神喰い達の後日譚   作:無為の極

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第50話 不自然な内容

 榊だけでなく、弥生とレアはフェルドマンからの通信が切れた後、暫し考えが纏まらなかったのか珍しく言葉にならない沈黙が続いていた。

 

 フェルドマンがもたらした神機兵の機能の中に搭載されてるのは、光学迷彩とステルス機能。元々アラガミと戦う際に光学迷彩は極めて有効な物だった。

 視覚に映らないのであれば最接近をした後に致命的な一撃を最初に与える事が可能となるだけでなく、最悪は退却する際にもアラガミから僅かでも視界から外れる事が可能であれば、戦術的には極めて有効な物だった。

 

 これがゴッドイーターであれば体臭や息遣いで察知される可能性はあるが、神機兵の場合はそんな物に影響される事は無い。万が一の場合には起死回生の一手さえも可能となっていた。

 有効性を考えれば納得は出来る。しかし、追加装備でもあるステルス性能はアラガミには全く関係の無い物だった。ゴッドイーターが使用するステルスはどちらかと言えば光学迷彩に近い意味合いがあるが、神機兵に踏査されたそれは明らかに対レーダー用。

 通常の神機兵でさえ、アラガミの大型種とは対等に戦う事が可能となっている。そんな神機兵以上に巨大なそれは破壊力もまた尋常では無い。

 まともな運用を前提として考えると、気にはなるが、問題視するレベルではない。しかし、最悪の状況を考えれば看過出来る物では無かった。

 仮にそれが支部に向けられるとなれば、事前に対処は不可能に近い。アラガミ以上に厄介な代物だった。

 

 

「仮にあの話が事実だと仮定した場合、一体どんな考えを持ってやったんだろうね」

 

「今の所は何とも言えません。ですが、通常には無い装備をしている以上、何かしらの意志がある事は明白です。現に情報管理局でさえ特定出来ないのであれば、今後はここも厳重に警戒する必要があるかと」

 

 榊の言葉に弥生は一つの可能性と前置きした上で自分の意見を告げていた。

 事実、明らかに破壊活動に方向性を振った装備を持っている以上、可能性はゼロではない。本部からは距離はあるが、だからと言って、それが安心できる材料にはなり得なかった。

 仮に協力者が居た場合、物理的な距離は輸送機を使えば一瞬にしてクリア出来る。何も考えなければ荒唐無稽だと笑い飛ばす事も可能だが、誰もそんな楽観視する気持ちににはなれないままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど。だとすれば次の一手はそこになりますな」

 

 男は紫煙くゆらせ、誰かと話をしていた。

 秘匿回線でつながっているからなのか、その声の主が誰なのかは判断する事は出来ない。人払いをしたからなのか、隣の部屋で待機している秘書もまた知りえない内容だった。

 高級な調度品がその人物の性格を表しているからなのか、ただ高級なだけで、その調度品には統一感すら感じられずどこか下品な様にも見える。誰もが口にはしないが、その部屋を見た第一印象は皆同じ。

 自らの功績を目立たせる様な勲章の数は自己顕示欲の表れなのか、部屋の一番目につく場所に飾られていた。

 そんな部屋の持ち主が何を話しているのかが聞こえない以上、会話の内容が外部に漏れる事は一切無かった。

 

 

「ええ、後はそちらにお任せします。こちらからでは手出しが出来ませんので……はい。ええ。もちろん今回の件に関しても成功した暁にはそれなりの物を」

 

 通信相手は男よりも格上の人間だったからなのか、どこか畏まった感じのままに会話は進んでいた。

 今回の計画は些細な物から始まっていた。お互いの欲望の利害関係が一致しただけ。そこに信頼関係は無いが、元々は商売人だからなのか、契約にはうるさかった。

 お互いがそんな状況下で計画を進めて行く。密室で行われる話にはどこか剣呑とした空気が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この内容そのものに間違いなんだけど……」

 

 レアはフェルドマンから依頼された当初の予定でもある、極東支部に配備された神機兵のメンテナンスをずっと続けていた。

 キッカケはフェルドマンからのその後の内容に若干ではあるが、システムを見た際にどこか違和感を感じた点だった。

 あの当時、九条が暴走した際には感じられなかったが、今見ているシステムには何となく何かが違う事だけは感じ取れていた。しかし、幾ら何を確認した所で、不具合や破綻した部分ははどこにも見えない。

 

 そもそも今の神機兵は螺旋の樹の安定化を図る際に、無人型から有人型へと全てシフトしている。理論上は遠隔操作も出来るようになっている為に、動きはぎこちなくても無人機としての機動は可能となっていた。

 仮に、内部から操られた場合、如何に極東支部と言えど受けるダメージはアラガミの比では無い。極東に限った話ではなく、どこの支部でも外敵からの防衛に重点は置くが、内部からの攻撃に関しては想定していない。

