場 無し
「私のターン、ドロー。
さて、君は前のターンに私のフィールドを蹂躙し、連続シンクロを決めた。ならば私は連続融合を行おう!
手札から《地獄門の契約書》を発動!
『契約書』のカードは自分のスタンバイフェイズに自身のライフに1000のダメージを与えるが、その効果は強力だ。私はその効果でデッキから《DDネクロスライム》を手札に加える。
そして手札の《DDスワラルスライム》の効果。手札の《DDスワラルスライム》と《DDネクロスライム》で融合する!
神の威光伝えし王よ! 今ここに顕現せよ!
融合召喚! 《DDD神託王ダルク》!」
☆7 ATK2800
《DDD神託王ダルク》
騎士。白銀の騎士だ。剣を横に構えて静謐にその場に顕現している。仮面少女の雰囲気とは正反対の白麗としてその王はそこにあった。
「そして墓地の《DDネクロスライム》の効果! 墓地のこのカードともう1枚のDDモンスターを除外することで融合召喚ができる!
私は《DDネクロスライム》と《DDD疾風王アレクサンダー》で融合!
嘗ての威光に剋し、その身で竜を穿て!
融合召喚! 《DDD剋竜王ベオウルフ》!」
☆8 ATK3000
《DDD剋竜王ベオウルフ》
咆哮。獣だ。その王は獣だった。その目を光らせて、老いてなお竜を殺そうと勇んで鳴いていた。
「《DDD神託王ダルク》は自身への効果ダメージを回復効果に変化させる効果を持っている。また《DDD剋竜王ベオウルフ》は、フィールド上に存在する時、自分フィールドのDDモンスターに貫通能力を与える能力がある。攻撃表示の君のモンスターには余り意味はないがな。だが攻撃力は君の《幻竜星ーチョウホウ》を越えた!
バトルだ! 《DDD剋竜王ベオウルフ》で《幻竜星ーチョウホウ》を攻撃! クリムゾンネイル!」
「墓地から罠発動! 《仁王立ち》!
このカードを墓地から除外して自分フィールドのモンスター1体を選択して発動する! このターン、そのモンスターにのみ攻撃できる!」
ベオウルフがチョウホウを切り刻む。それはまるで神話の再現のようでいて、しかしベオウルフには傷はつかなかった。
「っ! つ"ぁああっ! ぐっ、喉がっ! んっ。
ごほっ、うっ。っ! はぁ、はあ。はあっ!
だけど《仁王立ち》の効果で私への直接攻撃はできない!
そして《幻竜星ーチョウホウ》の効果を発動。デッキからチューナーモンスター《ユニゾンビ》を手札に加える!」
「ほぅ。伏せカードすら使わないか。流石だな。
私はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
「貴方のエンドフェイズ時、罠発動! 《針虫の巣窟》! その効果で私は自分のデッキトップから5枚のカードを墓地に送る!」
【地獄の連続融合・零児】
LP3600
手札0枚
場 《DDD神託王ダルク》
《DDD剋竜王ベオウルフ》
伏せカードが2枚
永続魔法
《地獄門の契約書》
【仁王立ちする連続シンクロ・ユーカ】
LP3000
手札ユニゾンビ
場 伏せカードが1枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
「私のターン! ドロー!
さあ社長。このターン、しっかり守らないと終わりかねないわよ? 貴方には悲鳴が足りないわ。その無表情を痛みに歪ませてあげる!
手札から永続魔法《ミイラの呼び声》を発動! その効果で手札から《ユニゾンビ》を特殊召喚! そして《ユニゾンビ》の効果。フィールド上のモンスターのレベルを1つ上げてデッキからアンデット族モンスターを1体墓地に送る。私は《馬頭鬼》を墓地に送る!
そして墓地から《シャッフル・リボーン》の効果! 墓地からこのカードを除外して発動できる。自分フィールドの《ミイラの呼び声》をデッキに戻して1枚ドロー!
まだ。《貪欲な壺》を発動! 《デスカイザー・ドラゴン》《幻竜星ーチョウホウ》2枚の《真紅眼の不死竜》《バーサーク・デッド・ドラゴン》の5枚をデッキに戻して2枚ドロー!
