俺はテイルブルー《津辺 愛香》が大好きだ――っ‼   作:帆金 焔

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ここから、ちょい役ではあるけど、他小説のキャラクターを出してみようかと。ってなわけで、一人目はIS-インフィニット・ストラトス-より、『天災』の妹さんの登場!
あっ、因みに。出すからと言って、IS感までは出すつもりはないので悪しからず。


オリ主が居ると原作ヒロインって原作とは違った道を選ぶ場合もあるよね。的なお話がちゃんと書けてたら良いなぁ、と作者は思いました。

 私、津辺 愛香は今、ある悩みを抱えている。

 解決へと導くなら誰かに相談することが当たり前なのだが、その……私が抱えている悩みは少々…道徳に反したものであり、おいそれと話せる悩みではないのだ…。…然りとて、このままの状態が芳しくないのは自覚している。

 

 …故に。

 

 今、これを読んでいる『誰か』にお願いしたいことがある。

 聞いてくれるだけでも構わない。私の悩みを聞いてもらえないだろうか?

 

 私の悩みは、まぁ………一応、恋愛に該当する悩みではある…。あるんだが…、一つ、大きな問題がある。私が最初に言った『道徳に反したもの』、それが厄介なのだ…。

 

 皆は、二人の異性を同時に好きになることをどう思うだろう…?

 

 現実は恋愛漫画のように甘くはないんだ。普通に考えて、そんなのは許されないだろうし、ほぼ確実に、誰かが傷つく結果しか待っていない。それが分かっているのに……はぁ~…。

 

 

 

 私、津辺 愛香は今現在、どうやら二人の男子に対して同時に好意を向けている、らしいのだ…。

 

 

 

 その事実に気づいたのは、つい先日のこと。もう一人の幼馴染み、心守 華火との約束をすっぽかしてしまったことが切っ掛けだった。

 変態ども《アルティメギル》のせいで約束をすっぽかしてしまった私を華火は責めなかった。

 私は気づく。華火は全て知っているんだと。こちらの事情を理解してくれたからこその労いの言葉だったんだ。

 しかし、同時に疑問も生まれる。

 だったら、アルティメギルが現れる前はどうだったんだろう?

 アルティメギルが現れる前からも、華火はずっと私の味方だった。

 その理由を考えていて、何気なく一つの記憶が頭を過る。

 中学二年の夏、私は華火から告白された。

 

 

『愛香、初めて会ったときからずっと好きだった!俺と付き合ってくれ!』

 

 

 華火とは、遠慮の必要がない気心の知れた幼馴染みだと思っていた。…だから私は華火の告白を、『私を驚かせるための単純な冗談』程度にしか思わず、華火が本気だったであろうことに気づかなかった。

 だが、今になって漸く気づく。

 いつでも私の味方でいてくれた華火、どんな時でも私を助けてくれた。その全てが、わ、私を好きでいたからこその行動だとしたら…。………はぁ~、私はどれだけ鈍感だったんだろう。

 これでよく、そーじに私の気持ちに気づいてほしいとか思えてたものだ…。私自身、向けられていた好意に気づけてないじゃん…。

 華火の気持ちに気づくと同時に、私は自分がどれだけ華火に『酷い』ことをしてきたのかを思い知る。

 私の気持ちに気づかないそーじへの不満を聞いてもらったり、そーじへの、か、軽いノロケを聞いてもらったり、華火の奴、何気に料理上手だからそーじへのバレンタインチョコを作るのを手伝ってもらったり、……あとは、そーじを振り向かせるにはどうしたら良いのか相談したこともあった。………うん。気づいてなかったとはいえ、何気に酷いよな、私…。

 …気づいてしまった以上、やっぱり華火の気持ちともちゃんと向き合わなきゃいけないんだろうな…。…でも、私は過去に華火をフッている。今さら、どう向き合えと──

 

 

 

 

 

「『愛香』!?危ねぇ‼」

 

 

 

 

 

 その時、誰かが私の名前を叫ぶ。そして思い出す。

 

(ヤバッ…!今は──)

 

 今は他クラスとの合同による体育の授業中。

 試合形式で男子はバスケ、女子はバレーをしていたんだった…!

 普段なら絶対、こんなヘマはしない。なのに起きてしまったのは、自分の注意力の足らなさによるものか。

 眼前に迫り来るボールをわた──

 

 

 

 

 

〇〇〇

 

 

(……………あれ?)