 上空から襲い掛かるアラガミが居るのであれば話は変わるが、それはあくまでも外部居住区の話でしかなかない。仮にアナグラの内部から直接攻撃されるとなれば、確実に致命的な打撃を受けるのは間違い無かった。

 

 

「レア先生。どうされたんですか?」

 

「シエルこそ、どうしてここに?」

 

「ここに籠ってからかなりの時間が経過していたので、一度休憩でもと思って呼びに来ました」

 

 シエルの言葉でレアは漸く時刻を確認していた。元々午前中から作業を開始したものの、気が付けば時間は既に夕方へと迫っていた。

 どれ程の時間をここで過ごしたのかは分からないが、シエルの言葉に漸くレアも食事すらしていない事を思い出していた。

 

 

「気を遣わせたみたいね」

 

「いえ。そんな事はありません。ですが……」

 

「どうかしたの?」

 

「私が気にしすぎなのかもしれませんが、何か大きなトラブルでもあったのではないのかと…」

 

「トラブルって程じゃないのよ。ただ、ちょっと神機兵の関係で少し変更する点があったから、それを修正する為なの」

 

 幾らシエルと言えど、事実上の特命に近い内容を話す訳には行かなかった。

 本部で開発したシロガネ型の神機兵はあまりにも特化しすぎた性能を誇っていた。

 詳細については何も知らされていないが、一部フェルドマンから見せられたプログラムの一部は神機兵がまだ完全にシェイクダウンする前のそれに近い。

 今は亡きラケルが作った意図的に暴走するそれはまだフェルドマンにすら伝えていない。自分の中でここにある物だけでも一旦は修正した後に話す方が良いと判断した結果だった。

 

 

「そうでしたか。ですが、多少は休憩を入れないと、脳の回転も鈍ります。良ければ、これをどうぞ」

 

 シエルが差し出したのはどこか形が歪なクッキーだった。

 明らかに既製品で無い事は間違い無い。しかし、ここで作る人間がこんな不格好な物を作るとは到底思えない。良く見ればシエルの頬には僅かに朱が走っていた。

 

 

「これって、シエルが作ってくれたの?」

 

「はい。何とか教わりながら作ってみました。味は私ではありませんので、それに関しては問題無いですから」

 

 そんなシエルの言葉にレアは一つだけクッキーを齧ってみた。確かに甘さは調整されているからなのか、見た目はともかく味そのものには何の問題も無かった。レアが知るかぎり、こんな事をシエルがするとは到底思えない。だからなのか、レアは笑顔で感想を述べていた。

 

 

「ううん。美味しいわよ。あともう少しで作業の方はメドが付くから、これが終わったら、今日の作業は終了にするわ。クッキー有難うシエル」

 

「はい」

 

 レアの言葉にシエルは満面の笑みで答えていた。恐らくは何度か失敗はしたのかもしれない。しかし、そんな見た目ではなくシエルが自分の意志で作ってくれた事にレアは感動を覚えていた。

 まだフライアに居た頃とは明らかに違っている。そんなシエルを見たからなのか、レアは改めて残った作業に集中していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう……分かったわ。出来ればそっちの作業が終わった時点でこちらに来てほしいの。ええ。でも万が一の際にはこちらの指示を優先して」

 

《了解しました》

 

 支部長室で弥生はサテライト建設地で起こった事実をエイジから聞いていた。

 正体不明のそれが何のかはフェルドマンからもたらされた内容と酷似している。

 仮に何も聞いていない状況であれば、確実に高度な警戒態勢を取って居たはず。本部で行方不明になった物が既にこの地に来ている可能性が高いのは間違い無かった。

 だからなのか、エイジとの通信が切れた際に、弥生は無意識のうちに溜息を吐いていた。

 最悪の可能性。しかし、それが何を意味するのかまでは分からないままだった。

 事実、弥生も何もしていない訳では無い。これまでに培ったネットワークだけでなく、自身でも出来る事を幾つか行使していた。

 そんな中で必ず最後にぶち当たるのは第一級の『機密事項』の壁。これは当事者かそれに担当している人間だけがアクセス出来る物。既に何人かに確認したものの、肝心の当事者が誰なのかまでは未だ掴み切れていないままだった。

 

 

「中々厳しいみたいだね」

 

「そうですね。せめて目的が何なのかが分かれば良いんですが、今の段階では何とも言えませんね」

 