そして墓地から《馬頭鬼》の効果! 墓地から自身を除外して墓地からアンデット族モンスターを特殊召喚する! 蘇れ《ゴブリンゾンビ》! そしてレベル4《ゴブリンゾンビ》にレベル4となっている《ユニゾンビ》をチューニング!
第2の満足竜! その力で私に満足を!
シンクロ召喚! 舞い降りろ《インフェルニティ・デス・ドラゴン》!」
満足竜。脳の飛び出た竜が舞い降りる。インフェルニティでも滅多に使われないカードだけど、弱くはないもん!
「墓地に行った《ゴブリンゾンビ》の効果で、デッキから《冥界騎士トリスタン》を手札に加える。
そして墓地に存在する《妖刀ー不知火》の効果!
このカードと墓地のアンデット族モンスターで擬似的なシンクロ召喚を行える!
私はレベル4《ピラミッドタートル》にレベル2《妖刀ー不知火》をチューニング!
シンクロ召喚! 《デスカイザー・ドラゴン》!
そして《デスカイザー・ドラゴン》の効果! 貴方の墓地から《DDナイトハウリング》を特殊召喚!
更に手札から《異次元からの埋葬》を発動! 私は除外されている2枚の《馬頭鬼》と《妖刀ー不知火》を墓地に戻す! そして墓地の《馬頭鬼》を除外して《ユニゾンビ》を特殊召喚!
私はレベル3《ユニゾンビ》と《DDナイトハウリング》でオーバーレイ!
エクシーズ召喚《虚空海竜リヴァイエール》」
(もうアンデット族出してないけど仕方ないよね。ゴメン不知火。君じゃちょっと……)
黒色と白色のカードが並ぶフィールド。だが仮面少女の顔は言っている。こんなものでは終わらないと。
【満族○・ユーカ】
LP3000
手札2枚
場 《インフェルニティ・デス・ドラゴン》
《デスカイザー・ドラゴン》
《虚空海竜リヴァイエール》
伏せカードが1枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
☆8 ATK3000
《インフェルニティ・デス・ドラゴン》
ランク3 ATK1700
《虚空海竜リヴァイエール》
「これからが本番。《リヴァイエール》の効果。このカードのオーバーレイユニットを墓地に送り、除外されているレベル4以下のモンスターを特殊召喚する!
帰っておいで《馬頭鬼》!
そしてエクシーズモンスター《リヴァイエール》とシンクロモンスター《デスカイザー・ドラゴン》で融合!
この融合召喚には融合のカードは必要なく、エクシーズとシンクロモンスターを墓地に送って融合召喚する!
融合召喚! 《旧神ヌトス》!
そして《冥界騎士トリスタン》を召喚。効果で墓地から《冥界の麗人イゾルデ》を手札に加え、特殊召喚する。このカードは《冥界騎士トリスタン》が自分フィールド上存在する時のみ特殊召喚できる。更にカードを1枚伏せる。
ふふ、これで
《DDD神託王ダルク》! 満足死なさい!」
ダルクが燃え落ちる。その羽が、腕が、体が崩れて肉の焦げる臭いが漂っていた。
「っ、づぅぁあぁぁああぁああああああああっ!
あっ、っ"、っく! はっ、っう……!」
(体が、燃えるっ! っく! ここが無重力空間で助かったか……。この衝撃ではまともに立つことすら……)
「まだまだこれからよ! 私の本気は、こんなものじゃない! リバースオープン! 《置換融合》!
フィールドの《インフェルニティ・デス・ドラゴン》と《馬頭鬼》で融合召喚を行う!
私の全力を! 私の全霊を!
融合召喚! 《冥界竜ドラゴネクロ》!」
痛みの竜。
その肉は腐っていながらも胎動して、嘆くように哭いている。仮面少女がその竜を見上げて、どこか泣きそうな目をしていた。
【ドラゴネクロ・ユーカ】
LP3000
手札満☆足
場 《冥界竜ドラゴネクロ》
《旧神ヌトス》
《冥界騎士トリスタン》
《冥界の麗人イゾルデ》
伏せカード1枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
☆4 ATK2500 《旧神ヌトス》
「まだ私のターンは終らない。墓地から《馬頭鬼》の効果! このカードを除外して効果を発動。
墓地から今一度満足を私に!
