この哀れな暗黒破壊神にも祝福を!   作:鎧武 極

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俺の名前って、ダサい? byダークザギ

あれからもう数週間ほどが経った。金のない俺とアクアは、このアクセルの土木工事を毎日毎日やりながら少しずつ金を溜めていった。まさかこの俺が、こんな労働をする羽目になろうとは・・・

 

「なにを泣きそうになっているのよザギ?」

 

「誰のせいだと思っている誰のせいだと! お前が女神らしくないから俺までこんな労働する羽目になってるんだろうが!」

 

アクアの何も知らない表情がものすごく腹立つ。マジで一発殴ってやりたい。ただ、今の俺は体が恐ろしいほどに弱い。必殺技などは使えるには使えるが、使うと体がものすごく痛くなる。いわゆる、弱体化をしてしまったのだ。

話を戻すが、はっきり言って今の俺とアクアではこなせるようなクエストがない。力も知力もあるが、体があまりにも弱すぎる俺に、力はあるくせに知力がないから使い物にならないアクア。この二人ではこなせるクエストが本当に見つからない。だからこうして、日々ちまちまと土木工事をして金を稼いでるわけだ。

 

「はぁ~暗黒破壊神と言われたこの俺が、人間に使われる日が来ようとは・・・」

 

「さっきから何言ってるのよ。ほら、早く作業を終わらせてクエスト探しに行くわよ」

 

「へいへい・・・・・」

 

ピッケルを振り下ろす俺。今日もまた、出来もしないクエストを探しにギルドへ行くのか・・・・・はぁ~めんどくさい

 

 

 

 

奇跡だ、すごい奇跡だ。まさか俺たちが受けれるクエストがあっただなんて!ジャイアントトードという、大型のカエルモンスターを5匹討伐するだけという簡単なクエストだ。しかも報酬は十万エリスと破格!これは楽して金儲けができる、と思っていたが・・・

 

「ひゃああああ! カエルが! カエルがあああ!」

 

前言撤回!このクエストめっちゃ怖い!予想以上にデカいカエルから全速力で逃げてる俺は、このクエストを請け負った自分を殴りたい気分だった。

 

「プークスクスクス! やばいチョーウケるんですけどー! ザギったら、あんな必死に走っちゃって、腹が痛くて死にそー!」

 

「覚えてろよこのクソ女神! お前なんか食われちまえばいいのに!」

 

俺が逃げてる傍らで腹を抱えて大笑いしているアクア。あいつなんかジャイアントトードに捕食されてしまえ!そんな事より今はこいつから逃げ・・・・・あれ?

 

「振動が、来ない?」

 

ジャイアントトードに追いかけられてた時の振動が全く来ない。どっか別の場所に行ったのか?となると一体・・・あっ

 

「いいザギ、まず帰ったらアクシズ教団に入団しなさい。祈りは一日3回、飯は私が9で貴方がい・・・」

 

アクアがジャイアントトードに頭から食われて本当に捕食されてる!?

 

「マジで食われてるんじゃねえよこの駄女神いいいいい!」

 

 

 

 

「つ、疲れた・・・」

 

「ううぅ・・・ぐすっ」

 

俺の隣で、粘液まみれで泣き崩れているアクア。結局、アクアを助けるために10分ぐらいジャイアントトードと格闘してしまった。まあ、不幸中の幸いの言うべきか、ジャイアントトードは何かを捕食している間は動くことが一切できないので討伐は何とかできた。てか、粘液まみれのアクアが凄い生臭い。

 

「なあアクア、このクエストは一旦やめにしよう。見ての通り俺は一匹倒すだけで精一杯だし、お前は捕食されるだけだし。このメンツじゃ到底このクエストはこなせないぞ」

 

「そんなわけにはいかないわよ!」

 

急に立ち上がったアクアに驚いて後ろに倒れる俺。粘液が太陽の光を反射してアクアの顔がよく見えん。

 

