神喰い達の後日譚   作:無為の極

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第141話 辞令

 

 フェンリル極東支部の支部長室には今では珍しいメンバーが召集されていた。過去には幾度となく集合し、ここから様々ミッションが発行されている。招集されたメンバーの誰もがその事実を理解していた。

 そして、そこから導き出されるのは厳格な結果のみ。だからなのか、誰もが普段では見られない緊張感を持っていた。

 

 

「忙しい所、済まない。諸君らを呼んだのは頼み事があったんだ」

 

「あの……最近はそれ程厳しい状態では無かったと思いますが」

 

「確かにアリサ君の言う通りだ。極東支部に関しては君達やブラッド、防衛班の力で何とか現状を維持する事が出来ている。いや、それ所か良くなっている自覚はあるよ」

 

 支部長室に呼ばれたメンバーはクレイドルの中でも事実上の実行部隊に所属するメンバーだった。

 幹部だけに着用が許されている純白の制服は尉官級の証。曹長クラスでの着用は殆ど無かった。だからなのか、その集団が支部長室に移動した事を見ていた人間は誰もが思案する。この極東支部で難易度の高い問題が浮上したのかと誰もが考える程だった。

 

 

「それで、俺達を呼んだ事と今後起こるであろう何かと関係があるんだな」

 

「……そうだね。現時点での話ではなく、少しだけ先の未来に関する事になるだろうね」

 

 ソーマの言葉に榊もまた誤魔化す事無く事実だけを述べていた。お互いが研究職が故に言葉を飾る様な事はしない。寧ろ、単純に結果だけを話す事の方が多かった。

 極東以外の場所で何かが起こる。最終的には世界中で極東と同じ活動が出来る状況を着々と構築している現状があるからなのか、誰もが榊の懸念事項を知る事は無かった。

 

 

「今、極東に限った話ではなく、世界中でオラクル細胞による偏食場パルスを測定してアラガミの出現ポイント何かを観測している事は知ってるよね。これに関しては日々の観測データをまとめ上げた物が情報として蓄積されている。その結果から戦闘時における予測をしてるんだ」

 

 当たり前の言葉に誰もが少しだけ疑い出していた。

 榊の思考はまともではあるが、事、自分の研究や関心事に関してはその限りではない。実際にその苦労をこの場に居るメンバー全員が知っていた。

 勿論、榊の研究の全てが迷惑を被る事は早々無い。精々が初恋ジュースに関連する様な影響がそれ程では無い物が殆ど。だからなのか、今回の招集と榊の言葉の意図が全く見えなかった。

 

 

「その点に関しては現場はかなり助かっています。ですが、今回の招集と何らかの接点があるとは思えないんですが………」

 

「現時点ではそうだね。ただ、今後のと言う事を前提に考えるとこのまま安穏とする訳には行かないんだよ。ちょっとこれを見てくれるかな」

 

 エイジの言葉に榊もまた論より証拠とばかりに一つのデータを見せていた。これが何なのかを理解しているのはこのメンバーではソーマだけ。それ以外に関しては誰もが理解の外だった。

 

 

「これはとある時期に発生した際の電磁波と大気のデータなんだ。実際に当時のデータはこれが主だったんだよ」

 

「おい、オッサン。まさかと思うが、これは………」

 

「そう。これは人類が初めてオラクル細胞からアラガミが発生した当時のデータ。今でこそ偏食場に関する研究が進んでいるから、このデータにはそれ程の価値は無いけどね」

 

「……そう言う事か」

 

「なあ、ソーマ。どういう意味だよ。俺達にも分かる様に説明してくれよ」

 

 榊の言葉にソーマだけが真っ先に反応していた。未だオラクル細胞に関する研究の殆どは出探りに近い。これまでにも色々な部分での研究はされているが、そのどれもが本来のオラクル細胞を完全に解析した結果ではなく、表面上のデータを解析した物を有効活用していた。