満足しろ! 《インフェルニティ・デス・ドラゴン》! もう一度効果よ! 《DDD剋竜王ベオウルフ》を破壊! その攻撃力の半分、1500のダメージを受けてもらう!」
「っ、ぐぅぁあああぁぁああああああっ!」
(くっ! 間接がっ! 動かない!
指が微かに震えて……! だがこれは恐怖ではない。そう、歓喜だ。この相手は強い。これ程のタクティクスはLDSでも見ない。
だが、だからこそ。少し、残念だ)
体が異常に熱せられて微かに湯気が立ち上る赤馬は、顔を引き攣らせながらも闘志を顔に滲ませた。
彼が始めてハッキリと感情を表に出したのだ。
「良い顔ね! 最高! デュエルに恐怖と期待と執着を感じるわ! ああっ私たちは今生きていてもいいのね! そう、もっと! もっとよ! その苦痛が見たい! その悲鳴が聞きたい! あはっ、あははははははっ!
私はっ! 《冥界の麗人イゾルデ》の効果を発動! 《イゾルデ》と《トリスタン》のレベルを5に変更する! ただし私はこのターンアンデット族以外を特殊召喚できなくなる! そして私はレベル5の《冥界騎士トリスタン》と《冥界の麗人イゾルデ》でオーバーレイ!
その者は緋色に染まり、その物は赤色に染まる!
エクシーズ召喚! 《
そしてぇ! バトルよ!
《冥界竜ドラゴネクロ》! その無防備な体を噛み砕いちゃえ! ソウル・クランチ!」
「罠発動! 《リジェクト・リボーン》!
この効果により君のバトルフェイズは終了する!
私の墓地にはシンクロモンスターは居ない。よって蘇生効果を発動することはできない」
へぇ、と言って仮面少女は眼鏡を見る。
その眼鏡お洒落ですねなどと思っているのかもしれない。
「メインフェイズ2に移行する!
そして《紅貴士ーヴァンパイア・ブラム》の効果発動! オーバーレイユニットを1つ取り除き、貴方の墓地からモンスターを特殊召喚する。おいで《DDD剋竜王ベオウルフ》!
さて、これで私のフィールドは埋まっちゃった。これでターンエンド。貴方にこの布陣を覆せるかしら?」
「ふっ、では覆して見せようじゃないか。
罠発動! 《裁きの天秤》!
私のフィールドは2枚。君のフィールドは7枚。よって私はデッキから5枚のカードをドローする!」
【赤馬の社長焼き。700円】
LP700
手札5枚
場 永続魔法
《地獄門の契約書》
【2回裁かれた闇の仮面・ユーカ】
LP3000
手札ハンドレスコンボ中
場 《冥界竜ドラゴネクロ》
《インフェルニティ・デス・ドラゴン》
《DDD剋竜王ベオウルフ》
《紅貴士ーヴァンパイア・ブラム》
《旧神ヌトス》
伏せカードが1枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
ランク5 ATK2500
《紅貴士ーヴァンパイア・ブラム》
「……その実力、私が認めよう。
君は強い。私のモンスターを使うタクティクス、レベルの変化や効果のデメリットを知り尽くす知識。勝利への渇望、情けも容赦もない何処か切羽詰まったような、追い詰められたようなそんなデュエル。それでいて丁寧なプレイには感嘆すら覚える。
私が全力を出したとしても、本当に勝敗が分からない位には君は強い。それは認めよう」
赤馬はドローをせずに、燃やされた体を休めるのと同時に仮面少女に話しかける。
その顔は少し歪んでいた。焼かれた痛みの結果か、それとも別のことなのかは彼のみが知っている。
「だが、だからこそ。少し残念だ。
君にはこの次元を思う心がない。君のデュエルは自分に向けられているように感じる。他人のことを見ている余裕が無いのか? それほどの力を持ちながら、何故だ!」
本当に分からないのか、声には堪えきれない叫びが少し混じって、所々で上ずっていた。
「この世界は、いやこの次元は危機に瀕している。別の次元、融合次元は私たちの次元であるスタンダード次元に攻め入ろうとしているのだ。私はこの次元を守るためにLDSを運営している。
