ハリー・ポッターと導く者   作:匿名希望 2

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真実薬

 

 

 

<英雄達の最期>

 

 

昨日、イギリス最高の魔法使いにしてホグワーツ校長アルバス・ダンブルドア、そしてイギリス最強の闇祓いガリム・グレンストが死喰い人達に殺害された。ダンブルドア氏を殺害したのはホグワーツの闇の魔術に対する防衛術講師のセブルス・スネイプ。そしてグレンスト氏を殺害したのはハウル・グリンデルバルド。ハウル・グリンデルバルドは<例のあの人>に次ぐ闇の魔法使いであるゲラート・グリンデルバルドの子孫である。皮肉な事にグレンスト氏はグリンデルバルドを実の息子のように育てていたのだ。グレンスト氏は闇祓いとして仕事中に偶然生後まもない孤児の兄弟と出会ったのだ。グレンスト氏は2人の親を探しているとあのグリンデルバルドの血縁である事を知った。不憫に思ったグレンスト氏は2人を引き取るとこにした。だが蛙の子は蛙というようにグリンデルバルドの子はグリンデルバルドだった。グレンスト氏の好意と愛を嘲笑うかのように恩を仇で返したのだ。魔法省はグリンデルバルド兄弟、特に兄のハウル・グリンデルバルドを重要危険人物として警戒するとの事。

 

 

 

***

 

 

 

<ルシウス家屋敷>

 

 

 

「随分と捏造されたな。それはどうでもいいがお前がガリムを始末するとは思わなかった。これでお前を疑う者はいなくなるだろう。」

 

ヴォルデモートは日刊預言新聞をテーブルに投げ落とし、死喰い人達を見回す。

 

「...父上は殺したくは無かったが、俺の邪魔をするのなら容赦はしない。そう決めていたからな。」

 

ヴォルデモートは笑みを浮かべ嬉しそうな顔をする。

 

「これでこそ俺様の右腕だ。俺様は今まで出会った魔法使いでも指折りに優秀だ。」

 

ヴォルデモートが満足そうにハウルを褒め称えている時にベラトリックスが口を挟もうか挟まないか悩んでいる。

 

「...何か言いたい事でもあるのか?ベラトリックス。」

 

俺の言葉にヴォルデモートだけでなく、死喰い人達もベラトリックスを見る。

 

「...我が君、大変恐れ多い事ですが、ハウルにこれを飲ませるのはいかがでしょう?」

 

ベラトリックスはローブから小瓶を取り出し、テーブルに置く。

 

「...真実薬か?俺がスパイだと考えているのか?」

 

スパイ容疑ぐらいかけられるのは当然といえば当然だな。真実薬は厄介だな。

 

「...飲め。俺様の右腕である事を証明するのだ。」

 

ヴォルデモートは俺を試すように見ている。ベラトリックスと組んでいたのか?何やらベラトリックスもニヤニヤしている。

 

「構わないな。ただしプライベートの話は抜きだ。」

 

俺は引き寄せ呪文を使い、瓶を引き寄せてコルクを抜き、俺は真実薬を飲んだ。その様子を見たベラトリックスは高笑いをしたが、すぐに抑えた。

 

「...ハウル。貴様は俺様に忠誠を誓っているか?」

 

死喰い人達は息を飲んでハウルの答えを待つ。

 

「忠誠心など微塵も無いな。」

 

ハウルの言葉に死喰い人達は目を見開き、主を見る。ベラトリックスはニヤニヤしている。ヴォルデモートは笑みが消え、こめかみに筋を入れるがすぐに冷静になる。

 

「...ならばお前は誰に尽くしているのだ?また何のために俺様の元にいる?」

 

俺が真実薬を素直に飲んだ理由が見当たらない事を考えたため、質問を続ける。

 

「俺は誰にも尽くしていない。強いて言えば俺自身に尽くしている。ここにいるのは俺の理想が騎士団側ではなく、死喰い人<こっち>側に近かったからだ。死喰い<こっち>側は俺の理想とは少しずれているが方向は似ている。」

 

ヴォルデモートはハウルの本心を聞き、少し安堵している。優秀な部下を殺したくは無かったのだ。

 

「ならば俺様とお前の理想の違いはなんだ?」

 

少し興味ありげに尋ねる。

 

「マグルの扱いだな。」

 

俺の言葉にヴォルデモートだけでなく死喰い人達が一斉に俺に敵意を剥き出しにする。

 

「つまり..,お前は優れた魔法使いは穢らわしいマグルと交わるべきだと考えているのか?」

 

ヴォルデモートがこめかみをピクピクさせ、ハウルを睨みつけながら尋ねる。

 

「そうは考えていない。魔力の持ったマグルは魔法界に率いれるべきだが、ただのマグルとは交わるべきでないと考えている。」

 

ほんの少しは死喰い人達の空気はマシになったが、まだまだ敵意と捉えるには十分な程の殺気を当てられる。

 

「...お前の意見を詳しく説明しろ。」

 

ヴォルデモートはハウルの意見を詳しく話すように命じた。

 

「俺は純血主義ではない。だがスリザリンの時代に生まれていれば間違いなく純血主義になっていただろう。当時と今では状況が違う...。おそらくスリザリンはマグルを嫌っていたのではない、理解していたのだ。我々魔法使いはマグルと違い魔法によって優れた文明を持っていた。魔法使いにとって文明とはそこそこの努力で手に入る物。対してマグルは初めから魔力など持たず、己の体のみで文明を築かなくてはならない。それでは問おう...。恐ろしく長い眼で見た時、どちらの文明が発達する事となる?聞くまでも無い...マグルだ。常に発展しようと模索しているマグルは成長を終えた我々の手に負えなくなる時代がいつか到来するだろう。その事をスリザリンは見抜いていた...。成長の見込みのあるマグルに優秀な我々の力を与えるべきではない。マグルは発展させるべきではない。そう考えたと俺は予想している。」

 

俺の意見に皆が真剣に耳を澄ましている。ヴォルデモートでさえもいつもよりほんの少し目が見開いている。

 

「...お前の考えは理解した。お前の聡明さと優秀さに免じて俺様は少しだけマグルに寛容な態度をとることとしよう。」

 

ヴォルデモートの納得したような表情をしている。また死喰い人達はハウルがスパイであるという疑いなど誰も持たなくなった。

 

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