 弥生の言葉に榊もまた判断に困っていた。これがアラガミが大群で押し寄せる内容であれば対処の一つも出来るが、今回の内容は明らかに悪意とも取れる人為的な何か。

 事実上のテロ行為と何ら変わりない物。対アラガミとは違い、相手は自分達と同じ人間である事が悩みの種だった。

 見えない何かに引っ張られる感覚に榊は僅かに背中が冷たくなる。幾ら支部長だとは言え、対人間との関係のプロではない。今出来る事は無事に何かが解決する事だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暴走したと思われるシロガネ型神機兵は、一時的に機能を停止していた。自ら行動はするものの、その行為そのものに疑問を持つ事は無かった。元々一つのプログラムである事が最大の要因の為に、人間の様な葛藤や疑問と言った物は最初から存在していない。

 今やるべき事は自己判断による自身の検証。無限ともとれるエネルギーの摂取をしているからなのか、神機兵はそのままステルス状態を維持し、待機していた。

 

 

《…………》

 

 どれ程の時間が経過したのか、シロガネ型の目に改めて光が宿る。用意されたプログラムなのか、それとも新たな指示なのかは分からない。しかし、起動した神機兵は改めて手に持った巨大な兵装を手に目的の地へと移動を開始していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェルドマン君。まだ原因は分からないのかね?」

 

「申し訳ありません。現在の所は目下捜査中ですので、詳細についてのお答えは出来ません」

 

「君がそう言ってからどれだけの時間が経っていると思ってるんだ。既に例の神機兵が暴走して支部を襲撃したと言う情報も入ってる。このままでは我々の統制はおろか、嫌疑の目を向けられる可能性もあるんだぞ。それを理解しているのか」

 

 フェルドマンは内心舌打ちしたい気持ちを押し殺して幹部の話を聞いていた。

 既に強奪事件から5日が経過している。本来であれば極秘裏に捜査していたはずが、正体不明の何かによって一部の支部ではアラガミ防壁が破壊された事実が発覚していた。

 フェルドマンがその事実を確認したのはここに来る1時間前の話。にも拘わらず詳細を知っている役員が居る事に疑問を感じていた。

 

 

「いいか。このままでは今後の君の処遇にも影響が出てくると考えた方が良いだろう。このままだと誰かが責任と取るしかないからな」

 

 反論しないフェルドマンを見た一部の役員は愉悦の表情を浮かべていた。

 元々今回の発端となった神機兵の搬入に関してはその役員の一存で決定した節がある事をフェルドマンはこれまでの捜査の中で掴んでいる。既に一部の協力者が居るでのはとの推測までは立っていたが、今の会話によって疑念が確信へと変わりつつあった。頭の中で混ざったパズルのピースが音をたてはまっていく。

 どれだけの罵詈雑言を聞こうが、既にその思考は別の事を考え出していた。

 

 

「まぁまぁ。だが、我々もこのまま寛容な目で見る訳には行かないのもまた事実。せめてその神機兵を奪取するか、せめて廃棄処分にしない事には他の支部からの突き上げがあった際に示しが付かなくなる。大変だとは思うが、早急な対処をしてくれ給え」

 

「ではその様にさせて頂きます」

 

 会議室を出たフェルドマンの目には既に何かを捉えた様な力が宿っていた。

 情報管理局は警察機構の様な役割ではなく、本来であれば公安に近い性質を持っている。

 確かに行方不明の神機兵の関してはこれまで極秘に捜査していた事もあってか、隠密行動に近い物があった。しかし、一部の情報が暴露された以上、正規の手続きをもって大体的に行動する事が可能となっていた。

 既に手に持った通信機には『準備完了』の文字が浮かんでいる。先ほどの鬱憤を振り払うかの様にフェルドマンの足は力強く動いていた。

 

 

 

 

「すまないが、今回の神機兵の搬入元を調べてくれ。今の本部周辺でそれを可能とする企業の数は限られている。だとすれば、その企業がキーとなるだろう」

 

「ですが、情報を開示しない場合は?」

 

「別件で放り込め。後は絞れば何か出てくるだろう。既に幹部の連中だけでなく、他の支部にも影響が出始め居ている以上、悠長な事は出来ない。なに、製造元だと判明した暁には多額の賠償と長期の投獄が待っているだけだ」

 

 フェルドマンの顔を見た情報官はここに配属された当時の事を思い出していた。

 まだフェルドマンが就任する前はフェンリルの上層部はかなり揉めていた記憶があった。

 贈賄や横領だけでなく、自身の権力の為に物資を勝手に変更するなど、当時の腐敗ぶりはすさまじい物だった。そんな中で一刀両断の如く幹部を処罰したフェルドマンは色々な意味で恐れられていた。

 当時の粛清を行った時と同じ表情だと思い出したからなのか、指示を受けた情報官は直ぐに自分のやるべき事の為に行動に移していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 野生の狼の様な遠吠えは、周囲に潜んでいたアラガミを一気に呼び寄せていた。これまでは戦闘音を察知しない限り寄ってこなかった小型種や中型種がマルドゥークの声に呼び寄せられたのか、既に周囲の戦場は混沌とし始めていた。