だが、戦力が足りないのだ! 今の私たちでは自分の次元を守ることができない! だから私はここに来た! 君の実力を見込んでのことだ! そして、君はその条件を満たした」
私の連絡先を渡しておく、と言ってデュエルディスクから赤い光線が走ってもう1つのデュエルディスクに吸い込まれる。
「融合次元から何かしらのアプローチがあれば、必ず私に連絡しろ。これは君の主人にも話を通しておく。
そしてこのデュエル、先が分からない。
私と君、どちらが勝っても可笑しくなどない。
そして、これは闇のデュエルだ。闇のアイテムが力を使う度に君の顔が歪んでいる所を見る限りでは、君はまだこの力を完全に制御できていないようだからな。
敗者へのペナルティがどうなるのかすら分からない。違うかな? 仮面デュエリスト・ユーカ!」
「……ええ、その通り。まだかなり痛むわ。これでも始めに比べればましになった方なのだけど」
少しばつが悪そうに顔を潜める仮面少女。
彼女が言うには敗者へのペナルティはまだ自分で選ぶことすらできないらしい。
「そうか。まあそれはいい。この闇のデュエルは私自らが望んだものだ。文句など言うまい。
ん、そう言えば聞き忘れていた。
君は『アカデミア』と言う名前を聞いたことがあるだろうか? 融合次元の本拠地の名だ」
(アカデミア!? デュエルアカデミアのこと? えっ? GX? 融合次元が? どういうこと?
……今考えて分かることじゃないわね。取り敢えず知らないことにしておきましょう。GXの知識なんてある方がおかしいんだし)
「……いいえ、知らないわ」
少し考えるような仕草を取った後、仮面少女は首を横に振って否定のジェスチャーを行った。
「……そうか。ならいい。これで私がこの裏デュエル界に赴いた目的の殆どは達した。
後は闇のアイテムの情報だな。私が勝てば、闇のアイテムについて話してもらうぞ!」
「ふふっ、貴方が勝てれば、ね?」
挑発をするように2人のデュエリストがお互いを見て、不敵に笑う。どちらのデュエリストも自身が負けるわけがないと表情が語っている。
「私のターンだ! ドロー!
私はスタンバイフェイズに発動する《地獄門の契約書》の効果にチェーンして、手札から《ハネワタ》を墓地に捨てて効果を発動! このターン、私に効果ダメージは無い!
そして《手札抹殺》を発動する!
お互いの手札を全て墓地に送り、その枚数分だけドローする! 君の手札は無い。私のみが手札を交換する」
入れ換えられた手札を確認した赤馬は淀みなく1枚のカードをデュエルディスクに差し込む。
「手札から《異次元からの埋葬》を発動!
私はゲームから除外されている《DDネクロスライム》《DDラミア》《DDD疾風王アレクサンダー》を墓地に戻す。そして永続魔法《魔神王の契約書》を発動する! これによって私はDDモンスターを融合する場合、墓地のDDモンスターを除外して使用できる!
私は墓地の《DDD疾風王アレクサンダー》と《DDD神託王ダルク》を除外して融合召喚!
極限の独裁神よ! 神々の黄昏を打ち破り、押し寄せる波の勢いで、新たな世界を切り開け!
融合召喚! 顕現せよ! 《DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク》!」
☆10 ATK3200
《DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク》
巨体。禍々しいオーラを放つ巨体が叫び声をあげる。巨体の緩慢な動作は、しかし恐ろしく力強く。その王は咆哮して、仮面少女をその衝撃だけで吹き飛ばす。
だが赤馬はそんな少女を一瞥しただけで気にも止めずにカードを繰る手を休ませない。
「そして墓地に存在する《シャッフル・リボーン》の効果。墓地のこのカードを除外することで、自分フィールド上のカードを1枚デッキに戻してカードを1枚ドローする!
私は《魔神王の契約書》をデッキに戻して1枚ドロー! 更に《地獄門の契約書》の効果を発動。デッキから《DDスワラルスライム》を手札に加える!
