ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
あの後ファッジはダンブルドアに正式に謝罪し、ヴォルデモートが復活したことを世間に伝えた。世間に与えた衝撃は途轍もなく、一度ヴォルデモートを倒したハリーに助けを求める声があとを絶たなかった。アンブリッチはホグワーツの校長を退任となり、ダンブルドアが復職した。
***
校長室
「それでハリーの予言はどんな内容じゃ?」
ダンブルドアから普段の笑みはなく、真剣な顔で尋ねる。
「<闇の帝王を破る力を持つ者が現れる。両者の力は互角なれど、その者は闇の帝王の知らぬ力を持つであろう...。一方が生きるかぎり、他方は生きられぬ>だった」
俺はハリーから聞いた予言の内容をダンブルドアに伝えた。
「...そうかの。それにしてもお主はよく動いてくれる。予言の内容をヴォルデモートに知られるのを阻止したのは見事じゃった。」
ダンブルドアはハウルを褒め称えた。
「俺は<取引>さえ守ってくれればそれでいい。正確にはハリーが壊した。俺は予言を奪われないように近づいた死喰い人を妨害しただけだ。」
あの<取引>だけは絶対に守らせなければならない。
「わしは約束は守る。お主はどの道予言は破壊するつもりだったはずじゃ。お主自身の予言は手に入れたかの?」
「さすがにあの人数を庇いながらは無理だ。俺はこれからどう動けばいい?さすがにヴォルデモートのスパイに戻れってのはないよな?」
ハウルはニヤッと笑い冗談半分っぽく言った。
「もちろんじゃ。君はよくやってくれた。少し休んでいてくれ。」
その言葉を聞くと俺は無言で校長室から出て行った。
「さて...わしはヴォルデモート<あやつ>の分霊箱を破壊せねばならんの...。」
ダンブルドアは一人になった時につぶやいた。
***
同日夜
<マルフォイ家屋敷>
薄暗い屋敷に立派な大鷲が飛んでやってきた。そして美しい金髪の青年に変わった。ドアをノックすると住人らしき夫人がドアをそっと開けると迷いながらも青年を中に向かい入れた。テーブルの席は全て埋まっていた。青年を見ると一部の客人は声をあげる。
「我が君!こいつは!」
ボサボサの長い髪のベラトリックスが声をあげる。
「黙れベラ。先日ぶりだな。我が右腕よ。」
ヴォルデモートは笑みを浮かべハウルを歓迎している。
「どちらの話から始めようか?スパイ活動の件か予言の件。」
ヴォルデモート以外の死喰い人達は訳がわからないという顔をする。
「それでは鈍いしもべ達のために説明して差し上げろ。」
ヴォルデモートが微笑んでいる。
「まず俺はダンブルドアのスパイだ。同時に死喰い人でもある。」
俺は左腕をまくると骸骨の口から蛇が現れている刺青...死喰い人の紋章だ。
「二重スパイだ。俺はヴォルデモート卿からポッターの予言を奪うように指示をうけていた。」
死喰い人達の驚いた顔を見てヴォルデモートは珍しくニヤニヤしている。
「ダンブルドアは俺にハリーを守るように指令されていた。仮に俺がスパイを続けるには俺はポッターを守りながら予言を奪わなければならなかった。そして俺は少し考えた。予言を奪えばダンブルドアから敵と見なされる...。お前達から予言を守り、さらに闇の帝王からハリー・ポッターを守ればどうなる?俺はダンブルドアに信用されながらスパイを続けられる。」
俺の話に俺を疑っているベラトリックス以外は聞き入っている。
「そして俺様はその案に乗ることにした。あの老いぼれから情報をさらに奪うことができる。そして予言をハウルではなく、お前達に奪わせることにした。だがお前達はしくじった...。」
その言葉に俺以外の死喰い人達が下をうつむいている。顔を青ざめさせ、震えている者もいる。
「だが...俺様の優秀な右腕は予言の内容も知っていた。お前達はハウルに救われたな。」
その言葉に青ざめていた死喰い人の顔色が少し回復する。
「あぁポッターの予言は<闇の帝王を破る力を持つ者が現れる。両者の力は互角なれど、その者は闇の帝王の知らぬ力を持つであろう...。一方が生きるかぎり、他方は生きられぬ>だ。勿論ダンブルドアはヴォルデモート卿に予言は知られていないと考えている。」
ヴォルデモートは満足気な顔をしている。
「素晴らしい。お前は常に俺様を喜ばせてくれる。勿論お前の予言も手に入れたのだな?」
俺は無言でローブから予言を取り出し、机に置いた。
<死を超越し、王の資質を持つハウル・グレンストは新たな世界をつくる架け橋となる。だが志半ばで愛する者の手で死ぬ事となるだろう。>
あのタイミングでダンブルドアやガリムが現れたのも二人の予定通りでした。