「すいません。オルコットさん!待ちましたか?」
あの後、授業を受けて、準備をした後に待ち合わせ場所に向かったけど、色んな人が騒いでるせいで、少し遅れてしまった。
「だ、大丈夫ですわ」
オルコットさんは慌てたように大丈夫と言ったが、慌てている様な感じがする。もしかして、この後、用事があるのかな?
「も、もしかして、この後に用事がありましたか?」
顔を覗き込んで、そう問うと、顔が真っ赤になった。
「顔が赤いですけど、熱でもありますか?」
そう言って、僕のおでこをオルコットさんに当てた。うーん、別に熱はなさそうだけど
「だ、大丈夫ですわ!」
そこまで大丈夫と言うのなら、平気かな
「あ、そうだ!呼んだ理由を忘れていました。先ほどはすいませんでした。つい、我を忘れて・・・」
「なぜ、あなたが謝るんですか?私のほうが謝るべきなのに・・・」
「そ、その、怖がらせてしまったので」
「そんな事、気にしなくてもいいですわ!それに、代表候補生である私があの程度で怯えるわけがないですわ!」
「そ、そうですよね。」
よかった!もしかしたら、殴られるかもって怖かったんだよね。
「そ、それより、いつまで僕の手を握っているんですか?」
そう。オルコットさんは先ほどから、僕の手をずっと握っているので少し疲れてきた。べ、別に嫌ってわけではないけど・・
「あ、忘れていましたわ!すいません!」
「その、あのときはすいませんでした。あの時の事は私に火がありましたわ。許してくださいとは言いません。唯、謝らせてください。」
オルコットさんはそう言って、謝ってきた。その、面と向かって謝れると、どうしていいかわかりませんね!
「えーと、頭を上げてくれませんか?どうしたらいいのかわからないので・・」
「そ、そうですか。」
「あ、あの!僕が言っていい事かわからないですけど、友達になってくれるなら、許しますよ?」
そう言うと、オルコットさんは目に涙を溜めて、僕のほうを見てきた。小動物みたいでかわいい!
「ほ、本当ですか?」
僕が頷くと、オルコットさんは涙を流して、また、僕の手を握った。
「ぜひ!よろしくお願いしますわ。」
オルコットさんはすぐに涙を拭いて、笑顔を見せてくれた。その時の笑顔はとても、眩しくて、ドキッ!としたのは言うまでもないだろう。それから、しばらく話をして、好きな食べ物の話になった。え?小学生か!って?上等です!かかってこいです。
「えーと、甘いものが好きです。アップルパイとか、パフェとか・・」
正直、好きな食べ物を言うと、撫でられるから言いたくないです。その、僕ってそんなにかわいいですか?
「かわいいですわ!す、少しだけなら・・」
そう言って、僕の頭を撫でてきた。気持ちいいけど、すごい恥ずかしい!はふぅ!
「その・・まだですか?」
「パフェを買ってあげますから、もう少し!」
「パ、パフェ!?す、少しだけですよ?」
パフェを頼んだ後も結局、撫でられ続け、1時間程の時間を使ってしまった。
「それでは、そろそろ戻りましょうか?」
そう言って、オルコットさんは伝票を持って、お会計に行った。
「あ、自分の方は自分で払いますよ!」
「せめてもの、お詫びです。奢らせてくださいな。」
結局、お金を払ってもらった。実を言うと、貯金はいっぱいあるんだけど・・
「ご馳走様でした。」
「もしよかったら、また」
「はい!次、奢ってもらえるなら、もっと高いの頼みますね。」
「ふふ!では、今度は私もたくさん撫でさせてもらいますわ。」
そう言って、オルコットさんは去って行った。オルコットさんはかっこ良く去って行ったつもりだろうけど、口元によだれが付いていた。
「僕も戻ろう。」
そう言って、僕は部屋に戻った。
「ただいま!」
そう言うと、ベッドのほうでガサゴソと音が聞こえた。
「「「お、おかえり!今日は遅かったね!」」」
見事に3人の声がピッタリだ。逆に怪しいけど・・
「ねぇ?僕に何か隠してない?僕、家族だと思ってる人に隠し事されると悲しいな・・」
僕はそう言って、落ち込むように下を向いた。
「その、これ」
簪ちゃんはそう言って、一枚の写真を見せてきた。その写真は僕と刀奈さんのツーショット写真だった。その写真は確か、小学2年生の時の写真だ。
「この写真がどうしたの?」
そう聞くと、簪ちゃんが、刀奈さんの生徒手帳を見せてきた。
「ここに挟んであった。」
そう言って、渡してきた。見ると、小学2年生のときの手紙があった。それは僕が刀奈さんに書いた手紙だった。内容は言わないでおく。
「この手紙を読もうとしたら、入ってきちゃって・・・」
そうなのか。でも、この手紙は読ませないよ。だって、黒歴史だもん。
「この手紙は特に面白くないから、見ないでいいよ。」
そう言って、僕はその手紙をポケットの中に入れた。
「なんで?もしかして、黒歴史とか?でも、冬奈の黒歴史とか、すごい知りたい。」
「私も!」
そう言って、二人は僕に詰め寄ってきた。
「だーめ!これは本当に見せないからね!」
そう言って、話を無理やり終わらせた。
「はあ!だったら、隠し持っとけばよかった。」
そんなに、見たかったのかな?まぁ、見せないけど
「ただいま!ねぇ私の生徒手帳知らない?たぶん、ここにあると思うんだけど・・」
「あ、それなら、あったよ。はい!」
「ありがと!よかった。あれっ!?ない!」
「どうしたの?」
「簪ちゃん!この中みた?」
「見てないけど・・・何か大事なものでも入って他の?」
「いや・・な、なんでもないよ。」
「そう。私たち、ごはん食べに行くけど、お姉ちゃんは?」
「うん。行く。」
そのような会話をした後、刀奈さんはずっと落ち込んでいる。あとで、こっそり戻しとこう。そのあとはごはんを食べて、布団に入った。もちろん1人で。これで、刀奈さんが寝るまでまとう。
「はぁいつになったら、寝るんだろう。」
もう、あれから、3時間くらいたっている。いまだに刀奈さんは布団に入ろうとしない。
「どこにいったのかしら。」
そうつぶやいたのが聞こえた。そのあと、すぐに鼻を啜る音が聞こえた。泣いているのだろう。でも、あれがそんなに大事なのかな?そう考えているとき、無意識に動いてしまった。やばい!
「起きてるの?」
刀奈さんはそういうが、ここで動いたら負けだと思い、動かずにいた。
「もしかして・・・」
そう言って、刀奈さんは僕の制服がかけてあるところへ行った。しばらくガサゴソとポケットの中を探っていた。
「あった。でも、どうしてこれを冬奈が?」
見つかったか・・・はぁ。どうしよう?そんなことを考えていると、急に布団をはがされた。
「やっぱり、起きてる。それより、どういうこと?」
「えーと、何のことかな?」
「これ!」
「それって、確か僕があげたやつだよね?」
「そう!って今はそれはいいの!なんで、冬奈が持っているの?」
「えーと、その落ちてたのを拾っただけですが・・」
「そんなはずないよ!だって、これが落ちるんなら、写真だって・・」
「写真?」
「あ!えーと、そう。」
「それより、もう寝ませんか?明日も早いですしお寿司。」
「そうね。それより、お寿司食べたいわね。」
見事に話が脱線したが、予定通り。これでいい。そう言って、眠りついた。