《DDスワラルスライム》の効果発動。手札の《DDスワラルスライム》と《DDラミア》で融合召喚!
現れろ! 《DDD烈火王テムジン》!
そして墓地から《DDスワラルスライム》の効果を発動。このカードを墓地から除外することで手札のDDモンスターを特殊召喚する! 現れろ《DDリリス》。この瞬間《DDD烈火王テムジン》の効果が発動。DDモンスターが特殊召喚された場合、墓地からDDモンスターを特殊召喚する! 来い《DDラミア》!
そして特殊召喚された《DDリリス》の効果! 手札に《DDラミア》を加える!」
【言葉では伝わりにくい赤馬社長の気持ち】
LP700
手札2枚(1枚はDDラミア)
場 《DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク》
《DDD烈火王テムジン》
《DDリリス》
《DDラミア》
永続魔法
《地獄門の契約書》
「私はレベル6《DDD烈火王テムジン》にレベル1《DDラミア》をチューニング!
シンクロ召喚《DDD疾風王アレクサンダー》!
更に《DDラミア》を通常召喚! この時《DDD疾風王アレクサンダー》の効果発動。墓地から《DDバフォメット》を特殊召喚!
そしてレベル7《DDD疾風王アレクサンダー》にレベル1《DDラミア》をチューニング!
シンクロ召喚《DDD呪血王サイフリート》!」
(さてどうする? 今ここで《アンデットワールド》を無効にすれば《DDD怒濤王シーザー》が呼べる。
だが《DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク》で攻撃が通れば私の勝ちだ。問題はあの伏せカード。ならば《DDD呪血王サイフリート》の効果は温存するべき。そう考えるのが自然。
だがそれは罠だ。2ターン目の《名推理》の時、あの仮面少女は《スキル・プリズナー》を墓地に送っている。無効にはならない。
ここはエクシーズが正解だ!)
マフラーを無重力空間で靡かせ、赤馬は考察を済ませてカードの効果を宣言する。
この間、3秒にも満たない。それほどの速さの思考だった。
「私は《DDD呪血王サイフリート》の効果を発動! 《アンデットワールド》を次のスタンバイフェイズまで無効にする! よって私のモンスターは悪魔族に戻った!
私はレベル4《DDリリス》と《DDバフォメット》でオーバーレイ! エクシーズ召喚! 《DDD怒濤王シーザー》!
まだだ! 私は《DDD怒濤王シーザー》でオーバーレイネットワークを再構築する!
エクシーズ召喚! 《DDD狙撃王テル》!」
(だが、私のライフでは《DDD狙撃王テル》の効果の使用は難しいか……?)
ランク5 ATK2300 《DDD狙撃王テル》
右腕に着けたクロスボウを構えて、その王は不敵に笑っていた。
【言葉は効果説明の為にある系男子・零児】
LP700
手札1枚
場 《DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク》
《DDD呪血王サイフリート》
《DDD狙撃王テル》
永続魔法
《地獄門の契約書》
「バトルだ! 《DDD怒濤壊薙王カエサル・ラグナロク》で《インフェルニティ・デス・ドラゴン》を攻撃! ジ・エンド・オブ・ジャッジメント!
この時《カエサル・ラグナロク》の効果を発動! 《地獄門の契約書》を手札に戻すことで戦闘対象以外のモンスターをこのカードに装備し、その攻撃力分だけ攻撃力を上げる!
私が奪うのは《冥界竜ドラゴネクロ》!
これで《カエサル・ラグナロク》の攻撃力は6200まで上がった! これで終わりだ!」
「………………墓地。《タスケルトン》」
巨人の一撃が決まろうとするその瞬間、たーすけーるとーんという鳴き声と共に豚が現れ、骨だけになりながらもその攻撃を身を持って防いだ。
と言うのに、仮面少女は静かだ。時折ぴくっと体が震えて何かを堪えているように唇を噛んでいる。
そして。
「…………返せ」
「…………? どうした?」
空気が凍る。今の仮面少女は今までとは明らかに違う雰囲気を醸し出している。享楽が混じっておらず、怒気が滲み出して赤馬に伝わっていく。
「返せ!! 私の《ドラゴネクロ》!
