神喰い達の後日譚   作:無為の極

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第6話 自分の自覚

「エリナは機動性を上手く使え!エミールはガントレットを集中攻撃だ!」

 

 確実に捕捉しているのか、ガルムの視線はエリナへと向けられていた。チャージスピアの機動力を活かしながら、至近距離ではショットガンの特性を活かす事が出来る様なバレットを今回のミッションでエリナは組んでいた。ガルムに特化した戦術ではないものの、対ヴァジュラ用とも取れる装備は確実に意識した物だった。

 

 

「行くよオスカー!」

 

 エリナは言葉と同時にチャージグライドの態勢を整えるべく、自身のブリリアンスにオラクルが集まり出している。走りながらもその視線はガルムから外れる事は一切無い。狙いはガルムの鼻面。距離を縮めながらも虎視眈々と狙いを定めていた。

 既に自分に対しての殺気を感知しているのか、ガルムもまたエリナを視線から外す事は無かった。巨体から繰り出される速度による攻撃は、いかにゴッドーターと言えど無事では済まない。これまでに経験した事実があるからこそ、その威力に過信は無かった。

 お互いが視線を外す事無く距離を詰める。しかし、対峙しているのはエリナだけでは無い。一点に集中しすぎたのか、ガルムはエミールの接近に気が付く事は無かった。

 既にタプファーカイトの炎は準備万端と言わんばかりにハンマーの後方の空気を揺るがしている。時間にして刹那の出来事は先ほどまでの空気を一変させていた。

 

 

「騎士道ぉおおおおお!」

 

 エミールの裂帛の気合いと共に放たれた渾身の一撃はガルムのガントレットを直撃するだけでなく、同時に結合崩壊までも起こしていた。突如として現れた伏兵にガルムも本能で意識をそちらに向けている。ギリギリの戦いの中で視線を外す行為は自殺行為と同等でしか無かった。

 視線が外れた事を確認したエリナは間髪入れずにチャージを終えたブリリアンスを解放する。ジェットエンジンを積んだかの様な加速と共に穂先はこれまで同様にガルムの鼻面を捉えていた。

 

 

「いっけぇええええ!」

 

 エリナの言葉と同時に解放されたオラクルをブースター代わりにブリリアンスは一気に最高速度へと到達する。ゴッドーターの驚異的な身体能力でさえ、完璧にチューニングしないかぎり自身までも吹き飛ばす勢いを押さえつつ、エリナは狙いを外す事無くガルムへと突進していた。

 全身の力を上手く活かし、これまで以上に勢いがあるそれを完璧に制御する。まだ配備された当時、散々だった事を考えれば今のエリナは確実に成長していた。

 

 加速すると同時にエリナの視界は一気に狭くなる。乱戦で使用すれば最悪は視界の外からの攻撃を受ける可能性があったが、今はそんなアラガミの姿はどこにも無い。一点集中とばかりに襲い掛かる穂先は鼻面から僅かに外れ、ガルムの眉間へと突き刺さっていた。

 

 凶悪とも取れる加速からの一撃は小型種であれば貫通する程の勢いを秘めている。しかし、今の攻撃で眉間には直撃したものの、貫通する程の勢いは無かった。しかし、結合崩壊を起こしたのか、ガルムは大きく悲鳴を上げながらのけ反ったと同時にその視界は一気に塞がれる。眉間に突き刺さった勢いをそのままに崩壊の度合いは右目にまで及んでいた。

 視界を失ったガルムはこれまでの様な行動を起こす事は無くなっていた。周囲の状況を確認出来ないままに飛び出せば、今度は周囲からの一斉攻撃を受ける事になる。左目でエリナを捉えているも、失われた右目の視界は暗黒となっていた。

 

 

「一気に行くぞ!」

 

 今のコウタ達にとって動きが完全に停止したガルムは既に討伐したも同然だった。破壊されたガントレットに再びエミールの強振が直撃する。既に弱点でしかないそれは再び亀裂が入り右前足は完全に崩壊していた。四本足の行動をするのものが完全に前足を失った事によってコウタの銃撃が残された視界を塞ぐべく左目へと着弾していた。

 

 

「エリナ!止めだ!」

 

「はい!」

 

 コウタの言葉と同時にエリナの渾身の一撃は、エミールの攻撃によって倒れた状態のガルムの眉間へと放たれる。渾身とも取れる一撃には無意識の内に捻りが加えられていたのか、回転しながら突き刺さる穂先は完全にガルムを死へと追いやっていた。

 断末魔を上げる事無くガルムの躯体は一瞬だけ持ち上がると同時に再び地面へと沈む。事切れたのが確認出来たからなのか、エリナはガルムのコアを抜き去っていた。

 

 

 

 

「お疲れさん」

 

