辺境鎮守府 狂犬録   作:マキシマムダンガル

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第四話 小さな深海棲艦

その夜、真島は執務室にて書類を見ていた

 

「この書類の通りやと、この鎮守府は二十二年前に建てられて、その五年後に閉鎖。理由については何も書かれてへん、何か隠さなアカン何かがあった、ちゅうことやな」

 

何時もとは違い真剣な目付きで書類を見ていると、執務室の扉を叩く音が鳴った

 

「!」

 

真島は書類を急いで片付けた

 

「誰や」

 

心臓の鼓動を抑えながらそう言うと

 

「うちや、龍驤や」

 

そう言って中に入ってきた

 

「何やこない遅い時間に」

 

早まる心臓の鼓動を抑えながら、平然とした顔で聞いた

 

「いや、夜の見回りしてたら、執務室の扉から光が漏れてたから。もしかしたら、深海棲艦が侵入してるんかと」

 

「はぁ?どういうこっちゃ」

 

「いやぁ、この鎮守府はどこの鎮守府よりも資材が豊富で盗みに来る輩もおらんとも限らへん、やから、多少大袈裟でも資材隠したり夜回りとかせんといかんねん」

 

「隠す?結構堂々と置いとったやないか」

 

「一応、この鎮守府にも資材の保管庫があんねん。空やけど」

 

「成る程な、保管庫を空にすることでこの鎮守府には資材なんて無いっちゅう事を示す訳か」

 

「で?吾郎ちゃんはここで何してたん?」

 

「あぁ?まぁ、書類を片づけてただけや」

 

「ふーん、ほな、うちはもうそろそろ部屋に戻って寝るから。吾郎ちゃんも早く寝ぇや」

 

「おう、ほなな」

 

龍驤が出て行った後、真島も書類を元の場所へと戻し自室に戻った

 

翌日早朝七時

 

「ふぅ、こない辺境でも朝日は綺麗なもんやのぉ」

 

鎮守府の屋上でたばこを吸いながら朝日を眺めていた

 

「あらぁ~、吾郎ちゃん、こんなところで一服してたの?」

 

龍田がくすくすと笑いながら真島の隣に立った

 

「なんや龍田、こない朝っぱらから」

 

「散歩してだけよぉ」

 

「嘘が下手やのぉ、何か用か?」

 

「うふふ、久しぶりに一緒に散歩でもどうかなって」

 

真島は鼻で笑い立ち上がった

 

「まぁ、ええやろ、ほな適当な所まで歩こか」

 

そう言って、屋上を降りて外へ出るため廊下を歩いていると

 

「あっ、吾郎ちゃん」

 

龍驤が小さな子供を背負って歩いていた

 

「龍驤、その背中の子は何や?」

 

「周辺の探索をしてたらこの子が港で倒れとったんや、息はあるんやけども中々起きへんし」

 

「何かとお前は何かを背負って歩いとるなぁ」

 

「別に好きで背負ってる訳や無いんやけどなぁ」

 

すると、龍驤の背負っている子どもが

 

「ウ、ウゥン」

 

「ん?起きたか、大丈夫か嬢ちゃん?」

 

龍驤は背負ったまま少女に声を掛けた

 

「ココハ?」

 

「ここは辺境鎮守府、嬢ちゃんはどこから来たんや」

 

少女をゆっくりと下し目線を合わせてしゃべりだした

 

「シンカイカラキタノ」

 

「深海?」

 

「深海・・・」

 

「「敵やないか!!Σ(´□`;)Σ( ̄ロ ̄lll)」」

 

二人は息ピッタリに構えた

 

「あれ?でも、武装が無いな」

 

「せやけど、危な無いか、敵に違いないし」

 

「あなた名前は?」

 

二人が構えている中、龍田はにっこりと優しく笑いながら聞いた

 

「ホッポ、北方棲姫!」

 

眠気が覚めたのか元気よく答えた

 

「ほっぽちゃんね、ここには何しに来たの?」

 

「エット・・・」

 

ほっぽは腕組みしながら考え込み始めた

 

「もしかして、覚えてないの?」

 

「ウーン、オボエテナイ」

 

「あらぁ、それは可哀相に。ねぇ、ほっぽちゃん、お母さんが来るまでここで泊っていかない?」

 

「イイノ?」

 

「えぇ、どうかしらぁ?」

 

「ウン!トマル!」

 

北方棲姫は嬉しそうに龍田に飛びついた

 

「はぁ~、可愛いわぁ、ぺt娘にしたいわぁ」

 

北方棲姫に飛びつかれ和んだ顔でボロを出した

 

「今何と間違えそうになった・・・」

 

真島はあきれ顔でそう言った

 

「って、ホンマに嬢ちゃんをここに泊めるんか?」

 

「まぁ、武装もないし、記憶がないんやったらそこまで害はないやろ」

 

「う~ん・・・」

 

「不安なのはわかるけど、ビクビクしてても始まらんやろ」

 

「まぁ、吾郎ちゃんがそういうなら」

 

すると、今度は天龍がやってきた

 

「あぁ?なんだその子ども、兄さんの娘か?」

 

「んな訳あるかい、深海棲艦の北方棲姫や」

 

「は?(゜ロ゜)」

 

「まぁ、記憶がないから害はないわ」

 

「はぁ・・・」

 

と、真島と天龍が北方棲姫に顔を向けると

 

「キャッキャッ!」

 

どう見ても幼稚園児にしか見えない

 

「ゴロー、朝早くから何を騒いでいるんだ」

 

眠そうに眼をこすりながら響がやってきた

 

「おう、おはようさん」

 

「ん?北方棲姫?なぜこんなところに」

 

「あぁ、記憶を失っとるから害はないわ」

 

「ほぉ、ちょっと失礼」

 

響はおもむろに北方棲姫の首や腕、足を舐めるように見つめていた

 

「なんや、何しとんねん」

 

「いや、発信機の類がないか確認していた、特に何もないようだ、確かに害はないな」

 

「流石、最前線で戦っとっただけはあるな」

 

「それだけではないさ」

 

「あ?ほかに秘訣でもあんのか?」

 

「駆逐系アイドルの響ちゃんに出来ないこと何て無いんだk、悪かった、止めるからそのナイフの様な視線を送るな。心に刺さる」

 

「アイドル路線で行く気か」

 

「那珂が建造されるまではそれで行こうかと」

 

「メタいな」

 

「ねぇ、吾郎ちゃん、余ってる部屋があったでしょ、そこをほっぽちゃんの部屋にしましょう」

 

「ノリノリやのぉ」

 

「こんな可愛い子、放っておけないじゃない」

 

「まぁ、ええけど」

 

「これからよろしくねぇ、ほっぽちゃん」

 

「タツタオネェチャン!」




小さな天使がやって来た辺境鎮守府
思っていたい以上に子供好きな龍田
龍田の子守りは世界水準を超えているのか

次回「懐かしき友」
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