私にとって、そのカードはっ……!」
許さない、絶対に許さないと仮面少女は呟いて顔を上げる。その目は瞳孔が開きかていると見紛うほどに怒気を孕んでおり、カエサルを仇のように睨み付けていた。赤馬のその表情には唯ならぬものを感じざるをえない。
(このモンスター。恐らく彼女に取って思い入れがあるのだろう。だがこれはデュエル。そんな感情が入り込む余地はない。彼女ほどのデュエリストでもそれが分かっていないのか……? いや、理解した上でどうしようもないのか? それとも、この考えは私の独り善がりなのか? まあいい。今に考えることではない)
「安心しろ。デュエルが終われば返してやる。
貴様の敗北と共に、私の手から丁寧にな」
挑発の台詞。赤馬にとってこの状況はこの仮面デュエリスト・ユーカを知ることができるチャンスだ。だからこそ挑発で感情を更に高め、彼女自身を観察する予定だった。
「……許さない。返せ、返せ。それは私には……」
「……聞いていないか。重症だな。
だが、まだデュエルは終わっていない!
《DDD呪血王サイフリート》で《紅貴士ーヴァンパイア・ブラム》を攻撃! これで300のダメージ!
私は《一時休戦》を発動。お互いにカードを1枚ドローし、次の君のターンまでお互いにダメージは無い。
私はカードを2枚伏せてターンエンドする。
さあ、大切なものを取り返したければ自力で取り返して見せろ! 仮面デュエリスト!」
【ゆうか】
LP2700
手札1枚
場 《インフェルニティ・デス・ドラゴン》
《DDD剋竜王ベオウルフ》
《旧神ヌトス》
伏せカードが1枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
「許さない……! 貴様ここから無事で帰れるとなどと思うなよ! 私のターン! ドロー!
私のスタンバイフェイズ。《DDD剋竜王ベオウルフ》の効果は使わない。私は《冥界竜ドラゴネクロ》を破壊しないっ! 絶対にだ!
そして相手によって破壊された《紅貴士ーヴァンパイア・ブラム》が私のフィールドに戻る。
カードを2枚セット。《インフェルニティ・デス・ドラゴン》、あの《カエサル・ラグナロク》を殺せ」
「っ、墓地からトラップ発動! 《スキル・プリズナー》! 対象は《カエサル・ラグナロク》だ! これでモンスター効果の対象にはならない!」
すうっ、とカエサル・ラグナロクの体に白いオーラがかかる。スキル・プリズナーによる効果だ。
デス・ドラゴンの黒炎はその光に阻まれた。
「対象に取らなければいい。私はレベル8の《インフェルニティ・デス・ドラゴン》と《DDD剋竜王ベオウルフ》でオーバーレイ。
エクシーズ召喚《聖刻神龍ーエネアード》。
このカードはエクシーズユニットを1つ取り除いて自分の手札・フィールドから任意の枚数をリリースし、その数まで相手のフィールド上のカードを破壊する。これは対象に取らない」
「罠発動! 《デモンズ・チェーン》!
フィールド上の効果モンスターを対象としてこのカードを装備。そのモンスターの効果と攻撃を封じる!」
フィールドに現れた巨大な竜は、しかし効果を使えなかった。雁字搦めに鎖に捕らえられた竜は痛々しかった。
「そんなもので私が止まると思っているのか。
速攻魔法《黒白の波動》。シンクロモンスターをエクシーズユニットに持ったモンスターがフィールド上に存在する時、フィールド上のカードを1枚除外してカードを1枚ドローする。
《カエサル・ラグナロク》。貴様は絶対に許さない! 絶対にだ! 次元の狭間に消え失せろ!」
「《DDD呪血王サイフリート》の効果!
