ハリー・ポッターと導く者 作:匿名希望 2
「催眠豆は13粒ではなく13.7粒。催眠豆の汁は切り刻むのではなく、穴を開けて出し、その後潰して汁を絞り出す。」
俺は教科書を開かずにゼアノス爺様から教わった作り方で課題に取り組んでいた。
「あら?貴方はもしかして本気を出している?」
ダフネが教科書を見ながら慣れない手つきで催眠豆を切り刻んで汁を出していた。
「あぁ、褒美のフェリックス・フェリシスはなかなかの物だ。課題の薬は作った経験があるから失敗する事は無い。だが万全を尽くさないとな...。」
俺は催眠豆を潰してながら答えた。この後は催眠豆の汁を大鍋に入れる。回しながら加熱するのではなく、上下に揺らすだけでいい。色がラフィット色に変わる前に加熱をやめる。後は放置すれば完成。
***
15分後
「それでは皆の出来をチェックするとしよう。」
スラグホーンは皆の大鍋に顔を覗かせながら見て回った。クラッブやゴイルの鍋は一目見て移動したが一人一人の鍋をじっくり見ていた。ダフネとレイナの鍋を見て頷いていたが、合格点には至らないようだった。
「すっ、素晴らしい!試すまでもない。合格だ!やはり君はマリア同様優秀だ!」
スラグホーンは俺の大鍋を見て興奮している。もうフェリックス・フェリシスは俺の物だ...
スラグホーンはハーマイオニーの鍋を見るとダフネ達と同様頷いていたが、何も言わなかった。
「おぉ!君も素晴らしいよハリー!君も母親の才能を受け継いでいる。...だがフェリックス・フェリシスは一瓶しかない。まさか二人も成功者が出るとは思ってなくてな...。」
ハリーが成功しただと?あいつは魔法薬学の出来は悪かったはずだ。そんなことはどうでもいい。フェリックス・フェリシスが一瓶しかないのは困るな...
「ならばこうしよう!私が今回の課題の<生ける屍の水薬>は睡眠豆以外にも別の作り方がある。それは何かな?正しい解答をした方に与えよう。それではハウル、ハリー。分かるかな?」
スラグホーンは微笑みながら質問を出す。どちらが優秀か調べたいのだろう...
「えぇ。」
簡単だな。一年生の頃にスネイプ教諭が問題として出したからな。返事をしなかったハリーは思い出そうとしているが分からないようだ。
「それではハウルに解答権を与えよう!何かね?」
スラグホーンは俺を期待の眼差しで見ている。一年生の時に先に当てられたのはハリーなのにな...
「アスフォデルの球根を粉末状にしたものに煎じたニガヨモギを加えると完成します。」
スラグホーンはニンマリ笑うと拍手をした。
「正解だ!ハリーには気の毒だが、フェリックス・フェリシスは君のものだ。上手に使いなさい。」
微笑んでいるスラグホーンは金色の液体が入った小瓶を俺に渡すと皆から拍手が湧いた。
俺はもう完全に気に入られたな...
***
スリザリン談話室
「ドラコ。お前の任務の出来はどうだ?」
ドラコはヴォルデモートからダンブルドアを始末する任務を受けている。父親のルシウスが予言を奪うことに失敗し、アズカバンに送りこまれたことの当て付けに俺ではなく、ドラコが任された。勿論ヴォルデモートも俺も期待していない。だが子供に弱いダンブルドアなら何かの間違いで始末できるかもしれないと考えている。
「あぁ作戦はある。それにしても父上からヴォルデモート<あの方>に若くて優秀な右腕がいるとは聞いていたが、まさか君だとは思わなかった。」
ドラコと俺が死喰い人として会ったのは夏休みだった。俺はドラコに死喰い人だと教えなかったからドラコは異常なほど驚いていた。
「そうか...。俺でなくお前が任務を任せられた理由は分かるな?俺はお前に手助けができない。」
俺はスパイであることをギリギリまで隠すために目立った動きはしないように言われている。
「勿論だ!僕一人の力で父上の名誉を取り戻さなくては意味が無いんだ!」
ドラコは真剣な顔をしている。まだフェリックス・フェリシスは渡さない方がいいな。手段が無くなって慌てている時に渡した方が効果的だ...