 横たわったガルムはその躯体を維持する事が出来なくなったのか、徐々に霧散し、やがては塵へと消えていた。何時もであればこのまま帰投の準備か落ちている素材の回収へと移るが、今回に関してはそんな行動を起こす気にはなれなかった。これまでの戦場で培った経験がそうさせるのか、それともただの勘なのかは分からない。しかし、周囲一帯に漂う空気はそんな緩む様な事を認めないとばかりに漂っていた。

 

 

「コウタ、何か変じゃない?」

 

「マルグリットもそう感じるか?」

 

 コウタとマルグリットの様子に気が付いたのか、エリナだけでなく、エミールも警戒していた。周囲一帯に漂う空気は明らかに連続ミッションの様な雰囲気を漂わせている。そんな状況を認めるかの様に一本の通信がコウタの耳に届いていた。

 

 

《コウタさん。周囲一帯に大型種が近づきつつあります。こちらで確認できるのは全部で3体。万が一の事を考えて近隣に居るチームにも緊急連絡は伝えてあります。出来るだけその場から撤退して下さい》

 

「了解。種類は分かる?」

 

《推測ですが、ヴァジュラ、サリエルの可能性が高いです。もう一体については不明ですが、オラクルの規模から考えれば間違い無く大型種です》

 

 テルオミの言葉にコウタは周囲一帯を見渡していた。心もち大型種特有の歩く音がこちらへと近づいてくる。通信を聞いていたからなのか全員が一か所に視線を向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ソーマさん。現在第1部隊は交戦中のミッションをクリア後に新たに大型種3体と交戦中です。現在地点より一番近いのがソーマさんですが、移動は可能ですか?》

 

「ああ。こちらの用事は全て終わっている。交戦地点はどこだ?」

 

 フィールドワークと称したミッションが完了したソーマの下にテルオミからの通信が飛び込んでいた。一時期に比べればアラガミは活発に行動する事は少なくなっているが、だからと言って完全に無くなった訳では無い。

 自分の実験の為に使う素材のストックもそこが尽きかけた為に、気晴らしを兼ねてミッションに赴いていた。そんな矢先の出来事にソーマも慌てる事無く回線を開く。第1部隊であればコウタが指揮を執っている。余程の事が無ければマルグリットも居る以上、焦る必要性は何処にも無かった。

 

 

《そこから北東に5キロです。今………》

 

「テルオミどうした!」

 

 突如として切れた通信にソーマは嫌な予感だけが走っている。先ほどの言葉が正しければ、ここからであれば然程時間はかからないはずの場所だった。しかし、これまでの嫌な予感は既に何度も経験した事実。僅かに切れた通信の合間にソーマはジープのエンジンに火を入れ、一気に加速していた。

 

 

《すみません。アラガミが予定にない行動をしたのか、全員がバラバラになっています。現在はエリナさんとエミールさんがそれぞれ単独で対峙しています》

 

 テルオミの言葉にソーマは舌打ちしながらアクセルを床一杯にまで踏み込んでいた。コウタがどちらかに居れば多少なりとも回避できる様な行動を取る事はソーマにも予測出来るが、先ほどの言葉が正しければそれぞれが事実上の単独でその場を凌ぐ事になる。お互いが合流しても問題ないが、それではアラガミを引き連れる事になる為に、今はお互いのリスクを減らす為の措置である事を瞬時に理解していた。

 

 

「アラガミは3体と言ったな。何が来てる?」

 

《ヴァジュラ、サリエル………ハンニバルです。ハンニバルはコウタさんとマルグリットさんが交戦している為に援護は厳しい状況です》

 

 激しく聞こえるエンジン音と道路の騒音で所々聞こえない部分はあるが、それでも厳しい事に違いは無かった。

 ハンニバルに関してはあの2人でも討伐は可能だが、問題なのはエリナだった。ここ最近どこか焦っている様にも見えている事実をソーマは知っている。勿論、先日のラウンジでのやりとりも踏まえれば最悪の可能性も否定出来なかった。その後どうやっているのかが分からないソーマからすれば、コウタ達よりもエリナの方が心配だった。

 勢いだけで動けば焦りが焦りを呼ぶ事になる。その結果、想定していない事態に足を掬われる可能性があった。誰もが一度は通る道ではあるが、今のソーマにとっては無き友人の妹を簡単に死なせる訳には行かない想いが先立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 肩で息をしているのか、今のエリナに精神的な余裕はどこにも無かった。以前に勢いだけで言った単独討伐の言葉が今になって理解出来ていた。最初から戦う気持ちが出来ていれば、然程苦になる様な事は無いが、完全に意表を突かれた攻撃は精神を一気に消耗させていた。

 飛び跳ねるかの様に跳躍するヴァジュラはエリナの事を完全に遊んでいるのか、一気にしとめる様な動きではなく、徐々に攻撃を与えている様にも思えていた。常に一定の距離を取っている為に、エリナのソールレムナントでは射程距離が圧倒的に届かない。