 当然ながら今はマーナガルム計画の様に人体実験を軽々しくする様な風潮はない。人類が加速度的に減少した当時とは明らかに状況が違っているからだった。

 安全に過ごす事が出来て初めて自分達の関わる物に対しての研究が始まる。幾らオラクル細胞によるアラガミが闊歩しようが、大体的に見ればまだ入口から少しだけ足を踏み入れたに等しかった。

 

 

「コウタ。いや、他の奴らにも説明する。今はオラクル細胞からアラガミが出現するのが当たり前だから気が付かないが、当時はそんな物すら無いままの状態でやっていたんだ。

 ここ最近になってから漸くその技術を作り出し、ブラッドのお蔭で感応種や、そこから出る偏食場パルスの研究が進んでいる。その恩恵に現場は与っているに過ぎない」

 

 ソーマの言葉に何となく察しがついたのはエイジとアリサだけだった。そこから導き出される答えは極東以外で何かが起こる可能性がある。それだけだった。

 

 

「コウタ、ソーマは極東支部以外でアラガミが初めて出た頃と同じ様な事が起こる可能性が高いって言ってるんですよ」

 

「マジで?でも、今はアラガミが既にいるんだぞ。だったら何が起こるって言うんだよ」

 

 アリサの言葉にコウタは驚いたままだった。仮にアラガミが新たに出没するとなれば、可能性は一つだけ。それも極東であれば当然の事だった。

 これまでに無い新種が大量に発生するかもしれない未来。それをアリサは暗に口にしていた。

 

 

「少なくとも、これまでに無い程の新種が出るかもしれない。ここでも通常種の中でも変異種の数が最近は少しづつだけど混ざってきている。今は教導でもそれに関しての注意事項が増えてるんだよ」

 

「そう言われればエイジの言う通りかも」

 

 コウタもまた少しだけ、ここ最近のミッションの内容を確認していた。変異種の最大の特徴は通常種とほぼ変わらない点。それと同時に知能が高くなっている事だった。仮に僅かでも攻撃を受ければ、殆どのアラガミはこちらに向かって来る。だが、その習性を利用した作戦が常に行使されていた。

 それに対して変異種の場合、攻撃の威力を感じ取る事によってその度合いを確かめるかの様に動く事が殆どだった。当然ながらイレギュラーな動きが多くなり、その結果として従来の作戦が通用しなくなる。

 中堅やベテランであれば対処は簡単だが、新兵であれば確実に混乱する内容。それを立て直す事がどれ程困難なのかはコウタ自身もまた知っていた。

 

 

「で、それは分かったんだが、今回の招集とはどんな関係があるんだ?」

 

「今回の招集に関してはその事実を踏まえた上で、フェンリル極東支部からの正式な辞令として受けてもらおうかと思ってね」

 

 リンドウの問いかけに答えるかの様に榊は今回の招集の趣旨を口にしていた。普段であれば正式な辞令などと言った言葉を口にする事は早々無い。そもそも辞令が出た時点でゴッドイーターが反論する事は出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本家屋特有の雰囲気だからか、用意された料理はラウンジで食べるそれとは明らかに違っていた。

 アナグラでは常に地下にある工場や時折サテライトから運ばれる食材を使う事が殆ど。以前の食材に比べれば格段に品質そのものが向上していた。

 その結果、料理に自然と深みが出てくる。料理人が変わらなくとも明らかに違うのは当然だった。だが、ここではそんな料理すら比べものにならない。それ程までに用意された食材は上等だった。

 少人数とは言い難いからなのか、事前に用意されていない為に、内容そのものは簡素になっている。だが、それはあくまでも普段に比べればが前提の話。ラウンジの食事と比べれば遥かに上の物だった。

 

 

「やっぱりこの時期は鍋に限るよな」

 

「ちょっとリンドウ。少し羽目を外し過ぎよ」

 

「いや。ここで食べたのは久しぶりだからさ」

 