「女神であるこの私が、たかがカエルごときにここまでされて引き下がるわけにはいかないわ! 汚されてしまった私の姿を見られたら、信仰心なんてダダ下がりになっちゃうわよ! このままカエル相手に引き下がったら、美しくも麗しいアクア様の名の名が廃るわ!」

 

安心しろアクア、貴様の信仰心など所詮その程度のものだ。カエルに食われる以前に、普通に土木作業をしながら酒を飲んでは吐いて、涎垂らしながら馬小屋で寝てる貴様の姿を知っている俺からしたら今更の事だ。

だが、アクアは何の躊躇もなく近くにいたカエルに向かって全力で走りだした。

 

「もう勝手にしろ」

 

半分諦めた声でつぶやくと、案の定ジャイアントトードに捕食されたアクアの叫び声が草原に木霊した。

 

 

 

 

「というわけで、新しい仲間を募集する紙を貼ってきたわ!」

 

「へぇ~そうですか~」

 

次の日、ギルドの集会所の一角で大声で叫ぶアクアに、俺は適当に返事を返した。あの後、結局また俺がジャイアントトードを討伐することで助けたアクアを引きずってこのアクセルの街に戻ってきた俺たちは、新しいメンバーを募集することにした。だがその募集内容はアクアが「私が決めるのぉー!!」の一点張りだったので任せてみたのだが、酷いものだった。

 

「さすがに上級職だけっていうのはバカにもほどがあるだろ。あ、すまんお前元からバカだったな」

 

「なに勝手に私をバカ扱いしてるのよ! いい、私は水のめが・・・」

 

ああめんどくさい話が始まってしまった。アクセルの街は、ゲームで言うところの『始まりの町』みたいなところだ。ある程度のレベルが上がったら、ほとんどの冒険者たちは次の街へと行ってしまうため、ここにいるのは雑魚ばかりだ。しかも、アクアみたいに最初からアークプリーストみたいな上級職になれる奴はほとんどいなく、大体はレベルを上げてから上級職になるため、はっきり言ってこの町にいる上級職の奴はゼロと言っても過言ではない。

 

「はぁ~このままこの街で一生を過ごすのか~・・・」

 

ある意味それもいいかもな。この数週間で、俺は自分が生きていることに感謝をし始めている。このバカ(アクア)と一緒にいると、いかに自分が愚か人生を生きていたのかがわかってきた気がする。だってこいつ、本当に役立たずなんだもん!世界征服とか復讐とか考えてる暇ないもん!

 

「あのぉ~」

 

「「ん?」」

 

突然声を掛けられて振り返る俺とアクア。そこにいたのは、俺のように禍々しい色ではない綺麗な黒の髪と赤い瞳の眼帯をした魔女っ子。しかもロリっ子だ。見た感じ13~14歳ぐらいだが、一体何の用だ?

 

「上級職の冒険者募集を見てきたのですが、こちらで合っていますか?」

 

「え、ええ」

 

ロリっ子の質問にアクアが答えると、ロリっ子は付けていたマントを翻した。

 

「わが名はめぐみん! アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法爆裂魔法を操る者!」

 

「・・・冷やかしに来たんなら帰れ」

 

「ち、ちがうわい!」

 

慌てて否定するロリっ子。ああぁ、なんかすっごい嫌な予感しかしない。

 

「その赤い瞳、もしかして紅魔族?」

 

「紅魔族?」

 

「魔法の扱いに長けた一族の事よ」

 

「ほぉ~それは期待できるな」

 

まさかそんな優秀な一族の奴が来るとは、運がこっちに向いてきているのかもしれない

 

「いかにも! 我の名はめぐみん! 紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者! 我が必殺の魔法は山をも崩し、いわをもくだ、く・・・・・」

 

突然倒れこむロリっ子ことめぐみん。

 

「もう、三日もなにも食べてないのです・・・なにか食べさせてはいただけませんか・・・?」

 

こいつ、マジで大丈夫なのか?