 これがコウタやマルグリットが居れば牽制としての銃撃で隙を作る戦術を取る事が出来るが、今はそれすら適わない。まるで自分達がそれぞれに狙いを付けられたかの様に動くアラガミは完全にチームを分断していた。

 

 

《エリナさん。バイタルが危険値に入ります。速やかに回復して下さい。あと5分程で応援がそこに来ます》

 

中距離を付かず離れずでヴァジュラと対峙しているエリナにテルオミの言葉は届いていなかった。対峙したヴァジュラはこちらの隙を常に伺っている。視線が互いに交差している今はそれ以外の事を完全に消去していた。

 遠吠えをしながら周囲に雷球を作り出す。今出来る事はその隙を回避して一気に距離を詰める事だけを考えていた。目の前に出現した雷球は時間と共に大きくなる。既にそれに合わせて行動を起こす事を決めたのか、エリナは心を落ち着かせながら、これまでの教導を思い出していた。

 

 

「エリナは突っ込み過ぎるだけじゃなくて、もっと周囲に気を配れ。チーム戦だったら今のままでも問題無いが、討伐に絶対はない。自分の行動がチーム全体の命運を握っていると考えればむしろ、それだけに集中せず、俯瞰的に物事を見るんだ」

 

「俯瞰的ですか?」

 

「ああ。一点集中が悪いとは言わない。ただ、人間の性質として集中しすぎると視野が狭くなるんだ。そうなれば自分の感知しない場所から攻撃を食らう可能性もある。そうなれば確実に自分の命は吹き飛ぶぞ」

 

 エイジが居ない際にはエリナはナオヤとの教導を続けていた。当時は分からなかったが、今なら分かる。業は自分の生命線であると同時に自分の事を信用する材料となる。如何に窮地に陥ったとしても、それを覆す術が有ると無いとでは雲泥の差となっていた。

 事実、ナオヤとの教導はそんな隙を突く様な攻撃が殆どとなっていた。口でいくら説明をしようが、自分が納得していなければ同じ事だと、身を持って経験させていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴァジュラ種はその種特有なのか、特定の部位は貫通系統の武器に弱い部分が存在していた。例外もあるが、大筋で前足が顕著となっている。今のエリナの神機との相性は決して悪くはなかった。しかし、今のエリナには自分を奮い立たせる様な業が有るかと言えば疑問しかない。絶対的な物を身に付けるには時間が足りな過ぎていた。出来る事は全身全霊で整備された自分の神機だけを信じる事。既に雷球は完成したのか、拡散する様に一気に放たれていた。

 

 

「行くよ!オスカー」

 

 放たれた雷球が合図となったのか、エリナは一気に距離を詰めるべく走り出していた。まだまともな攻撃は一度も当たっていない。強烈な一撃を浴びせる事でヴァジュラの行動をある程度読める部分にまで誘導する作戦を選んでいた。

 等間隔で放たれた雷球はエリナに向かって放たれている。ここで盾を展開すればこれまでの行為が無駄となる。だからこそ回避する事をエリナは選んでいた。襲い掛かる雷球を紙一重で躱したからなのか、自分の髪が僅かに焦げる。燻った匂いがどれ程接近していたかを嫌が応にも意識させていた。

 ここで止まれば次の展開が読めなくなる。鼻に突く臭いを無視してエリナは穂先を前足に向けていた。再びオラクルをまき散らしながら一気に急加速する。雷球を放った事によって今のヴァジュラは事実上の丸裸に近い状態となっていた。

 

 

「このまま一気に!」

 

 チャージグライドはエリナの目論見通りに前足に直撃した事によって大きく怯みを見せていた。痛がっているのかヴァジュラの前足が大きく宙を掻く。エリナはすぐさま自分の神機を変形させ、ありったけの銃撃を大きく見せた腹に向かって連射していた。

 ショットガンでもあるソールレムナントはアサルトに比べれば連射性能は大きく異なる。一発一発の銃弾の威力はブラストにこそ劣るが、アサルトよりも火力が強い物となっていた。

 以前の様にチャージスピア一辺倒での討伐は自分の攻撃の幅を無くしてしまう。幾ら近接型とは言え、至近距離では特別な業が無い限りは銃撃の方が遥かに効率的だった。今のエリナにそんな業は持ち合させていない。だとすればそれが今自分に出来る最適解だった。

 放たれた3発の銃弾全てが柔らかく見えるヴァジュラの腹に直撃する。周囲までも巻き込むかの様な銃創は腹部から夥しい出血を呼んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「間に合ったか!」

 