 

 記憶が途切れてる。意識が朦朧として、視界がボヤけている。

 確か体育の授業中だったはず。誰かが私の名前を叫んで……それからどうなったんだ…?と言うか……揺れてる…?

 この感覚……私はどうやら、誰かに背負われているらしい。

 

「……ん?目、覚めてんのか?」

 

 未だ意識は朦朧と、しかし覚えのある背中の持ち主の名前を私は呟いた。

 

「…………そーじ…?」

「……おう。今、保健室に向かってる。先生には俺から言っておくから、しばらく休んどけ…」

「うん………そうする………」

 

 そーじの背中は大きく、とても安心できた…。そーじにおんぶしてもらうなんて久しぶりだ、恥ずかしさと嬉しさが込み上げる。

 そーじの背中に身を任せ、心地いい揺れの中、私は安心して意識を手放した…。

 

 

 

 

 愛香sideout

 

〇〇〇

 

 総二?side

 

 

『愛香』をおんぶするなんて随分と久しぶりだな。テイルブルーとして闘っていてもやはり女の子。軽いし、女の子特有の良い匂いがするもんだから、ちょっと緊張してしまう。

 事件が起きたのはつい先程。

 朝から愛香の様子が変だったことは俺だけじゃなく、周りも気づいていた。

 基本的にずっと上の空、誰に声をかけられても『……うん』ぐらいしか言わなかった。

 そんなだと当然ながら授業にも支障を来すわけで。

 体育の授業は他クラスとの合同だった。俺達男子はバスケ、女子はバレーの試合。

 愛香が上の空なのは授業中でも変わらず、何かヘマをやらかすのではと俺は何度か女子の方をチラ見していた。

 案の定、愛香はヘマをやらかす。

 上の空で、迫るボールに気づかない愛香。

 俺は叫んだ。

 

 

「愛香!?危ねぇ‼」

 

 

 ドンッ!ボールは愛香を直撃。倒れる愛香は動かなかった。

 体育館内は騒然とし、授業は一時中断。

 

「おい、愛香!しっかりしろ!?」

 

 気絶してるだけだったが油断はできない。

 俺は授業を抜ける許可を貰い、愛香を保健室へと連れていった。

 

 

 

 

 保健の教師、丈澤先生の診断では、愛香は脳震盪を起こしただけであとは大丈夫そうとのこと。

 丈澤先生は用事があるとかで俺とベッドで眠っている愛香を残し、保健室から退室した。

 

「ったく……。ビビらすんじゃねぇよ……」

 

 小さく寝息を立てる愛香。……相変わらず、可愛い寝顔だなぁ、おい…。

 

「……そー……じ………」

 

 良い夢見れているようで何より…。

 

(………俺は総二じゃねぇっつーの…)

 

 さっきも、意識が朦朧としているであろうとはいえ、愛香は俺じゃなく総二の名前を呟いた…。……やっぱり…。

 

(お前は本当…、総二が好きなのな…。…なぁ、愛香…。やっぱ俺じゃ駄目なのかな……?……駄目なんだろうな…)

 

 

 

 

〇〇〇

 

 体育館へ戻ると、真っ先に俺に声をかけてきた人物がいる。『津辺』に直撃したボールを放った女子、名前は確か──

 

「こ、心守…。津辺は…」

「えっと…、篠ノ之さん…だっけ?」

 

 そうだ、篠ノ之 箒。学園近くにある篠ノ之神社の次女で剣道部のエースだとか。

 篠ノ之さんは青い顔をしている。そりゃまぁ、自分が放ったボールで人が気絶すれば、誰だってそうなるわな。

 

「…そう心配しなさんな、津辺なら大丈夫だ。しばらくは安静が必要って言われたぐらいだし。気になるんだったら、休み時間にでも見舞ってやってくんな」

「あ、あぁ…そうさせてもらう」

「それと、総二」

 

 俺は総二を呼び寄せ、総二を含めた皆にある事を告げた。

 

「皆にも頼みたいんだけどよ。津辺を運んだの、俺じゃなくて総二ってことにしてくれないかな?」

 

 俺の発言は周りからの疑問の声を呼ぶも中には察してくれた奴も居るようで、それは表情を見て分かった。

 篠ノ之さんもその一人で俺に一言、「…それで良いのか?」と言うだけに留まる。

 おう、それで良いんだよ。…それが津辺《好きな娘》のためになるんだからな…。

 