 サクヤの小言もまた久しぶりだと感じたからなのか、リンドウは用意された鍋の具材と口にしながらも出された日本酒で喉を潤していた。

 日本酒特有の強い酒精ではあるが、喉が焼ける様に感じたのはほんの一瞬。喉を通ったそれに続くのは果実の様な匂いだった。

 ラウンジでもアルコールは出る。だが、日本酒はそれ程用意されていなかった。

 最近の極東支部は旧時代の日本に住む人間ばかりではない。他の地域からの技術交流と言う名の研修で人種は雑多になっていた。

 そうなれば特定の個人だけに用意される物は無い。その為にリンドウとしても久しぶりに日本酒を味わっていた。

 

 

「サクヤもここ最近は忙しかっただろ。偶にはこんな日があっても言いだろう」

 

「……確かにそうね。私も少しだけ貰うわ」

 

 リンドウの言葉にサクヤもまたここ最近の状況を思い出していた。

 常に厳しい戦いばかりが教導の状況ではない。一定の間隔で入る新人のカリキュラムの方針や、個人の状況など見るべき物は多岐に渡る。ツバキもまた同じ状況ではあるが、こちらは違い意味で多忙を極めていた。

 

 基本的に教導に関しては階級そのものはそれ程意味を成さない。特に現場を知っているサクヤからすれば当然だった。当時の階級から考えれば当然の事。だが、ツバキに関しては佐官級の為に、何かと外部での交渉も多かった。

 幾ら階級と実力を考慮したとしても、それは極東の内部の話。他の支部からすれば内容ではなく階級で考えるのが当然だった。

 そうなれば何かが起こった際にはツバキではなくサクヤに面倒事が集中する。その結果としてオーバーワーク気味になっていた。

 

 

「おい。無理はするなよ」

 

「その辺りは大丈夫。ちゃんと限界は知ってるから」

 

 心配げな言葉を無視するかの様にサクヤもまた久しぶりアルコールを口にしていた。

 息子のレンに関してはここでの修行がされている為に、事実上の親離れをしている。

 本来であればまだ甘やかしても問題無い年ごろではあるが、ここでは完全にそんな感覚は無かった。

 

 元からここの子供は孤児に近く、厳しい鍛錬が要求されている。生き地獄を一度でも経験しているのであれば、ここの環境はある意味天国だった。

 アラガミから怯える事無く、安心して眠りに就ける。食事の心配もせず安心して生きる事が出来る。元から外部居住区に住んでいたのであれば気が付かないが、フェンリルの恩恵を受ける事が出来なかった側からすれば天国だった。

 一宿一飯の恩義では無く、これからの未来に向けた先行投資。屋敷ではそんな意味合いが強かった。衣食住を完全に提供されたのであらば、ある程度の義務が発生する。その結果が尋常ではない結果を叩き出していた。

 当然ながらレンもまた同じ。両親がゴッドイーターである為に既に偏食因子を体内に有している。特にリンドウの偏食因子の件があった為に、ある意味では未知数だった。

 周囲が鍛錬をしている為にレンもまた同じ様に行動している。技術面に関しては完全に同世代に比べて頭一つ飛びぬけていた。

 

 

 

 

 

 事の発端はクレイドルの上位陣が榊の元に召集された事に始まっていた。

 元々今に始まった事ではないが、クレイドルの枠組みは既に極東以外にも波及していた。アラガミから人類を守護すべき者。それと同時にその人類の反映をもたらす者。その理念の下に活動していた。

 始まりこそ感情的だが、そんな崇高な考えは無い。ただ、目の前で必死になって生きようとしている人を助ける。その程度の事っだった。

 

 一度明確に出来たうねりはその勢いが衰える事無く、そのまま進みだす。気が付けば001号、002号サテライト拠点が出来た瞬間、それは確定していた。

 少なくない資材と最低限必要な食糧。餓えた人間をいつまでも支える事は困難だが、自らの手で飢えをしのぐ手段を伝えれば後は雪ダルマの如くだった。

 建設候補地が見つかれば後は加速度的に進んで行く。途中でアラガミの妨害が入る事も多々あったが、クライドルが誇る実力者と組織力によって何とかそれを退ける事も可能だった。

