辺境鎮守府 狂犬録   作:マキシマムダンガル

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第一幕 鎮守府の狂犬
第一話 戦場の鬼


辺境鎮守府、それは、任務でミスを犯した者や手に負えない者を送る、俗に言う島流しの島である。

そこには島流しになった鬼の艦娘が一人住んでいた。

そんな中、一人の提督が島流しされた

 

「ここに新しく提督が来るらしいけど、こんな所に左遷されるんやから、相当手に負えへんのか、それとも、ミスばっかか。どちらにしてもうちがその根性を叩き直したるだけやけどな」

 

彼女の名は龍驤(りゅうじょう)鬼の艦娘と恐れられ他の艦娘から嫌われ最終的にここへ飛ばされた

 

「にしても、遅いなぁ。そない遠い鎮守府から流されて来おったんか?」

 

すると、足音が聞こえてきた

 

「やっとお出ましやな、うちにビビって逃げへんかったらええんやけどな」

 

そして、ドアが勢い良く開くと眼帯をして、蛇柄の上着一枚羽織りほぼ半裸、ズボンはテカテカと光を反射する革製のズボン、しかも、髪の毛はたらちゃんヘアー

 

「(゜ロ゜)」

 

龍驤はその強烈過ぎる男の出で立ちにまさにこんな顔をしていた

 

「わしがこの鎮守府の新しい提督の真島 吾郎(まじま ごろう)や、よろしゅう」

 

「ほ、ホンマに提督何か?君」

 

「あぁ?せや、何や文句でもあんのか?」

 

「いや、そう言う訳やないんやけど、あんた、極道とちゃうんか?」

 

「よぉ間違われるわ、せやけど、ちゃう。“元”極道なだけや」

 

「元!?Σ(゜Д゜)」

 

「うるさいやっちゃのう、それより、ここがどんなとこか案内してくれや」

 

龍驤は動揺しつつも鎮守府の中を案内し始めた

 

「ここがドック、艦娘が怪我したときにここに来るわ、間違っても提督は入ったらアカンで」

 

「誰が入るかボケ」

 

フンッと鼻で笑った

 

「せやったらええねん、ほな次や」

 

そう言って龍驤は歩き出した

 

「ここは食堂、燃料補給はここでする、一応ここやったら提督でも食べれるもんがあるから腹減ったらここに来ることやな」

 

「ほぉ、言うてもここはお前しか居らへんのやろ?どないして資材集めんねん」

 

「この辺境鎮守府は元々資材の宝庫やったらしくてな、ボーキサイトみたいな資材が腐るほどあんねん」

 

奥の調理場の冷蔵庫?を開けると、それこそ腐るほどの資材があった

 

「それでよう敵に襲われんかったなぁ」

 

「敵が来たらうちが返り討ちにするだけや」

 

龍驤は腕組をしながら誇らしげに言った

 

「ほぉ、そらごっついのぉ」

 

「ほな次」

 

今度は鎮守府の外に出て鎮守府の半分くらいの大きさの建物の中に入った

 

「ここは工場、艦娘の武装を作ったりする、もうちょい奥の方は艦娘の建造とかも出来るで」

 

と、龍驤が意気揚々と説明しているが、閑散とした空間に龍驤の声が寂しく響いた

 

「誰も居らへんのか?」

 

「上の人等の話聞いてへんのか?ここはうち以外誰も居らへん、せやからここに飛ばされへんように皆頑張っとるんや」

 

「寂しいのぉ、本部に言わへんかったんか?」

 

「言うて送ってくれるんやったら、こない廃れてへんわ」

 

「まぁ、それもそうやな、せやったら建造とかせえへんかったんか?」

 

「うちの権限だけやと建造はでけへん、まぁ、出来てもまた怖がられるだけやけどな」

 

そこから沈黙が続いた

 

「何や湿っぽい空気になってしもたな、食堂でもいって飯食うか」

 

「せ、せやな、腹減ってると自然と滅入ってまうしな」

 

二人はそそくさと食堂にいった

 

「せや、何か作ったろか?うちこれでも料理上手いんやで」

 

そう言って調理場に立ちエプロンを着た

 

「ほな頼むわ」

 

静かな鎮守府にカチャカチャと小さな音が鳴り渡った

 

「思えばお前の名前聞いてへんなぁ、名前何て言うんや?」

 

「うちは龍驤、これでも空母や、よろしゅうな」

 

何故か備え付けられていたカウンターテーブルに座っている真島はポケットからタバコを取り出した

 

「一服ええか?」

 

「どうぞお好きに」

 

龍驤は皮肉っぽく言った

 

「何や、タバコ嫌いか?」

 

「あんまええ思いでがないから好きにはなれへん」

 

「せやったら、嫌やって言えばええやろ、別に無理して我慢せんでも」

 

「提督の命令は絶対、そうやって生きてきたもんやから、元々我慢するんは慣れとる」

 

「まぁ、タバコは別んとこで吸うわ」

 

真島はタバコをポケットの中に戻した

 

「おおきにな、提督」

 

「その提督っちゅうの止めへんか?気味悪いわ」

 

「ちゅうてもなぁ、他何がええ?」

 

「ほな、真島の兄さんとか?」

 

「それはちょっと嫌やな、せや、名前が吾郎やから、吾郎ちゃん。これやったらええやろ?」

 

「安直やのぉ、まぁええわ、これからよろしゅうな、龍驤」

 

「こちらこそ」

 

そう言って、真島の前に料理を置いた

 

「カレー?」

 

「昔から良く食べてたんや、味は保証するで」

 

「ほな、いただくで」

 

恐る恐るカレーを口に入れると

 

「何やこれ!全然コクがないやんけ!」

 

「えぇ!そないな事無いって、うちが何年も食うてきた味やで!?」

 

「えぇい、退け!わしが本物のカレーっちゅうのを教えたる!」

 

真島が龍驤を押し退け、見た目とは裏腹に手際よく調理し龍驤の前に置いた

 

「これが本物のカレーや」

 

「い、いただきます」

 

龍驤が恐る恐る口に入れると

 

「う、旨い!何やこのカレー!」

 

「これが料理の真島と呼ばれた俺の実力や!どや、参ったか!」

 

「お、お見逸れしました」

 

「ひひひ、これから楽しなるでぇ。よっしゃ部屋戻ってこれからの事決めるで!」

 

「おぉ!」




突如現れた狂犬 真島
鬼と狂犬がこれから先に見る物とはいったい

次回「微笑む死神と純心なフフ怖」
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