 

 

 

 総二?side 改め 華火sideout

 

 

〇〇〇

 

 愛香side

 

 

「……知らない天井だ」

 

 そんな少年漫画で出そうな台詞を言う機会がないことを祈ろう。今はただ言ってみただけ。

 知っている天井だった。保健室。

 自分が何故、こんな所に居るのか。記憶を思い返そうとして──

 

「津辺、大丈夫か…?」

 

 パイプ椅子に座っていた篠ノ之さんに遮られた。

 

「──篠ノ之さん?」

「先程、午前の授業が終わってな。時間に余裕が出来たから見舞いに来た」

 

 見れば、確かに保健室の時計も12時30分を示している。あ~…、通りでお腹が空くわけだ。

 

「えっと…、篠ノ之さんだけ…?」

 

 私は上体を起こし、辺りを見回す。そーじが私を運んでくれたはずだから、出来れば私が起きるまで居てほしかったんだけど…。

 

「フフフッ……私ではなく観束に居てほしかったか…?」

 

 篠ノ之さんはイタズラっぽく笑う。

 

「ふぇっ!?べ、べべ別に!そーじじゃな──」

 

 ──あれ?何で篠ノ之さん、私がそーじのこと好きって知ってるんだ?クラスは違えど、篠ノ之さんとは何度か話したことのある仲なのは確かだ。でも、私はその中で一度も自分の気持ちを話したことがないのに…。

 

「ねぇ、篠ノ之さ───し、篠ノ之さん…?」

 

 何故か篠ノ之さんが頭を下げていた。

 

「…津辺、すまなかった!」

「えっ…えっ!?ちょ、ちょっと、どうしたの急に!?」

「私のせいで危ない目に遭わせてしまい、すまない!もし打ち所が悪くて津辺に何かあったらと思うと……」

「い、いやいやっ‼頭上げてよ!?ほ、ほら!私、大丈夫だったんだし!それに私、日頃から鍛えてるから、ちっとやそっとじゃ危ないことにはならないって!」

「だ、だが……」

「あ~……………じゃ、じゃあこうしよう!駅前に新しくオープンしたクレープ屋さん。そこで何か奢ってよ?それでチャラってことにしよ?」

「えっ…?それで良いのか?」

「充分じゅーぶん」

「……分かった。津辺がそれで良いと言うなら」

 

 それから篠ノ之さんと軽く談笑した後、私のお腹の音(恥ずかしながら)でそれは中断され、私は教室へ戻ることにした。

 尚も私を心配する篠ノ之さんだが、だーかーらー、私は大丈夫だって。

 

「そーじにもお礼言わなきゃいけないしね」

「観束に…。そ、そうか…」

 

 ……?何故、篠ノ之さんが表情を暗くするんだろう?

 

「…篠ノ之さん?」

「──えっ…?あっ、い、いや!何でもないぞ!?それでは、私も自分の教室へ戻る!」

 

 足早に保健室を出る篠ノ之さん。

 

「………」

 

 そのまま行くのかと思いきや、保健室を出た直後で立ち止まり、教室へ戻る言ったはずなのに再び保健室の中へと戻ってきた。

 

「し、篠ノ之さん…?」

 

 無言で立っているだけの篠ノ之さんは、何かを思い悩み葛藤している、そんな表情を浮かべていた。そして、篠ノ之さんの中でその葛藤に決着が着いたのだろう。

 

「………すまん、心守。私は言うぞ」

 

 何故か華火の名前を口にする篠ノ之さん。

 

「津辺、お前に言っておくことがある…」

「う、うん……何?」

 

 篠ノ之さんからはただならぬ雰囲気が伝わってくる。私に言うことがあるらしいけど……それに華火が何か関係しているのだろうか?

 

「お前を保健室に運んだのは観束じゃない…」

 

 えっ?そーじじゃないって……そーじじゃないの?

 

 

 

「……津辺。お前を運んだのは、心守だ」

「………えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ズキンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遅くなりましたが謝辞を一つ。
お陰さまで『俺はテイルブルー《津辺 愛香》が大好きだーーっ‼』、評価に色が付きました!
常々、評価に色が付いたらなぁ、とは思っていました。……まさかその願いが現実になるとは!?
本当にありがとうございます‼
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