 

「まあ食事をとらせるかはお前がこのパーティーに入るかどうか見極めてからだ。それよりお前、その左目の眼帯はなんだ?」

 

「ふっふっふ、これは我が強大なる魔力を封じ込むためのマジィックアイテェム! もし封印が解かれることとなれば、この世界に大きな災厄がもたらされるであろう」

 

「封印みたいなものか?」

 

「まあ特に意味はありませんが。単にオシャレでつけてるだけ」

 

めぐみんの言葉にムカついた俺は、左目の眼帯を引っ張り上げた。

 

「ああ! やめっ! 引っ張らないでください! やめ、やめろぉー!」

 

泣き叫べ泣き叫べ!人を馬鹿にした罰だ!

 

「あのね、その子の一族は生まれつき高い知力と強い魔力を持っていて、大抵は魔法使いのエキスパートで、()()()()()()()()()()()()

 

「・・・・・あ、そう」

 

「ぎゃあああ! いったいめがぁー!」

 

突然手を放したため、眼帯が眼に直撃して悶え苦しむめぐみん。もういいや、なんかこの世界にいると本当にいろいろ疲れてくる。

 

「変な名前とは失礼な! 私たちからしてみれば、街の人たちの方が変な名前なのですよ?」

 

「ちなみに両親の名前は?」

 

「母はゆいゆい! 父はひょいさぶろー!」

 

めぐみんが自信満々に叫んだ瞬間、俺とアクアの時間が凍り付いた。こいつ、マジで頭おかしい奴だ!

とりあえず俺は、アクアに聞いてみる。

 

「こいつの一族は、みんな高い知力を持ってるんだよな?」

 

「おい! 私の両親の名前について言いたいことがあるなら聞こうじゃないか! というより、同じ紅魔族である貴方が、なぜそこまで同族嫌悪をするのです?」

 

「は? 俺が紅魔族?」

 

なぜ俺が紅魔族に・・・あ、今の俺の瞳の色こいつらと似てる赤い目だったわ。

 

「そういえば、貴方の名前は何というのですか?」

 

「俺か? 俺の名前はダークザギ、まあザギと呼んでもらってもいいぞ。あと、この青い髪の女はアクアだ」

 

「な、なんとおおおおおおおおおお!」

 

名乗った瞬間、めぐみんが大声を上げて数歩後ろに下がる。な、なにか変なことしたか?

 

「ざ、ザギとは・・・・・な、なんてカッコいい名前なんでしょうか!! そんなカッコいい名前を貰ったとは、貴方の両親は紅魔族の中でも随一のネーミングセンスの持ち主なのですね!!」

 

「へ? お、俺の名前が・・・カッコいい・・・?」

 

「はいっ!」

 

超笑顔でめぐみんは言ってるが、ちょっと待て。こいつらは皆変な名前を持っている。そして、そんなやつらが凄いカッコいい名前だと言ってくる俺の名前は・・・・・・超ダサいってことじゃん!

 

「う、うそだあああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

やっぱりこの世界嫌だあああああああああああああ!

 




拝啓、俺を作ってくれた来訪者たちへ
このたび俺は、新しい世界で生きていくことなりました。役に立たない駄女神のアクアに加えて、頭がおかしいめぐみんという魔法使いが仲間に加わり、俺の周りはさらに騒がしくなりそうです。もし時が戻るのなら、俺は今までの悪行をすべて反省し、ウルティノイドとして生きていきたいです。ほんとうにすみません。あと、俺の名付け親、お願いだからもっとカッコいい名前を付けてほしかったです
                            ダークザギより



と、いうわけで、ダサい名前という事になったザギさんwwwこれは絶対にやりたかった!次回はジャイアントトードの討伐後編!めぐみんの爆裂魔法が火を噴く!(一回だけ)
では、また今度アデュー
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