 

 懐疑的な視線から変わったのは002号サテライトの建設が終わり、移住が開始してからだった。旧時代とは違い、今はフェンリルが世界を股にかけて君臨している。ただの一企業が世界最大級の複合企業に変化してからはより利己的な物になりだしていた。

 限られた資源の中で生きるべき人間を判別する。ある意味では神と同じ事だった。価値ある人間には更なる安住を、無ければその価値すら見出さない。それ程までに追い込まれていた。

 そんな中で一筋の光明の様にクレイドル計画が立ち上がり、その計画もまたゆっくりとではあるが前に進んでいた。元々極東支部のゴッドイーターはフェンリルの中でも上位に入る者が多い。そんな人間がチームとなっているからなのか、計画は確実性を持っていた。

 

 正しく進んだ歯車を見逃す程フェンリルと言う組織は甘くない。これまでに培ってきたデータの確認から始まり、計画の再編と同時に各支部へと通達する。その結果としてサテイラト計画は一気に拡大していた。

 その結果が榊のクレイドル幹部の召喚。誰もが榊の話を聞いた為に、一度話し合う必要があると考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺もかなりの年数が経ってるんだがな」

 

「無駄だ。あの話しぶりからすれば既に決まっている様な物だ。諦めろ」

 

 鍋の中では投入された野菜が既に熱を通したからなのか、ぐつぐつと音をたてる鍋の中はかなりの熱量を持っていた。既に一部の野菜はしんなりとしていた。元々予定外だった事であるが、鍋料理であればそれ程気を使う必要がなく、また調理の手間も省かれていた。

 余程の事が無ければここの料理人を使う事はしない。限られた人数だからこそ鍋料理が選択されていた。

 豪華さこそないが、用意された材料はここの基準の物。結果的にラウンジで食べるよりも上質な物だった。

 

 

 

 

 

「でも、良かったんですか?今回の件を考えれば階級だって変わりますよ」

 

「本当の事を言えば、階級は確かに中尉なんだけど、実際には既に大尉と同じレベルなんだよ。だからあの話じゃないのかな。榊博士が言う意味も何となく予想出来るけど」

 

「……確かにそうですね。弥生さんじゃない時点で決定みたいな物ですよ」

 

 ボヤくリンドウを無視するかの様にアリサは榊が話した事を思い出していた。エイジの言葉通り、今回の件に関しては極東支部だけでなく、フェンリル全体を通じての事。弥生ではなく榊が伝えた時点で決定された事項だった。

 その中で一番の目玉と取れる階級の変更。打診じみた言葉ではあったが、実際に決定事項である為に誰もが驚いていた。

 

 雨宮リンドウ。如月エイジの両名は一旦、大尉にした後、然るべき手順を踏んで少佐へと昇進。アリサとソーマに関しても同じ様に昇進となっていた。これまでの少尉から中尉へ。その後に大尉へと変更。コウタに関しても少尉から同じく中尉。その後に大尉への昇進だった。

 

 これまでに二階級昇進は任務中におけるKIAしかなく、生きているゴッドイーターではありえなかった。一旦間を置くのは対外的な意味合いが強く、外部からの邪魔を排除する為。

 ただでさえ極東支部は何かにつけて注目を浴びている。そんな中で大量の二階級特進は異常だった。

 しかし、冷静になって考えれば、この人事に関しては妥当だとも言えていた。リンドウに限った話ではなくエイジもまた教導教官として資格こそ持っていないが、その実績は多大な物となっている。本来であれば正規の教官が教導をする事によって昇格するのがこれまでだったが、極東に於いては一定上の技量を持てば誰もが上行けるのは周知の事実だった。

