悪魔が如く   作:冴え渡る

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警視庁神室署の生活安全課に所属していた不良刑事。
名前は【谷村正義】
とある事情により、極道達と共に警察のお偉いさんをぶっ飛ばすというとんでもない事をしたその刑事は、捜査一課というエリートコースへ転属される事になる。
父から受け継いだ正義の心。
仲間から学んだ信念という意味。
その全てを学んだ刑事は【神室町のダニ】から【鉄壁の玄武】へ生まれ変わる。


夢、叶えし者達
第三の事件


大量の書類か山積みになったオフィスデスク。

書類だらけなだけで余計なゴミなどは一切ないはずなのに、それでいて汚らしく見えるデスク。

そのの上で競馬の結果を知るためにラジオを取り出して局を調整し、俺はいつも通りそれを耳にしながら事務作業をする。

 

するのだが………人生思い通りに行く事の方が少ないとはよく言ったもので、こういう絶好のサボり日和の日に限って邪魔が増えるのだ。

今日は何故かいつもより周りがうるさい。

というか隣がうるさい。

というか先輩がうるさい。

 

「谷村ぁ!何やってんだ、お前も早く準備しろ!」

 

………悪い人じゃないんだ。うん、本当に。

俺の周りでも稀にしかいない正真正銘、本物の刑事ってやつだ。うん、本当に。

でもうるさい。本当にうるさい。

性格上仕事に関しては『真面目一徹』って感じだし、そこは好感が持てる。

……けどその性格は俺の快適な自由な時間(職務中のサボり)を阻害することも多いわけで。

偶に麻雀でボロ負けさせてやろうかな、なんて思ったりもするけど、それを実行していないから俺は悪くない。

ただ職務中に他の面子で麻雀をしているだけだ。

 

「煩いなぁ…伊達さん、なんかあったんですか?」

 

こっちは雀荘から直で出勤してるんだ。(サボり)

黙ってろとは言わないけど少しボリュームを下げて欲しい。

ラジオがよく聞こえないて聞き逃しそうになる。

 

「警視総監直々に呼ばれたんだぞ⁉︎お前と俺が!呑気に競馬なんか聞いてんじゃねぇ!」

 

……確かそんな様な事はさっき聞いたけど。

それが本当だとは微塵も思っていなかったので聞き流していた。

…というか流石に行かなきゃまずいか。

 

「わかりましたよ……ちょっと待ってて下さい」

 

「先に外で待ってるからな!」

 

あそこまで慌ただしい伊達さんも珍しいな……。

なんて、呼び出しの理由なんて分かってる。

多分それは、伊達さんも理解している。

 

今、表で起きている『極道の抗争』

 

それを止めに行くな、という事だろう。

数年前に起きた

テレビの実況で写っていたのは桐生さんに秋山さん。

そして喧嘩の相手の代紋は近江連合。

2対沢山なんて無謀な喧嘩に挑むのはあの二人と冴島さんぐらいのものだろうしな……。

 

 

名古屋の殺しの件で見つかった代紋……。

怪我を負ったという東城会の会長。

一斉に自首してきたという名古屋の錦栄町の住人。名古屋組の実態。

そして今現在大阪にいないという近江連合。

黒幕は間違いなく近江連合、それもおそらく会長だろう。

 

「ここまで分かっていて手出しできないってのは………悔しいな」

 

警察ってのは無能だな……

 

 

 

 

 

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ーーーーー

 

 

 

 

 

「二人に来てもらったのは理由がある」

 

名前も知らない上司に俺と伊達さんが連れられてきたのは、税金で作られていると考えるとイラッとくるぐらいにりっぱな造りの部屋【警視総監】の部屋。

捜査一課の部屋と比べても天と地程に差がある。

その分俺らの給料に回せよ(切実)

 

 

「その理由ってのは何なんですか?」

 

伊達さんもイラついた表情を隠しきれていない。

無理もないけどさ……

俺以上に桐生さんの隣で刑事やってた人だ。

相棒のピンチの時に駆けつけられないってのは想像以上に辛いんだろう。

でもこういう縛りがあるのが警察なんだよな……

 

「伊達刑事、君は今何が起きているか知っているかね?」

 

目の前の上司は試すように伊達さんに質問をする。偉い人間ってのはなんでこう面倒な事を好むのかね?

 

「………ヤクザ同士の抗争では?」

 

伊達さんの答え、それはかなり大雑把にまとめられた表向きの事件だ。

神室町の住人はほぼ全員人払いあっているし、敵味方関係なく極道が神室町に集まりつつある。

実際のところ、極道社会全体がひっくり返るような大規模なクーデターに近い。

 

だがそれはこの人も事情を知っているようだった。

 

「それは表向きの事件に過ぎない」

 

そんな事はわかっている。

早い所「解決には行くな」と言って開放して欲しい。

俺はずっとそればかり考えていた。

だが警視総監の口からは、思っていた事とはまるで違う言葉がでてきた。

 

 

 

「君達にはしばらくの間、別の場所で勤務してもらう」

 

 

……は?

 

「ちょ、ちょっと待ってください!俺達は別にこの件についてどうこうする気はありませんっ!どうにかしたいってのは確かにありますが………それだけで異動ってのはあんまりに!」

 

「落ち着きたまえ、伊達刑事」

 

その一言だけであの伊達さんを嗜める。

それだけでこの人が警察のトップであるという事がわかった。

 

「す、すいません…」

 

俺は一言も喋っていないが、伊達さんと同じぐらいに焦っていた。

まさか行動を起こす前に異動を言い渡されるとは思っていなかったのだ。

 

「君達の気持ちはわかる。私としてもこのままの状態でいていいとは思っていない」

 

「………なら何故、このタイミングで俺たちが異動になるのか、説明してもらえますよね?」

 

 

 

「………谷村刑事、お父様の残した二つの事件。、そして隠された第三の事件……知っているね?」

 

 

 

「………ッ!」

 

正直、ここ数年で一番驚いた。

上野誠和会の一件は自分から報告したから知っているのも分かる。

もう一つの事件、あれもナイールの祖国の警察からの感謝状で何が起きたのかは分かってもおかしくはない。

だが親父たちの残した事件はその二つだけ。

 

隠された第三の事件(誰にも話してない事)については俺しか知らない筈だ。

 

………この男、何か知っている。

 

 

 




伊達真
警視庁神室署四課
【マル暴】所属の刑事

桐生一馬と共に100億事件の解決に尽力を尽くし、神宮京平の悪事を証明する。
その後ブン屋として1000億事件の解決にも尽力を尽くし、後に捜査一課所属の刑事として復職をする。

桐生一馬の知る生きた人物の中で、澤村遥の次に桐生の信頼を得ている人物。


谷村正義
警視庁神室署生活安全課
通称【神室町のダニ】

桐生一馬ら仲間と共に1000億事件の解決に尽力を尽くした中心人物の一人。
後にその功績を認められて捜査一課へ転属となる。

桐生一馬には劣るも、彼の知る人物の中で十の指に入る実力を持つ。
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