 ジープを強引に停止させソーマはエリナが居ると思われる場所に到着していた。これまでの事を考えれば交戦している事は間違い無い。何時もの様な冷静さがあれば話は別だが、あの当時の状況と、今に至るまでの環境を考えれば、決して楽観視出来る様な状態では無かった。

 崖の上から見下ろせばヴァジュラ種と一人のゴッドイーターが交戦している。直ぐにも参戦しようとソーマは改めて周囲の状況を伺ってた。眼下で交戦しているのは紛れも無くエリナだけだった。今の所は他のアラガミが合流していないのか周囲にその気配はどこにも無い。だとすれば一刻も早い参戦を決め、ここから一気に降りようとした瞬間だった。

 

 チャージグライドが直撃したのかヴァジュラは大きくのけ反っていた。これがチーム戦であればこの瞬間に火力を活かした攻撃を叩きこむのがセオリーだが、今は他のメンバーはおらず、自身が改めて攻撃をするより他無かった。今の状況だけを見れば決して悪手ではない。何か思う部分があったのか、ソーマは警戒しながらも今の状況を確認していた。

 

 

「テルオミ。エリナとヴァジュラは交戦してどれ位経過してる?」

 

《交戦してからは10分は経過してます。今の所危うい部分は何度かありましたが、既に持ち直しています。アラガミの方も攻撃をしていますが、今はエリナさんのペースで戦闘が継続されている状況です》

 

 通信の向こう側の声も先程とは状況が異なるのか、今はすっかりと落ち着いた声になっていた。テルオミの言葉が正しければ今のエリナであれば余程の事が無ければ窮地に陥る可能性は少ないのかもしれない。そんな考えがソーマを過っていた。

 3発の銃声が戦場に響く。至近距離での直撃が致命傷になったのか、ヴァジュラは血飛沫をまき散らしながらダウンしている様にも見えていた。

 

 

「テルオミ。俺も参戦するが、少しだけ様子を見る。危険だと判断したら直ぐに参戦するとコウタに伝えておけ。恐らくは戦いながらも心配してるだろうからな」

 

《了解しました。その様に伝えておきます》

 

 エリナの集中力を乱さない様にソーマは静かに戦場へと降り立っていた。ソーマの目から見てもヴァジュラは既に死に体に近く、このままのピッチならばあと数分で討伐が完了するだろう事は予測出来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エリナの眼前には完全に事切れたヴァジュラが横たわっていた。誰の力も借りる事無くヴァジュラを単独で討伐したものの、嬉しいと思う気持ちは何処にも無かった。偶然にもコウタが言った様に結果的には単独での討伐が完了したものの、そこにあった感情はただ安堵しただけの現実だった。

 止めの一撃を当てた瞬間、エリナは思わずヴァジュラを凝視していた。ひょっとしたら再び立ち上がるかもしれない。何かが起こるかもしれない。そんな猜疑心の塊となって視線を外す事なく暫くの間凝視していた。

 ゆっくりと近づくと同時に捕喰形態へと移行しヴァジュラのコアを引き抜く。ハンニバルの様な不死性は今の所確認されていない。コアの抜かれたヴァジュラがゆっくりと霧散しきった事で漸くその場で腰を下ろしていた。

 

 

「まさか単独で討伐するとはな」

 

「そ、ソーマさん。何時からそこに?」

 

「ついさっきだ。アナグラからのエマージェンシーでここに来たんだが、どうやら杞憂の様だったな」

 

 その一言でエリナは漸く今の状況を理解する事が出来ていた。元々自分の短絡的な考えで単独討伐をコウタに訴えていたが、結果的にはそれが適う格好になってた。今のエリナに高揚感はどこにも無く、ただ生き残れた安堵感だけが広がっていた。

 

 

「いえ……ただ生き残る事に必死だったので……」

 

 初めて自分のやった事に対して言われた言葉の返事がそれだけだった。気が付けば先程までは感じる事が無かった震えが全身を襲う。このままアナグラに戻れば単独討伐の話は確実に出るのは間違い無いが、それに対して何か話をする事は出来ないだろう事だけが理解出来た。

 今ならコウタの言いたい事が理解出来る。命の重さとその責任。仮にエリナ自身がここで倒れれば、確実の他の場所に行くのは間違い無い。そうなれた2次被害が起こる可能性だけが残されていた。

 

 

「何にせよ、お疲れさん。ただコウタ達とエミールはまだ戦っているはずだ。動けるならすぐにエミールの所に行くぞ。コウタ達は放置しておいても討伐はするだろう」

 

「はい!」

 

 疲弊した身体を無理矢理起こし、エリナは再び自分の神機を握りしめていた。既に全身に広がっていた震えは消え去っている。ソーマが来た事によって安堵した結果なのかは分からない。しかし、今のエリナであれば苦戦する様な気持ちを持つ事は無い事だけが理解出来ていた。

 

 

 

 

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