 

 マルドゥークが飛ばす巨大な火炎を纏った飛礫は北斗へと向けられていた。

 巨大な岩石の様な飛礫は盾で受ける事は可能だが、それと同時に種劇で直ぐに行動するのは厳しい状況に陥る事が多かった。既に乱戦状態なのか、マルドゥーク以外には堕天種のグボロ・グボロが鼻の様な砲塔から同じく火球を放っている。

 周囲には隠れる場所も無い為に、多方向からの攻撃は回避以外の選択肢を確実に奪い去っていた。

 

 

「北斗!」

 

 ナナは北斗に向けられた飛礫に向かって自身のアンベルドキティの引鉄を引く。元々射撃その物を得意とはしないが、この至近距離でもあれば恐らくは大丈夫だと判断した結果だった。

 ショットガン特有の散弾が炎の飛礫を破壊する。粉砕された事によって北斗は確実に回避していた。

 

 

「すまんナナ!」

 

 北斗はナナに礼を言うと同時に、直ぐにマルドゥークに向かって走りだしていた。

 飛礫を飛ばしたからなのか、態勢が不自然なままの状態になっている。目の前にある絶対的な隙を北斗は逃す事無く純白の刃を眼球に突き立てていた。飛び散る鮮血を浴びながらも、北斗は確かな手ごたえを感じ取っていた。

 アラガミと言えど、眼球への攻撃は大ダメージを負うからなのか、マルドゥークはこれまでに無い程に大きな隙を作っていた。顔を大きく左右に振る事で先程の攻撃を振り払うかの様な行動は戦闘時には致命的だった。

 本能が先に来たからなのか、マルドゥークは僅かにブラッドから意識を逸らした瞬間だった。

 

 

「確実に行けるやつからだ!」

 

「了解しました」

 

「おう!」

 

「任せて!」

 

 北斗の言葉にナナだけでなく、シエルとギルもまた顔を振っているマルドゥークに向けて一斉に射撃を開始していた。着弾する銃弾の属性なのか、北斗が突き立てた眼球の部分は徐々に凍結していく。反作用的な属性は既にマルドゥークの体力を一気に奪い去っていた。

 

 

「いっけ~!」

 

 ナナのコラップサーはマルドゥークのガントレットを二度三度と叩きつけていた。連続した攻撃によりガントレットはきしんだ音をたて皹が入ったのか、徐々に大きく広がっていく。止めの一撃だと言わんばかりに皹の中心に直撃した事により、堅牢な防御能力は完全に失われていた。

 事実上の弱点でしかないそこに、再びギルの銃撃が着弾していく。弱々しくなったからなのか、その動きは既に失われいていた。

 

「シエル!」

 

「任せて下さい」

 

 北斗は直ぐにシエルに3度連続してアラガミバレットを受け渡していた。

 何度も捕喰した事により大量に保持したアラガミバレットは次々とシエルに渡っていく。自身のレベルが最高値になったからなのか、シエルは自身から溢れるオーラと共にアーペルシーの引鉄を引いていた。

 

 

「これで終わりです」

 

 呟きと同時に銃口から発せられるアラガミバレットは灼熱の色を表す紅の弾丸。これまでに無い程の衝撃を残しながらマルドゥークに着弾すると同時に大きな爆発を起こしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回の任務は結構大変だったよね」

 

「ああ。極東らしい任務だったな」

 

 地面に沈んだマルドゥークを他所に、北斗達はそのままグボロ・グボロも追加で討伐していた。

 元々現れた時点では気にもしていなかったが、今になって思えば余りにも簡単すぎていた。改めて記憶を辿れば、ここに現れた当初からダメージを負っていた様にも思える。

 アラガミ同士が戦ったのであればどちらか捕喰するまで続くはず。幾ら呼ばれたからと言っても、それは余りにも不自然すぎていた。

 帰投の中でシエルは改めて考える。レアがあれ程入念に神機兵をチェックするのは何か意味があるはず。今回の訪問が何も問題無いとは考えにくかった。

 

 

「どうしたシエル。考え事か?」

 

「少し気になる事があったんですが、あのグボロ・グボロは最初からダメージを負っていた様な気がしたんです」

 

「確かに言われてみれば…」

 

 北斗もまた改めて考えはしたが、確かにグボログボロは最初から動きにキレが無かった様にも思えていた。

 しかし、今となっては確認する手段は何処にも無い。詳しい事は分からないが、何かしらの問題が発生している可能性も否定出来なかった。

 

 

「とりあえず、一旦戻ってからだな」

 

 北斗の言葉にシエルもまた、今回のミッションの内容をレポートに纏め、一路極東への帰路に身を委ねていた。

 

 

 

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