《黒白の波動》の効果を無効にする!」
「墓地から罠発動。《スキル・プリズナー》。
このターン《黒白の波動》はモンスター効果を受けない。よって効果は有効。貴様だけは絶対に殺してやる! 《カエサル・ラグナロク》!」
巨人の腹に穴が開く。それは次元の狭間だ。異次元の王を名乗る筈のモンスターがその狭間に捕らわれて消えていった。
その姿を確認した仮面デュエリストは1度目を瞑り、大切なものを護るように自身の墓地に手を当てた。
「ぐぉっ、っ……! 漸く痛みに馴れてきたか……。そして防ぎきれなかったか。流石は私が認めたデュエリスト。称賛に値する」
「私は《黒白の波動》の効果で1枚ドローする。
そして墓地の《置換融合》を除外。《冥界竜ドラゴネクロ》をデッキに戻して1枚ドローする。
……お休み。《冥界竜ドラゴネクロ》。
さて。よくもやってくれたわね、社長。貴方には私と同じ痛みを味わってもらう! 私は《聖刻神龍ーエネアード》と《紅貴士ーヴァンパイア・ブラム》をリリース。
通常召喚《ヴァンプ・オブ・ヴァンパイア》!」
妖艶なヴァンパイアがフィールドに現れる。その笑みは蠱惑的なまでに美しく、サイフリートは同じ血を望む者として同族意識があるのか彼女に膝を折った。
「《ヴァンプ・オブ・ヴァンパイア》の効果。このカードよりも上の攻撃力を持つモンスターをこのカードに装備し、装備したモンスターの元々の攻撃力分だけ攻撃力を上げる!
《ヴァンプ・オブ・ヴァンパイア》に《DDD呪血王サイフリート》を装備させる!」
(このターン、相手にダメージは無い。
その上《DDD狙撃王テル》には恐らく《DDD怒濤王シーザー》のような破壊された時に『契約書』をサーチする効果がある筈でしょう。なら、このターンは破壊しない。守備表示だということは、私への制圧力は無いと言うことだと推測するからね)
「私はこれでターンエンド」
【ヴァンプ・オブ・仮面少女デュエリスト】
LP2700
手札1枚
場 ATK4800
《ヴァンプ・オブ・ヴァンパイア》
《旧神ヌトス》
伏せカードが2枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
【痛みに馴れた赤馬しゃちょー】
LP700
手札0枚
場 《DDD狙撃王テル》
伏せカードが1枚
(地獄門の契約書)
「私のターン! ドロー!
私は《命削りの宝札》を発動する! その効果により手札が3枚になるようにドローする! ただしこのターン私は特殊召喚を行うことはできず、エンドフェイズに手札を全て墓地に送る。
私は《地獄門の契約書》を発動! デッキから《DDネクロスライム》を手札に加え、モンスターをセット。
カードを3枚セットして、ターンエンド!」
赤馬の墓地にはDDネクロスライムがある。動けないと言うことは無いのだ。だが、ヴァンプ・オブ・ヴァンパイア、旧神ヌトスといった厄介なモンスターへの対抗策を練る為に守りを固めたのだ。
【命を削った零児さん】
LP700
手札0枚
場 裏守備モンスター
(DDネクロスライム)
《DDD狙撃王テル》
伏せカードが3枚
永続魔法
《地獄門の契約書》
「私のターン! ドロー!」
(《サイクロン》!? このタイミングで? ……何故このカードが? あの3枚の伏せカードに何かあるって言うの?)
「なら、様子見! 墓地から《馬頭鬼》の効果を発動! このカードをゲームから除外し、墓地から《ユニゾンビ》を特殊召喚!
《ユニゾンビ》の効果。フィールドのモンスター、今回は《ユニゾンビ》のレベルを1つ上げて、デッキから《不知火の宮司》を墓地に送る。
更に《酒呑童子》を召喚。墓地のアンデット族モンスターを除外して1枚ドローする。そして除外された《不知火の宮司》の効果。フィールド上のカードを1枚破壊する!
《DDD狙撃王テル》! 君に決めた!」
相手を狙い打つぜ! とステンバーイしていた彼は不知火の火に焼かれて消えていった。
「くっ、暫くは焼肉は食べられないな……。自分の肉の焼ける感触を思い出しそうだ!
だがこの瞬間、罠発動! 《ヘイト・クレバス》! 自分フィールド上のモンスターが相手によって破壊された時、相手のモンスター1体を墓地に送り、その元々の攻撃力分のダメージを与える!