 何も知らない外部の人間は簡単に曹長以上になれると考えて極東へと来る。だが、ここに来て分かるのは普段の教導の方が何倍も簡単な事実だった。

 

 実戦こそが本来の能力を図る指針となる。他の支部で上等兵であっても、極東では新兵と同じだった。苛烈な教導によって誰もが一度は気絶する程に追い込まれ、時には吐く者も居る。その結果として出された結果に、本部もまた認定するしかなかった。

 

 そんな教導を終えた人間が他の支部で活躍するとなれば認めるしかない。だが、教官になる為には一定の階級が必要だった。

 このままでは非公認である事実は宜しくない。本来であれば大尉と同等の内容をこなす人間が中尉のままである事も問題視される可能性を持っていた。サクヤの様に指名された物ではない。その結果が昇格となっていた。

 アリサとソーマ、コウタに関しても同じだった。クレイドルとしての経験をさらに活かすには少尉では問題になる可能性がある。これもまた本部からの意向だった。ゴッドイーターは正規の軍隊ではないにしろ、フェンリルからの命令は絶対となる。榊が話したのもそんな思惑がある事を教える為だった。

 

 

「一応は命令ですからね。リンドウさんにはもう少しだけ頑張ってほしいんですよ」

 

「人遣いが荒すぎるんじゃないのか」

 

「そう?かなり期待されてるんだと思うわよ」

 

 普段であれば飲みなれない物だからか、サクヤの顔は珍しく朱に染まってた。元々ゴッドイーターは代謝が高く、余程の事が無ければ酔いは長くは続かない。その為に、決して酒に弱い訳では無い。

 十分な熱量を持った鍋が故に日本酒は冷たい物を飲んでいた結果だった。普段の凛々しい雰囲気はそこに無い。思いだすのはまだ第一部隊がリンドウの元に発足された頃だった。

 

 

 

 

 

「サクヤ。大丈夫か?」

 

「私なら…大丈…夫…よ」

 

 既に酔いが回っているからなのか、目蓋が少し重くなっている。これがアナグラであればこんな状態にはならない。だが、ここでは周囲の目を気にする事は無かった。

 まだリンドウの生存が発覚した頃、サクヤもまた一時ではあるが、ここでの生活をしていた。旧時代を強く思わせる空間。殺伐とした空気が流れる事もなく平和だと思えるそれはサクヤの深層心理にも残っていた。

 教官としてゴッドイーターを戦場へと送り出す。そこには見えない重圧がサクヤをゆっくりと疲弊させていた。

 一度緩んだ空気が戻る事は難しい。日本酒の影響もあるからなのか、リンドウもまた窘める事をせず、サクヤを介抱する事にしていた。

 

 

「悪いな。サクヤを少しだけ横にさせてくる。部屋は良かったんだよな?」

 

「大丈夫ですよ。準備はしてありますから」

 

「何時もすまんな」

 

「いえ。気にしないで下さい。兄様からも言われてますから」

 

 何気ない会話ではあったが、それだけで十分だった。食事をしてそのまま帰るケースの方が少ないのは、これまでの結果による物。アルコールが入った時点で確定だった。

 

 

「リンドウさん。サクヤさんをそのまま襲っちゃダメですよ」

 

「アリサに言われる日が来るとはな……お前らも自重しろよ」

 

「私達は何時もと同じですから」

 

「相変わらずだな。何時まで新婚気分やってるんだか」

 

「大きなお世話ですよ」

 

 普段であれば出ない軽口。アリサもまた懐かしさを感じているのかもしれなかった。クレイドルとして動き出してからは常に動乱の日々が続いている。赤い雨から始まり、感応種の出現と終末捕喰。ブラッドが加勢している今となっても同じだった。

 

 極東の中だけでなくフェンリル全体としても注目されている以上、下手な事は出来ない。だからこそ、こうやって緊張をほぐす事も必要だった。サクヤがそうなったのは必然なのかもしれない。誰もがそう考えていた。

 

 

 

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