私は《旧神ヌトス》を墓地に送る!」
クレバスとは、氷河の裂け目だ。そんな場所に落ちようものなら普通は死亡するが、これは闇のデュエル。体自体には問題はない。だが衝撃が、凍気が仮面少女にダイレクトに伝わる。
【焼肉は見たくない赤馬さん】
LP700
手札0枚
場 裏守備モンスター
(DDネクロスライム)
伏せカードが2枚
永続魔法
《地獄門の契約書》
【氷河に突き落とされて凍える仮面デュエリスト】
LP200
手札1枚
場 《ヴァンプ・オブ・ヴァンパイア》
《ユニゾンビ》
《酒呑童子》
伏せカードが2枚
フィールド魔法
《アンデットワールド》
「っ、冷たぃ! い、痛いっ! んっ、つぅ!
だけど、墓地に送られた《旧神ヌトス》の効果。このカードが墓地に送られた場合、フィールド上のカードを1枚破壊する!」
「そんな必要はない。これで終わりだ。
罠発動! 《妖精の風》! このカードはフィールドに存在する表側表示の魔法・罠カードを全て破壊し、その数×300のダメージをお互いが受ける!
今表側になっている魔法・罠は2枚! よってお互いに600のダメージ! 私のライフは700だがな!」
風が吹き荒れる。怪しげな雰囲気のあるこの風は、2人のデュエリストのどちらにとっても脅威となる。
「っ! なんて事をするのっ! だけど私はただでは死なないわよ! 罠発動! 《死霊ゾーマ》!
この罠が発動したことで《妖精の風》が破壊するカードは3枚! お互いに900のダメージを受ける!」
「それはどうかな? 罠発動! 《
この効果によって私は《地獄門の契約書》を破壊し、その枚数分ドロー。さらにドローした枚数×1000のライフを回復する! 私は1000のライフを得た後に900のダメージを受ける! これで私の勝ちだ……!」
「ふふ、ふふふふ。甘い、甘いわよ!
速攻魔法発動! 《サイクロン》!
この効果によって私が一手先に《地獄門の契約書》を破壊する! これで《契約洗浄》は不発になった!
私たちは《妖精の風》の効果でお互いに1200のダメージを受ける! このデュエル、貴方に預けたわよ!」
ごぅっ! と風が2人のデュエリストを吹き飛ばし、敗者への罰ゲームがお互いに執行される。
フィールドを包み込む大量の目がおかしそうに歪んで、2人を交互にぎょろぎょろと眺めていた。
そして、ブレスレットのウジャト眼が光る。何も見えないほどの極光が2人を包み込み、唐突に闇が晴れる。
そして、その場所には誰もいなくなった。
ーーー
「息があるぞ! まだ生きている!」
ほっとしたような声が響く。
その声に対するのは落ちついた声だ。
「そうか、カード化されていないんだ。アカデミアの仕業では無いことは確かだな」
「それよりも、担架を持ってきてくれないか、隼。
随分と衰弱している。早く休ませた方がいい」
分かった。と声が返される。
どこか優しさの残る声だった。
【自己満足の懺悔室】
・言い訳。
力不足じゃ、ないかな……?
頑張りすぎて空回っいる感じがします。
裏設定的に社長がDDD1積みにしたのが問題でした。
(DDD疾風王さんから目を逸らしながら)
・ユーカちゃんのミス
結構あります。大体はご都合主義のせいなのですが。
顕著なのはヌトス様とかヌトスお嬢様とか。
ヌトスが棒立ちなのは持て余したからです。
エクシーズしちゃうとフレシアになってカエサル・ラグナロク狩っちゃうからね。仕方ないね。
後はそうですね。黒白伏せてるのにエクシーズしなかったりでしょうか。あれ凄く違和感あります。まああれはベオウルフと満足竜さんが強いからですが。
他にも細かいミスは一杯あります。が、大体はユーカじゃなくて私のミスです。指摘は大歓迎なのです。
・しゃちょーのミス
1ターン目。DDスワラルスライムの効果を使わない理由。
始めはもう少し展開する予定だったからです。後地獄門を墓地に置きたかったんです。テムジン立たせてターンを終了するからです。ユーカはテムジンの効果知らないからね、仕方ないね。
後のミスは大体DDD1積みに起因している気がします。
でも結構あるかも知れません。許せ、サスケ……